「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの『四季を楽しむ』: 新宿御苑の菊花展

2016年12月07日 | 四季の植物と風景

  

 
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 毎年、新宿御苑でこの時期に行われている菊花展を観に、小学2年生と10月下旬の日曜日に出かけました。多くの方が、この菊花展を観ることを楽しみにしているのか、この時期は春の桜の開花時期ほどではありませんが、御苑は混雑します。

 いつものように、新宿口から左回りに御苑を散策しました。下の画像は、入口付近のメタセコイアの樹林の前を歩く2年生。



【江戸菊花壇】
江戸で発達した江戸菊を「篠作り」に仕立てます。咲き始めから満開まで花びらの形が変化し、艶やかに姿を変える、花の変化が魅力の古典菊です。







【大作り花壇】
初冬に出てくる芽を1年がかりで枝数を増やし、1株から数百輪の花を半円形に整然と仕立てて咲かせる技法を「大作り」と呼びます。これは新宿御苑独自の様式で、全国各地の菊花壇展で見られる千輪作りの先駆けにもなっています。



【 伊勢菊・丁子菊・嵯峨菊花壇】
伊勢菊は、伊勢地方で発達した菊で、縮れた花びらが垂れ下がって咲きます。
丁子菊は、花の中心部が盛り上がって咲く菊で、アネモネ咲きとも呼ばれています。
嵯峨菊
は、京都嵯峨地方で発達した菊で、細長い花びらがまっすぐに立ち上がって咲きます。







【懸崖作り花壇】
野菊が断崖の岩間から垂れ下がって咲いている姿を模して、1本の小菊を大きな株に仕立てる技法を「懸崖作り」と呼びます。古木の台の上に、花鉢を配色よくならべています。





【肥後菊花壇】
 肥後菊は、古くから肥後地方で作られた一重咲きの古典菊で、おもに武士の精神修養として発達しました。栽培方法や飾り方は、江戸時代に熊本で確立した、秀島流の厳格な様式に基づいています。





大菊花壇】
 大菊は、菊の代表的な品種で、花びらが花の中央を包み込むように丸く咲くのが特徴です。神馬の手綱模様に見立てた「手綱植え」と呼ばれる新宿御苑独自の様式で、39品種311株の大菊を黄・白・紅の順に植え付け、全体の花が揃って咲く美しさを鑑賞する花壇です。







 菊を育てる側と鑑賞する側の情熱が、以上で紹介したような美しいさまざまな菊を作り出した原動力だったのでしょう。皇室と日本を代表する花として、これからも多くの人に愛され続ける花が、菊の花です。今の子どもの中には、菊が咲く季節を知らない人も少なくありません。何故か、秋の七草に入っていない菊ですが、菊花展などで存分に秋を感じてほしいと思います。ただ、ちょっと原稿をそのままにしておいたら、既に師走となり、秋から冬に季節は移り変わってしまいました。



【プラタナスの並木】
 菊の花が美しく咲いている時期は、多くの落葉広葉樹から落ち葉が舞い散る季節でもあります。街路樹が常緑樹ではなく、落葉樹であることは、様々な理由があります。春の新緑から秋の紅葉から落葉まで、四季の移り変わる変化を楽しむことができます。けれども、この時期には多大な費用と労力を掛けて、落葉を処理する必要があります。その困難を抱えても、落葉樹が植えられていることは、多くの人に楽しさを与えていると思います。





【冬咲の桜】
ジュウガツザクラなどは、この時期に開花してります。ちょっと不思議な感覚で、多くの人たちを集めていました。





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マッキーの随想:地球温暖化対策「パリ協定」

2016年11月27日 | 時事随想

 

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 「オバマ現大統領がパリ協定を強く支持してきたのに対し、トランプ氏は地球温暖化がでっち上げだと主張し、協定からの脱退を唱えている。」・・・アメリカが大統領にトランプ氏を選んだことにより、地球温暖化対策にも不確定要素が増えました。

人類が、地球温暖化によりさまざまな弊害を意識してから、その対策の歩みをまとめてみましょう。

国際連合人間環境会議

 1972年6月、ストックホルムで国際連合人間環境会議が開かれた。これは地球規模で行われた初めての環境問題の会合であり、国連環境計画(UNEP)が設立されるなど一定の成果を挙げた。

国際連合会議(地球サミット)

 1992年6月にはリオ・デ・ジャネイロで環境と開発に関する国際連合会議(地球サミット)が開かれ、気候変動枠組条約(UNFCCC)を採択した。

京都議定書

 1997年のCOP3では、初めて具体的に排出量の削減を義務づける内容を盛り込んだ京都議定書が議決された。これは世界的に様々な温暖化の緩和策の進展を促すこととなった。京都議定書が1997年に議決され2005年に発効し、議定書の目標達成を目処に削減が行われてきた。欧州では順調に削減が進み、目標達成の目処が立っている。しかし主要排出国の米国が参加しておらず、また先進国のカナダが目標達成をあきらめたり、日本が削減義務達成に失敗しそうな情勢になっている。

パリ協定

 パリ協定は、第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)が開催されたパリにて、2015年12月12日に締結された、気候変動抑制に関する多国間の国際的な協定。2020年以降の地球温暖化対策を定めている。1997年に採択された京都議定書以来、18年ぶりとなる気候変動に関する国際的枠組みであり、気候変動枠組条約に加盟する全196カ国全てが参加する枠組みとしては世界初である。


 今年は日本列島に影響を与えた台風が頻発しました。特に、台風とは無縁のはずの北海道が、多きな被害を受けたことが特筆されます。地球温暖化を原因とする海水温度の上昇が、熱エネルギーを増大させ、熱帯低気圧を多発させる原因となっています。また局所的に見ても、経験したことのない急激な天候変動を引き起こしています。現在、地球温暖化は負のスパイラルに入り込んで、もう手遅れだという見解もあります。地球温暖化に関わる各国の利害関係が、対策の前進を阻害しています。

今こそ、各国の利害を超えて、地球を健全な状態に戻す必要があるでしょう。

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マッキーの山登り:西吾野駅~子ノ権現~竹寺~小殿バス停andさわらびの湯

2016年10月25日 | 日帰りの山登り

 

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 10月16日(日)、二週間前に歩いた奥武蔵の山を再び小学2年生と一緒に歩きました。7時少し前に家を出発し、西武秩父線の西吾野駅で下車。東吾野駅・吾野駅・西吾野駅、それぞれの駅で、結構な数の登山客が下りました。午前中は晴、午後から曇という予報で、まずまずの山歩き日和でした。



 西吾野駅を出発し、道なりに歩くとすぐに小さな川の上に架かった橋を渡り、大きな通りに出たら信号を渡って左手に歩きます。小床橋を渡ると、民家が散在する急勾配の坂道をしばらく歩きます。右手に神社がある場所から、本格的な登山路がスタートします。

 前回のコースと比較すれば、山登りらしい登山路が続きます。杉林は、間伐されていますが、間伐された丸太が活用されずに、放置された状態になっていました。間伐材の有効利用をもっと真剣に考えるべきでしょう。かつては、こうした里山は、周囲の住民にとって、生活に欠かせない様々な品物を提供してきました。ですから、しっかりと手入れをして管理してきたのです。

 資源の少ない我が国において、森林資源は世界に誇れる財産であることは事実です。けれども、里山の様々な資源を有効利用する時代ではなくなり、かつ材木の価格が外材に比べて割高な現在、このように間伐材は朽ち果てるように捨て置かれています。そんなことを、小学2年生に話しながら、登っていきました。



 子ども連れの山登りは、標準的な所要時間よりも2~3割多くかかることを前提に、計画を立てることが必要です。服装及び雨具などは、状況により可変的に対応できるように、親は心掛けることも大切です。山を歩いていると、天候に対応できずに、哀れなほど厳しい状況で歩いている親子を見かけることがあります。子どもを山嫌いにしないように、楽しい思い出を作ってあげてください。



 子ノ権現へ通じる舗装道路に、登山路からひょこっと出ます。道路を道なりに歩いてもいいのですが、しばらく行くと右手に登山路がありますので、この道を選択して歩きます。登り切った所に、子ノ権現の山門があります。

 「山門の向こうに大きな鬼が見えるでしょう。悪い子が通ると、時々動いでパックンとするんだって。ちょっと先に山門の所に行って。写真を撮るから。」

 小学2年生は、私の手を強く握り返してきました。やはり、怖いのだな。それでも、怖がるのはまずいと思ったのか、しぶしぶ山門の所へ一人で歩いていきました。



 境内にある大きな草鞋にびっくりすると思いましたが、あまり反応はありませんでした。先ほど立っていた阿吽の鬼の草履と思ったので、喜ぶどころではなかったのかもしれません。家で国語の教科書の音読を聞いていると、内容は「泣いた赤鬼」でしたので、鬼の怖さと優しさを身近に感じていたのだろうと思います。

 子ノ権現は、伊豆ヶ岳を経由して、私は繰り返し通っています。芦ヶ久保から、二子山・武川岳を登って山伏峠を登り返し、伊豆ヶ岳・子ノ権現を通り、吾野駅までの長い山道を歩いたことがありました。



 寺を下った所に、日当たりの良い場所を見つけてランチタイムとしました。前回の物見山でも、草原にシートを敷いて昼食をとりましたが、そこでは様々な虫と戯れた2年生。ここには、ほとんど虫がいないねと不満顔。アキアカネと時折キチョウが舞うのみでした。



 昼食後、竹寺へ向けて出発。学芸会が間近なのか、そこで行われる劇の台詞を、自分の以外もほとんど覚えていて、歩きながら台詞を言ったり、劇中の歌を歌ったりして、私の後についてきました。この子は、末っ子ですが、上の子とはだいぶ年が離れているので、ほとんど一人っ子状態です。したがって、とてもマイペースな子で、自分の世界に入り込むところがあります。

 竹寺は、けっこう大きな境内を持つ寺です。本尊は「牛頭天王」で、神仏習合の寺です。茅葺の屋根を見て、屋根に草がいっぱい生えてるねと、驚いていました。



 牛頭天王社への登り口の鳥居に、茅の輪が取り付けられています。茅の輪くぐりは、各地に伝わっていて、これは災厄から免れ無事を祈る儀式なのでしょう。茅の輪にのってポーズをとった後、こちらに向かって歩こうとした2年生。何を思ったのか再び輪の向こうまで行き、輪をくぐって戻ってきました。そう、それが正解!何で気が付いたのだろう。


 
 牛頭天王社の境内で休憩をとり、小殿バス停の時刻表を確認すると、40分ほど後に出発するバスがありました。40分は、ここからバス停までの標準的な所要時間です。頑張って間に合わせようかと聞くと、エ~という反応。帰りの温泉が待っているよ!・・・温泉大好きな2年生にテキメン。早速バス停に向かって出発。

 竹寺からしばらくアップダウンが続いた後、一気に急勾配の下りとなります。マイペースにならないように、ちょっと先を歩く私に遅れまいと、2年生も必死でした。めでたく、時間内にバス停にゴール。「頑張ってよかったね。」と言えば、笑顔でウンとうなずきました。

 小殿バス停からちょっと乗れば、天然温泉「さわらびの湯」に到着します。8歳の小学2年生、一人で女湯に入る?それとも、一緒に男湯に入る?の問いに、一緒が良い!と即答。無論、私もそのつもりでいました。けれども、8歳ですので、そろそろ一緒に温泉に入るのは終わりかな。

 2年生は入浴後のいつものアイス、私は缶ビールでしばしリラックス。時刻表を確認すると、飯能行のバスが間近でした。「あと5分!のリラックスタイム」を宣告。バス停で温泉饅頭を食べながら、バスが来るのを待ちました。

 小学校の低学年にとっては、ちょうどよい山歩きとなりました。おまけに、温泉大好きの子どもですので、天然温泉に入ることができて、とても充実した休日を過ごすことができたと思いました。この子には、野山を歩く楽しさを知ってほしいと願っています。



【標準的な歩程】

西吾野駅~1時間20分~子ノ権現~1時間~竹寺~40分~小殿バス停 (約3時間)

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マッキーの教育:かわいそうなだけの子でない

2016年10月21日 | 教育

 

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 祭り装束で屈託のない笑顔を浮かべる少女の写真。青森県黒石市で行われた「黒石よされ」祭り写真コンテストで最高賞を獲得した作品です。ここまでの話であれば、この写真と少女は、地方の町おこしに一役買ったのだろうという感想が残るだけです。



 ところが、この写真が撮られた10日後、この少女は駅のホームから列車に飛び込んで亡くなったそうです。遺書に、「二度といじめたりしないでください」と記した、いじめを苦にした自殺でした。

 青森市の男性が偶然撮影したこの写真に対して、実行委は遺族の了解を得た上で市長賞に内定したのだそうです。たぶん選考の過程で、被写体の少女が、いじめによる自殺をしたことが判明した後、様々な議論の末に、受賞を決定したのだろうと推測できます。

 「黒石よされ」の祭りをアピールし、多くの人に参加してもらおうという趣旨のフォトコンテストだったはずです。したがって、不特定多数の人に観てもらう写真として妥当かどうか、様々な意見があったはずです。私が選考担当なら、この事実を把握した段階で、この作品を除外したと思います。

 自殺した少女の写真を使うことは、祭りを盛り上げる話題になるよりは、いじめや自殺の方に、観た人の関心が行ってしまうのは当然でしょう。ただ、遺族の了解を得た後、実行委メンバーの一部や市長が「賞の趣旨になじまない」などと反対し、一旦は授与を取りやめたのだそうです。

 高樋市長が一転授賞を決めた理由は、遺族が写真と実名を公表したため、伏せる必要がなくなったからとのことでした。それも、ある意味納得のいく理由だと私は思いました。写真を公表すれば、その子のプライバシーや遺族に対する詮索など、コンテストの趣旨に合わない点が、世間の話題となってしまうからです。

 ただし、選考の過程で、そうしたプライバシーをも含めて、少女の遺族と話し合いを密にできたなら、こうした混乱は起きなかったはずです。この話題が公になると、感情的な批判が・・・これこそがいじめと共通した心理なのだが・・・主催者側に寄せられているそうですが、どっちに転んでも同様な反応があった事例だと私には思えます。

 「かわいそうなだけの子でない」という遺族の少女に対する想いを優先すれば、祭りで手踊りを披露した楽しそうな少女の姿を、生き生きと描写したこの写真の受賞と公表は当然とも言えます。祭りを盛り上げ観光にも役立てたいというフォトコンテストの趣旨は、この際引っ込めて判断すべきだったようです。

 どんなに笑顔を見せていても、心の奥底に耐えきれない苦しみを抱えている子どもたちがいる。保護者も教育者も子どもの言動や悩みを感知する能力を高める努力をすべきです。いじめを行っている子には、それが悪質な犯罪であることをしっかりと認識させる必要があります。いじめや悩みを抱えた子どもの一次的な避難場所を作ってあげることも大切です。いじめに負けない生きる力を子どもたちに身に付けさせることも、現代において最も大切なことかもしれません。・・・この写真を見ながら、いくつもの思いが次々と私の頭に浮かんできます。

 「かわいそうなだけの子でない!」・・・亡くなった子に対する親の切ない心情が伝わってくる言葉です。いじめが理由で自分の命を絶つ子どもを無くすために、大人は掛け声だけではなく、具体的な行動で示さなければなりません。

 かつてのブログで、いじめの問題について取り上げました。、関心のある方はご覧ください。

マッキーの教育論:いじめ問題について考える(1)

マッキーの教育論:いじめ問題について考える(2)


マッキーの教育論:いじめ問題について考える(3)


マッキーの教育論:いじめ問題について考える(4)

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マッキーの教育:『君の名は』

2016年10月18日 | 教育

 

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 「君の名は」・・・この言葉を聞いて、脚本家・菊田一夫の代表作で、「番組が始まる時間になると、銭湯の女湯から人が消える」と言われたあの伝説的なラジオドラマを思い出す人は、ちょっと高齢な方が多いはずです。

 今日取り上げる『君の名は』は、新海誠監督の長編アニメーション映画のことで、私は小学2年生と一緒にこの映画を観ました。小学2年生に、「『君の名は』の映画を観に行く?」と問えば、「『青空エール』と同じくらいヒットしている映画でしょう!」という応えが返ってきました。教室の小学高学年に問えば、「『言の葉の庭』の新海誠の新作映画でしょ。」という反応。小学生でも知っているのか。


 16日、スペインのシッチェス映画祭で、アニメーション作品部門の最優秀長編作品賞を受賞したという報道がありました。この映画祭は、ポルト国際映画祭(ポルトガル)、ブリュッセル・ファンタスティック国際映画祭(ベルギー)と並び、ファンタジー・ホラー・アニメーションに特化した国際映画祭なのだそうです。

 小学2年生は、新海誠監督の「言の葉の庭」を、だいぶ前のことですが、私のスマホで観たことがありました。この監督の作品は、青春期の少年少女揺れる恋愛感情を、詩情豊かに描くことに成功しているように思います。今、青春真っただ中の人たちは、その甘酸っぱいラブストーリーに惹かれ、年を重ねた人たちは、ふと映像に昔を重ね合わせる、そんな映画の見方をしているのでしょう。



 映画「君の名は」は、田舎に住む高校生の三葉と、東京に住む男子高校生のが、あるタイミングで心が入れ替わってしまうというストーリーです。これは、大林宜彦監督の「転校生」を連想させます。また、1200年ぶりに地球に接近した彗星の核が分裂して、その一部が地球に降り注ぐという架空の出来事も、この映画の重要な要素となっています。

 そして入れ替わっている二人の住む世界が、実は数年の時間のずれがあったことも、観ているうちに分かってきます。男と女・住んでいる場所の距離・時間の差異・生と死・・・そうしたどうしようもない隔たりと、自分自身が相手と入れ替わってしまう親近感が交錯する映画でした。

 この映画は、たぶん観る人によって、様々な印象を受けるでしょう。映画を観た後に、雑踏を行き交う人たちも、過去・未来において自分に無縁ではない存在かもしれないと、歩きながら私に思わせる、そんな映画でした。

 小学2年生にとって、ちょっと早いラブストーリーでしたし、入り組んだ展開についていくことができたのか心配でしたが、二人が生きた世界に時間差のあることも分かっていたようです。

 三葉がおばあさんから織り方を習っている色鮮やかな組紐が、「糾える縄の如し」という言葉や運命の赤い糸」を連想させる役割を果たしています。様々に手の込んだ仕掛けが映画の中にちりばめられていますが、最も多くの方が印象的に感じるのは、その映像の精緻な美しさでしょうか。



 「君の名は」の興行収入は、149億円を記録(10月4日現在)しているのだそうです。観客動員数は公開から7週連続1位で、累計1149万人というヒット映画となっていて、世界89カ国・地域での公開が決定しているそうです。今回の映画祭の受賞で、興行収入200億円超えが確実と言われています。

 子ども向けの映画は、子どもとその親が対象となりますが、「君の名は」はアニメーション映画ですが、もっと幅広い層の人たちに観られていることも、ヒットしている理由となるでしょう。この映画の主人公の二人は、互いに最も近い存在と認識しているので、一瞬のすれ違いでさえ、相手を認識できると確信しています。ところが、お互いに惹きつけられているにも拘らず、現実世界に戻ると相手の名さえ忘却してしまいます。この遠近の落差。「君の名は」には、そうした切ない思いが込められています。



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