なのにオイラは京都へゆくの?

大阪の中年男が、京都の山に登った際の赤裸々(?)な公式日記帳やねん。
のはずが……京都・自己満足ブログとなりにけれ。

ディラン御大のジャパン・ライヴハウス・ツアー2014の最終日

2014-04-24 09:38:56 | ディラン御大

 アメリカの大統領とディラン御大が、アジアの片隅のこんな小さな島国にいてはるなんて、なんか不思議な感じがする今日この頃。

 4月23日(水)

 ▼ 18:30 やって来ましたZeppなんば大阪! 今宵がディラン御大のジャパン・ツアー最終日なのだ。

 ▼ 最終日とあって人が多そうやぞ。オイラは指定席ではないスタンディングなんで早く行かねば。

 4年前は18:30に会場へ行ったらホールの中央を陣取れたのだが、今日は満員。中央には行けそうにもないので、ドアを入ってすぐのホールの左側を陣取る。

 19:00 ライヴ・スタート。(時間をきっちり守るのは日本的でよろしいぞ、御大

 ディラン御大のライヴは日々セットリストを変えてくるのが常套だったのだが、今回のツアーはほぼ固定。オイラが苦手とする2000年代の作品群が目白押しなのだ。

 1曲目は「Things Have Changed」とわかっているのだが、オリジナルとは違うアレンジで歌うのはいつものスタイルなので、やはり最初は「???」になってしまう……。

 バンド編成は4年前と同じはずなのだが、音像が若干ショボク感じるのはオイラのホールでの位置取りのせいなのか……? サウンドが'40・'50年代風味なので、あたかも映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のアメリカン・ハイスクール的学園祭の雰囲気も濃厚であるが……。

 2曲目の「She Belongs To Me」で、いきなり御大の飛び道具であるハーモニカがフィーチャリングされると、そんな音がどうたらこうたらとかいうことが一切雲散霧消してしまうのだ。恐るべし、ディラン御大のミュージック・マジック! オイラの目の前にいた白髪のオッチャンなんか、一見おとなしそうなフツーの人やのに「ひゃっほぉ~!」と叫びまくってたよ。

 買った当初は聴き込んでいたのだが、最近めっきり聴いていなかった最新オリジナルアルバム『テンペスト』(2012年リリース)全9曲中から6曲も演奏しはったぞい。御大のお気に入りアルバムなんやろうか? スタジオ録音盤で聴くよりも、やはりライヴの方が断然かっこよくすごい! ただし個人的に「Duquesne Whistle」のアレンジはスタジオ録音盤の方がよかったなあ。

 そりゃ、会場が盛り上がること必至の「Like A Rolling Stone」を聴きたかったわけやけど、今回はそれに匹敵するぐらいに盛り上がったのではないかと思われる「Tangled Up In Blue」を聴かせてもろうて、オイラは満足ですわ。あの盛り上がり具合を考えると、アンコールの「All Along The Watchtower」と曲順を入れ替えてもよかったのではなかろうか、ともさえ考えてしまった。

 4年前のライヴと比べると、ディラン御大の悪声はゲロゲロ声ながらも聴きやすくなっていたなあ。ボイトレしはったん?

Osaka, Japan
Zepp Namba
April 23, 2014


Act 1
1. Things Have Changed (Bob center stage)
2. She Belongs To Me (Bob center stage with harp)
3. Beyond Here Lies Nothin' (Bob on piano, Donnie on electric mandolin)
4. What Good Am I? (Bob center stage, Stu on acoustic guitar)
5. Huck's Tune (Bob center stage, Stu on acoustic guitar)
6. Duquesne Whistle (Bob on piano, Tony on standup bass)
7. Pay In Blood (Bob center stage)
8. Tangled Up In Blue (Bob center stage with harp then on piano on 4th verse, Stu on acoustic guitar)
9. Love Sick (Bob center stage with harp)

(Intermission)

Act 2
10. High Water (For Charley Patton) (Bob center stage, Donnie on banjo)
11. Simple Twist Of Fate (Bob center stage with harp)
12. Early Roman Kings (Bob on piano, Tony on standup bass)
13. Forgetful Heart (Bob center stage with harp, Donnie on viola, Tony on standup bass)
14. Spirit On The Water ((Bob on piano)
15. Scarlet Town (Bob center stage, Donnie on banjo, Tony on standup bass)
16. Soon After Midnight (Bob on piano)
17. Long And Wasted Years (Bob center stage)

(encore)
18. All Along The Watchtower (Bob on piano)
19. Blowin' In The Wind (Bob on piano with harp then center stage)

Band Members
Bob Dylan - piano, harp
Tony Garnier - bass
George Recile - drums
Stu Kimball - rhythm guitar
Charlie Sexton - lead guitar
Donnie Herron - banjo, viola, violin, electric mandolin, pedal steel, lap steel

 御大の体力への配慮なのか、今回のライヴは前半、後半の2部構成で、途中約20分の休憩があったのだが、休憩に入る間際、ディラン御大が日本語で「トモダチ、アリガト」と我々に言うてくれはったのにはビックリしたな、もう。

 ▼ 21:00過ぎ、ライヴ終演直後の様子。通路が狭くて、なかなかロビーまでたどり着けないのが難点。

 ▼ 今回もパンフレット(2000円)と帽子(3500円)を購入。

 ▼ これでオイラも「自由な石工」の一員でっせ~。

 ▼ 生きるレジェンド、あの「ボブ・ディラン」と約25メートルの至近距離で出会えた喜び。

 ▼ 4年に1度の五輪の如く来日して、次回もまたZeppで演ってと願いながら、オイラは難波の風に吹かれて闇の中へと消え失せるのであった。

 やっぱりライヴは生がいい!

 ▼ (4年前もそうやったけど)バックのギタリストがチャーリー・セクストンやったんでっせ。ステージ中央に出てくるわけでもなく、今回は堅実なバック・ギタリストに徹してはりました。


『京の音 -音で体感、京の風景-』

2014-04-20 12:58:44 | 
京の音―音で体感、京の風景
小松 正史,杉本 幸輔
淡交社

 【内容紹介】 from Amazon
 山・川・木など自然を育む音…祭・催事・民俗芸能・観光ガイド・商い・日々の生活の音…京都ならではの音風景が、あなたを驚きの世界へと誘い込みます。「ゴトーンゴトーン」「ギュイギュイ、ピーピー」「ぱちぱち、じゃらじゃら」…何の音だかわかりますか? 盛り沢山の音風景が本書からきこえてきます。本書と付録CDで音体感です。

 「京都」をタンノするには五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を研ぎ澄まさなければなりまへん。
 この本は、その「聴覚」に特化した偏愛京都者向け(?)観光ガイドブックでありますなあ。

 「京都」を感じるのに「音」はすごく大事な要素です。

 その昔、大阪の歩行者用信号機が「とおりゃんせ」を流していたころ、四条河原町交差点の信号機が「ピヨ、ピヨ」だったか「カッコー、カッコー」だったか忘れてしまいましたが、大阪とは違う信号機の音色を聞いて「京都へ来たぞい」ということを実感しておりました。

 付録CDには約46分もの「京都の音」が収録されております。

 祇園祭の「コンチキチン」や舞妓はんの「こっぽり」の音も収録されておりますが、それはあくまでもオードブル程度の扱いでしかありまへん。
 鴨川の上流と下流の音、宇治上神社の屋根を伝う雨水の音、御池通を走る車の音(2005年、2000年、1996年)、かぶらを千枚漬け用にスライスしている音、京町家の階段を上がり下がりする足音、などなどマニアックな音のオンパレード!

 個人的には豆腐屋さんのラッパと、銭湯で客のオッチャンが「あ~、ええわぁ~」と心底つぶやきながら湯船につかってはる音がベスト・トラックでした。和めまっせ。

 ▼ この人も音の旅人。


山よりも 今日のメインは 京都御所 《後編》

2014-04-16 12:21:15 | 雑記

 ▼ 人、多そうやなあ。

 ▼ 普段は閉まっている建礼門が開いている。ただしここから御所内へは入れません。

 ▼ 宣秋門が入り口なのだが、その前に簡単な手荷物検査があった。刃物・危険物の持ち込みは厳禁!

 ▼ 10:17 生涯初の京都御所探訪がスタート。

 ▼ 宣秋門をくぐると、まずはこんな場所。「順路」に沿って歩いていきます。

 ▼ 「御車寄(おくるまよせ)」。昇殿を許された者が参内する時の玄関なそうな。

 ▼ 「諸大夫の間(しょだいぶのま)」。参内した者の控えの間なそうな。三つのお部屋があって、身分の上下で通されるお部屋が違うらしい。

 ▼ 「新御車寄」。大正以降の天皇皇后両陛下の玄関なそうな。

 ▼ 白テントは休憩所とお土産コーナー。「ここだけでしか売っていない」というふれこみの和菓子やらグッズが販売されておったが、予算0円を由とするオイラは華麗にスルー。

 ▼ ここで送り火が見れたら、さぞやゆったり見れるんやろなあ。

 ▼ 承明門。奥に紫宸殿が見えるのだが通り抜けは不可。

 ▼ おっ、「蹴鞠」やったはる! 単純に球を蹴るんやなくて、作法があるらしい。例えば、誰々が蹴った球を誰某が蹴らないと終了できないとか。

 ▼ 生け花コーナー。

 ▼ 「紫宸殿(ししんでん)」。「左近の桜」はもう葉桜なり。

 ▼ 紫宸殿は、即位礼などの重要な儀式を執り行う最も格式の高い正殿だそうな。

 ▼ これが天皇の御座「高御座(たかみくら)」だ。

 ▼ 「右近の橘」。

 ▼ 天皇の日常御生活の場「清涼殿」には、御休息用の御帳台。狛犬のようなものが置かれているねえ。

 ▼ 「陣の座」。「いつもは扉が閉まってるのに今回は開いてるわ」とリピーターのご婦人。

 ▼ 「小御所」(手前)と「御学問所」(奥)。

 ▼ 五箇条御誓文などの儀式に使用されたという「大宗屏風(たいそうのびょうぶ)」。

 ▼ 「御池庭(おいけにわ)」。

 ▼ 天皇日常のお住まいとして使われた「御常御殿(おつねごてん)」には、当時を再現する人形展示。

 ▼ 各所にさりげなく井戸があった。

 ▼ 宮中御内儀の行事が行われた「御三間(おみま)」。

 ▼ 唯一咲いていた八重桜に人気が集中。

 ▼ 11:08 清所門が出口。

 公開最終日の日曜日ということで、老若男女、日本人、外国人と多種多彩な見学者が訪れておりました。割とスイスイ見学できましたが、ところどころで渋滞が発生しておりました。

 わいわいがやがやとした雑沓の中での見学だったので、「御所」が持つ歴史の重厚さとか様式美とかをあまり感じることができなかったのが残念でありまする。

 ▼ 御苑の桜を愛でる。

 ▼ 御所の鬼門「猿ヶ辻」。


 ▼ 染殿井。

 ▼ 御苑の森をしばし探検。

 ▼ 梨木神社の「染井」。京都三名水で現存する唯一の井戸水。マイルドな口当たりでござった。

 ▼ 紫式部の家だった蘆山寺。

 ▼ 鴨川でしばしの休憩。(-。-)y-゜゜゜

 ▼ カモが遊歩道を散歩しているのを初めて見た。

 ▼ 鴨川の水面を流れゆく桜の花びら。春の京都でしか見れない光景どすえ。

 ▼ 本日の歩行距離=12.3km。
(←クリックしよし)


山よりも 今日のメインは 京都御所 《前編》

2014-04-14 12:11:35 | 大文字山&周辺

 某日。
 とある友人と会合。

 虚栄心ばかりが肥大化して、心が狭く、まったく実務ができないオッサンの下で今まで間接的に働いていたことがわかった時、非常にやるせなくなったのであるが、貴君ならどう感じるか? と問われてしまった。
 その輩は自慢話も多いそうである。「そうドスかぁ。えらいご苦労してきはったんドスなあ」と生返事するしかないのだ、とも友人は言っていた。

 どこの世界、業界にも、心根の卑しい下卑た人種はいるのである。「政治の世界を見てみなはれ。どこに民衆の見方がいはります? どいつもこいつも利権目当てに奔走してるだけとちゃいますのんかー」と、フラストレーションを下げるために知りもしない事をいい加減に言い合ったのであった。

 「自分にもっとスキルがあったら、こんな会社辞めて、もっと条件のいい職場で働きたい」と言う友と、固い握手をかわしたオイラであった。

 4月13日(日)
 本日のテーマは、桜の花を愛でながら、京都御所・春季一般公開に参加することなのだ。

 ▼ 7:45 やって来ました地下鉄・蹴上駅。桜を見に来たのだが、時期が過ぎとりましたー!( ;∀;)

 ▼ 疎水沿いに南禅寺まで歩いてみよう。初めて歩く道なので、どこに出るのかワクワクするなあ。

 ▼ ほぉ。水路閣についたぞ。

 ▼ 南禅寺本尊の釈迦如来像。なむなむ。

 ▼ 8:12 哲学の道の南端・若王子橋に到着。

 ▼ まずはネコ・エリアで癒されてみよう。

 ▼ 8:22 若王子神社裏の「桜花苑」に到着。ほとんど散った後。( ;∀;)

 ▼ 8:26 ここまで来て山に入らなければ、オイラの存在意義が危ぶまれる。

 ▼ 椿ヶ峰への分岐。「一三八」と刻まれた境界標石が目印。


 ▼ 山ツツジを愛でる。

 ▼ 8:45 椿ヶ峰に到着。誰かペットボトル忘れてまっせ~。


 ▼ 下山ルートはダム女に行くのではなく、今日は違う道を歩いてみよう。

 ▼ 椿ヶ峰のツバキ。

 ▼ 8:57 ここに通じておったのか。宗諄女王墓の裏側に到着。

 ▼ そして再びネコ・エリアへ。さっきは一杯ネコがいてたのに、ほとんどいなくなっている。



 ▼ 桜を愛でながら哲学の道を後にする。

 ▼ カレーうどんで有名な「日の出うどん」前を通過。

 ▼ 鹿ヶ谷の某お宅の玄関先にいた、まったく動かないお地蔵さんのようなネコ。なむなむ。

 ▼ 9:17 天王町の交差点から見えた横向きの大文字火床。

 丸太町通をひたすら西進。あまり歩いたことがないエリアなんで、何と出くわすかちょっとワクワク。
 ▼ 狛ウサギで有名な岡崎神社にちょこっと寄り道。


 ▼ 親鸞聖人ゆかりの岡崎別院。

 ▼ 東山丸太町の交差点角には聖護院八ツ橋の総本店。

 ▼ 同じく、熊野神社。

 ▼ 9:56 京都御苑・富小路口に到着。

 京都御所の見学は事前に申し込みが必要なもんだと思い込んでいたオイラは、今の今まで、春と秋に事前申し込み不要の一般公開があるなんてまったく知りまへんでした。

 後半に続く……。


Chimes of Freedom: Songs of Bob Dylan

2014-04-10 00:04:10 | ディラン御大
Chimes of Freedom: Songs of Bob Dylan
Various Artists
Amnesty Internationa

 ディラン嫌いの人の多くは、「あの声がダメ」とよく言わはります。
 長年愛聴してきたオイラでさえ、最近の御大のゲロゲロ声は、その日の気分や体調によっては受け付けない時があるので、皆の衆のご意見もごもっともなことやと思います。

 そもそも、ディラン御大を最初に有名にしたのがピーター・ポール&マリーがカバーした「風に吹かれて」やったわけですから、御大の音楽史には「カバー曲」という要素は不可欠なのでありますな。

 閑話休題。

 なんと2012年に、人権擁護団体アムネスティの創立50周年を記念して、ディラン御大のカバー・トリビュート・アルバムが発売されておったのですよ! オイラは最近まで知らんかった。

 さっそく買い求めました。
 全73曲。5時間13分27秒。CD4枚組の大作! ディラン御大、約50年のキャリアの有名どころの曲はほぼカバーされております。(お求めやすい価格なんやけど、インポートなんで日本語訳はありませぬ)

 参加アーティストも超豪華。スティング、パティ・スミス、ジョー・ペリー、エルヴィス・コステロ、ジョニー・キャッシュ、ジョーン・バエズ、ジェフ・ベック、ブライアン・フェリー、カーリー・サイモン、ジャクソン・ブラウン、ピート・シーガー、マーク・ノップラー……という有名アーティストからオイラの知らないアーティストまで多種多様。

 カバー曲のアレンジも多種多様。
 あくまでもスタジオ録音の原曲に近いアレンジを施す人もいれば、大胆に原曲から遠く離れてしまっている人もいて、それぞれが自由に御大の歌を解体・再構築してリスペクトしているのでありまする。ロック、フォーク、カントリー、ブルース、ジャズ、パンク、クラシックetc……あらゆるミュージックがテンコ盛ですぞ。

 ▼ Like A Rolling Stoneはオリジナルのイメージが強固ゆえ、こういうアレンジが落としどころになるんやろね。

 ▼ 御大のオリジナルよりもエエ感じの曲が多数おまっせ。この歌もそう。

 ▼ これがあの「廃墟の街」でっせ~!

 ▼ 今年お亡くなりになった、御大の師匠筋にあたるピート・シーガーも熱唱。生涯現役! RIP.

 そしてこのCDの最後を締めくくるのは、『アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン』からディラン御大自らが歌う「Chimes Of Freedom/自由の鐘」。

最後にもういちど聞き入っていた 最後にもういちど見入っていた
魔法をかけられ すいこまれたように 鐘がおわるまで。
鳴っていた いやされることのない傷の いたむ者たちのため

無数の混乱にさらされ、非難され、虐待され、だまされたり
もっと悪くされた者たちのため
また この全世界のひとりひとりの 挫折した者のために
そしてわれわれはひらめく自由の鐘を見つめていた。

訳/片桐ユズル