超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

灼熱の祭り

2010-07-25 21:43:42 | 出来事
海の日3連休中日(ドラゴンズではなく「なかび」)。。。
当然、帰宅し波と戯れているはずの連休に、何故か私は赴任した地方都市にとんぼ帰りしていた。
そこは梅雨開け後、あっと言う間に恐るべき暑さに見舞われていた。最高気温がいきなり体温を超すのである。

その日は隣町(だったかな)の夏祭りに参加することになっていた。
古くからあった拠点事業所が地域との密接な活動ということで、企業参加者としての神輿を作成し、毎年担いで練り歩くのである。
私も希望もしていないのに地方会社の役員として赴任していたから、トップとともに先陣を切って祭りに臨まなければならなかった。

まあ、プラカードでも持って先頭を歩けば済むんだろうとタカをくくっていたら、とんでもなく甘かった。。。
朝から新幹線で集合駅に駆け付けたのだのだが、待ち合わせてローカル線に乗り換えるといきなり20才くらい若い女性がにっこり笑って缶ビールを差し出した。
シルバー会社か思っていたら、若い女の人もいるんだな・・・昨年入社したフレッシュ社員だそうだ。

「あっ、ありがとう・・・あなたもどうぞ」

10人くらいでボックス席を占拠していきなり宴会が始まってしまった。東海道線だったら私は決して許さないが、休日のローカル線など誰も乗っていない。。。
さらに途中でもっとローカルな私鉄に乗り換え、集合場所から約1時間、6本セットを飲み尽くして「よーし!今日の目標は一人1ケースだな・・・!」すっかりいい気分になっていた。

駅を降りると事務所まで歩く間に全てのビールが汗で抜けてしまうほど灼熱の世界だった。
「こりゃあ・・・練り歩くだけでも結構大変だぜ。熱中症に気をつけなきゃ」
神輿のある事務所ビルに着くと、名前の書いたセットが用意されていてまさしく御神輿担ぎのスタイルに衣装替えさせられた。

「12時から全体出陣式、我々の部門はその前に出陣前気合入れ会を行います。挨拶と乾杯の音頭お願いしますよ。」

それぞれ祭り衣装市で集まったメンバと一緒に会場に行くと、弁当とともに山のような日本酒がつんであった。
既に電車内で飲んできていある私は調子に乗って、注がれるままに日本酒を飲んでいたら、だいぶ目の前が白くなってきてしまった。
全体出陣式の前に本年入社の新入社員10名くらいが決意表明を行っていた。最後の「えいえいおー!」の掛け声ではその真ん中に立たされたが、気を利かしてヤツがいたのか女性軍に取り囲まれることになり悪い気はしなかった。

そして屋外駐車場で御神輿を前に神主のお祓いとともに出陣の掛け声だ。
神輿のスタート地点までは歩いて10分くらい、街の目抜き通りを一直線に担いで歩く。
田舎の祭りは盛り上がると聞く。せっかくだから様子を撮影しておこうとIXYを懐に入れようとしたら、

「やめたほうがいいですよ。バケツで水ぶっかけられますんで」

げげえーっ!なんかやな予感したんだよな。でもこれだけ暑いと水でもかぶらないと倒れちゃうかも・・・

「ねえねえ、もしかしてオレも担ぐの?」

恐る恐る世話役みたいな人に聞いてみると

「当たり前でしょ!担ぐどころか、上に昇ってもらいますから!」

な、なーんと!こりゃあエライことになった。汗でアルコールは抜けてきたけどな。
三本締めが行われて、御神輿が動き出した。後ろには清涼飲料を山と積んだリヤカーが輜重隊としてついて来る。
その昔は酒だったらしいが、やはり飲みながらの神輿担ぎは問題があるということで、清涼飲料になったそうだ。
しかしよーく見ると底のほうには「一番・・り」なんてのが見えるぞ。。。

何回か担いだが、少し進んではすぐに止まってしゃんしゃんをやるからそれほどキツくはなかった。
気がついたら、トップの人が社名の入った提灯をもって神輿の前側に昇っていた。
そーっと、神輿担ぎの列から離脱しようとしたら、後ろからむんずと腕をつかまれて・・・

「さあ磯辺さん、出番ですよ!後ろ側に上ってください!神輿は揺れるし、水をかけられるので気をつけて!」

こうなりゃ自棄だ!内側の担ぎ棒を両手でつかみ、ヒラリと飛び乗ったら拍手が沸いた。
なるほど、神輿が揺れて足場は悪いが結構気分いいじゃないか。。。私は慣れると掴んでいた神輿のアームを両手離しし、岸和田だんじり祭りのように両手で団扇を振り始めた。
大歓声とともにバケツの水が猛烈に炸裂した。



「あそこに上って両手離して踊った幹部の方、初めて見ましたよ。磯辺さんバランス素晴らしくいいんですねえ」

ふ、ふ、ふふふ。波乗りで鍛えたオレの運動神経ナメてもらっちゃ困るぜ。「来年は倒立してあげるよ」と心の中で思いながら・・・「酔ってれば怖いもん無いからねえ」

「磯辺さん、今年初めて来られたので皆遠慮してたかもしれませんけど、あんなに派手にやっちゃあ、来年思い切り水が来ますぜっ」

「さっき新入社員のN女史に背中から氷水入れられたんだけど、ホントに遠慮してんのか?」

神輿が終わって着替え室に入ったが、体中ずぶ濡れだ。唯一ダメだったのは替えパンツを持って行かなかったこと。初めてなんだから誰か言ってくれなきゃなー。
もう帰るだけだから、ノーパンでいいや・・・
閉会式でまたスパーク。。。帰りの電車でも「これでもか」とビールが出てきて・・・「オレ、ホントに1ケース分飲んだかも・・・」
セカンドハウスのマンションに帰って、Tシャツと短パンを脱いだところで力尽き、そのまま素っ裸のまま寝ていた・・・

翌日は関連会社の「安全大会」に出席することになっていた。
梯子に上っての作業や車で移動することが多い職種なので、常に事故がないように色々自己研鑽しているのである。
3連休最終日=海の日だってえのに海のないところで講演かよ。。。とほほ・・・

社長や主だった幹部も前日の祭りに参加して盛り上がっていたようだな。
市立福祉会館が「安全大会」の会場になっていて、みんな車でやって来ていたが・・・
「安全大会」に自家用車で現れて、気のせいか赤い顔をしている人が多かったが、あんまりタイミングよくないよなあ。
写真(最後はその大会の後、やることないから見物に行った観音。。。とうとう最高気温が38度を超えた1日だったそうだ・・・


ドックレポート2010

2010-07-17 15:33:51 | スポーツ・健康
今年も人間ドックにかかることとなった。前回レポートが11月中旬だから、ちょーっと早いのは否めないなー。
伊豆のとある温泉病院で受検する人間ドックは社の福利厚生メニューとしては絶大な人気とクオリティを誇る。
35歳の「節目健診」という時期に初めて知った制度(それまでは興味すら無かった)だがう、そのパフォーマンスはまさに病院だけに「一度言ったら病みつき」というところで、毎年欠かさず受けるようにしている。

普段はほとんど縁のない病院だ、意図していなくても色々なことを仕出かしたことはここでも書いた。
しかし厳しいご時世、だんだんと1泊2日の極楽(又の名を地獄)コースがGETできる枠が減らされてきて・・・今回などほとんど強権を発動してやっと手に入れた伊豆コースであった。(年の功だね)
ところがご存知のとおり、7月より北関東の地方都市に転勤、単身赴任と相成り・・・着任後毎日のように色々なセクションが仕事についてのレクチャーを繰り返し、まさしく我々には懐かしき「詰め込み教育」、しかしさすがにこの年齢になると右から左で大して頭に入らぬ・・・

結構責任重いみたいなんだけどなー。着任早々休んじゃやばいかな。。。
しかし逆に仕事が軌道に乗ってしまったら・・・それこそ「休めない人」になってしまうかもしれぬ。そうならないように「人生逃げ回り」でやってきたが、さすがに田舎ではちょっと勝手が違うぞ。
「まあ・・・いてもいなくてもあまり変わらぬうちに行ったほうがいいよねえ。へへへ」

強権発動者のような揉み手の近江商人のような微妙な立ち回りで今年も伊豆にやってきたのである。
しかしいつもは受検1ヶ月ほど前から体調&体脂肪管理を厳格に行い、完全体目指して調整していくのだが、今回は明らかにタイミングが悪い。。。
異動劇による連日連夜の異世界スパークに加え、生活習慣がガラッと変わってしまい、ボロボロに疲れた最中だからである。

前日は終業後新幹線で海沿いの我が家に向かったのだが、つまらない会議につかまり帰宅したのは夜11時前。。。人間ドック前日は22時以降は水しか飲んではいけないのである。
しかも翌早朝は息子甘辛と朝連でバッチ汗を流してしまった。(当然、飲食不可)
うーむ。腹減った。。。自慢の「心眼」も今回は霞むかもしれぬ・・・

いかにも調整不足なんだが、ここに来るのもしばらく無いであろうから悔いの無いように。。。
まずは10回近く受検していながら私の「少年魂」が邪魔し、一度もキメられなかったベタなオヤジ節・・・
「ちょーっと血圧が高いようですねえ」に対して
「いやぁ、美人を目の前にして緊張してるんですよ」
昨年もここで書いたが、実現できなかった。もう時効だろうから白状すると、どう考えても「自分に嘘をつく」ことが明らかだったからである。母親とも思える年代の看護師だったから・・・

今年意外にも実現したのは(何でそんなに言いたいんだろ?)血圧ではなく、「採血」であった。
糖負荷検査では一定時間置きに採血するのだが、2回連続でドキドキするほど若くて素敵な看護師に当たった。ただビックリするほど下手で痛かった・・・
あまりの痛さに「オレにだけ太い注射器使ってない?」と思いつつ指す箇所から目を背けていたら。。。
「あらー、素晴らしい血管ですねー。私いつも注意されるので助かるわー」
そうだよな。見事浮き出た血管でアホでも採血できる私を実験台にしてもこれほど痛いんだから、採りにくい人は穴だらけにされるだろな。
美人と実力はリンクしないものだ。。。それでも決めた。

「いやーはっは。美人を前に血が昇ってしまって。。。いつもより出がいいだけですよ」

「あら、うれしいわー。ふふ。いつもより余計に取ろうかしら・・・」

「や・め・て・く・れ」(でもジョークの通じる人で好感が持てたなあ)

またいつもオリエンテーションする担当看護師は背の低いハスキー声のおばさんなのだが、今年はキリッとした若い女性だった。

「翌日は腸管洗浄剤で腸をきれいにしなくてはいけないので、水分は途中でもコマ目に補給してください。飲食は9時までOKです。」

身体測定の会場に移動する途中、後ろからそーっと声をかけた。

「ねえねえ、腸管洗浄剤でぜーんぶ出しちゃうってことはさ。9時まではどれだけ飲んでもOK?」

「多少のアルコールとつまみはいいですよ。でもピーナツとか消化の悪いものは腸に残ってしまうのでダメです。できれば食事の時だけで・・・」

「ボク毎年ここ来てるんですけど、転勤でしばらく来れそうもないんですよ。ココ大好きなんで思い出に・・・『多少』と言わずにフルパワーでは。。。」

「私、今年から担当させてもらってるんです。暴飲暴食はもちろんダメですけど・・・なんか寂しいですね。。。」

うーむ。最後にキミみたいな人に会えてうれしいぞ。ぜひがんばってほしい。
夕食は食堂で取ることになっていて、結構ゴージャスなメニューなんだが、むろん宴会とは異なり係の人が来た者順に事務的に席に座らせてしまうから、周りは知らない人ばかりで、皆黙々と食事をとる。
ビール、日本酒、焼酎など購入できるのだが、一人で飲んでもしょうがないから缶ビール一本で大人しくしていた。
数十人もいれば何人かは知り合いがいるもので、途中で声をかけられた。

「磯辺さんじゃないすか。その節はお世話になりました」(どの節でお世話したのか、全然覚えておらぬ)

「さっきそうかなーと思ったんですよ。てっきりビール缶並べてると思ったら1本だけ?」

「ははは。。。冷蔵庫で2本ずつ冷やしてあるからさ・・・」

むろん部屋の前にある、腸管洗浄剤冷却用冷蔵庫である。(いつも使っている)
しかも2本とはビールではなく、ワインとチューハイストロングを2本ずつである。腸管洗浄剤は皆同じ容器に作るから、誰のものかわかるようにドック番号をマジックで書いておく決まりだ。
今回は茶目っけを出し、ワインボトルの底にも私のドック番号「70」を書いておいた。(裏側に隠したんで見えないけど)



つまみは消化のよいものばかり選び、9時ぴったりには一人宴会は終了した。
給湯室に行くと3人くらいの人が並んでいて、皆ここ数年で粒子状になった洗浄剤を水に溶かしていた。その中にさっき私に声をかけた彼がいて、

「やあ、磯辺さん、何持ってるんですか?」

「いやあ、さっき食ったサバ缶を洗いに・・・」(洗浄剤なんて先に作っておくものサ)

今の組織はこの病院とは契約していないそうだから、しばらくここに来ることはないだろう。(もしかしてホントに最後かも)
それを知ってか(知るわけねえだろ?)、いつも以上に優しく、しかも褒められたような気がする。
血液採取の際はさっきの通りだし、
肺機能検査(肺から空気を送りだす機能)では
「やーっ、これはすごい!かなり肺活量ありますよ。何かスポーツされてるんですか?」
歯科検診でも
「磯辺さん、いい歯してますよー。裏側の歯石取ってもらって・・・大事にしてねー」
全身持久力(脈拍、血圧を測定しながらのエアロバイク)に至っては代変わりしたDAIGOのようなお兄ちゃんから
「この値すげえっすよー、酸素供給力がハンパねえっす!」
トドメは大腸内視鏡で(前々回に便潜血があったみたいなので、念の為先端まで押し込まれた)
「結構キツかったでしょー。異常なしです。ただし、長ーい立派な腸なんで先端までは辿りつけませんでした・・・」

結果説明、医師の診断はものの1,2分で終了、保健師による生活指導は前回同様省略となり、伊豆病院をあとにすることになった。
みんな、また来る日まで元気でねー。
熱海駅で待ち合わせ中、何か緊張が緩んで思わず買ってきてしまったお土産が「富士山羊羹」。。。
久々にやってしまったよ・・・


激闘!湘南ボートレース

2010-07-15 23:00:46 | 出来事
先週金曜日、わずか1週間ぶりだったが、引越し作業などもあらかた終わり、海沿いの我が家へ帰宅した。
これまでの通勤と異なり、最も近い駅からの徒歩となりその駅から海岸まではいくらも距離がない。
今までも何度か経験してはいたのだが、改札を抜けた瞬間潮の香りがして・・・やはりこれが無くてはキビシーかもなー。。。

色々あってさすがにぐったり疲れており、翌土曜日は珍しくゆっくり休みたかったのだが、その日はこの辺に長く住んでいても初めて見る「湘南手作りボートレース2010」!
何と息子甘辛が出場するのである。サッカー一筋だった彼が何故に?と不思議に思われるところか・・・
甘辛はクラブチームでサッカーをやっているが、学校ではれっきとした「科学部員」である。それも幽霊部員ではない。
さすがに外のクラブと部活を運動で両立するのは難しいから、学校の部活は文化部を選んだのだが、結構真面目に活動しているのだ。
彼と同世代のときに「理論物理学者」を目指していた父親にとってはウェルカムな話である。

その科学部は毎年このボートレースに出場するという。むろん「手作り大会」だから使用するボート3隻のデザイン、設計、制作などはすべて部員が行う。
ちなみに昨年は2位と3位だったらしい。結構、実績があるんだな。
ずい分前からボートの制作には取り掛かっていたそうだ。息子もすべてに参画できたわけではないが、サッカーが忙しい中でも学校の部活にも残り、デザインや設計には結構携わったんだって。

これまでの日程で行けば、レース当日はサッカーの練習又は試合が入ることが常で、そちらを優先していたから残念ながら出場はできないはずであった。
しかし中学生ともなると色々なことをしでかすもので、甘辛も「事件」とか「非行」というももではないが、我が家の一員としては明らかなルール違反を犯したので、しばらくサッカーは謹慎することになっていた。
結果、「学校の行事」ということでは敢えて欠席する理由が見当たらず、ちゃっかり初めての湘南ボートレースに参加することになったのである。(何という「結果オーライ」なヤツ!)



大会は江ノ島片瀬東浜海岸ビーチで行われる。外見的なデザイン、機能などを審査するコンテスト部門と、特設コースで競うレース部門があり、レース部門には中学生のジュニアの部と一般の部がある。
開会式を終えると、まずは各ボートが所定の位置に展示されコンテスト部門が始まる。審査員には「海の女王(ミスコン)」や議員などもいるようだ。
26隻のボートはそれこそ趣向を凝らしたもの、機能を重視したものそれぞれだ。また参加者もコスプレしてみたり、デモンストレーションしてみたりアピールに懸命だった。
そんなコンテスト部門に甘辛達のチームは目もくれず、しきりにレースの作戦を練っていたようだ。(代わりに工学部出身の私がボートの優れた設計について説明しようかと思った。。。)

片瀬東浜海岸は江ノ島弁天橋と腰越港に挟まれた完全な内湾であるため、普段はほとんど波の無い幼い子がいるファミリー向けのビーチだ。むろんサーフィンは全くと言っていいほどできない。
風がいい具合に吹くとウィンドサーフィンに適しているようで、回りにはショップも並びカラフルなセールが見られる。
しかしその日は珍しく、かなり強風で波も結構高いのが寄せていた。
レース開始にあたって、要領が説明された。

まずチームは5人ひと組、漕ぎ手は1人、その人はスタート地点にオールだけ持って並ぶ。残り4人は腰くらいの深さの位置でボートを固定して待機し、号砲一発走ってきた漕ぎ手をボートに乗せ、上陸地点に移動する。
ボートは所定のコースを進んで上陸地点に到達すると、4人はボートを迎えに走り、全員でボートを担いでゴールまで走る。
ボートと全員がテープを切って初めてフィニッシュである。



ボートの素材はエコを志向し、ペットボトルとかプラスチック板、補強用木材などリサイクルが利くものに限られているようだ。
先端に市の鳥カワセミのオブジェがあったり、漕ぎ手のシートが江ノ電になっているような凝った構造のものもあれば、リュージュのように直進性だけを突き詰めたもの、ペットボトルを無造作に繋ぎあわせ、パどリングで進む投げやりなもの、と実に様々だ。
我が科学部は趣向を凝らし、異なるスタイルのボートを3隻制作し、エントリーしたようだ。

漕ぎたい者は全員が3隻のボートそれぞれのタイムを計り、一番早い人を漕ぎ手に選出したんだって。
イベント好きの息子甘辛は立候補しないはずがなかったが、タイム的には8人中5位に甘んじ、上級生に譲り自分は押し係になった。
レースを前に、舵(ちゃんとあるところがすごい)やバラストなど調整に余念がない。

それにしても望郷(なんてほどではないけれども)にとらわれている私に対して、何とベタなローカルイベントだ・・・
梅雨真っ最中だが、見事に晴れ渡り少し暑いが絶好のコンディションになった。まあ、甘辛の絡むイベントは雨が降ったことがないから。。。
そして第1回戦から登場し、強力に勝ち進み・・・・なんと優勝!!江ノ島を背景にNHKのインタビューまで受けていたぞ。
ジュニアの優勝チームは一般の部の決勝にもチャレンジする権利が与えられ、大人の中でも全く遜色ない見事なレースを披露して拍手喝采を浴びた。



表彰式までミニコンサートなどやっている時間に改めて定置されている手作りボートをひとつひとつ見て回った。
むろん当時「理論物理学者」を目指していた「エンジニアの目」をもってである。
息子甘辛が設計に関わったと自慢していた優勝ボート(海援隊号)は詳細に調べると恐るべき精巧に作られた名艦であると感心した。
ペットボトルの連結部をプラ板で丁寧に覆い、水の抵抗を最小限にしたカタマラン構造になっているのだ。しかもオールを漕ぎながら足で舵を操縦することができる設計となっている。

これまで何年も出場したノウハウが結集されているのだろう。すばらしいボートを作ったものだ。工学部の血が騒いだ。。。
強い風と波の中でレースしたたmに、準決勝くらいでは破損したり原型をとどめなくなり、その後のレースを棄権したチームもいくつかあるのだ。
波をかき分ける舳先といい、たぶんパドリングボードのように立っても乗れる安定感といい、一般の設計顔負けだ。



優勝賞品はディズニーパスポートと山のようなお菓子、表彰式では全員が輝いていた。
ただひとつ気に入らなかったのはコンテスト部門の優勝賞品がDVDレコーダーだったことだ。ずいぶん落差があるじゃないか。。。レースのほうが価値があると思うんだが。。。
(「海の女王江ノ島」なんぞにあのボートの素晴らしさがわかるものか・・・)

密に私は来年の湘南ボートレースに向けてのプロデュースを考案している。
ボート自体の設計、漕ぎ手のテクニックには絶対の自信があるので、あとはあっと驚くデザインと奇抜な演出によりコンテスト部門、ジュニアレース部門、一般レース部門のグランドスラムを狙う。
名づけて「アンドロメダ計画」という。来年を期待してほしい。

新天地へ

2010-07-10 17:17:14 | 出来事
かなり間を空けてしまった。。。
「ホタルの光」、「塞翁が馬」と何やら匂わせるタイトル続き、今回をもって少し様子を見ようと思っていた。
7月より転勤となり、2年余り通ったオフィスから地方通勤となったため、海岸近くの我が家をしばらく離れ、単身赴任することになったのである。

行き先は北関東の一地方都市だ。我が家からは新幹線を使って2時間余り。。。どうしても湘南に住み続けたければ無理に通勤できないこともないが・・・
一応、役所の住民票と身分証明書が必要な専用車付きの養殖(もとい!役職)と聞いたし(もうそんな年齢ということか。。。)土地に密着する仕事なら「住み込まなければならんだろう」と同僚の単身者が多く住むマンションに移り住んだ。

引っ越しやらイベントやらで中々落ち着かず今に至り、ネット環境まで借家に整備する気はないので、このサイトもこれまでのようには更新できないだろう。
「住めば都」と言われる名所名産の多い地方で、遊ぶところも仲間も多く実は楽しみではあるのだが、「海なし県」では若干禁断症状も出るだろうから、湘南に帰ってきたときだけ何か書くことにしよう。
まあ、最初のうちは慣れないから頻繁に帰郷することになろう。

今回の転居を伴う異動では周囲もおおいに驚いたようだが、一度はあるだろうと思っていた当人も実に驚いた。
初めての土地に単身赴任で最も心配であったのは何か?
二重生活の出費増?思春期を迎える息子の教育?不規則な生活による健康への影響?

どれも無くはないが、最も恐れたのが「お化けが怖くて寝不足になる」ことである。
今の我が家に引っ越してきて7年目になるが、私は一人きりで夜を過ごしたことはただの一度もない。
ほぼ全部が木造であるために、誰もいなくても湿気で床がときどき「パシッ」と鳴り響き、怖くてとても寝られる雰囲気ではないのである。

宿泊出張でホテルに泊まるのも大嫌いであるが(全く霊感などないのに怖い経験は数え切れない)、大抵懇親会などでスパークしてくるので一夜くらいなら気がつかない。
しかしマンション住まいとなると、毎晩そんなことをしていたら病気になってしまう。。。
前職最後の日に挨拶に来てくれたずっと前の同僚にそのことを話したら、

「ぜーったい!いると思いますよ。。。まちがいなく・・・」

うーむ。。。何と怪しからんやつなんだ。人ごとだと思いやがって・・・(ってホントに人ごとだからなー)
幸いに(ってな訳ではないんだが)最初の1週間は1日中の挨拶回りと連夜の歓迎会の「死のロード」で疲れ果て、お化けなど怖がっている状態ではなかったのだ。
朝、早起きして少しずつ(と言ってもあまり数はないのだが)荷物を出して整理し、ようやく段ボールに囲まれずに寝られるようになった。
前任者もやはり単身勤務だったが、引っ越しの際に冷蔵庫や洗濯機などの大物を結構置いて行ってくれたのも早く落ち着けた理由だ。
桜ポインター号は引越し屋に運搬してもらったから、そのうちに新天地を疾走することになろう。

そういうことで昨晩は初めての「単身帰省」であった。
何がどう変わったということもないなー。早速、今朝はホームショアにボードを担ぎだしたし。。。
そのうち実感するかもしれないが、まあ、これも何かの縁だからフルパワーで新天地をエンジョイすることにしよう。