2012年9月記事
灼熱地獄が続いた8月・・・
昔は30度越える日など めったに無かったのにと訝(いぶか)る私。
寝た子を起こした外交は今や世界を異常気象、産業の空洞化、
伝染病で持って恩を仇で返している。これも極一部の餓鬼の欲
による物が発端になったのだが グローバル化等という耳障りの良い
搾取侵略に騙される事なく 真の世界平和を目指さないと大変な事に
なるだろう。
このまま行けば 日本人皆、赤道直下の国民のように暑い日差しを
まともに受け 髪の毛は熱でカールして オバケのQ太郎に出てくる
ラーメン好きの小池さんの様な頭になるんじゃないだろうかと
眠れぬ夜が続いたのだ
顔をフライパンと見立てるならば ジリジリとした暑さのせいで
にじみ出てくる汗(油)のせいで 焼きすぎたホットケーキの様に
褐色化した肌は、まるで漁師焼けしたように 殺人的な気象現象を
過ごした証となったのだ。
そのうち 宇宙服の様な耐熱服を着て生きて行かねばならぬのでは
ないかと考えていたら 9月に入って ようやく ハワイの様なサッパリ
とした朝を迎えた。
それにしても・・・
7・8月は我が所有の軽トラックに振り回された月日を過ごした。
例のあの車っすよ・・・ったく もう!
「ペン!ぺん!ぺん!」 キーを回すと腐った芋でも食って 腹の調子
を悪くしたように屁を垂れ流す「愛しの軽トラ!」
それにしても エンジンを回している時の周りの視線が否だ。
窮地に追い込まれたときの人間の心理って 他人がこちらに向ける
目線はしゃくに障るのだ・・・
昔 ヤンキー兄ちゃんがガンを垂れる(こちらを睨む)とか言って
路上でつかみ合いなんか やっていたが あれって元々は
自分にやましい事がある人間の類が私服警官の目線を恐て嫌っていた
のが 虚勢を張る若者の世界で流行したのではないだろうかと思う。
(そう言えば 剣の師匠が不審者を見るときの目は鋭かった)
否そうじゃない! バスの中で腹を下し あまりの苦しさに
炎で調理されるケバブーが如く 吊革につかまり 「アーッ!」と
悶絶しながらくるくる回っていると 「どうしたん?なんかあったん?」
と 大阪のおばはんに声をかけられる時の心理状態に似ている。
志村けんの「あィーん」のような顔になり
「だ・大丈夫です 放っておいて ちょんまげっ・・・・」 蚊の鳴くような声で答えた。
ここで アンタが声をかけてくれても 如何する事もできぬのだ。
いっそうの事 その手持ちの大きな手下げカバンに ぶちまけさせて
くれるのであれば 「かたじけない!」と恩に着るだろうが
終いには 限界近く チャップリンのようなステップを踏んでいると
周りが 何をやってるんだろうと 大道芸人扱いの目線を向ける位の
迷惑さなのだ。(うーむ 後者の方が的を射た表現だ)
時に人間の目線っちゃ 受け手の心理状態ではかなりキツイのだ。
私は詫び錆びも知る奥ゆかしい人間なので 変なことであまり注目
されたくないのだ(誰だって そうだよ!)
早く 普通の男の子に戻りたいので 知り合いの整備工場に連絡・・・
あっけなく「部品が有りませぬ」と整備士に引導を渡され
最早自分の手で直すより他なし!と 燃料フィルターやプラグ交換、
キャブ洗浄等 素人ながら思いつく所は全てやってみたが 悪戯に暇を
つぶすのみ。
この暑さも手伝ってか 誰がやったのか 舐めたネジに怒りが爆発し
「やっちょれーん!」とスパナを投げつける私。
気を取り直し 再び作業を試みるが 吹けるどころか
「プスプスプス ドッカーン」と繰り返す始末・・・
「ポンコツ野郎がっ!」
前回 愛しの軽トラとまで 親しみを込め愛称していたのもぶっ飛び
蹴りを何度も喰らわせ車体に八つ当たりしたのであった。
白髪頭のイカレタ中年男が半キチになり 車体にブルースリーの如く
「アチョーアチョー」と蹴りを入れる様はご近所に対して恐怖に
映ったのではないだろうか。お次は力道山顔負けの空手チョップ(手刀)
の炸裂で 自らの手を傷めてしまった・・・
〆には 我らが世代が得意とする 助走して打撃力を与える ライダー
キックのお見舞いだ!
実際、側を通った金髪頭のヤンキー兄ちゃんも横目でチラ見をしながら
目線を避けて歩いていた・・・それほど体から怒りのオーラが出ていた
のかも知れない。
この惨状を見かねた妻が
「もう!長く働いてくれたっちゃから 感謝して休ませてやりィーよ」
妻の忠言が耳に逆らう。
愛犬が気を使ったのか 駆け寄ってきて 私の手をペロペロと
舐めまわして「落ち着け このハンキチおたんこなす野郎!」と
ナダメテいるようにも思えた。
私「そげな事言うたってっ!」
度重なる失政で我ら父母の世代が 老いても、尚 働かなければ
ならぬご時世・・・恐らく 自分の親と軽トラが重なって見えたのだろう・・・
(公約果たせなんだら 潔く腹を切れっ!)
私:「・・・・・」肩で息をしながら 決まりの悪さに黙り込む私
ふと我に帰り「そうやね・・・感謝せんとね・・・」と頭を冷やした。
それから数日して・・・気まぐれにエンジンをかけてみたら プスプス
屁は垂れるもの 爆発が消えていた・・・
私は思わず軽トラに抱きつき「ゴメンよ ポンコツ野郎なんて言って!」
と心より詫びを入れたのだ・・・
「こん未熟者めがっ・・・」何処からか
格の如き声がしたような気がした。
PS ガソリンが急に高騰したからっちゅうて ガソリン泥が出た・・・
おいおい そのポンコツ野郎からは血の一滴もでねえぜ!
生憎だったなとせせら笑う私・・・ これ以上のトラブルは
ご免だ 止めてくれよ・・・
昔、若い時 敷地に忍び込んだ泥棒が二人 反撃の姿勢をとった
ので嬉しくなり「いいっちゃな!?」と前置きし木刀で打ち据えよう
としたが 逃げてくれたのでやらなくて良かった。
過剰にやると此方が悪くなるそうだ 応戦したら大変な刃傷沙汰
になっていただろう。(ぞっとする)
まだ ご近所付近は野山状態だったので 草むらに飛び込んで
身を潜めていたみたいだ。髪を振り乱し 鬼の形相で
八つ墓村の如く 追いかけて行ったので 恐怖だったのでは
ないだろうか・・・月夜の晩で 風がそよそよと吹いていて
まるで タイムスリップしたような 心地よい風だった。
追記:夜の夜中 パンツ1貫 上半身裸の男がにやけ顔で
木刀を振りかざして来たのだ 逆の立場なら
恐怖で腰を抜かしただろう こちらは「眠り狂四郎」を
気取ったつもりだが きゃつ等にゃ 狂った要蔵に見えた
筈・・・そりゃあ ミステリアスで怖い!うーむ かっちょ悪
※要蔵=八つ墓村で懐中電灯を頭にくっつけている男