西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

貝原益軒の『養生訓』(松田道雄訳)を読む

2010-11-07 | 食物栄養・健康・医療・農業・教育
江戸初期の儒学者(朱子学だが晩年に批判)の貝原益軒の『養生訓』(松田道雄訳、中公文庫)を読みだした。

実は内藤湖南(東洋文化史学者)の本を読んでいて、唐から宋に移って、学問は儒学を時代に合わせて洗練させた、朱子による「理」と「気」に関する朱子学になってきたが、健康に関する考え方では、薬中心から自己免疫力中心に変わったと書かれているのを読んで、それは、現代にも通じることだが、昔の日本では、どうだったのだろう、と思ったからである。

予想通り、薬や鍼灸に頼らず、自然養生を推奨している。文章の端々に宋時代の朱子学が引用されたりしている。『論語』だけでなく『老子』も引用されている。貝原益軒自身、当時として超長命の84歳まで生きたので「論より証拠」で説得力がある。

まあ、こういう江戸時代の「ベストセラー」は、明治になって忘れられ、がらりと西洋医学にシフトしたため、また「薬中心」の攻撃型治療法となって現在に至っているが、それから100数十年経って、また自然治癒力中心に転換しつつあるのではないか、それを推進すべきではないか、と思うのである。

じっくり熟読玩味していきたい。

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