第Ⅲ部 地方、女性、非正規
第1章 地方経営における共感と想像力:「維新」が回帰すべき方向
A 女性=「産む機械」発言:柳澤伯夫(ハクオ)厚労大臣。また増田寛也『地方消滅』(2014年)も似た発想。
A-2 良心的リーダーさえ、女性の自由について共感できない。
A-3 個人の自由と幸福を持続させるために、集団や団体がある。
B ワーキング・マザーを悪しざまに言うのは、隣人への共感を欠いた悲しいこと。
C 共感を語り、そして選ばれた地方リーダーたちの不毛。想像力の欠如。
C-2 地方は疲弊するばかり。公共事業では再生、無理。
D 地方経営の推進者としての「維新」。果たして共感と想像力があるか?
D-2 地方公務員の無駄と無策への橋下氏によるカタルシス(高揚感)。反エリートの怒りのエネルギー。
第2章 地方創生について:「急進的な道州制」以外に地方経済の成長はない!
A アベノミクスの「地方創生」:アベノミクスの成果を地方にいきわたらせる。
A-2 しかし同床異夢。Ex. 国土強靭化の公共事業増。Ex. 特区の規制緩和による創業促進。
B 「失われた20年」(1991-2010)の間の日本経済の最大の変化。
①グローバル化:日本経済の評価は中国や、小回りが利くシンガポールなどと比較される。
②労働者の4割の非正規化(1000円以下の時給):株高・景気回復を実感できない。
B-2 アベノミクスの「地方創生」が必要とするのは、かくて、①世界的に評価されるスピード感、②非正規層に実感を届けること。
B-3 地方創生の成功のハードルは相当、高い。
C 真の地方創生とは「地方の自立」!:①経済基盤の自立。②経済政策の立案能力の自立、③有能な人材を引き付け、リーダーを育成する能力の自立。
D 急進的な道州制論:世界中を見回してみて、これ以外に地方経済の成長はない。
D-2 中央で立案される政策の枠組では無理。大きな変化は期待できない。
D-3 地方のエリートは、中央から情報や資金を引き出してくることこそ、地方の発展につながると思っているが、これでは地方の自立はない。
E 地方の疲弊を解決するラディカルなメニュー:
①金銭解決にもとづく自由解雇による雇用の流動性&セームワーク=セームペイ(同一労働同一労働賃金)の強制で若年現役層の賃金充実。
②法人税10%台でアジア最安水準&所得税もフラットタックス→企業が集まる→税収確保。
③保育所と学童保育を子供全員分整備&ナニー・サービスのため外国人ビザ自由化&女性幹部比率に応じて法人税を増減させる→出生率向上。
E-2 地域間で政策の競争:特区を、自治権の強い道州制的に運用。結果責任を引き受ける仕組みと覚悟が必要。
F 政策競争を促す改革提案に対し、リベラルは反対する。悲しい。地方が疲弊して苦しむのは本当に弱い立場の方々。
G 計画経済は成長につながらない。自由度を高め、創意工夫を促し、失敗を許容し、10年たって花開くのを待つ。
G-2 ①住民投票で政策の受け入れを決定。②政策実施の中核的存在となる官民のチームを、中央から片道切符を条件に、好条件で地方に派遣。
第3章 非正規労働者に未来を:国民の間の不公平は「民主主義の怠慢・不作為」の結果!
A 80年代後半から実数で2.5倍、現在約4割、2000万人が非正規労働者。その不平等!
A-2 日本の民主主義の問題としてとらえる。
B 流通業やサービス業の人手不足と言っても、「最低賃金に近い需要が高まった」だけ。
B-2 北欧や豪では、都市の時給は1500-2000円。日本人はすでに、豊かでない。
B-3 多くの労働者が、将来を見通すことも、家族設計もできない社会。
C グローバル資本主義経済のもとで、競争する企業。労働者の待遇は熟練度(付加価値の水準&希少性)に応じてグローバルに決まる。
C-2 グローバル経済に対して、労働に対する国民国家の規制。国民の最低限の福祉と一定の公平性のため!
D 経済のグローバリゼーションと、国民国家の関係の問題:
D-2 右派でも左派でも、国民国家に頼りすぎ鎖国を主張しては、生きていけない。
D-3 国民国家は邪魔だとするリバタリアンやビジネスエリートは、平和・治安・福祉・教育・科学技術研究が、国民国家により支えられていることを忘れている。
E 国民国家を維持するコスト(=所得の再分配)の問題:中福祉・中負担というコンセンサスあり。
F 国民国家の公平性の問題:本人の能力や努力に基づかない過度な結果の違いが「不公平」。
F-2 日本の民主主義は「公平」をうまく実現できない。
F-3 労働組合は、労働者全体の4割の非正規労働者を、守れない。
F-4 政党は、非正規労働者2000万人を、政治過程に乗せられない責任!
G グローバリゼーションの圧力は、公平に負担すべきである。
G-2 年齢(=仕事を始めたタイミング)や性別で、一部の労働者のみグローバリゼーションの負担を負うのは不公平。
G-3 セームワーク=セームペイであるべき。中高年と正社員の待遇を下げて、若年層と女性の待遇を上げる。既得権が民主主義を阻害する。
第4章 共和主義者のジェンダー論:共同体の利益を重視する発想(=共和主義)に基づくフェミニズムの重要性!
A 安倍政権は、女性活用を重視している。
A-2 政策目的は、個人の自由・公正・平等ではなく、経済成長。
B この「保守主義者のジェンダー論」は、保守&リベラル双方から不評。
B-2 ①クォーター制(指導的立場の女性30%):短期的に割を食う者がいても、長期的には社会全体のためにプラス。男女平等の大義。
B-3 ②中小企業は反対:男女平等にそこまでコストはかけられない。
B-4 リベラルは全体として、シラケた雰囲気。
C 戦後フェミニズム運動の根幹は、個人主義、個人的人権の尊重。人はすべて自由であり平等であるべき!
D 少子化でガラガラの幼稚園と、入所困難な保育園(弱者保護の福祉サービス)を、一体化できない。
E 日本のフェミニズムの弱点の一つは、個人の選択の自由を当然にも尊重するので、専業主婦層を重視してきたこと。専業主婦は、相対的に富裕で、文化・教養層に多い。
E-2 労働参加し指導的立場の女性は、比率で劣位。
F さらにフェミニズム運動の個人主義の本質的弱点:出生率の低下という共同体の死活の利益との衝突!
F-2 これに無関心では、フェミニズム運動への支持は集まらない。
G かくて共同体の利益を重視する発想=共和主義に基づくフェミニズムの重要性!
G-2 「自由で豊かな市民」と「共同体の利益」との調整。
G-3 共同体として子供を大切にする!子供を産み育てる家族をサポートする。
G-4 「子供をみんなでサポートする」政策に転換せよ。出産・子育てを社会全体でサポートする。
G-5 子育ては、女性でなく、男女で担う。「母子手帳」でなく「親子手帳」であるべき。
G-6 例えば、保育支出の税額控除を認める→高額所得者の保育支出増→保育産業も開花。
第1章 地方経営における共感と想像力:「維新」が回帰すべき方向
A 女性=「産む機械」発言:柳澤伯夫(ハクオ)厚労大臣。また増田寛也『地方消滅』(2014年)も似た発想。
A-2 良心的リーダーさえ、女性の自由について共感できない。
A-3 個人の自由と幸福を持続させるために、集団や団体がある。
B ワーキング・マザーを悪しざまに言うのは、隣人への共感を欠いた悲しいこと。
C 共感を語り、そして選ばれた地方リーダーたちの不毛。想像力の欠如。
C-2 地方は疲弊するばかり。公共事業では再生、無理。
D 地方経営の推進者としての「維新」。果たして共感と想像力があるか?
D-2 地方公務員の無駄と無策への橋下氏によるカタルシス(高揚感)。反エリートの怒りのエネルギー。
第2章 地方創生について:「急進的な道州制」以外に地方経済の成長はない!
A アベノミクスの「地方創生」:アベノミクスの成果を地方にいきわたらせる。
A-2 しかし同床異夢。Ex. 国土強靭化の公共事業増。Ex. 特区の規制緩和による創業促進。
B 「失われた20年」(1991-2010)の間の日本経済の最大の変化。
①グローバル化:日本経済の評価は中国や、小回りが利くシンガポールなどと比較される。
②労働者の4割の非正規化(1000円以下の時給):株高・景気回復を実感できない。
B-2 アベノミクスの「地方創生」が必要とするのは、かくて、①世界的に評価されるスピード感、②非正規層に実感を届けること。
B-3 地方創生の成功のハードルは相当、高い。
C 真の地方創生とは「地方の自立」!:①経済基盤の自立。②経済政策の立案能力の自立、③有能な人材を引き付け、リーダーを育成する能力の自立。
D 急進的な道州制論:世界中を見回してみて、これ以外に地方経済の成長はない。
D-2 中央で立案される政策の枠組では無理。大きな変化は期待できない。
D-3 地方のエリートは、中央から情報や資金を引き出してくることこそ、地方の発展につながると思っているが、これでは地方の自立はない。
E 地方の疲弊を解決するラディカルなメニュー:
①金銭解決にもとづく自由解雇による雇用の流動性&セームワーク=セームペイ(同一労働同一労働賃金)の強制で若年現役層の賃金充実。
②法人税10%台でアジア最安水準&所得税もフラットタックス→企業が集まる→税収確保。
③保育所と学童保育を子供全員分整備&ナニー・サービスのため外国人ビザ自由化&女性幹部比率に応じて法人税を増減させる→出生率向上。
E-2 地域間で政策の競争:特区を、自治権の強い道州制的に運用。結果責任を引き受ける仕組みと覚悟が必要。
F 政策競争を促す改革提案に対し、リベラルは反対する。悲しい。地方が疲弊して苦しむのは本当に弱い立場の方々。
G 計画経済は成長につながらない。自由度を高め、創意工夫を促し、失敗を許容し、10年たって花開くのを待つ。
G-2 ①住民投票で政策の受け入れを決定。②政策実施の中核的存在となる官民のチームを、中央から片道切符を条件に、好条件で地方に派遣。
第3章 非正規労働者に未来を:国民の間の不公平は「民主主義の怠慢・不作為」の結果!
A 80年代後半から実数で2.5倍、現在約4割、2000万人が非正規労働者。その不平等!
A-2 日本の民主主義の問題としてとらえる。
B 流通業やサービス業の人手不足と言っても、「最低賃金に近い需要が高まった」だけ。
B-2 北欧や豪では、都市の時給は1500-2000円。日本人はすでに、豊かでない。
B-3 多くの労働者が、将来を見通すことも、家族設計もできない社会。
C グローバル資本主義経済のもとで、競争する企業。労働者の待遇は熟練度(付加価値の水準&希少性)に応じてグローバルに決まる。
C-2 グローバル経済に対して、労働に対する国民国家の規制。国民の最低限の福祉と一定の公平性のため!
D 経済のグローバリゼーションと、国民国家の関係の問題:
D-2 右派でも左派でも、国民国家に頼りすぎ鎖国を主張しては、生きていけない。
D-3 国民国家は邪魔だとするリバタリアンやビジネスエリートは、平和・治安・福祉・教育・科学技術研究が、国民国家により支えられていることを忘れている。
E 国民国家を維持するコスト(=所得の再分配)の問題:中福祉・中負担というコンセンサスあり。
F 国民国家の公平性の問題:本人の能力や努力に基づかない過度な結果の違いが「不公平」。
F-2 日本の民主主義は「公平」をうまく実現できない。
F-3 労働組合は、労働者全体の4割の非正規労働者を、守れない。
F-4 政党は、非正規労働者2000万人を、政治過程に乗せられない責任!
G グローバリゼーションの圧力は、公平に負担すべきである。
G-2 年齢(=仕事を始めたタイミング)や性別で、一部の労働者のみグローバリゼーションの負担を負うのは不公平。
G-3 セームワーク=セームペイであるべき。中高年と正社員の待遇を下げて、若年層と女性の待遇を上げる。既得権が民主主義を阻害する。
第4章 共和主義者のジェンダー論:共同体の利益を重視する発想(=共和主義)に基づくフェミニズムの重要性!
A 安倍政権は、女性活用を重視している。
A-2 政策目的は、個人の自由・公正・平等ではなく、経済成長。
B この「保守主義者のジェンダー論」は、保守&リベラル双方から不評。
B-2 ①クォーター制(指導的立場の女性30%):短期的に割を食う者がいても、長期的には社会全体のためにプラス。男女平等の大義。
B-3 ②中小企業は反対:男女平等にそこまでコストはかけられない。
B-4 リベラルは全体として、シラケた雰囲気。
C 戦後フェミニズム運動の根幹は、個人主義、個人的人権の尊重。人はすべて自由であり平等であるべき!
D 少子化でガラガラの幼稚園と、入所困難な保育園(弱者保護の福祉サービス)を、一体化できない。
E 日本のフェミニズムの弱点の一つは、個人の選択の自由を当然にも尊重するので、専業主婦層を重視してきたこと。専業主婦は、相対的に富裕で、文化・教養層に多い。
E-2 労働参加し指導的立場の女性は、比率で劣位。
F さらにフェミニズム運動の個人主義の本質的弱点:出生率の低下という共同体の死活の利益との衝突!
F-2 これに無関心では、フェミニズム運動への支持は集まらない。
G かくて共同体の利益を重視する発想=共和主義に基づくフェミニズムの重要性!
G-2 「自由で豊かな市民」と「共同体の利益」との調整。
G-3 共同体として子供を大切にする!子供を産み育てる家族をサポートする。
G-4 「子供をみんなでサポートする」政策に転換せよ。出産・子育てを社会全体でサポートする。
G-5 子育ては、女性でなく、男女で担う。「母子手帳」でなく「親子手帳」であるべき。
G-6 例えば、保育支出の税額控除を認める→高額所得者の保育支出増→保育産業も開花。