西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

門脇禎二先生の思い出

2007-06-12 | 奈良・精華町の思い出(教授時代)関連続き
古代史の大家・門脇禎二先生が肝内胆管がんのため亡くなられたと聞いた。享年81歳。門脇先生は、私が奈良女子大に32歳で勤めだした頃、奈良女子大の学生部長をされていた。40歳代後半だったが「大人(たいじん)」の風格だった。私が赴任する少し前『奈良女子大学60年史』の編纂責任者を勤められ、「女子大の意義」として「共学では女子は男子の蔭に隠れざるをえないが、女子大では女子は全てのことで企画、実行、後片付けをやらねばならず実行力が涵養され自立して良い面がある」と理論付けられた。この線で奈良女子大学は今まできていると言ってよい。その後、黙っていると奈良女子大の学長に押し上げられる「危険性」を察知して、京都府立大学に転じられたが、そこで学長の押し上げられた。以後、京都橘女子大(現・京都橘大学)の学長もされた。私が奈良女子大の学生部長、副学長、生活環境学部長の時、奈良女子大学の運営諮問会議の議長をしていただいた。勿論、古代史では数々のユニークな業績をお持ちである。「大化の改新否定論」もその一つ。地方史、出雲や吉備の歴史にも詳しかった。女子大にいるということで女性史も鋭意やられていた。現在、私の住む「けいはんな市」地域の歴史編纂にも携っていただいた。先生監修の『けいはんな風土記』は地域での「歴史バイブル」である。
お酒は好きで、良く飲まれていたと思う。お嬢さんが慶応の学生の頃、「娘と家内等の女性に囲まれて飲むのは気分が良い」と聞いたこともある。しかし、去年は「脳梗塞で入院」と聞いたことがあるし、まあ、やはりそのお酒が「たたった」面があるかもしれないが、男性の平均余命の79歳を越えて生きられた。先生、ご苦労さん、そして色々有難うございました。安らかにお休み下さい。

通夜:15日(金)午後19時より
葬儀:16日(土)午後13時より いづれも京都駅南口 公益社南ブライトホール
喪主:門脇幸子(奥さん)

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