超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

県人会

2010-12-16 13:00:50 | 職場
かなり前の話だが・・・この職場では飲み会とお出かけの話題ばっかだなー。
人によって濃い人とそうでない人がいるのだが、我が社には伝統的に故郷、長期間勤務、又は持ち家などでその土地の馴染み(思いの)深い人たちで作られる「県人会」なるコミュニティがある。
企業でなくても、例えば東京では「○○県出身者の会」というのは地方県によってはちゃんとあるようだ。
親元を離れ一人上京(今では死語?)して頼る者もなく「都会の荒波」で頑張る若者への応援歌というところか・・・「木綿のハンカチーフ」の世界かな。

我が地方圏でも立派にこの文化は継承されているそうだ。
年に1回、地元で会員による盛大な「県人会」が催されるのである。それはそれで結構なことでどうぞおやりになればよいのだが、具合がイマイチなことに私は思い切り担ぎ出される羽目になる。
どう考えても関係ないのだが(郷里でもないし・・・)職務上「人事」というノーギャラの厄介な仕事の総責任者となっているからである。(最近ネタバレしてきた)

しかも年に1回の県人会ではその「キーマン」が講演することになっていると言う・・・
まったく迷惑(もとい!光栄)な話だ。この地方に来て半年もたたない人間に、その地方出身者へ何の話をすれば喜ばれるのだろう?
故郷を何年も離れて(って言ってもせいぜい東京とかだろ?)仕事をする「お仲間」には、やはり最近、この地方では何が起こっているのかを伝えるのがいいであろう、と先般トップ経営者が使った下期事業計画の話をそのままパクることにした。

1時間ほどの講演が予定され、もちろんその後はそのまま「懇親会」である。あまり興味のない私もそのくらいはわかる。皆、その懇親会で「どうか私を郷里へ!」とアピールする目的なのだ。
まあ・・・詳しいことはどーでもいーだろ。。。なんて軽く考えていたら、甘かった・・・
30人弱なので、聴衆は全然問題ないのだが、どの人も「血走って」聞いているのである。
「故郷」がどういうことになっているか真剣に聞きたいのか、「オレの真面目さを買ってくれえ」と言っているのか定かではない。。。
あまりに熱心にうなずき、時にはメモまで取ってる人がいたので、思わず私は教授風に「はい、じゃあそこのキミ・・・」と指差ししたくなった。

無事に(どうでもいい)講演が終わり、県人会会長(本社勤務)は「ホンットにありがとうございますっ!」と紙袋を手渡してくれたが、中身は「東京ば奈々」・・・だからオレ、東京じゃないんだけど。。。
その日も金曜日だったから、とっとと会場に向かった。(だから金曜日に飲み会入れるなってんだよ!)
最近この手の飲み会でオフィスの「食堂」で飲み会に参加する機会が多くて気づいたのだが、「時間になって主賓やら主役が来るのを待たず『練習』を始める」文化らしい。
前々回あたりだ。。。案内された開始時間よりも30分も早いのに「何となく」練習=仮本番が始まってしまうのである。
ふ、ふーん・・・嫌いじゃねえからな。入り口近くで私もいきなり酒を飲み出した。

時間になって(正式に始まり)、会長の挨拶に続き乾杯の発生をかまして、いつも出る好物「〆張鶴」をきゅうきゅういっていた。。。
私と同じ異邦人の番頭、いつも冷静に裁くOちゃんは別件でトップマネに拉致され不在、地元の長老、スティーブやエイトマンは普段会えない同郷の後輩を懐かしみ思い出話に予断がない。
ただこの前のKickOffでもそうだったが、明らかに「よそ者」の私がその地方独特の「驚き」を語るのはすんごく興味があるようだ。
皆が大喜びした「この地方に来て驚いたこと、面白かったこと、そして方言なのか?!」

驚いたこと
・まず第一は「雷」だな。店の中まで轟く響きと真昼のように明るくなる空は「ヤマト完結編」よりもすごかった。
・人口が我が街と同じようなもんなのに、やたらめったら車が多い。公共機関の発達していない地方独特の感覚か?!信号待ちなんてはっきり行って「人よりクルマを大事に」しているようしか見えない。
・新生活とは?!何度か葬儀会場に社の代表として参列しに行ったことがあるのだが、香典の受付に「親戚」とか「一般・会社関係」の他に「新生活」というのがある。
新生活?一体何のことだ?最初は「仏様があちらの世界で新しい生活を始める資金という意味?」とまじめに考えていた。
聞くとどうも「香典を少なくして香典返しを辞退する」簡素化運動の名残りのようだ。

面白かったこと
・うどんがうまい。。。(もとい!うどん自体よりも絡める汁がうまい。)我々が慣れている讃岐うどんのような「もちもち」ではなく太くて硬くて粉っぽい。。。しかし汁と具は最強と言ってよいほど美味しい。
・「パスタの街」と言われているらしい。要するに「麦の街」ということか・・・もともとスパゲティを食う習慣はあまりないし、「サイゼリヤ」を超すのは難しいんちゃうかー?(何故か関西弁)
・あちこちに秘伝のタレがあるらしい。特に鶏肉に関してよく見る。スティーブも秘伝のタレを売る店を使っていたし、坊屋サブロー氏は自家製のタレを振舞っていた。
協力会社へ呼ばれて「安全講話」をしたり、防災演習などに参加すると必ず出てくるのが、「登利平」という店の「鳥めし弁当」これは実にうまい

方言なのか?!
・「よいじゃない」。。。[あたしんち」の戸山さんのように「いいんじゃなぁい」という相槌ではない。何となく文脈からすると「大変だぁ」という意味っぽかった。発音だけからすると明らかに「宵じゃない」なので意味不明だった。秀子女史に聞いたのだが、「簡単ではない」=「容易じゃない」という事だそうだ。
・「ん」。。
この地方の人たちは「ん?!」という音を魔術のように使い分ける。
まるで「あたしんち」に出てくる三角目の「水島サン」の「マアっ」のようなものだ。

「これって食べれるン?」「こうやれば出来るン」「いつもそんなネクタイ着けてるん・・・」」
「そら、違うと言ってるン」「ソレ、結構おしゃれだと思うン」

そのうちに「お立ち台」にたっての「自己紹介」が始まった。同郷や同年代が多いから、必ず冷やかしや間抜けな合いの手が入って爆笑となる。
後ろからスティーブが

「名札に★がいくつかついてるでしょ?何だかわかります?」

結婚した回数・・・じゃないよねえ。。。次に立った人は8つついてるもんなー。
ビール何本までOKとか酒の強さを表す?転勤した回数?スティーブは「惜しい!」と言いながら噴き出した。
この県を離れた年数なんだって。なーるへそ。この会の目的?!からするとそうだわな。

少し老けた小ぶりのバード羽鳥に似た人が、一升瓶を持ってなみなみとお酒を注いでくれた。顔は笑っているが、目が笑ってない・・・

「磯辺さん!来年はそろそろお願いしますよー」

「だって★1.5個じゃーん。もっと先発隊がいるんじゃないの?」よく名札を見ないで冷やかしたら

「★でかいでしょ?これ10年なんですよ!今年で11年目ですよー」

な、なるへそ。。。小さい★10個で、でかい★か・・・
東京ばかりだった私は生まれ住んだ街で勤務したい、という感覚があまりよく理解できない。平均年齢が高いからかなー。
「故郷は遠きにありて思うもの」だと何となく感じるんだが。。。

この地方の人は「外から来た者に暖かい」と思う。
「ねえねえ、こっちの人ってさー、『何とかカンとかーるん』ってよく言わない?」と無邪気に尋ねると「そうなん、そうなん!」大喜びするのだ。
私は神奈川県人会(ってとりあえずあるらしい・・・)の会員ではなぜかないし、地元自体が新興なので「外の者」という感覚なないが、卒業するときにこの地方の県人会メンバーにはしてもらいたいと思うなー。


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2 コメント

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Unknown (小夏)
2010-12-18 13:53:30
「〆張鶴」をきゅうきゅういっていたって、、クス
美味しく召し上がっていらしたんでしょうね~

「そのお洒落なの、しまむらで買ったン?」これでいいのかな
そちらは確か『しまむら』発祥の地だったような、違うかな~

それにしても、人事もっ
いえ、独り言ですのでぇ~

サイゼリアで先日珍しい遭遇となりました(大汗)
夕食にいらしたバツイチ女子お二人組のオーラに
「いつも仲がおよろしくて・・」とニッコリご挨拶されちゃいました!
あぁ、彼女たちにもいっぱいのお幸せが降り注ぎますように
祈りますいのります

Unknown (磯辺太郎)
2010-12-19 10:19:07
小夏さま  こんにちは。

〆張鶴いうのは新潟?のはずなんですが、何故かよく置いてあるんです。
昔、車山高原スキー場のペンションで出されてから大ファンになったのですが、この辺では滅多に見かけないので、うれしくなってしまうのでーす。きゅうきゅう・・・

すっ、すいませんファッションに疎くて・・・
「しまむら」というお店を知りませんでしたぁ。
近くにも結構たくさんあるようですね。
お洒落なンが売ってるン?

めずらしや!先週日曜日、我が家も実家の母親と共に竜泉寺帰りに晩ご飯食べたんですよー。
なんと!例の「間違いさがし」無くなってしまってました・・・
新しいのを期待しましょう。

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