宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

アイリアノス『ギリシア奇談集』:「希望について」、「エピアルテスの言葉」、「大蛇が恩を返した話」!

2021-03-04 20:33:36 | Weblog
※アイリアノス(200A.D.頃)『ギリシア奇談集』(第1~14巻)岩波文庫

第13巻(29)「希望について」:「希望」を持つ者は狂人だ!
プラトンは、「希望とは目覚めている人間の見る夢だ」と言った。
《感想》「寝ている人間」の見る夢と、「目覚めている人間」の見る夢がある。後者は「白昼夢」だから、プラトンによれば「希望」は「白昼夢」だ。「白昼夢」は狂人の夢だから、「希望」を持つ者は狂人だ。

第13巻(39)「エピアルテスの言葉」:賄賂を取らない政治家!
エピアルテスは、さる将軍が彼の貧困ぶりを詰(ナジ)ると、「君はなぜもうひとつのことを言ってくれぬのだ、僕が正義の人間であることをだ」と言った。
《感想》エピアルテスは「終生貧困であった名士たち」(第11巻9)の一人。アテナイの民主政治家。彼が「正義」の人間であるとは、賄賂を取らないことだ。金子(キンス)を贈ろうとした友人に断って、エピアルテスは言った。「それを貰えば・・・・何か正義にもとるような返礼をすることに・・・・なる他ない。」(同前)
《感想(続)》清廉な政治家が歴史上存在するとは驚きだ!

第13巻(46)「大蛇が恩を返した話」:動物の「恩返し」の話(動物報恩譚)がギリシアにもあった!
ある少年が小蛇を買い、丹精こめて育てた。蛇は成長するにつれ、まるで言葉が通ずるかのように少年に向かって何か話しかけるふうをし、一緒に遊び一緒に寝たりした。やがて大蛇になったので野に放してやった。それから何年も経ち、子供も青年になった時、何か見物に行った帰り道、山賊に襲われた。青年が大声で助けを呼ぶと、そこに例の大蛇が現れ山賊たちを追い払い、その幾人かは殺し青年を救った。
《感想》動物の「恩返し」の話(動物報恩譚)がギリシアにもあったとわかる。日本では「分福茶釜」(狸)、「浦島伝説」(亀)、「鶴女房」、「舌切り雀」、「狼(オオカミ)報恩」(男が山で、口をあけ男を見つめる狼に会い、手を口に入れのどの骨をとると、狼は一礼して去り、後に男の家に山の獲物を持ってくる)などがある。
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