私は「炊事、洗濯、掃除、お洒落、育児、近所づきあい」が出来ることを、基本的生活力と言っている。(『日本家政学会誌』1998年1月号)阪神・淡路大震災後、仮設住宅等で孤独死した人は、最終的に何人になったのか、知らないが、1998年初頭には200人ほどであった。そして60歳、70歳、50歳の中高年男性が多い。何故か、考えてみると、社会的サポートの面を除くと、それらの人々は「炊事、洗濯、掃除、お洒落、近所づきあい」が十分出来なかったからではないか。インスタント食品ばかり食べ、部屋や下着を不衛生にし、家に閉じ篭って酒びたりになっていれば、栄養が偏り体を壊して、やがて死に至っても不思議ではない。
中高年男性ばかりでなく子供にも基本的生活力をつける必要がある。それらを「家事」ではないか、と馬鹿にしてはいけない。宮大工の斑鳩の小川さんは、弟子入りした子供たちに3年間ほど徹底的に「炊事、洗濯、掃除」をやらせるようだ。何故なら、それらが毎日きちんと出来なければ、大工仕事の複雑な段取りも十分出来ないと考えておられるからだ。誠に尤もなことだ。老若男女とも基本的生活力をつけてこそ、本当の老若男女共同参加社会に近づくだろう。
中高年男性ばかりでなく子供にも基本的生活力をつける必要がある。それらを「家事」ではないか、と馬鹿にしてはいけない。宮大工の斑鳩の小川さんは、弟子入りした子供たちに3年間ほど徹底的に「炊事、洗濯、掃除」をやらせるようだ。何故なら、それらが毎日きちんと出来なければ、大工仕事の複雑な段取りも十分出来ないと考えておられるからだ。誠に尤もなことだ。老若男女とも基本的生活力をつけてこそ、本当の老若男女共同参加社会に近づくだろう。