夏目漱石「三四郎」を読んでいます。「君は田舎者だから、今に偉いことになると思って、今日まで辛抱して聞いていたんだろう。」-東京人の田舎者をばかにする感覚は根強いものがある。私も東京に出てきた当初は田舎者だった。私が横浜のベイブリッジの見えるところを歩いていたとき、若い男性の集団が「ここからベイブリッジを見るのは、田舎者」と話しているのが聞こえた。別に、都会に生まれたからと言って何が偉いわけでもあるまい。都会に住んでいる人の半分は地方から出てきた人である。東京生まれと言っても、親が金持ちで都心に生まれたりしているので、親の七光りである。人には長所もあれば欠点もある。たとえ田舎者が劣っていたとしても、全部が人より優れていることなんてありえない。私のような田舎者も、都会に何年も住んでいたら平気になった。