ジュリアス・シーザー（シェイクスピア）(1-2-13)

キャスカ：お聞きの通りです。キャシアスさん。どういう夜なんでしょう？
キャシアス：正直者には、楽しい夜だ。
キャスカ：誰が天が脅しをかけてくると知っていたのでしょうか？
キャシアス：地上が過ちに満ちあふれていることを知っている者だ。
私などは、街を歩きまわって、
危険な夜に身をゆだねて見た。
このように、前をはだけて
稲妻に胸をさらしたのだ。
そして、天のすき間から
稲妻がジグザグに落ちてきたとき、
わざとその前に身をさらしたのだ。
キャスカ：どうして、そんな天を試みるようなことをされたんです？
強力な神々が、恐るべき前触れをお示しになったときは、
人間は恐れおののくべきです。
キャシアス：バカだな、キャスカ。
ローマ人が持っている人生の火花を
君は持っていないのか、それとも使わないのか。
天の異常ないら立ちに、
君は青ざめ、目を見開き、恐れおののき、驚いている。
これらの炎、徘徊（はいかい）する幽霊、
本性を離れた行動をする鳥や獣（けもの）、
老人、変人、子どもたちが予言をし、
これらの物が本来の自然な振る舞いから外れ、
奇怪な行動をする本当の理由を考えてみると、
天がこれらのものに精霊を吹き込み、
このいまわしい国に対して
恐怖と警告を発する道具にしたことが分かるだろう。
キャスカ、言ってやろうか？このような怖ろしい夜に、
雷となり、稲妻となり、墓を暴（あば）き、
あの議事堂のライオンのようにじっと睨（にら）んでいる
男の名を。

Kokin poetry (40)

月夜にはそれとも見えず梅の花香りをたづねてぞしるべかりける

In the moonlight, I cannot distinguish flowers of apricot
I should have known them by fragrance

<Esperante>

Sub la lunlumo, mi ne povas distingi florojn de abrikotojn
Mi devus scii ilin de aromoj

貞観政要 君道第一（２）

諫議大夫（かんぎたいふ）の魏徴（ぎちょう）が答えて言った。「昔の聖人哲人の王は、物事をみな自分のこととして考えました。したがって、遠い物事でも自ら体得できたのです。昔、楚の王がセンカを招いて国の理（ことわり）の要点を聞きました。センカは、わが身を修める術について答えました。楚の王は、再び『国の理とは何か』、と尋ねました。センカは言いました。『私は今まで、自分自身の理を修めて国が乱れた例を聞いたことがありません』、と。陛下のおっしゃることは、昔の意味と何の変わりもありません。」

韓非子 孤憤第十一（１）

「術」を知っている者は、必ず遠くから見て物事を見抜く。物事を見抜けないと、自分のことも分からない。「法」を実行出来る人は、必ず強く真っ直ぐである。真っ直ぐでなければ、悪いことをなくすことはできない。命令に従い職務を遂行し「法」を考えだし官職をまっとうする者は、重人（じゅうじん）ではない。重人というものは、命令にないのにほしいままに行動し、法律に従わないで、私利私欲を計り、国力を消耗して自分の家に利益をもたらし、力でもって君主に圧力をかける。これを重人という。「術」を知るもの明察は、聞いて用いれば、重人の隠れた感情まで分かり、「法」を実行出来る人を聞いて用いれば、重人の悪い行いを抑えることができる。従って、「術」を知るものと「法」を実行出来るものを用いると、重人は必ず蚊帳（かや）の外に置かれることになる。ゆえに、「術」「法」の家臣と重人は、お互い敵であり、両立することはできない。

孫子 九変篇（３）

したがって、九つの変化の利益に通じた将軍は、軍隊の使い方を知るものである。九つの変化の利益に通じていない将軍は、たとえ地形を知っていても、地の利を得ることはできない。軍隊を統率するのに九つの変化の方法を知らない者は、たとえ５つの利益を知っていても、兵隊を役立たせることはできない。