地球散歩♪

いもとなおこのBLOG

モザンビークの楽園編。

ギリシャ回想

2021年01月12日 | greece
結局、愛猫は出てきませんでした。
毎日泣きながら探したけれど。

あれから2ヶ月以上が経ち、4年半のギリシャでの仕事を終え、一昨日帰国しました。

猫がいなくなってからずっと落ち込みが激しくて、任期満了とか引っ越し準備も何となく力が入らず、2回目のロックダウン中という息苦しさも手伝って、なんだか地に足がついていないような状態で大好きなアテネを出てきました。

お気に入りのレストランやカフェで、大好きな友達や同僚とワイワイ集まってお別れができなかったのは本当に悔やまれる。

職場の送別会もズーム会議で、淋しかった。あまり泣かなくて済んだけど。

でもその代わり、お家でまったりお料理を作りながらじっくり話したり、外でホットワインや、コニャックを入れたホットチョコレートをチビチビ飲み歩きながら思い出を振り返ったりするのもまた感慨深いものでした。

振り返ってみると、ギリシャの4年半は、達成感よりも悔いの方が大きい。それは、主に政府の対移民難民政策が不十分だったり、それに対して十分に対応できなかった気がする。ギリシャ人、難しーーーい!!あいつらーーー!ちくしょーーー!
…という思いです。

最初の一年くらいは、排他的気質の強いギリシャ人に対して、新しく入ってきた我が機関への信頼をゼロから作りあげなくてはいけなくて、それまでに歯痒い思いを沢山しました。

でもそこからコツコツ積み重ねていったことが、教育省の人たちの信頼を得て、どんどん物事がうまくいくようになっていったのは痛快でした。

そんな矢先、政権が代わり、また振り出しに戻ったというか、状況はどんどん後退していきました。それでも省庁には協力者はいて何とか案件は進んでいけたけれど、内部のいざこざもあったりして。

そしてコロナ。オンラインやリモート授業で食いしばって食い止めても、所詮付け焼刃のような気がして…。

そんな歯痒い気持ちのままギリシャを去るのは、正直とても悔しい。この悔しさはバネにして次の機会には倍返ししたい思いでいっぱいです。

でも、達成出来た事も沢山あるのだから、胸を張るべきなのだ。

何よりも、初めて教育部門のチーフになってみて、以前まではチーフにはなりたくない、ずっとテクニカルなポジションでいたいと思っていたのが、自分は意外にチーフに向いていると思ったし、チーム作りは難しかったけれどやりがいはありました。色んな知恵を出し、方針を決め、テクニカルな事にも相変わらず首を突っ込み続けました。私のスタイルを確立できた気がする。その過程で沢山のテクニカル知識を得られたし、視野が広くなり、組織を代表して大きな事を動かす責任感もコミュニケーション力も増しました。昔は興味がなかったそんなことが、向いていると思えるようになったことが成長かな。

あまりに自分に厳しすぎるのもどうかと思うので、これからしばるくは出来たことをもっと振り返りたいと思います。

嬉しいことに、一生の友達にも会えました。少しじゃなくて、両指くらい。しかしお別れにあまり感情的にはならないのは歳のせいか。アテネにはまたできれば毎夏戻るつもりなので(2年前に買ったアパートも貸してあるし)、これからもまた会えると思います。その時にはコロナが収束してタベルナに行って、地元のお酒を飲みながらカラマリ(烏賊)をつつくのだ。

猫はいなくなってしまったけれど、素敵な思い出がたくさん。人間として成長できたと思うので、その誇りを大事にしていこう。あまり自分を責めないように…。

不定期のギリシャ録にお付き合いいただきありがとうございました。

さて、これから18年ぶりにじっくり住む日本編に入ります!

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