「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの『四季を楽しむ』:5月の小石川植物園

2016年06月01日 | 四季の植物と風景



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 ウツギの花を話題としているうちに、私の周囲では、早くもキンシバイが咲き始めました。一週間違うと、時節の話題がズレていくほど、季節の移り変わりが早いことを実感する時期です。

 下の画像は、近隣で咲き始めたキンシバイの画像です。上がキンシバイの園芸品種のヒペリカム・ヒドコート(大輪金糸梅)で、下の画像が本家キンシバイです。最近のキンシバイの多くは、ヒペリカム・ヒドコートです。キンシバイの仲間について関心のある方は、下のブログを御覧ください。

   マッキーの『四季を楽しむ』:キンシバイとビョウヤナギとヒペリカム・カリシナム





 また下の画像は、この時期に公園などに咲いているウツギの仲間のサラサウツギの花です。蕾の時は、濃いピンク色ですが、咲くと全体が白い下向きの花となります。



 5月22日(日)、久しぶりに東京大学付属の小石川植物園に、我が家の2年生を連れて行ってきました。高尾山周辺のウツギの花についてこのブログで綴りましたが、その他のウツギの花を見たいと思ったことが、出かけるきっかけです。

 下の画像が、本家本物のウツギの花です。半開で下向きに花を付けるのが特徴です。






 下の画像は、シロバナヤエウツギです。真っ白な八重の花弁が特徴です。





 今度は、花弁が大きく見応えのある花をいっぱい付けているバイカウツギです。





 広い園内は、都心に居ながらにして、山里の景観を楽しむことができます。





 日本式の庭園付近では、花菖蒲が早くも咲きはじめていました。これから、ウツギ・キンシバイの季節から、花菖蒲・アジサイの季節に駆け足で移っていきます。





 高尾山周辺を散策した時にも咲いていたウマノスズクサ科の植物も咲いていました。下の画像は、順にタンザワウマノスズクサで、先日紹介したオオバウマノスズクサに類似しています。その下の画像は、中国のウマノスズクサ科の植物の花です。なんとその大きさは、大人の手を広げた大きさよりも大きく、驚くほどです。





 梅雨は、性質の異なる小笠原高気圧とオホーツク高気圧のせめぎ合いによってできる停滞前線による長雨のことです。下の画像のように青梅の生っている季節に起きる現象なので、梅雨という漢字を当てはめたのでしょう。

 その下の画像は、この時期に至る所に咲いている花です。「知らん」という人はいないでしょうが、シランの花です。また、その下の画像は、植物園入口に密集して咲いていたトキワツユクサの白い花です。ツユクサムラサキツユクサも咲いている季節となりました。







 下の画像は、直ぐにお分かりだと思いますが、ナス科の植物で、ブラジル原産のフユサンゴの花です。ナス科の特徴を持つとても小さな花をいっぱいに付けていました。その下は、色が白ければ、ソケイの花と分かるはずです。この花は黄色をしているので、その名もキソケイと名付けられていました。





 植物園から帰ってくると、早速近くの草原で遊ぶ2年生。しばらくすれば、生い茂った雑草は、今年何回目かの除草により刈られる運命にあります。「帰るよ!」と声を掛けなければ、いつまでも背丈近くもある雑草の中で遊んでいる2年生でした。



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マッキーの山登り:「5月の花に出会う」高尾山周辺の山歩き(2)

2016年05月28日 | 日帰りの山登り



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 前回のブログで、5月15日(日)、この時期に咲いている花を求めて、家の2年生を連れて高尾山周辺の山歩きに出かけたことを綴りました。前回は、主にウツギの花の仲間を紹介しましたが、今日は同じ日に見かけた、ちょっと珍しく見落としてしまいそうな花を中心に紹介しましょう。

 2年生が、その花の形状を見て、食虫植物に似ているといった花は、オオバウマノスズクサです。蔓性の植物で、目立たない花であるばかりか、どちらかと言えば影に隠れた場所に咲いていますので、注意深く観察する必要があります。とても面白い花の形をしていますので、一度見たら忘れられない花です。

 オオバウマノスズクサ・・・葉は互生し、有柄、長さ3〜18cm、幅3〜cmの卵円形〜三角状卵形〜惰円形、全縁、細毛があり、基部は心形、葉身の基部が両側に張り出すことも多い。葉脇から垂れ下がって、長いサキソフォン形の筒状花をつける。花は長さ3〜4cm、外側は黄緑色、細毛がある。花弁はなく、3個の萼(花被)が合着して筒になり、舷部は広がり、筒部が曲がって花柄と続く。舷部は幅2〜cm、内側には褐色の放射状の縞模様がある。果実は長さ3〜7cm、幅1.5〜2cmの筒形〜卵形。種子は長さ3〜4mmの倒卵形。



 下の画像の植物は、山歩きをしていると稀に見かける珍しい植物です。頻繁に登山者が行き交う登山路の脇に、目立たないようにひっそりと生えているのを、私は偶然に見つけました。「おっ!こんなところに!」 近寄って確認して、2年生にこの植物を説明すると、「幽霊のような植物でしょ!」という反応で、何故かおおよそのことを知っていました。

 ところが、この植物を撮影している間、十数名の中高年登山者が私の横を通りましたが、その植物を見て、「毒キノコでしょう」という反応。驚くことに、誰もこの植物を知りませんでした。この植物の名は、ギンリョウソウ(銀竜草) と言います。葉緑素が無く銀のような光沢があり、姿が龍のように見えたことから命名されたのでしょう。見た目も特別ですが、生態も不思議な植物です。山に登っていても、毎年見られるわけではなく、群生している場所を知っている人を除き、数年に一回程度しか見ることができない植物です。

 ギンリョウソウ・・・シャクジョウソウ科の多年草。腐生植物としてはもっとも有名なものの一つ。別名ユウレイタケ。
森林の林床に生え、周囲の樹木と外菌根を形成して共生するベニタケ属の菌類とモノトロポイド菌根を形成し、そこから栄養を得て生活する。つまり、直接的にはベニタケ属菌類に寄生し、究極的にはベニタケ属菌類と共生する樹木が光合成により作り出している有機物を、菌経由で得て生活している。古くは周囲の腐葉土から栄養を得ていると思われていて、そのように書いてある著作も多いが、腐葉土から有機物を得る能力はない。

 
地下に短い地下茎と太く絡まりあった根から成る塊があり、花が咲く以外にはその姿は地上では見られない。4-8月ごろに地下から花茎を伸ばし、最大約15cmほどまで伸びる。色素はなく全体が透けた白色だが、花が咲くと柱頭は紺色である。茎には鱗片状の葉を多数つける。





 今度の花は、とても小さくて綺麗な色をしたかわいい花です。この花が咲いている場所を私は知っていますので、毎年その場所に近づくと、注意深く周囲を観察して見つけます。けれども今年は、目立つ場所に数株が群生していましたので、多くの方が鑑賞できたはずです。

 その花の名は、ホタルカズラです。綺麗なブルーの小さな花を咲かせていました。

 ホタルカズラ・・・ムラサキ科ムラサキ属の多年草。和名の由来は緑の中に鮮やかな瑠璃色の花が咲く様子をホタルに例えたことから。



 上の画像の植物は蔓性の植物で、注意深く観察すると、けっこう至る所に咲いている花です。花の形状は独特ですので、見間違えることはありません。その名は、ハンショウヅルという植物の花です。キキョウ科の蔓性多年草で、ツルニンジンという植物の花も花冠は幅の広い鐘形ですが、花の形状や大きさが異なり、その差ははっきりしています。

 ハンショウヅル・・・キンポウゲ科センニンソウ属のつる性低木。和名は、下向きに咲く花の形を半鐘にたとえたことに由来する。



 山道を歩いていると、目に鮮やかな紫色のオダマキと、その横には白い清楚なスズランが並んで咲いていました。どうも作為的で、どなたかが植えたのだろうと私は想像しました。

 オダマキ・・・ミヤマオダマキは、キンポウゲ科オダマキ属の多年草。北海道〜中部地方以北、南千島から朝鮮北部、樺太に分布する高山植物である。園芸品種として改良されたものが山野草として栽培されるが、高山性のものとしては栽培しやすい方である。

 スズラン・・・、スズラン亜科スズラン属に属する多年草の一種。君影草(きみかげそう)、谷間の姫百合(たにまのひめゆり)の別名もある。本州中部以北、東北、北海道の高地に多く自生する。北海道を代表する花として知られる。花には強い芳香がある。





 今回の山歩きで、日陰や沢沿いなど、最も多くの場所に咲いていた花は、シャガの花だったと思います。また、同じアヤメの仲間である本家アヤメの花は、日光が燦々と照りつける場所に、比較的よく見られました。

 シャガ・・・アヤメ科アヤメ属の多年草。人家近くの森林周辺の木陰などの、やや湿ったところに群生する。開花期は4 - 5月ごろで、白っぽい紫のアヤメに似た花をつける。花弁に濃い紫と黄色の模様がある。シャガは中国原産で、かなり古くに日本に入ってきた帰化植物である。三倍体のため種子が発生しない。このことから日本に存在する全てのシャガは同一の遺伝子を持ち、またその分布の広がりは人為的に行われたと考えることができる。したがって、人為的影響の少ない自然林内にはあまり自生しない。

 アヤメ・・・アヤメ科アヤメ属の多年草。アヤメは多くが山野の草地に自生し、他のアヤメ属の種であるノハナショウブやカキツバタのように湿地に生えることは稀。葉は直立し高さ40~60cm程度。5月ごろに径8cmほどの紺色の花を1-3個付ける。外花被片(前面に垂れ下がった花びら)には網目模様があるのが特徴で、本種の和名のもとになる。花茎は分岐しない。北海道から九州まで分布する。

 花の写真よりも、もっと驚かれるだろうと想像できる画像を紹介しましょう。城山にある売店で販売している超ビッグなかき氷。崩さないよう慎重に、二人で食べました。積木くずしの要領で、崩した人はデコピンルールで、家族で楽しんで食べるのもよいでしょう。

 私たちは食べた後、日陰のベンチから日向の草原に移動して、太陽熱で体を温めなければならないほど、冷え冷えとしてしまいました。3〜4人で食べても、満足する量です。下の画像は、テーブルに持ってきて食べ始めて、写真に記録することを思いつき、シャッターを切りました。その下の画像は、完食間近のかき氷。満足と言うよりも、食傷気味の2年生。





 今回高尾山周辺を歩いていると、小学校低学年程度の子どもとその家族を、大勢見かけました。自然の中をただ歩くだけで楽しいのですが、保護者の方がちょっと自然を観察する目を養えば、もっと興味深い山歩きができると思います。休日は、子どもたちを、もっと自然の中で遊ばせるべきでしょう。

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マッキーの山登り:「5月の花に出会う」高尾山周辺の山登り(1)

2016年05月24日 | 日帰りの山登り



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 5月15日(日)、この時期にぜひ出会いたい花を求めて、家の2年生を連れて高尾山周辺の山歩きに出かけました。おおよそのコースは以下の通りです。

 高尾山口駅〜〜稲荷山コースで高尾山を目指す〜〜高尾山への最後の階段手前を左手の巻き道を選択〜〜高尾山の反対側でメインルートと合流〜〜紅葉台へ登らずに左手に付けられた脇道を選択〜〜再びメインルートと合流〜〜直ぐに階段手前を右手の脇道を選択〜〜一丁平で再びメインルートと合流〜〜この後はメインルートを通り城山〜〜城山から小仏峠へ〜〜小仏バス停に下る〜〜高尾駅





 低い山が続く高尾山系の山登りは、夏の暑い時期は不向きです。5月の天気の良い日は、半袖で気軽に山歩きができ、様々な植物と出会える絶好の季節です。15日は、天候が良かったこともあり、高尾山周辺は、小学生程度の子ども連れの家族や、中高年のグループ登山者で賑わっていました。子連れの家族にとって、自然の中を巡る山歩きは、健康的なレクリエーションです。

 「人の少ない道を選んで歩いているでしょう。」 
 「その通り。人を見に来たのではなく、今日は色々な花を見に来たんだよ。」

 長年高尾山周辺の山を歩いていると、メインルートとは異なるお気に入りの登山路ができます。そうした道の周辺に咲く花の種類も、頭の中に入れておくと、それもまた楽しみの一つとなります。
 
 高尾山の5月は、様々なウツギの花を愛でるチャンスであり、今回の山歩きの目的の一つがウツギの花でした。狭い登山路に覆いかぶさるように、白いウツギの花が枝垂れている光景は、見事と言う他はありません。

 高尾山周辺で最も多く咲いているウツギは、下の画像のマルバウツギガクウツギです。本家のウツギの花は、半開で下向きに咲きますが、マルバウツギは、葉が丸く花は全開して咲きます。

 マルバウツギ・・・アジサイ科ウツギ属の落葉低木。ツクシウツギともいう。
葉は楕円形から卵形で、他のウツギ属と比べると丸みがある。花期は4-5月頃で、白い花を咲かせる。





 
下の画像は、ガクウツギの花です。初心者は、ガクアジサイと勘違いしていることも多い花です。高尾山周辺では、たいへん多く見られます。マルバウツギよりも大きな花なので、見応えのあるウツギです。

 ガクウツギ・・初夏、ガクアジサイ(額紫陽花) に似た白い装飾花と、ウツギ(空木)に似た茎葉をしたユキノシタ科アジサイ属の落葉低木。 幹はよく枝分かれし、それぞれの枝先に散房花序を出す。散房花序を片付く各小花は周辺部に3〜5枚の萼片からなる装飾花を、中央に淡黄緑色の小さな両性花を咲かせる。 葉は光沢があり肉厚がやや薄い長楕円形をしており対生につく。






 
マルバウツギとガクウツギの他に、高尾山周辺では、下の画像のようにツクバネウツギコゴメウツギを見ることができます。ツクバネウツギは、都市部の植栽で長期間見られるアベリアと、花の形状がとても似ています。それもそのはずで、アベリアはスイカズラ科ツクバネウツギ属に属する植物ですので、近縁の花と言えるでしょう。

 ツクバネウツギ・・スイカズラ科ツクバネウツギ属の落葉低木。花は4-6月に咲く。枝の先端から共通花柄を出し、5個の同じ長さの萼片をつけ、ふつう2花をつける。和名は、果実がプロペラ状の萼片をつけ、羽根突きの「衝羽根」に似ることに由来する。



 下の画像は、コゴメウツギの花です。特徴的なぎざぎざの葉を持ち、小さな花が密集して咲いています。ウツギと言っても、バラ科なので、ほかのウツギとは異なる特徴を示します。

 コゴメウツギ・・・バラ科コゴメウツギ属の落葉低木。花期は5-6月。今年枝の先端または葉腋から花序軸を伸ばし、円錐状または散房状の花序をつくり、径4-5mmの黄白色の5弁花を多数咲かせる。和名の由来は、花序のようすが米が砕けた小米に見立てたことによる。





 上の四つのウツギの他に、覚えておきたいウツギとして、少し似ているタニウツギ・ハコネウツギ、そしてバイカウツギ
八重咲きのサラサウツギの四種(以前のブログで紹介)があります。いずれも、公園などで見かけることができるウツギです。

 「年年歳歳花あい似たり 歳歳年年人同じからず」・・・年によって、元気に咲いている花の種類が異なります。同じ場所で、今年も目的の花と出会うことができましたが、無論そこで言葉を交わす人たちは、毎年異なっています。季節も移り変わっていますが、歳月も刻々と過ぎていきます。

 文面が長くなりましたので、次回に「その2」として、今回の山歩きで出会った花々を画像とともに綴ります。

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マッキーの随想:「ル・コルビュジエの建築と都市計画」が世界文化遺産に

2016年05月20日 | 時事随想



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 5年ほど前に綴ったブログでも紹介した通り、「ル・コルビュジエの建築と都市計画」世界文化遺産にする運動は、以前から行われてきました。今年1月に、世界各地に所在するコルビュジェの建築作品のうち、7カ国にある17の資産について、一括して世界遺産への登録が再度申請されました。

 過去に二度俎上に載りましたが登録されずに、今年が3度目の挑戦でした。今までは、複数の国にまたがる資産をまとめて推薦することは、妥当でないという勧告でした。今回も一括世界遺産登録の方針は変えずに、三度目の正直を狙ったわけです。そうした努力もあって、ル・コルビュジエが設計した建築群を、世界文化遺産に登録する勧告が、この度行われたことが報道されました。

 今までの経緯と、ル・コルビュジエの近代建築における業績と評価については、以下のブログを参考にご覧ください。

2011年07月07日 マッキーの時事問題:近代建築と世界遺産登録

 一般の人には、なじみの薄い「ル・コルビュジエの建築群の世界文化遺産登録勧告」のニュースが、新聞紙面で大きく報道されたのは何故でしょうか。それは、多くの方が知っていて、実際に足を運んだ方も多い上野の国立西洋美術館が、ル・コルビュジエ設計の建築であり、世界遺産登録を目指した建築群の一つに入っていたからです。

 以前のブログでも綴りましたが、ル・コルビュジエフランク・ロイド・ライトミース・ファン・デル・ローエと共に、「近代建築の三大巨匠」とされています。私のように大学で建築を学んだ者は、この三人の中でもル・コルビュジエをその筆頭にあげる人は多いはずで、建築を学ぶ多くの人たちに強い影響を与えた建築家です。



 では、国立西洋美術館が世界文化遺産に登録される意義について考えてみましょう。

 一つ目の意義は、歴史的建造物の維持・保存に対して消極的だった日本人及び行政に、強いインパクトを与える出来事になることです。特に明治以降に建設された歴史的な建築物は、都市部にあることが多いために、再開発計画によって解体されてしまったものも少なくありません。建造物の耐用年数を考えれば、維持管理して保存すべきものは多いので、この点において今回の出来事は朗報と言えるでしょう。

 二つ目は、近代建築の文化的価値と人々の関心を高めることになることです。国立西洋美術館本館は、ル・コルビュジエが設計し、実施設計を弟子の前川國男・坂倉準三・吉阪隆正が行って完成させました。アジアでそして日本で唯一のル・コルビュジエの作品に、今後注目が集まる契機となるでしょう。また、上記の日本の建築家は、その後の日本の建築界を牽引した人たちですので、その人たちの建築作品にも注目が集まるでしょう。そして、都市部に散在する近代建築が文化的・美術的に歴史的価値を持っていることを、日本人が再認識するきっかけになるはずです。

 三つ目は、観光施設の一つとしての期待です。地元の台東区を中心に、以前から世界遺産登録に向けて積極的な働きかけがありました。けれども、美術品を収蔵・展示する箱として造られた建築ですので、シドニーのオペラハウスやインドのタージ・マハル、イギリスのウェストミンスター宮殿、フランスのベルサイユ宮殿など、今までの建造物の世界遺産と異なり、ランドマークになりえません。また、建物の外観全体を鑑賞することが難しい立地条件もあり、また観光施設としては、スケールが小さいという難点はあります。ただ、東京都内唯一の世界文化遺産誕生が、上野の杜全体の価値を高める役割は果たすことになるでしょう。

 やっと登録されるか・・・そんな印象も受ける、 「ル・コルビュジエの建築と都市計画」の世界文化遺産登録勧告です。この西洋美術館の前庭には、ロダンの彫刻群が展示されています。開催されている美術展を観なくとも、コルビュジエ設計の建物とロダンの彫刻は鑑賞できます。優れた美術的価値のある作品は、観る者の心に様々な世界を映し出してくれることでしょう。

 

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マッキーの随想:本能だけではないだろう!母性愛

2016年05月16日 | 時事随想



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 今年のゴールデンウイーク期間中に、幾つかの公園へ出かけたことは、すでに綴りました。今日は、その時に代々木公園で偶然に観察できた出来事について綴ります。

 我が家の2年生の娘と代々木公園へ出かけると、公園の最奥にある所まで落ち葉や木の実を広いながら歩いていきます。サイクリングセンターで自転車を借りて、サイクリングロードを周回して楽しんだ後、再び広い代々木公園を左回りで一周して、原宿入口まで戻るコースで楽しむことが多くなりました。

 公園入口から右手に沿ってしばらく行くと、バードウオッチングなどができる場所があります。そこで今回は、鳥を観察するのではなく、珍しい光景をじっくりと観察できました。その出来事に夢中になって、カメラでその状況を画像に収めることを忘れてしまいました。



 公園の散歩道と雑木林を隔てるように溝があり、その溝の向こうに柵が設置されている場所での出来事でした。アオダイショウと思われる大きなヘビが、鎌首をもたげて周囲を警戒しているのがまず目に入りました。

 よく見ると、そのヘビの周囲を小さな生き物が徘徊しています。その生き物は、野ネズミでした。食う食われるという食物連鎖から考えれば、ネズミはヘビに攻撃され、場合によっては食べられてしまう危険があります。

 しかし、野ネズミはヘビに攻撃される範囲まであえて果敢に近づくと、再び数メートル離れ、今度は別の角度からヘビに接近するという行動をくり返していました。ヘビに接近する動作は、ヘビに好奇心を持っているわけではなく、もちろん攻撃あるいは威嚇を前提とした行動でした。

 どうしてネズミは、危険な行動を繰り返しているのだろう?・・・その答えは、しばらくして分かりました。繰り返している威嚇行動の合間に、そのネズミは、近くにあった地面の小さな穴から、生まれて間もない小ネズミを口に加えて出てきて、草むらの中に一旦消えました。

 明らかに、子ネズミを守る母ネズミの命懸けの行動だったのです。ところが、子ネズミをどこかに隠した後、母ネズミは再び危険なヘビの所に戻ってきて、先ほどと同じ動作をくり返します。ヘビは、どういった感覚(赤外線を含む視覚・聴覚・臭覚・振動察知)で感知するのかは定かではありませんが、母ネズミが接近してくる方向を敏感に認識して、その方向に鎌首をサッと向けます。完全に跳びかかる態勢はできているようでした。

 どうして危険な行為を、子ネズミを隠した後も、母ネズミは続けるのでしょう。この近辺は、私たち家族のテリトリーなのよ。再び入ってきたら承知しないから!・・・そんな意味が込められた執拗な威嚇だったのでしょう。

 その攻防を知ってか知らずか、その場所に生えている木の枝に、カラスがどこからかやってきました。「漁夫の利」方式で、ヘビとネズミを狙っているのでしょうか。カラスが、ヘビやネズミを攻撃する可能性は、十分にありそうです。

 見ている側が、冷や冷やする距離まで近づいては遠ざかり、別の角度から再びヘビに接近する危険な威嚇行動を繰り返します。この母ネズミの行動に根負けしたのか、しばらくすると、ヘビはとぐろを解除し、長々と身を伸ばして、退散していきました。



 どちらを応援しているの?・・・無論、母ネズミです。どうして母と分かったの?・・・やっぱり母親でしょう。ヘビにもカラスにも負けないで、子ネズミを守るために必死になっている母ネズミの心情を思いました。単なる本能で行動しているというより、状況を判断して決断した行動のように感じました。

 最近人間界では、希薄になってきた母性愛を、ネズミに感じた出来事でした。ネズミは哺乳類といえども、人間からすれば下等な動物と考えがちです。けれども、人類が進化のプロセスで、多くの感覚器官を減退させたのと同様に、すべての側面で、人間がネズミよりも進化したというのは、間違った考え方です。

 ただし、人間が動物の本能としての母性愛を喪失しつつあるとしても、それに代わって崇高な理性を獲得したのだから、希薄化する母性愛を、現状の問題点の言い訳には決してしてはなりません。

 長閑な春の公園にも、よく観察すれば自然の厳しさ・・・食うか食われるかの食物連鎖が日々行われているということを実感しました。最後に付け加えるなら、一緒に観察した2年生は、ヘビを怖がるどころか、「ヘビ可愛い!」と言い、wifeは「ヘビ気持ち悪い!」と反応しました。爬虫類を毛嫌いする感情は、太古の昔から、爬虫類にいじめられてきた哺乳類の本能と思っていましたが、そうではない新人類も存在するようです。

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