駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

リンゴ・ドラミング。研究されつくされているとは思うけれど-その4

2018年06月28日 | ビートルズネタ
写真は先日我が家に引っ越してきたリンゴさん。

テンポ計測編
ザ・ビートルズの公式213曲(プラス数曲)のテンポ採りをしました。
もともとザ・スターキー結成前に、準備段階として演奏候補曲数十曲分のテンポを計測していて、その後レパを増やす毎にその作業をしていたので100曲ぐらいは調査済みだったのですが、残りは「そのうちに」と思いつつ6年が過ぎてしまっていた。
今月、メンバーの諸事情でリハが休みになった時に、ヒマができたのでやってみようかなと思い立ったが吉日と作業再開というわけです。
残りの100数曲のテンポ採り、面白い作業でした。
もっとも、ビートルズ初期の曲はほとんど計測済みだったので、あまりレパにならない中期後期のマイナー曲ばかり。
ドラムレスだったり、ポールの弾き語りだったり、ジョージのインド音楽だったりと、バラエティ豊か。
さすがに「Yellow Submarine」のジョージ・マーティン作のインスト7曲は公式曲じゃなく、「Revolution 9」は計測不能でカット。
また、公式曲以外にも「Imagine」のようなレパートリーは追加して、計測し終えて表がやっと完成しました。

それら全曲リストを表にしてテンポを書き込んでおりますが、空欄が全部埋まりました。
これで何かいいことがあるのか?と言われたらなんもない。自己満足の世界であります。。。(笑)

けれど、ここからが言いたいこと、であります。へへへ。。。

その1:ビートルズの楽曲は、おしなべて計測しにくい。
どういうことかと言うと、テンポがひじょうに揺れているのであります。イントロと曲中で、かなりの幅がある。
リンゴさん、クリックなど使用しない時代でのレコーディングですから、メトロノームのように一定したテンポではないのは当然のこと。
ただ、アマチュアドラマーによくある、曲の途中でノッテきてだんだんテンポが走ってしまうというような曲は殆どない。
逆に、曲のノリというものを、テンポの変化も含めて表現しているので、イントロに比べて歌が入るとだんだんとテンポが落ちるという曲が多い。ただ、これはモタるという感じではなく、落ち着いて曲を聴かせるという感じである。
だからこそ、あの歌心あふれるドラミングであり、数々の名曲を生ませる魅力なのだと納豆食った。いや納得した。
そんなわけで、計測値はイントロから歌に入ったところの数値とすることにしたのであります。
テンポが落ち着くところまで待っていると、へたすると5~10ぐらいまで下がってしまうことがあるので、演奏開始のカウントをする際にはそれではまずいのである。

その2:全体的にゆったりしている。
ビートルズの曲は、今のポップスやロックっぽい曲と比べるとかなり遅い。
例えば、「A Hard Days Night」は数値としては140程度で、これは現代のロックと比較すると非常に遅いほうだ。
しかし、テンポはゆっくりだが、曲から感じるあのスピード感はすごい。これこそ天才リンゴのなせる業であり、ビートルズの名曲の秘密だ。
オープンハイハットの切れ目のないサウンド、突込み気味のバスドラ、そして重たいスネア。裏に流れるボンゴの16分音符やカウベルなどがスピード感を増幅している。
自分は、この秘密はリンゴさんの才能以外に、実はテープスピードを変えるという秘儀にあるのだろうと思っている。
この曲以外にも「Heip!」や「I Feel Fine」などもドラムをテープスピードを落として録音していて、最終的にドラムが突込み気味の明るく抜けた音色となって、軽快感が生まれるのだ。しかし、そうなると実際に録音時のテンポというのはさらに遅いわけで、全体的にはやはりゆったりだったんだろうなと思う。

その3:案外3拍子が多い。
計測時は、いつも4/4拍子ではじめるんだけれど、「おお、違うわ」と測り直すのが6/8や3拍子の曲。
前期は単調な4拍子が多いけれど、中期からは「We Can Work It Out」のように曲中に3拍子を放り込んだ変拍子などもあって、急激に高度化している。
3拍子のバラードなども多いが、リンゴさんはブラシで演奏していたりして、器用さを垣間見ることができる。

テンポ採りという作業を通して、リンゴさんとビートルズメンバーの天才ぶりを再確認したわけですが、各楽曲の素晴らしさをもまた再認識させてもらうことができた。
いやあ~いい勉強になりました。
コメント
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