「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの一問必答(3):整数の組合せに注目して解く

2014年10月21日 | 学習指導法



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 「一問必答」は、「一問一答」に掛けた造語として、今回のシリーズで用います。中学受験した学校に合格するために、ぜひ正解してほしい問題の中で、特に経験的に修得すべき基礎的知識を含む問題を取り上げ、ポイントを解説します。

 今日取り上げる問題は、整数の性質や計算をしっかりと学習している受験生にとって、比較的簡単に解ける問題です。けれども、こうした分野の学習を漠然と行っている子どもにとっては、厄介な問題でもあります。出題が減少していた「数の性質」に関わる問題が、近年は多く出題されています。しっかりと学習しておきましょう。



【今春の入試問題】 (分数の表記は、実際の入試問題と異なります。)

 このシリーズで取り上げる今春の中学入試問題は、私の解答・解説を見ずに、まずは自力で解いてみることをお勧めします。大人には頭の体操になりますし、また受験生は、算数に対する興味や面白さが、倍増するはずです!


1.共立女子中学校

1/100,2/100,3/100,・・・・・・99/100,100/100の中で、約分できない分数は何個ありますか。

2.早稲田中学校

次の式を計算したとき、小数第7位の数はいくつですか。

3/16÷(5×5×5×5×5×5×5)


3.青陵中学校

2,4,5を1回ずつ使ってできる3けたのすべての整数の積は、一の位から0が□個続いて並びます。



【解答と理解しておくべきポイント】

 上の三つの問題とも、整数の性質および数の規則を理解していれば、比較的簡単に解ける問題です。その規則とは、10を素因数分解すると、2×5と表すことができるということです。

4×15でも良いんじゃないですか。
4×15=(2×2)×(3×5)=2×3×(2×5)=6×10=6
このように、10すなわち後ろに0が付くのは、2×5という因数の積あるからです。

 では、今春の共立の問題から考えてみましょう。分数を約分するということは、分母・分子を同じ数で割ることです。それは、分母と分子に共通の因数があるということでもあります。

 分母の100を素因数分解すると、100=2×2×5×5となり、分子に2および5の因数がある場合、約分できることを表しています。

 1から100までの整数で、2の倍数および5の倍数を除いた個数が、求める個数となります。こうした問題は、集合の問題として取り扱われる問題でもあります。

 よってベン図を描くと分かりやすいのですが、2の倍数の個数と5の倍数の個数を加えてしまうと、2と5の公倍数、すなわち10の倍数は2度数えてしまうことになります。例えば、10は2の倍数として1回数え、5の倍数として再び数えてしまうことになります。

よって求める個数は、
1から100までの整数の数−(2の倍数の数+5の倍数の数−10の倍数の数)となります。

2の倍数の数、100÷2=50
5の倍数の数、100÷5=20
10の倍数の数、100÷10=10

よって求める分数の個数は、100−(50+20−10)=40(個)


次は、早稲田中の問題です。

3/16÷(5×5×5×5×5×5×5)の式のわり算の部分は、書き換えれば分母16にかけることになります。
よって、3/16÷(5×5×5×5×5×5×5)=3/16×5×5×5×5×5×5×5

分母を整理すると、
16×5×5×5×5×5×5×5=2×2×2×2×5×5×5×5×5×5×5
=(2×5)×(2×5)×(2×5)×(2×5)×5×5×5
=10×10×10×10×125 (2×5=10はしっかり理解しておく!

このまま計算しても良いのですが、もう少し工夫して、
3/10×10×10×10×125
=3×8/10×10×10×10×125×8 (分母・分子に8をかける)
=24/10×10×10×10×1000 (125×8=1000は知っている必要あり
=24/10000000
=0.000002

よって求める小数第7位の数値は、筆算することなくとなります。


最後は、青陵の問題です。
2,4,5を1回ずつ使ってできる3けたのすべての整数の積を考えます。順列の問題ですが、すべての場合の数をもとめる必要はありませんが、今回はすべて求めてみましょう。

小学生は、樹形図を使って小さい順に求めます。
245,254,425,452,524,542の6通りとなります。
この三けたの数値をかけて、0が幾つ並ぶか計算するの?
電卓の持ち込みは、無論できません!
最初の一行題に、そんな時間をかけて良いはずはありません。

この6個の数値をすべて素因数分解して、先ほどから指摘している2×5=10が幾つできるかを考えればよいわけです。ところで、素因数分解すると、2という因数はとても多く出てくることは分かるでしょう。

そこで、2はいっぱいあるのだから、5という因数の数で10が何個できるか分かるということに、気づいたでしょうか。

5の因数が入っている数は、245と425です。
245=5×7×7
425=5×5×17

よって、245×254×425×452×524×542を素因数分解すると、その中に5は3つしか存在しません。

よって、求める0は、一の位から3個続いて並んでいることが分かります。



 今日紹介した問題は、いずれも筆算などやっていたら、とんでもない大きな数値になったり、大変な時間を要することになります。入試問題の最初に出てくる一行題に、そんな時間をかける問題を出題するほど嫌みな学校は、そう多くはありません!

 日頃の計算練習は、自分が電卓と化して答えを出すだけでは、問題があります。もう少し論理的な考えを取り入れて、工夫して問題を解くことが必要です。そうした練習をしている受験生にとっては、今日の問題は、有り難くゲットできる問題と言えるでしょう。


【画像】
一番上が、拾った落ち葉。偶然にできたのか、あるいは誰かの作品か?
二番目は、コスモス。
三番目は、セイタカアワダチソウです。どんな場所にも繁茂し、問題ある帰化植物です。

【セイタカアワダチソウ】
 セイタカアワダチソウ(背高泡立草)は、キク科アキノキリンソウ属の多年草である。北アメリカ原産で、日本では切り花用の観賞植物として導入された帰化植物(外来種)であり、ススキなどの在来種と競合する。外来生物法により要注意外来生物に指定されているほか、日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100にも選ばれている。


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マッキーの『四季を楽しむ』:秋の昭和記念公園

2014年10月17日 | 四季の植物と風景



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 9月12日(日)、2週連続で台風(台風19号)が日本列島を縦断する気配で近づいていました。ただ関東地方の天気は、日曜日いっぱいは持ちそうだったので、6歳児を連れて桜の季節以来の昭和記念公園へ出かけました。頻繁に行く新宿御苑や代々木公園が、デング熱の影響で現在も閉鎖中だったのも、この公園を選んだ理由でした。




 すっかり秋の気配が漂う公園の中を、ビニール袋片手に散策を開始した6歳児。早速、目ざとく草むらの中に潜む小さな昆虫を手に取り、観察を始めました。
 
 落葉樹の落ち葉を踏みながら散策すれば、随所で秋の草花を楽しむことができます。下の画像は順に、タマスダレ・シオン・ウメモドキです。


タマスダレ(玉簾)
ヒガンバナ科タマスダレ属の球根草。
和名の由来は、白い小さな花を「玉」に、葉が集まっている様子を「簾」に例えたことによる。別名のレインリリー(雨ユリ)とは、ゼフィランサス属及び近縁のハブランサス属の総称であり、タマスダレだけの別名ではない。まとまった雨後に一斉に花茎を伸ばし開花することに由来する。



シオン(紫苑)
キク科シオン属の多年草。別名はオニノシコグサ(鬼の醜草)、ジュウゴヤソウ(十五夜草)。
草丈は180cmくらいまでになる。開花期は秋で、薄紫で一重の花を咲かせる。

最近のブログで、山で見かけたヒメシオンについて綴りました。小さいシオンの種類とでも言った名称でしょうか。春の花として塾で学習するハルジオンとヒメジョオンについて、興味のある方は、その見分け方などを綴った下記のブログをご覧ください。

マッキーの『四季を楽しむ』:ハルジオンとヒメジョオン



 この公園は、子どもの遊具もたくさんあって、6歳児はそれもお目当てでした。特に空気で膨らませたトランポリンのような風船遊具は、子どもに大人気。大人も、ついやりたくなって、係員に注意される人も一人二人ではありませんでした。







 今回、この公園を訪れた目的の一つが、コスモスの大群落を観賞することでした。下の画像のように、遥か向こうまで続くコスモス畑の中を、多くの人たちが散策を楽しんでいました。エリアごとに、植えられたコスモスの種類が異なり、花の変化を楽しむことができます。

 コスモスについては、最近のブログで綴りましたけれども、昭和記念公園のコスモス畑の規模と美しさは、必見に値するでしょう。









 公園の北側には、こどもの森と呼ばれる場所があります。そこにも楽しい遊具が設置されていて、特にネットを変化ある形態に張り巡らせ、その上を子どもが上ったり、下りたり、ジャンプしたりして楽しむ遊具が人気です。

 また先ほど説明した風船型トランポリンは、わんぱくゆうぐの広場よりも規模が大きく、いつまで経っても止めない6歳児を、私は1時間30分もベンチで待つ羽目になりました。

 サグラダ・ファミリアで有名な建築家・アントニ・ガウディを連想するようなモザイクタイルの設置物が、子どもの森の入口で私たちを迎えてくれます。

「おーい、大蛇に食べられないようにね!」










 ネットは、かなり高いところまで設置され、次のネットに移るときなどスリル(上の画像)がありますが、6歳児は小・中学生に混じって楽しんでいました。

 子どもの森の北側にドラゴンの砂山と呼ばれる場所があり、ドラゴン(下の画像)に登ったりして楽しむことができます。子どもは、安全と危険の間の空間を楽しむことが好きです。絶体に安全な空間に遊ばせることは、無菌室で生活するようなもので、抵抗力が付きませんし、危険を察知する能力も付きません。






 今回は、今まで行ったことのない「こもれびの丘」「こもれびの里」にも足を伸ばしました。こもれびの丘は、ちょっとした山へハイキングに行った雰囲気を味わえます。またこもれびの里には、藁葺き屋根の民家が移築され、かつての山村を味わえます。ただ、民家の座敷に入ることを可能にするなど、子どもが興味を持てるよう、もっと体感型施設にする工夫が必要です。

 また、こもれびの丘には、一般的なホトトギス白いホトトギスが咲いていました。この白いホトトギスを、シロホトトギスと呼ぶようです。

 クヌギのドングリも殻斗(かくと・どんぐりの帽子)付きで、たくさん拾うことができました。「どんぐりの帽子は、しましま模様とうろこ模様があるんだよね」「よく知っているね」「図書館から借りた本で調べたんだ!」こもれびの里では、ソバの白い花が咲き始めていました。

どんぐりについては、以前私も調べたことがあります。参考にご覧下さい。

マッキーの随想:公園のドングリたち・その1基礎知識

マッキーの随想:公園のドングリたち・その2公園の主要なドングリの木

マッキーの随想:ドングリを食す…身近にあった自然の恵み…Part4









 ビニール袋に、さまざまな落ち葉やドングリを入れ、遊具でたっぷり遊んだ6歳児は、夕暮れのススキの前でお疲れ気味のVサイン。

 「新宿御苑より、代々木公園より広いね!」と言いながら、昭和記念公園をタップリと楽しんだ日曜日でした。ただ、西立川は気軽に出かけるのには、ちょっと遠いかな。



【今回のコース】
西立川駅〜西立川口〜花木園〜わんぱくゆうぐ〜原っぱ西花畑(コスモス)〜渓流広場〜こどもの森〜ドラゴンの砂山〜こもれびの丘〜こもれびの里休憩棟〜こもれびの里〜原っぱ東花畑(コスモス)〜原っぱ中央売店〜ふれあい橋〜カナール〜立川口〜ゆめひろば〜あけぼの口〜立川駅

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マッキーの一問必答(2):工夫が必要な計算問題

2014年10月13日 | 学習指導法



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「一問必答」
は、「一問一答」に掛けた造語として、今回のシリーズで用います。中学受験した学校に合格するために、ぜひ正解してほしい問題の中で、特に経験的に修得すべき基礎的知識を含む問題を取り上げ、ポイントを解説します。出来れば、このシリーズで取り上げる今春の中学入試問題は、私の解答・解説を見ずに、まずは自力で解いてみることをお勧めします。大人には頭の体操になりますし、また受験生は、算数に対する興味や面白さが、倍増するはずです!

 前回に引き続き、今年の中学入試に出題された計算問題を取り上げます。整数・分数・小数の加減乗除の計算、□を求める計算、単位が入った計算などが、その入試計算問題の範疇に入ります。

 そうした計算の中で、分配・結合・交換の各法則を使うだけではなく、位取りや数値の相互関係を理解して、工夫して解く問題があります。今日の問題は、そうした部類の典型例ですので、理解しておく必要があります。


【今春の入試問題】

1.成城学園中学校

1.2345+12.345+123.45+1234.5=

2.普連土学園中学校

2.014×36+20.14×2.8−201.4×0.17+2014×0.053=

3.筑波大学附属中学校

次の計算をした結果は、何桁の整数となりますか。
4×5×8×25×125=



【解答と理解しておくべきポイント】

まず成城学園の問題は、4つの小数の和の計算です。このまま筆算で計算してもさほど時間はかかりません。小数のたし算の筆算は、位を揃えて計算することを試す問題と考えられます。出題意図が少し曖昧ですが、この問題を工夫して計算する方法を今回は教えましょう。まずこの式を見て、小数点を省けば全て12345の順に数値が並んでいることに気づく必要があります


そこで、1.2345を基準として1と置くと、12.345は1.2345の10倍、123.45は1.2345の100倍、1234.5は1.2345の1000倍となっていることが分かります。

これを利用して、
1.2345+12.345+123.45+1234.5
=1.2345×1+1.2345×10+1.2345×100+1.2345×1000
=1.2345×(1+10+100+1000)(分配の法則を使う
=1.2345×1111
1371.5
295

この計算は、そのままやってもさほどの計算量ではないのですが、この方法も気づく必要があります。



次は、普連土学園中学校の問題ですが、「小数計算が、飯より大好きなので、やらせてください!」という生徒は除いて、工夫して解くべき問題です。入試では、筆算を楽しんでいるうちに、刻々と貴重な時間が過ぎて行くことを理解すべきでしょう。疑うようであれば、筆算でやって、時間をチェックしてみてください。入試問題の計算は、難しい問題でも、およそ1分から1.5分程度で解答する必要があります。

この問題は、上で解説した成城学園の計算方法を利用して解きます。

2.014×36+20.14×2.8−201.4×0.17+2014×0.053
=2.014×36+2.014×10×2.8−
2.014×100×0.17+2.014×1000×0.053
=2.014×36+2.014×28−2.014×17+2.014×53
=2.014×(36+28−
17+53)
=2.014×100(筆算をせずに計算できました)
201.4

1番の成城学園の問題を、計算の工夫で解こうとする意欲があり、日頃の練習で答えが合えば良いとせず、途中式をしっかりと書くようなことが、計算力を高めるためには大切です。


最後は、筑波大学附属の問題です。筑附のレベルは、長期低落傾向に歯止めがかかっていません。私立に比較して、指導者の力量や情熱に問題があると考えられます。また、最も多くの生徒が塾や予備校通いのダブルスクールで学習しなければならない代表校という、有り難くない評価も気になります。

筑附の入試問題をご覧になれば、与えられた時間に比べ問題量が多いのに驚かされることでしょう。入試問題で、どういった力を見たいのか、疑問符が付く出題となっています。今回紹介する計算は、最初の小問で、1分以内で解くことが要求されています。

日頃の計算練習で、25×4=100、125×8=1000、1/4=0.25、1/8=0.125といった、基本的な数値の関係をしっかりと練習している生徒にとって、とても簡単な問題です。この問題の出題意図を理解できずに、筆算で答えを出そうとしているのであれば、間違いなく合格は遠退きます。

4×5×8×25×125
=(4×25)×(8×125)×5(交換の法則と結合の法則を使う)
=100×1000×5
=500000

よって答えは
桁の整数となります。実際そのまま計算して、「答えは合ったよ!」などと言っていては、力は付きません。

中学入試の計算は、単に答えが合えば良いというものではなく、そのスピートが要求されます。情報処理能力とも言えるそうした力は、日頃の練習の量と質によって培われるものです。しっかりとノットに途中式を書いて練習しましょう。
 


計算力を身につけるポイントを以前のブログで紹介しました。興味ある方はご覧ください。

マッキーが教える算数…計算力を高めるためのポイント・その1:学習の仕方

ッキーが教える算数…計算力を高めるためのポイント・その2:間違えやすい計算


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マッキーの一問必答:『分数数列の和』の計算

2014年10月08日 | 学習指導法



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 「一問必答」は、「一問一答」に掛けた造語として、今回のシリーズで用います。入試問題算数の初めに出題される計算・一行題は、その学校に合格するために、ぜひ正解してほしい問題です。そうした問題の中で、特に経験的に修得すべき基礎的知識を含む問題を取り上げ、ポイントを解説します。保護者の皆さんや、受験を考えている小学校高学年の子どもが、興味を持てるように綴ります。

 私は毎年、その年に出題された入試問題のほとんどに必ず目を通します。毎年出題されるスタンダードな問題・条件を複雑にした凝った問題・難問奇問に該当する問題・新傾向の問題など、様々な問題が各学校の入学試験に出題されます。

 図形では、回転移動・転がり移動・対称移動など、大きな枠組みで理解していなければならない問題があります。一方、経験的に覚えておかないと、解法の糸口が見つけられない問題もあります。

 今回取り上げる問題は、今年の春に出題された問題の中で、ちょっと頭に入れておいて、ぜひ正解してほしいものを取り上げます。

 中学入試問題の算数で、合否を決める問題があるとすれば、それは『出来て当然の問題』と断言できます。各学校で問題レベルは異なりますが、合格するためには、そうした問題を落とさないことが大切です。そうした問題を間違える受験生は、重要事項を覚えていなかったり、ケアレスミスをしてしまうなど、日ごろの学習の質が問題になります。

 前口上はそのくらいにして、今日の問題に入ります。取り上げる問題は、分数数列の和の問題です。この計算は、高校で本格的に学習する内容です。けれども、数値の規則性を理解すれば、計算の工夫の面白さがあります。この計算は、大変な手間を掛けて通分しても計算できます。しかし、それでは貴重な時間をロスしてしまいます。計算問題ですが、唯一その計算方法を覚えておく必要がある問題です。



【今春の入試問題】 (注:以下の数式は、実際の入試問題の分数表記とは異なります。)

1.成城学園中学校

1/5×6+1/6×7+1/7×8+1/8×9=

2.立教女学院中学校

1/12+1/20+19/24+1/30+1/42+1/56=

3.早稲田大学高等学院中学部

1/3+1/15+1/35+1/63+1/99=

 出来れば、このシリーズで取り上げる入試問題は、以下で示した解答・解説を見ずに、まずは自力で解いてみることをお勧めします。大人には頭の体操になりますし、また受験生は、算数に対する興味や面白さが、倍増するはずです!


【解答と理解しておくべきポイント】

 1番の成城学園の問題が、この計算方法を示しています。分子が1で、分母が連続する2つの整数の積となっていて、それぞれの分数の分母の数を見ると、連続しているといったことが特徴です。このように、解き方のヒントを示した出題形式の学校も多く見られます。

ところで、1/30=1/5×6=1/5−1/6 となることは理解できるでしょうか。

通分を考えると、1/5−1/6=(6−5)/5×6=1/5×6=1/30 となりますが、この逆を利用したわけです。

するとこの式は、以下のように書き換えることが出来ます。
1/5×6+1/6×7+1/7×8+1/8×9
=(1/5−1/6)+(1/6−1/7)+(1/7−1/8)+(1/8−1/9)

 上の式から、最初の1/5と最後の−1/9を除いた分数は、 −1/6+1/6−1/7+1/7−1/8+1/8=0 と計算され0となってしまいます。よって、上の式を続けると、
=1/5−1/9
=4/45


この式をそのまま通分すると、分母は2520となり、大変な計算をすることになります。


2番目の立教女学院の問題は、上の解き方を利用しますが、余計な分数(下の青色の分数)が一つありますので、交換の法則で最後にまわします。

1/12+1/20+1/30+1/42+1/56+19/24
=1/3×4+1/4×5+1/5×6+1/6×7+1/7×8+19/24
=(1/3−1/4)+(1/4−1/5)+(1/5−1/6)+(1/6−1/7)+(1/7−1/8)+19/24
やはり、−1/4+1/4−1/5+1/5−1/6+1/6−1/7+1/7 の部分は0となりますから、
=1/3−1/8+19/24
=5/24+19/24
=1


では、3番目の早大学院の問題はどうでしょう。

それぞれの分数の分母を2数の積の形に表すと、1×3、3×5、5×7、7×9、9×11 となり、連続する2つの整数の積とはなりません。

また、今までと同様に考えると、1/3=1/1×3=1/1−1/3=2/3 となって、等式が成り立ちません。

そこで1/3=1/1×3=(1/1−1/3)÷2(または×1/2)と置いてみたらどうでしょう。

1/3+1/15+1/35+1/63+1/99
=(1/1−1/3+1/3−1/5+1/5−1/7+1/7−1/9+1/9−1/11)×1/2
=(1−1/11)×1/2
=10/11×1/2
=5/11

以上のように、この式の書き換えを使うと、ほぼ筆算を必要とせずに、素早く答えを出すことができる問題です。計算問題集には、必ず載っている問題ですので、まじめに計算練習をしているかどうか試す問題と言ってよいでしょう。

今回取り上げた問題は、以前にも紹介していますので、興味のある方は以下のブログをご覧ください。

マッキーが教える入試問題・算数…分数の数列の和をどう解くか



 今回取り上げた計算問題は、連除法で分母の最小公倍数を求め、一般的な分数計算のように通分する方法で行うと、大変な計算となります。当然に時間がかかり過ぎ、計算ミスも多くなります。

 問題中の数値の規則性を利用して解く、この方法を覚えておくと良いでしょう。今回が、このテーマの初回でしたが、引き続き今春の入試問題から、経験的に理解しておくべき典型的な問題をピックアップして、皆さんに紹介しましょう。

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マッキーの山登り:ときがわ町の巨木巡り・・・その2

2014年10月04日 | 日帰りの山登り



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マッキーの山登り:ときがわ町の巨木巡り・・・その1

 9月28日に出かけた奥武蔵の巨木巡りの続編を、今日は綴ります。前のブログで「上谷の大クス」「日枝神社の大ケヤキ」を紹介しました。私たちは、大附日枝神社境内で昼食をとった後、正午に次の目的地「西平の大カヤ」を目指して、再び神社の石段を下り林道歩きを開始しました。



 山里の至るところに植えられているキンモクセイ(上の画像)の香りが、どこを歩いていても爽やかな秋風の中に感じられます。足下にはヒガンバナなどの秋の草花が咲き、長閑な山里歩きを楽しめます。






 コスモス(秋桜)も、秋を代表する花の一つでしょう。この時期、「〜コスモス街道」と銘打って、各所で観光の目玉にしているようです。コスモスは、メキシコの高原地帯が原産で、日本には明治以降に移入されました。

 下の画像のコスモスは、キバナコスモスです。大正時代以降に日本に入ってきました。一般的なコスモスのオオハルシャギク(上の画像)よりも、早い時期から花を咲かせ、繁殖力も旺盛のために、混在しているとキバナコスモスがオオハルシャギクを席巻してしまうようです。

 東京の中央区にある浜離宮恩賜庭園には、オレンジ色のキバナコスモスが群生して咲き、周囲のビル群とマッチして見事です。最近は、キバナコスモスが幅を利かせ過ぎ、かつて一般的だったオオハルシャギクに懐かしさを感じるほどです。



 それにしても、この可憐な花に「コスモスCosmos」という壮大な名が付いていることを、不思議に思う方も多いと思います。意味を調べれば、コスモス=宇宙という単純な意味ではなく、宇宙を秩序ある調和のとれたシステムとみなす宇宙観であり、「秩序、整列」を意味するギリシア語に由来し、カオスと対をなす概念であるとされています。

 この花は18世紀末に、メキシコからスペインマドリードの植物園に送られ、コスモスと名づけられました。それは、秩序正しく調和の取れたもの=コスモスは、後に装飾や美麗の意味も含まれるようになり、
そのことが、調和がとれた美しいこの花に、コスモスと名付けた理由になっているようです。



 ゴルフ場の中を通る林道を歩き続けると、やがて周囲が杉林の下り坂となります。その林道をひたすら歩くと、右手に「大カヤ入口」の案内があります。その案内に従って杉林の中に付けられた小道をしばらく登ります。



 大ケヤキを出発して1時間、杉林に囲まれた上り坂のヤブ越しに、周囲を睥睨するような「大カヤ」が突然姿を現します。はるか昔、森の中に自然に生え出て、人知れずその年輪を積み重ねた存在感から、大カヤは村人の尊敬を集める巨樹となったのでしょう。秋の淡い木漏れ日の中の大カヤは、そんな野性的で孤高の精神を漂わせ、私たちを静かに見つめているようでした。



 この大カヤの面構え(下)はどうでしょう。樹齢は推定千年と言われています。千年前と言えば、平安時代末期、藤原道長・頼道父子が、摂関政治でその頂点を極めていた時代です。雅やかな貴族社会から、源平の
武士の時代の到来を、風の便りで聞いていたかも知れません。樹高16.0m、幹周 6.60m、枝張り25mの大カヤは、県指定天然記念物となっています。

 ところで、植物は光や温度だけではなく、臭いや音も関知することが、最近の研究で分かってきました。この大カヤの木は、千年の間、さまざまな周囲の変化を察知しつつ、暴風雪や寒暑に耐え、病害虫にも負けないで凛として同じ場所に立ち続けてきました。この達磨のような大カヤの面構えと姿を見ていると、誰しもが自然と拝みたくなる対象と言えるでしょう。



 他の巨木の樹種に比べ、カヤは一般的ではないので、少しまとめておきましょう。

【カヤをネットで調べると】
 カヤ(榧)は、イチイ科(またはイヌガヤ科)カヤ属の常緑針葉樹である。雌雄異株で、幹は直立し樹高は20m、周囲は3mほどに、樹冠は幅の広い円錐形になる。成長は極めて遅いが寿命は長い。耐陰性が強く樹林内部であまり日の当たらないところでも育つことができる。
 カヤ材でもっとも知られている用途は碁盤、将棋盤、連珠盤である。種子は食用となる。そのままではヤニ臭くアクが強いので数日間アク抜きしたのち煎るか、土に埋め、皮を腐らせてから蒸して食べる。
 
間伐材や枝は燻して蚊を追い払うために使われた。カヤの語源はこの「蚊遣り」に由来するという説がある。
 
カヤの実は相撲の土俵の鎮め物としても使われている。米、塩、スルメ、昆布、栗とともに、土俵中央部の穴に埋められている。


(カラスウリの花)

 四番目の目的地は、「大カヤ」の近くにある萩日吉神社(はぎひよしじんじゃ)にある「児持杉」(こもちすぎ)です。私たちは、「大カヤ」の木を拝んだ後、林道に戻りそのまま直進しました。しばらく行くと、萩日吉神社裏手入口が右手にありますので、そこから境内に入りました。

 13時30分、境内に入ると直ぐに、御神木(下画像)とされる注連縄が掛けられた大杉があり、その下にはその木の根本から湧き出る御神水があります。けれども、目指す「児持杉」が見当たりません。後から分かったことですが、大カヤからの道順のために、私たちは神社裏手から入ることとなりましたが、「児持杉」は、表参道入口にあったのでした。



 神社の境内には、多くの杉の木が植えられています。鳥居の一つは、杉材で組まれていました。

 スギの名の由来は、真直ぐの木「直木」から来ていると言われています。けれども本居宣長の古事記伝では、スギは傍らにはびこらず上へ進み上る木として「進木(ススギ)」が語源で「直木(スグキ)」は誤りであるとされています。



 境内にはそれらしき杉は見当たらず、周囲を見渡しながら表参道を入口に向かって石段を下りていくと、ありました! 根元から幾つも枝分かれし独特な樹形をした杉の巨木が、神社入口にしっかと立っていました。



 萩日吉神社「児持杉」は、男杉と女杉があり、いわば夫婦杉となっています。男杉は根回り6.47mで3本に幹が分かれし、女杉は根回り8.89mで24本に分かれています。

 2本とも樹高が約40mあり、樹齢はおよそ800年位といわれています。また、この杉は古来より二樹を合わせ祈念するれば、子どもが授けられるとの伝説があります。

 「児持杉」とは、多数に枝分かれし子沢山な樹形を指した命名と思われましたが、夫婦杉であることから、子どもが授かる杉ということが名の由来かも知れません。

 注連縄が掛けられた夫婦姿の樹齢八百年の杉巨木を拝めば、夫婦円満子宝祈願の御利益がありそうです。夫婦揃って「児持杉」を拝んだY氏夫妻は、遙々登山靴で山里を歩いて参詣した奮励を勘案すれば、善報は間違いないでしょう。



 13時45分、萩日吉神社「児持杉」を後にしばらく歩くと、バス路線のある通りに突き当たり、そこを右手に歩くとバス停がありました。バス便は少ないのですが、時刻表を見ると1分後にバスが来るというグッドタイミング。バスに期待せずに、歩く覚悟はできていたのですが、
終点「せせらぎバスセンター」まで乗車することができました。

 
そのバス停から少しばかり歩くと、「木のむら物産館」があり、その先に最後の目的地「関堀の大イチョウ」がありました。大イチョウは、雑草や蔓植物のために、周囲の木々と混在していました。個人の所有のために手入れが不十分で、残念ながら大イチョウの全体像は把握できません。樹齢千二百年の大イチョウは、しばらくして黄葉する頃には、周囲から見分けがつくようになり、その大きさを観賞することができるでしょう。



 この大イチョウもそうですが、東京神宮外苑絵画館前のイチョウ並木のように、街路樹として垂直に樹形を整えられているものが多いようです。けれども、新宿御苑にある大イチョウは、周囲に枝を伸ばし、こんもりとした形状で、黄葉した頃には圧倒的な美しさがあります。

 ただ、人間の剪定ではなく、雌雄により樹形がやや異なるとも言われています。雌株は果実の重みで枝が垂れ下がる傾向があり、横に枝を伸ばした樹形となりやすく、雄株は花粉を風に乗せて遠方に飛ばすため、枝を上方に伸ばした樹形になるということです。

 道の両側に整然と列ぶ街路樹の垂直型イチョウも、山里にある古刹の境内に孤高に立つこんもり型イチョウも、晩秋の冷気に触れて散る黄葉は、鮮やかな美しさで私たちを感動させます。




 14時25分、大イチョウを見た後、直ぐ近くの「木のむら物産館」に立ち寄りました。地元の野菜を都内より少し安めに購入し、それをリュックに詰め、来た時よりも重い荷物を背負って、再びバスセンターに戻りました。バス停から、東武東上線武蔵嵐山駅に向かい、終点池袋で反省会の宴を催し、四方山話に花を咲かせた後に帰路につきました。

 ずしりと重くなったリュックは、単に購入した野菜の重さばかりではありません。長い長い歳月を幹と年輪に刻み、超然解脱した姿の古木・巨木を、山里に訪ねて拝んだのですから、その御利益の重さも私たちの肩に、しっかりと加わっていたことは確かでしょう。



【巨木とは】
 環境省では「地上から130cmの位置で幹周りが300cm以上の樹木。なお、地上から130cmの位置において幹が複数に分かれている場合には、ここの幹周りの合計が300cmであり、そのうち主幹が200cm以上のものとする」としていて、これが巨樹・巨木の一般的な定義となっています。

 今回私たちが訪ねた巨木:「上谷の大クス」・「大附日枝神社の大ケヤキ」・「西平の大カヤ」・「萩日吉神社の児持杉」・「関堀の大銀杏」の五箇所。

【埼玉県ときがわ町】
 ときがわ町は面積の約7割を山林が占め、古くから『木のくに』として、森や木々を大切に守り育ててきました。そうした理由から、町内には幾つもの巨木が存在し、「巨木の里」と銘打って、そうした木々を大切に管理し、観光資源として役立てています。


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