なのにオイラは京都へゆくの?

大阪の中年男が、京都の山に登った際の赤裸々(?)な公式日記帳やねん。
のはずが……京都・自己満足ブログとなりにけれ。

『京都人だけが知っている』入江敦彦

2018-01-20 05:12:31 | 
京都人だけが知っている (宝島SUGOI文庫 D い 1-1)
入江 敦彦
宝島社

 【内容紹介】from 裏表紙
京都は不思議な街だ。京都には秘密がある、星の如く数えきれない秘密が。よそさんが参加できないお花見。本物の京つけものは名店では買えない。京都人は実はパリびいきである……。京都は千二百年の歴史と都人に育まれた高嶺の花、などではない! ここに生まれ育った生粋の京都人である著者が、したたかでいけずであだっぽい本当の京都を、京都人として初めて、京都追放を覚悟して案内する。

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 この文庫本をオイラがいつ買ったのか、まったく記憶にございません。オイラの本は2009年11月の初版本やったんだすが、まさか約9年の間、熟成、積読していたわけではなかろうかと。とにかく、入院中の暇潰し用に持参してきた1冊でおます。

 多分、二、三年前に買ったような気がするし、それでいて初版本を手に入れてるということは、(初版発行部数がどんだけあったのか知りまへんが)あんまり売れてない本なんかなあ……。

 しかししかし、ところがだす。冒頭の【よそさん】と題された章を読んだだけでオイラの心はノックダウン(マジで)。高等学校の国語の教科書に記載されてもまったく遜色がない、理路整然とした名文やないですか! (マジで)

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 西陣で生まれ育ちはったホンマモン「京都人」の入江センセが、今まで京都人がよそさんに語ってこなかった、否、語ってもわかってくれますやろか? わかってもらえまへんやろな。それでよろしおす、とアルカイックな微笑みでよそさんに「(あんさんらにわかりますかいな)どうでも宜し」としてきた京都の法則(不文律)を、よそ者のオイラたちにわかりやすく、丁寧に書いてくれはったキング・オブ・京都本だすわ。(マジで)

 「京都」は好きやけど「京都人」はキライと、よそさんに面と向かって何度も言われたことがあると、別の著書で憤慨していた入江センセだすが、この本の内容はまさに諸刃の剣。よそさんが迎合するか反撥するか? 身内の「京都人」が秘密にしていたルールを明かされて、よろしおすとするか、あきまへんでとするか? そんな薄氷の上に立つ、微妙なバランスで成立してるような内容だした、ようわからんけど。

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 オイラの母方の先祖の墓地が、西陣の近く、上品蓮台寺にあるということは、御先祖さんは西陣織に関係していたホンマモンの「京都人」やったんかなあ? とか、昼間から上七軒でお茶屋遊びしはるような(現在の価値観からすると問題ありそうな)旦那はんやったんやろか? とか、オイラの妄想の羽は天空に広がるばかりだす。

 それゆえオイラのDNAには、かなり希薄となってますが「京都人」のスピリットが残っているような気がするんだす。

 本書あとがきからの引用だす。【パブリックとプライベートをみごとに切り離し、外では気を抜かず、内ではそのぶん好き勝手。骨董を好み、書物を好み、アカデミズムを尊ぶ。趣味に生き、街の雑学に詳しく、教えたがり。革新と保守が拮抗し、しかし政治に期待せず、批判的な視線をつねに忘れない。優しいくせにドライで、合理的なのに湿潤】と、見事なまでに「京都人」のスピリットを明確に書いてはる。

 多かれ少なかれ、オイラの性格も上記のような塩梅だす。けど、イケズ要素がオイラには少ないような気がしまっせ(マジで)。ずっと京都在住やったらイケズ要素が鍛えられていたのかもしれまへんが、オイラは大阪生まれの大阪育ちゆえ、イケズ心が発達せえへんかったんかなあ? いや待て、同じ大阪人でも腹立つイケズなお人とは一杯出会ってきたし、もうその人の出自や心根の問題なのか? 若いころは「お前ら人間じゃねえ、叩き斬ってやる」とちょこっとイキマイタりしたけれど、今じゃ表面上は多情仏心。(どうでも)よろしおすな精神で生きとりまっせ。

 本懐は「リスクを背負った個人主義」。「もう鬱陶しいからほっといてんか❗」とあらゆる事象に思念を送ってまんのやが、哀しいかな、人はみな独りでは生きていけないものだから🎵なのであるねえ。

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 大阪の某病院の病室からスマホより初めて投稿す。

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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます❗ (のぐ)
2018-01-20 10:46:46
闘病だけが目的になっても当然の大変な状況の中で、この内容と量とおもしろさ、しかも初スマホでの更新、本当にありがとうございますとしか思えません。
自分の知らない悲しみ苦しみを知っている人を、私はまず尊敬してしまうのです。
オイラさんはもともと尊敬していたのに、最近さらに・・・。
鷲田清一の京都の平熱という本が今私のスマホに入っていて、なかなか進みません。
オイラさんの今日の本を、先に読むべきか思案中。教えて下さってありがとうございます。
ついでに告白、ボブ・ディランの松下体育館、私もあの時行ったんです!
Re:ありがとうございます❗ (オイラ)
2018-01-20 16:27:49
『京都の平熱』ですか? 知りませんでした。著者の方は京都大学哲学科卒業の人のようですね。京大の哲学なんてオイラには敷居が高過ぎのような気が……(T-T)

ところでオイラはディラン御大の初来日ライブには行けてないんですよ。枚方の松下体育館がどこにあるのか去年まで知らへんかったぐらいですから。
噂で聞くのは、「激しい雨」的なライブを予想してたのに、いざ始まると上下白のタキシードのディラン御大のラスベガスショー的な内容だったので、会場内のお客さんは動揺してシーンとしていた、というものです。ライブ盤「武道館」の曲間の拍手は別のアーティストの拍手を使ってるらしいですよね? 実際、松下体育館ではどんな感じやったんでしょうか? 機会があれば教えてもらえれば幸いです🎵
痛みはだいぶマシですか😃 (のぐ)
2018-01-20 18:35:17
うれしいお返事、ありがとうございます。
鷲田清一の本気の本は、私もたぶん読めません。
対談で京都の生まれ育ちと知って、路線バスのとおりに案内してくれる本を、買ってみただけです。まだ途中です。
でも、入江敦彦の本を教えてもらったので、アマゾンで今日注文してしまいました(^^)

ディランの話は大切過ぎて、伝わらない寂しさを避ける為に、けっこう隠してます。
ノーベル賞の時にも友達に祝われて、照れるというか言い訳するというか、親戚を庇うみたいな不審行動をしてしまいました😅
オイラさんは枚方の体育館の時に、もうディランファンだったんですか?まだ中高生でしょ?えらいマセてはったんですね。
私はもう大人でしたから行けました、すみません😁
ハードレインのビデオに痺れてたのに、フリルのブラウスで太って出てきて衝撃でした。
でも大阪講演は、シラケてなかった。
誰かがI Want You!と叫んだら、よっしゃわかった的な返事をして、急遽歌ってくれたぐらい。
私にとっては歌手の中の一人ではない、神の降臨ですから、もともと批評は全く出来てませんが。
好き嫌いのレベルじゃなく運命、裏切られても裏切られても追いかける、世間に誤解されると身内のようにハラハラする・・・だいぶ病気です。
恥ずかし~~~😭
は~喋ってスッとしました、失礼しました😅
Re:痛みはだいぶマシですか😃 (オイラ)
2018-01-21 06:02:54
腹部に刺さってた三本のチューブは、昨日で全て抜いてくれはりました。でも刺さっていた三ヶ所は腹に力が入るとイタイタイタとなりますし、切開した傷口も咳。くしゃみ、しゃっくりなどの振動があるとまだまだ痛いです。

ディラン初来日の1978年は、オイラは中学2年でして、まだ全くディランに興味がなく、来日することすら知らなかったです。
リアルタイムで追いかけ始めたのは「インフィディル」の時からなんで新参者ですわ。

大阪公演の雰囲気が伝わってきました。さすがに生を体感した人の話は説得力があります。ありがとうございました。東京ファンはお高くとまっていたけど、大阪ファンは熱かったんですね。もしかしたらディラン自身も武道館やなしに、ずっと松下体育館でライブを続けたかったかもしれませんね🎵
くしゃみが怖い、分かる気がします。 (のぐ)
2018-01-21 10:06:37
お笑いYouTubeも、しばらく厳禁ですか?

インフィデルからリアルタイムでのファンですか、それ凄いです。私はついて行けてません。
私のリアルタイム歴は、「欲望」からあとの短期間と思います。
そこから遡って10年間ぐらいが大好きになりました。
学生時代に流行った時は、反発して聴かなかったのに。
知った時には既に幻影という・・・知らんがな!と思うでしょ?こうなるからディラン話はタブーなんです、すみません😣💦⤵️
数年前にZeppに来た時は、大阪がガラガラだと
ディランに悪いから、と気を遣って行ったんですよ、どうかしてる(^^)
今日もお大事に。
Re:くしゃみが怖い、分かる気がします。 (オイラ)
2018-01-21 11:27:10
ちょうどゴスペル3部作期に、中古レコード屋で「フリーホイーリン」から「血の轍」までの代表曲を時系列順に並べた日本編集ベスト盤を買いました。
それぞれの時期でサウンド、声が違うので当初戸惑いました。今は普通に聴けますが「レイ・レディ・レイ」の声はかなり違和感を感じましたね。

その次に買ったアルバムは、レコード屋で新品の「欲望」です。当時の日本で一番売れたディランのアルバムということが購入理由です。これまたエキゾチックなサウンドと、「ハリケーン」「ジョーイ」とかの5分以上ある歌に圧倒されました。

その次は60年代の名盤として誉れ高い「ブロンド・オン・ブロンド」やったと思います。

当時はバイト代をディラン旧譜収集に費やしてました。

「ハードレイン」の映像を初めて見たのはYouTubeです。今は簡単に動くディランが見れますが、あの頃はMTV で「スイートハート」「ジョーカーマン」を見るしかなかったです。まだビデオデッキ持ってなかったし、まさに真剣。
ライブエイドの時は、いつ出るか知らなかったので徹夜でテレビを見てました。生中継のディランを見て大感動! 最悪のパフォーマンスと評価されてますが、オイラにとってはお宝シーンでした。
またまたありがとうございます❗ (のぐ)
2018-01-21 20:46:54
ディランに関わってしまったら、ただの音楽じゃなくて、聴いた自分史そのものと区別出来なくなります。
オイラさんもそうだなと感じました。熱をもって書いて下さって、闘病の邪魔をしてしまって申し訳ありません(^^)
他の音楽は体の外で鳴るので自分は安全ですが、ディランは気付いた時にはもう勝手に住み着いてる・・・被害者の会みたい😑

全然いい声じゃないのに、自分に向かって歌ってくれてると思った。
吐き捨てるような発音が、平凡な単語を特別なものに変えた。
今でも、昔のディランの声が偶然お店で聴こえたりしたら、そこで何か買います。アホです。
まさかディランがあんなに長く生きて歌い続けるとは思っていませんでした。
私たちも粘りましょう!!!
Re:またまたありがとうございます❗ (オイラ)
2018-01-21 21:31:34
闘病の邪魔やなんて滅相もございませんよ🎵

身近にディランファンがいないので楽しませて頂いております。昔は友人に一人、ディラン&拓郎ファンがいたのですが、成人してからは疎遠になりまして、今では年賀状だけのお付き合いですが、彼もまだディランを聴いているようです。

自分史ですか? 考えたことなかったですが、あのアルバムが出た時は自分はこんなことしてたなあっていうのはあります、あります。

ディランの音楽は万人受けしないと思うのですが、それに一度でもハマっちゃうと麻薬?のようにズルズル行っちゃいますねえ。

オイラはディランと吉田拓郎が死ぬのを見送りたい願望があるので、まだまだ生き続けたい所存なのであります
ディラン話が止みません。 (のぐ)
2018-01-22 00:35:05
吉田拓郎、私も他人と思えません。
表現の切実さが、はっきりとディラン・チルドレンです。

私はディランが自作曲以外を歌うのも、大好きです。急にカッコいい歌に生まれ変わる。
デュエットで、好き勝手に音もテンポも外して相手に迷惑をかけるのも、本当に好きです。
オイラさんがトム・ペティ追悼を書かれた時に、まだカミングアウトする勇気がなくてすみませんでした。

私は大切な人を相次いで亡くした20代の時、部屋を真っ暗にしてヘッドフォン大音量で、ローリングサンダーレビューのIdiot Windを繰り返し聴き、理不尽さを跳ね返しました。
ディランは私の命の恩人レベルの人です。

ディランは肺にカビが生える病気になったことが、ありましたよね。そして相変わらずのダミ声で、復活しましたよね。
ふてぶてしいディランは、まだまだ歌って迷惑かけまくりそう、ぜったい負けずに見届けましょう!!!
Re:ディラン話が止みません。 (オイラ)
2018-01-22 02:21:17
1997 年。プレスリーに会えそうやった的なコメントしてはりましたね、退院後。それからしばらくして「タイム・アウト・オブ・マインド」リリース。本国アメリカではこのあたりからディラン復活、再評価という流れになっていきましたよね。

日本盤の訳詞者が中川五郎専属のなりはじめ頃で、中川訳詞は分かりやすいけれど、詩の趣というか重さという面において軽くなったかなと個人的に感じています。

ディラン・チルドレンといえば、1970年代に「タイム・オブ・マインド」というタイトルやったかな? そんな名盤をリリースされていた加川良が去年亡くなりはりました。合掌。
ほかにもチルドレンか分かりませんが、遠藤賢司、はしだのりひこも亡くなってはります。合掌。

70歳をクリアしたら長生きできる法則でもあるんでしょうか? それともネバーエンディングツアーの恩恵? 人間はずっと働き続けないと健康を維持できないのかな? やっぱ好きなことをやり続けるのが健康の秘訣かもしれませんねえ🎵

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