超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

才能

2009-06-30 06:06:52 | ヒーロー
マイケルジャクソン氏が突然亡くなった。土日はどこもその特集だったが、今更のようにスーパースターだったと思う。
我々の世代はまさしく、スターの座を欲しいままにした絶頂期で彼とともに青春を駆け抜けたと言ってもよい。
どこかの番組では「日本とアメリカが最も輝いていた時代」とウル銀へ大口預金したいような気の利いたコメントもあった。

妻は20数年前来日したときは横浜スタジアムのコンサートに行ったし、翌日はチケットが無かったので球場外に待機して本人を間近で見たそうだ。
私はというと。。。残念ながらあまり興味がなく、「スリラー」と言っても故ウガンダさんしか浮かばないありさまだ。たしかTDLのキャプテンEOにも出てきてたよな。
しかし、学生当時にはやはり熱狂的な輩も多くいて、エントリー制学内ソフトボール大会の際にラジカセを持ちこみ、自分がバッターボックスに入るときにテーマソングとして「ビート・イット」をかけるよう彼女に頼んだヤツがいた。

今この時代で当たり前のように流行っているトリッキーな動きをするダンス、プロモーションビデオなどすべては彼が先駆けであるという。。。
色々と物議もかもしだしたが、やはり時代を代表する才能あふれるスターだったのだろう。
「紙一重」というフレーズがよく使われる正真正銘の天才だった。

少し前、世界のコンクールで優勝した盲目のピアニストがあちこちのテレビに現れていた。
優勝したというニュースで流れた「ラフマニノフ」はテレビ番組を通じてすらその「迫力」が伝わってきた。
うーむ。。。当たり前だがモーツアルトだけがピアノ協奏曲ではないんだな。そろそろこの方面にも触角を伸ばさねば。

誰かに話したかもしれないが、人間「オギャーッ」と生まれた瞬間には米大統領でも金メダリストでもノーベル賞作家でもどんなものにもなれる可能性があると思っている。
これを「ビッグ・バン」と言うなら残念ながら次の瞬間からその可能性は次々に狭くなっていくのが普通だ。
成長することが「なれる可能性の芽を摘むプロセス」と言ってしまうと希望が薄れるだけだが、「可能性を研ぎ澄ますプロセス」と考えると当たってる気がする。

以前、紹介した就活マンガ「銀のアンカー」の主人公にこんなセリフがある。これには心を打たれ息子にも語ったことがある。

「人間は本気になればどんな職業にも就ける。
ミュージシャンになりたかったら365日一日も欠かさず1日20時間楽器を弾き続けろ。
文学家になりたかったら365日一日も欠かさず1日20時間文章を書き続けろ。
弁護士になりたかったら365日一日も欠かさず1日20時間法律を勉強しろ。
本気になるとはそういうことだ」

マイケルジャクソン氏も辻井氏もその可能性を極限まで研ぎ澄ました結果なのだろう。自分の唯一無二さをどこまで高めることができるか。
死ぬときに「通信簿」というものがあるなら、この「研ぎ澄まし度」はひとつの科目にあるような気がする。
40過ぎた普通の会社員でも全くあきらめる必要はない。自分の「これだけはイケるぜ」というものを尖らせていけばよい。

むろん、オギャーと生まれて40年以上たっているから、無限だった可能性はかなり減っている、というより大方無くなっている。。。
しかし宇宙飛行士になる可能性も、ノーベル物理学賞をとる可能性もゼロではない。プロサーファになってオーストラリアの世界大会で優勝する可能性はたぶんゼロだな。
それにしても辻井さんのピアノはすごいらしい。地方で開催したコンサートチケットは完売、出てきた人たちは感涙に震えていた。

ラフマニノフのCDもすごい売れているようだ。皆の熱が冷めた後でいいから、一度はNHKホールで生演奏を聞きたいものだ。
ずっと前だが新橋の職場の同僚UとK柳女史がNHKホールの場所がわからなくて渋谷駅からのルートとか色々と調べていた。
何やらオーケストラのコンサートチケットを組合関係でもらったらしい。

「君らはNHKホールにも行ったことねえのか?都会の文化人としてはちょっと恥ずかしいぜ」

ちょっとため息をつく私に

「磯辺さんは何のコンサート行ったんですか?」

「堺正章とコロッケショー。。。」

K柳女史は突然うずくまった。どこに椅子から転げ落ちるほど笑う所があったのか・・・いまだに謎だ。

学ぶということ

2009-06-26 23:19:45 | 出来事
梅雨の合間にパァっと晴れた1日だった。
あまりにも気持ちがいいので、会社をサボって朝から海に・・・なーんていうのは半分本当で、息子甘辛の授業参観があったから休暇を取ったのだ。
給食の後の5時間目だから、会社へは午前中だけ行くにも参観が終わってから行くにも中途半端なのでだいたい休む。

むろんスタイルは私の正装「襟にステッチ」のウルトラマンが背中にでかでかと入ったうるとらアロハ(12600円)
息子甘辛は教室で駆け寄ってきて「何でそんなん着てくんだよ!オレの父ちゃんだってバレバレじゃんか」しかし、そこそこうれしそうな顔をするのだ。
「だってこれ、オレのよそ行きだもんよ。。。」

息子が勉強する姿云々よりも、単に学校自体に行くことが懐かしく楽しいものだ。
今日は算数の授業だという。気のせいか私達のそのまた父親世代は子供に「オレは算数だけは得意だったんだ」ということが多かったように思う。
「オレはテストで90点以下は取ったことない」というのもよく聞いた。
昔の日本の父親がいかに優秀だったかを物語るが、たーぶん小学校までだよね。

さて、「今日は砂糖水の濃さを順番に並べる」ものだった。
先生がホントにペットボトルに砂糖水を用意して、グループに紙コップを配る。
ストローで手のひらに数滴たらし、味を見て濃い順に並べるというものだ。たぶん「濃度」について学習するんだろな。

3つのコップの砂糖水を全員が舐め、グループで意見を出し合いながらもめいめい順番を決めたようだ。
どのくらい微妙な味の違いなんだろか?こういうの大好きな私は思わず「先生すいません、私にも試させてください!」と言いそうになった。
何人かの児童が指名され、4種類の答えが帰ってきた?!多数決で決めるとそれぞれ4人、6人、26人、2人・・・

ここまでで授業の半分を費やした。「先生、巻きいれないと終わんないんじゃないの?」しかし、そこはさすがプロ、「刑事くん」のようにきっちり後半15分で事件解決だ。

「これは算数の時間だから。皆さん、砂糖水の濃さを知るにはどんな情報がいりますか?」

「砂糖水!」と甘辛の隣に座っていた友達が叫んだ。後で甘辛曰く「あいつ。。。頭いいんだけどな・・・」

「先生に聞く!」・・・「先生は教えてあげません」
「オレの舌!」・・・「それはそれですげえな」

うーむ。昔っから子供ってあんまり変わってないな・・・少し安心だ。
当然だが、結局「砂糖の量」というのは甘辛が答え、「水の量」が出て一件落着だ。先生が「その他はありませんか?」
私は「この場で満場の笑いをとり、しかも『実はあの人天才』なんじゃないか?」という画期的な答えがないか必死に思考をめぐらせていた。。。

・砂糖水をたらして集まった蟻の数:「オレの舌」と言った子供と大差ない。。。最初浮かんだのは犬・・・

・水の温度:これは工学部ならではの回答だ。冷たい水に砂糖はあまり溶けぬ。溶けないで底に溜まってしまったら、濃度には影響しない。

・かき混ぜた回数:これも上記と類似する。溶けないで沈殿するケースを想定している。

・砂糖の種類:これまた上記の連想。シュガーパウダーはサッと溶けるが氷砂糖は簡単には溶けぬ。

なーんてことを考えてるうちに、児童による解答は進んだ。
砂糖の量(g)を水の量(dl)で割る・・・出たっ!小学校名物「デシリットル」
感心したのは水の量を表す大きさに、砂糖の量を表す粒粒がはってある画用紙が用意してあったこと。どれが一番濃いか一発で分かる。

新宿のホームで湘南新宿ラインを待っているときに先頭の車両はすいていて、真ん中辺は混んでるのが一目でわかるのと一緒だ。
この感覚は御殿場線で通勤していてはたぶんわからないだろう。。。
「濃さとは濃度ともいいますが、この前列車の例で勉強したように入っているものの混み具合とも言えますね」先生の名言は田舎ではきついかも・・・

お受験組なのか賢そーな子は色んなやり方で解いてみせる。例えば割り算を逆にして「砂糖一単位あたりの水の量=薄さ」を出すとか。。。参考書を丸覚えしているようだ。
でも子供たちには見た目にはわからない「砂糖水の濃さ」をどうやって実感させ、「舐めなくてもわかるようにするか」・・・実はかなーり深いことのような気がする。
「ものが水に溶ける仕組み」というのは大学院でも出てくるし、まだ分かってないこともあるからね。

夜、風呂に入りながら私は甘辛にすかさず聞いた。

「甘辛よ。どのくらい味が違ったんだよ?微妙なとこか?」

「うーん。一番濃いのはすぐに分かった。あとのやつは結構微妙だな。それにしてもあの砂糖水すげえ美味かった」

「終わった後、先生が回収してたじゃんか。残り全部飲んだんじゃねえだろうな」

「隣の班のヤツも、もらって飲んだ。。。」

床屋

2009-06-24 06:27:33 | 出来事
朝から雨の日曜日だった。練習もその後の試合も中止になった。
妻は不幸にも仕事があったので、車で職場まで送り息子甘辛とレンタル屋へ向かった。
休みの日に家でDVD見るなんてインフルで戒厳令でも布かれない限りないのだが、ここのところ休みなくサッカーに明け暮れ、息子も相当疲れていたので今日は完全なOFFにした。

「甘辛、こんな日に髪の毛切りなさい!父ちゃんと一緒にいったら。。。」

「オレ、女子に『ロンゲしか似合わないー』って言われてんだよな」

父親は御存じのごとく店員恐怖症。。。床屋なんてだーい嫌いに決まってんじゃん。。。
母ちゃんカットで何年も過ごしてきたが、結構失敗作で笑い物になってきたのも事実だ。
昔は床屋に行くとごっついハゲにチョビヒゲのおやじがやってくれて、3千円以上したものだが、今は理髪店協会も甘いらしく「1000円カット」と言うのが街中のあちこちにある。

恥ずかしながら高校生になって色気づき、初めて「パーマ」というものをかけた。
茅ヶ崎の実家近所にある双子の後輩のいる床屋でおなじみのおじさんに、

「パ、パーマなーんてかけたいんですけど。。。。」ちょっと緊張して言う少年
太郎に

「おうっ、まかしときな!お前も高校だもんな」・・・そもそもここで気づくべきだった。
洗髪した直後はくるくる巻いてカッコいいんだけど、乾かすと全くの大仏っつあん。。。
常に濡らしておくわけにはいかぬし・・・天然パーマって絶対ウソだろっ!

呪文のように自分に言い聞かせた。。。「頭に金をかけるのは中身が無い証拠」
「6千5百円のパーマかけたって、頭ん中30円だったら意味無いじゃん・・・」
はっきり言って結婚しちゃえばヘアスタイルなんて全くの「Out of 眼中」
新橋駅の構内で「サラリーマン向け15分カット」と言うのがあり、何度か世話になった。
今みたいに「10分ですべて終わる」と言う割り切ったものではなく、一応注文を丁寧に聞いて「切る」ところだった。

私が自分のヘアスタイルについて何か語れるはずもない。。。
「まあ。。。適当に切ってくださいな・・・」
なーんて言ったら、たまたま私を受け持ったその店の店長らしきオヤジが

「お客さん・・・自分のヘアスタイルでしょ?ちゃーんと詳しく言ってくんなきゃ・・・私達もプロなんですよ。。。」

何やら説教めいたことを言い出した。すっかり気落ちしてしまった私は

「すいません・・・注文するの苦手なんですけど、どうしたらいいんでしょうかね?」

「かーんたんですよ。写真持ってきてくれれば。一番わかりやすいんだよ・・・」

その時のセリフがすんごく印象に残った私は数ヵ月後同じところに訪れたときは写真の切り抜きを持って行った。
「中田英寿」の写真だ。別に彼のファンであったわけでも何でもないが、サッカーマガジンに比較的気に行った髪型の写真があったから。。。
別に新橋の床屋に恨みがあるわけでもないが・・・この切り抜きを持って行ったとき、たまたま違う担当の人で・・・

「いやあ、お客さん・・・気持ちはわかりますが、写真の通りと言うのは。。。いきませんよ」

「この野郎!責任者呼んでこい!」

お前んとこのえらそうなオヤジが行ったんだよ!オレだってこんな切り抜き出したかねえよ!なーんて強気のこともなかなか言えない私だ。

それにしても、昔は散髪に時間も金もかけたものだ。散髪台に座ってチョキチョキ始まるととたんに睡魔が襲ってくる。
いつものハゲたオヤジは無口なので、いびきをかいている私を気にも留めずに30分以上も黙々とやっている。。。

いつかビクンっと頭がローリングした瞬間、耳の後ろに挟みが刺さったこともある。
それ以来、白目剥くほど眠くてもがまんしてオヤジと世間話するように努めたものだ。
しかし、最近の1000円カットは10分くらいで終わってしまうので寝る間もない。

カットしてくれるのはだいたい女性で、一応「今日はどのようにしますか?」と聞いてくる。
「バリカン使っていいからスポーツ刈りに」と一言だけで後は「それで結構です」のみ。
若い女性なんて話は合わないし、おっさんと世間話する気にもならんだろう。切った髪の毛が入らないように目をつむる。

その日は980円の美容院で店には女性が二人。私と甘辛は一番乗りで共に台に座った。
いつもの通り私は目をつむっていたが、隣でなんやかやと甘辛は注文している。

「前髪は・・・横を少し・・・全体的に・・・」

部分部分でも結構注文をつけている。そのうちおねえさんと親しそうに話している。。。
こいつ何でこんなにすぐに仲良くなれるんだ?何の話をしているか聞き耳をたてていた。

「・・・ません。お客様・・・ですか?」

ん?あっオレか?後頭部が鏡で映し出されていた。いつものとおり「結構です」
二人して15分で終わるのは効率的だった。甘辛に

「おねえさんと何の話してたんだよ」

「サッカーの話。ポジションや大会がいつあるかとか・・・どこのチームかとか」

なーるほど。パリで買った「サンジェルマン」(注:チーム名でパン屋ではない)のユニフォーム着てたからだな。
結構話題なんて何でもあるもんだな。
よーし。次行くときは私の正装、背中にドでかい「襟にステッチ」のウルトラマンが入った強烈アロハでウルトラ談義に持ち込むか。

父の日の美生柑

2009-06-21 07:32:18 | 食べ物
実は人に上げるお土産、自分のためのお土産を買うには結構なセンスがいるものだ。
外し街道まっしぐらの私の土産は家族にもあまり期待されておらず、これまでに買ってきた土産ものも使っているのをあまり見たことが無い。。。
昔からの自分へのお土産など目を覆うばかりだ。

東照大権現御遺訓の掛け軸(まだ実家にある)、葵御紋の陣笠、印籠・・・日光への修学旅行だけでもこれだけのはずし。
二条城、平等院、東大寺に法隆寺そして金閣寺・・・すべての名所のミニチュア「のぼり」。。。
キーホルダーひとつとっても、ガイコツを筆頭にワニ、魔法のランプ、とどめは「根性」など数え切れない。

なーんでこんなもん買ってきちゃったんだろう企画モノ編

・水族館のペンギンショーを見た後に買った「ペンギンの杖」(先端にペンギンがついていてその足がタイヤになっており、押して進むと回転してペタペタとペンギンが歩く)

・宇宙戦艦ヤマトの映画を見た後に劇場で買った、「ヤマト乗組員服(戦闘班)と同じデザインのTシャツ」

・TDLで買った、「大きくてカラフルな鳥の羽が一本立ったカチューシャ」(ミッキーの耳はよく聞くが)、ついでに「海賊の眼帯」(むろん髑髏マーク入り)

写真がないと説明にすら苦労するものばかりだ。
面白いもの、話題性のあるものではなく、単に自分に「ばかやろう」と言いたくなるモノであることが秘訣だ。
家で絶対に使うことがないのも条件の一つだ。。。もうヤケ!

大人になってからは。。。・どこで買ったか忘れたが、「赤い彗星シャア専用ザクの形をしたこぶし大の印鑑ケース」(印鑑を押すとシャアの声で『認めたくないものだな・・・」とつぶやく)
会社で見せびらかそうと持っていって、使っていた台湾土産の翡翠製の印鑑をさし込んだら取れなくなってしまった。。。
同僚の器用NO.1のK木が外してくれるまで数年間、そのまま使い続けることになる。

さて、相変わらず徒然話題がそれて「外したものシリーズ」になってしまったので元に戻す。
今日は「母の日」に比べてあまり日の目を見ない「父の日」だ。梅雨どきだしジメっとしている。。。
息子甘辛は遠足やらどこかへ行くと何がしか土産を買ってくるが、意外と正規イベントには無頓着だ。
好きな女の子はいるらしいが、ホワイトデーのお返しも妻が買っていたし、誕生日や結婚記念日、母の日も気にしない。

ともすると関係ない自分が「記念」にかこつけて何かおこぼれをあやかろうとしている。
今年になって特にサッカーで忙しいし、このままでは「母の日」のように何もなしになってしまうので、事前に怠らず仕込みを行っておいた。
サーフィンのときに使う安物の防水腕時計が片っ端から壊れてしまっていたので。。。

「甘辛よ。父の日は海に行くときの腕時計を頼むよ」

「時計が壊れちゃって、海から上がってくる時間がわからないんだよな。」

「1000円のヤツでいいからな」

1日おきにつぶやいて洗脳しようとした。現役時代の野村監督風「ささやき戦術」だ。
あまりくどく言うのも感じ悪いから念は押さなかった。
当然どこかで買ってあるだろうと思ってたら、数日前会社からたまたま早く帰宅すると突如甘辛が

「父ちゃん、これ父の日のプレゼントだ」

と言って差し出したのが「美生柑」だ。(ふうっ。。やっとタイトルに辿り着いた・・・)
「何これ?」あれほど「腕時計」と言ったのに・・・ホントに塾帰りに自分で買ってきたらしいので、正直「うれしさ半分、がっかりさ半分」ってとこだった。その日父の日じゃないし。。
鎌倉帰りに「ウルトラマン・オフィシャル・データファイル」を土産に買ってきたし。。

遺伝子効いちゃったか。。。父子揃って「外し街道」か?!
ただの夏みかんだと思っていたこのブツは冷蔵庫にしまい、せっかくだから父の日当日に皆で食べようととっておいた。
傷んだりしては申し訳ないので、日々チェックはしていた。

昨日、午前中トレセンの練習に甘辛を秋葉台運動公園まで送った後、一旦家に戻ると妻が興奮気味に

「甘辛が買ってきたヤツ、信じられないくらい美味しいよ!」

オレにくれたヤツなのに、剥いて食べちゃっていた。まあそれはよしとして・・・
どれどれと一つつまんで見ると、「こりゃあうまい!ものすげえ甘い!」
これはただの夏みかんでは無かった!果汁が房からしたたり落ちるほど豊かで、瑞々しくびっくりするほど甘い。
この食感は・・・なんて言うかな・・最近ボキャ棚の引出し具合が悪くて・・・そう!芳醇?豊潤?

あらためてラベルを見ると「美生柑」、美しく生きるみかんか。。。
貴婦人の果実 ― 「味も姿もみずみずしい、果物の芸術品。爽やかな甘味と、深く上品な香り。はちきれそうに、果汁たっぷりです」
まさしく謳い文句とおり!妻は通販で取寄せようと考えたほどだ。 

甘辛に「ものすげえ美味かった。母ちゃん感動してたぞ」と買ってきたいきさつを聞くと。。。
先々週チームメイトと「ルーキーズ」見に行った帰りに、トラックの荷台でたたき売りみたいなことをやっており、人だかりしていたそうだ。
何をやってるのか好奇心から寄っていくと、この美生柑を試食させてもらったときにものすごい美味くて味を忘れなかったんだって。
2,3日たって塾の帰りにまたいたから迷わず持っていたこずかいで買ったそうだ。

「バスの中でもいい香りがいっぱいしてたんだぜ」

うーむ。。。完全に脱帽だ。ただの夏みかんだと思っていた私はやはり「仁和寺の法師」度100%。
イカしたアイテムではないが、どうやら彼は「外し街道」ではなく、独特の「感覚街道」を持っているらしい。
悪くないセンスしてるぜ。父子二代で同じ街道を進まなくてよかったー。

私は知らなかったが、この美生柑、結構有名なのかもしれない。愛媛産のようだ。皆様、一度お試しあれ!

鎌倉めぐり

2009-06-20 07:40:59 | 旅行お出かけ
久しく巡っていなかったので魅力があるが、残念ながら私のことではない。
息子甘辛が学校のイベントで「鎌倉めぐり」に行ってきた。
遠足のようなものではなく、グループごとに見学コース、スケジュール、予算を決め、出発から個別に歩き回るものだ。

いくつかのポイントには先生がいて、はぐれたりトラブルにあった子供がいないかチェックしている。
私達が6年生の頃はそんなのなかった。正直昔よりレベルが高いような気がする。
携帯が普及し(児童は携帯禁止)どこにいても先生方と連絡がとれたり、塾や習い事で交通機関を一人で平気で使うから抵抗がないんだろうか?

中学の時に赤羽から我が家の近く(茅ヶ崎)まで釣りに来ていたような都会派少年だった元同僚Kみたいなのを除くと、大半は小学生のときに一人で電車に乗る機会なんて無かった。
私ももちろんチャリ以外の交通手段を一人又は子供どおしで使うことなど無かったし、高校卒業するまで茅ヶ崎・藤沢・鎌倉エリアを出たことすら滅多になかった。。。

さて、甘辛達のコース設定だが、かなり綿密なものだった。何せ出発・到着時刻が1分刻みになっている。(芸能人か!?)
有名なカキ氷店のある小田急線駅から終点片瀬江の島に向かい、歩いて江ノ電駅へ。最初は大仏へ行くようだ。

「オレ達、今度鎌倉行くんだけどさ。。。」

「腰越港は今、整備工事で立入禁止だったぞ。あそこは海面から高いから結構危ないし。。。」

「釣りじゃねえよ!学校で見学に行くんだよ。コース自分で決めるんだけどいいところある?」

「それなら、鎌倉長谷寺だ。今はあじさいが一杯咲いて見どころのはずだ。何年か前、行ったんだぜ」

大仏に行くなら長谷駅のはずだが、残念ながら長谷寺案は却下されたようだ。
銭洗弁財天に向かうハイキングコースがあるそうだ。さらにそこから源氏山公園に歩いて昼食。。。ずーっと歩いてばっか。
さらに歩いて鶴岡八幡宮、頼朝の墓を訪れて全体の集合場所鎌倉西口広場へ。かなり無理のあるコース設定じゃないの?

子供の頃は正直、大して興味も無かった寺や神社が、大人になってから行くと実に面白いことがよくある。
中学の修学旅行はおなじみ京都・奈良で、友達や女子とのこと以外に対して印象がなかったが、成人後に友人と全く同じコースをたどってみて、いかに素晴らしいかはっきり分かった。
「観光地化されて趣きも何もあったものじゃない。。。」などとよく言われるが、すごいところはやっぱりすごいのだ。

同じく中学生のときに、何となく気になる男女グループで鎌倉ハイキングをしたことがある。
めいめいにお目当てがあり、何となく仲良くし、弁当を食べ公園で遊んで、ツーショットを夢見ながらも結局みんなで写真を撮った。
小町通りに「ギルド」と言う名の小物屋があり、お揃いのアクセサリーに名前を掘ってくれるお兄さんがいた。

その場は思い思いに眺めていて、それぞれが牽制し合い、結局誰も(どのカップルも)名前を掘った者はいなかった。
少年の私もやはり言いだせず、何とも歯痒い思いをしていた。クラスメートってよほどのことが無い限り告白めいたことはしないものだ。玉砕したときに翌日からも同じ教室で顔を合わさねばならず、逃げ場が無いからだ。

転校や卒業時にこれ系のシーンが多いのは、何を言っても後の気まずさを気にしなくてよいためだ。
この店はこの後無くなってしまったようだが、歯医者で歯を削る装置のようなもので名前を彫ってくれるお兄さんの煽るような話し方が印象的だった。
そしてこの話は奇しくも数年後、平塚七夕祭りで実現することになる。。。

ふーむ。私も鎌倉めぐりしたくなってきた。京都と一緒でどこに入るにも拝観料がかかるのが忌々しいが。。。心洗われること間違いなし。
長谷駅の近くに「CARO」という小さなレストランがあり、ビーフシチューがやたらうまかったし・・・
2番目に新しいファッショナブルなウルトラネクタイは意外にも小町通りの小さな雑貨屋で買ったものだ。

甘辛達のコース設定もそうだが、とにかく色々行くには歩かなければならないので、つぶやきさんのようにチャリで行くことにしよう。
さて、この魅力ある街鎌倉で甘辛は歩きすぎてヘトヘトになったらしいが感心にも我々にお土産を買ってきた。
妻には鎌倉サブレ(源頼朝像)という半分やられアイテムに「きなこもち」というベタなセットだったらしい。

「オレには?」

「ウルトラマン・オフィシャル・データファイル買ってきたぜ」

うーむ。。。買っておけと言ってあったから文句は言えぬが、鎌倉と関係ないじゃんか。
血は争えぬか?!彼もまた「はずし街道」まっしぐらかも。。。


太か人々

2009-06-18 21:30:02 | ヒーロー
書いているうちに少しずつタイトルから外れてきてしまった。
先日、久々に同僚と終業後ラウンジに飲みに行った時の話題だ。
割り勘連勝記録更新中(不敗?)の私から見てもやけに抑えている者がいた。ホッピーを焼酎抜きで頼んでみたり・・・
最初は「帰る」と言っていたのを、皆で強引に連れてきたので気になり、

「調子でも悪いの?」

と聞くと、

「いやあ、明日草刈り(ゴルフ)に行くもんで。早朝から運転するので気をつけようと思って」

うーむ。感心なことだ。酒気帯び運転撲滅に向けて罰則も厳しくなったからな。あまり勧めないようにしよう。「オレ達、誘ってないことにしてね」
まあ。。。そんな連中ということだ。

私は学生時代、色々なモノに手を出し「ゴルフ部」にもいたことがある。でもゴルフはヘタなので会社の付き合いでゴルフなんか行かなくなってから10年近くなる。
以前ここでも紹介した、昔「グリーンの周りにボールが見当たらないときに、まず最初にカップを覗きこんだ」のを冷やかされた話をしてから、そんな類の話で盛り上がった。

太か人。。。福岡あたりではそう言うらしい。強い、大きい、筋金入りな、ダイナミックな、そしてそれこそ「胆が太い」人のことを現わすようだ。(考えてみれば私のゴルフ話は直接関係ないが)
ジョッキを飲みながらの話題なんてあまり覚えていないものだが・・・太か人シリーズ


エントリーNO.1
宴会の帰りに間違えて他人の靴を履いてきても、「どうせ人数分はあるんだから」と知らんぷりを決めた元同僚T。しかも両方左足だった。。。

エントリーNO.2
中央道で覆面パトにスピード違反で捕まったが、2時間粘って車線変更違反にまけてもらった元同僚K。「もし私が違反だったら、抜いたキミらだって違反だろ?」を含めあらゆる理屈をこねて論破したそうだ。

エントリーNO.3
私が幼いころ、とにかく何か具合が悪くなると必ず診てもらった、東大出で元戦艦「長門」の軍医長、●藤院長先生。関節炎だろうが頭痛だろうが、気管支炎だろうが何を患っても処方するのは「メブロン」というブルーの錠剤だった。

エントリーNO.4
自転車で転倒し市民病院整形外科で診察を受けて「打撲」と診断されたのを忠実に信じ、1か月余り足を引きずっていたが余りにも痛いので別の病院に行ったところ「骨折」を宣言された社宅入居時向いに住んでいたT木さんの奥さん。
医師からのとどめの一言は「T木さん。。。こっち(反対の足)も折れてるんだけど・・・」

エントリーNO.5
東京ドームで巨人の選手が打った打球が天井にあたり、キャッチされてライトフライになっちゃったときに、TVで見ていた誰もが「ホームランじゃないの?」と騒いでるのに、ただ一人「天井でワンバンしたんだからヒットだろ!」と抗議していた長嶋さん。この人の逸話はその場のメンバ内でもかなりたくさん上がり、重複語シリーズが多かった。たとえば「初めての還暦」「打率のパーセンテージ」「疲労からくる疲れ」「秋の秋季キャンプ」・・・などなど。

エントリーNO.6
鈴鹿研修センターに行くときに富士山の見える窓際席が取れないからと乗るはずの新幹線を2本遅らせ、約束の名古屋駅改札で上司を40分待ちぼうけさせた磯辺太郎。講義資料は自分が持っていたので置いて行かれない自信があった。

エントリーNO.7
台風通過中、夫が大けがして頭から血を流して帰ってきたのに「この台風ならもっと必要な人がいるはず」と救急車を呼ばずに自家用車で救急病院へ連れて行った磯辺きなこ。ガーゼを固定するための高級リンゴを包むようなネットで頭を覆われた夫の姿は写メで友人にばら撒かれた。

エントリーNO.8
熱を出して遠足を休ませると雨で延期にさせたり、受かったことのない一次選考をインフルで休むと何故か免除されて二次を通過して選抜クラスに合格したり、禍(わざわい)転じて結果オーライとする磯辺甘辛。雨を振らせたいときに使う必殺アイテムは「ずーぼるてるて」

エントリーNO.9
携帯購入後メールを打てるようになるまで3年かかり、ようやく姉妹、友人と交換するようになったが、「携帯って小さいからあまり字が入らないんだよねえ。30文字くらいですぐ切れちゃうから伝えるのが大変。。。」と嘆きながら半年近くタイトル欄に本文を書いて送っていた初登場磯辺A子。誰も指摘しなかったんだろうか?紙じゃあるまいし、「小さいから入らない。。。」と考えるのも既に大きな間違い!?

エントリーNO.10
「犬が調子悪いから・・」という理由で郷ひろみが来た御親戚の結婚式を欠席したCOSTCO大好きスーパーグルメ主婦の先輩マダム。「お嫁サンバ歌ってくれる権」はハンマープライスで何百万で買われたのに、この筋の通り方は見事としかいいようがない。

なーんか、タイトルから外れてしまったな。。。
もちろん後半は話題にはしていない。NO.10以外はただの「愉快な仲間達」とも見られる。
しかし、世の中「太か人々」「貫く人々」「芯の通った人々」はいるもので、話は痛快だ。

私もかくありたいと思うところがたくさんある。。。
「伝説に残る」ような豪快な武勇伝でなくてよいのだ。
ちょっとしたプレーが人の心を捉えて放さないことが多いというのは物の常だよね。

中国料理皇苑Ⅱ

2009-06-15 22:51:09 | 旅行お出かけ
久しぶりにちゃんとしたカッコで家族で食事に行った。
ここで紹介するのは二度めになるが、横浜ランドマークタワー68Fの中国料理「皇苑」だ。
土日祝日だけだが、2時半から4時半まで飲茶のオーダバイキングを提供している。


翌週父の日にリクエストしたかったのだが、相変わらず息子甘辛は1日サッカーなので、珍しく午後からオフになる昨日に急きょ予約したのだ。
我が家から練習グランドは通り道になるので、練習終了後迎えに行き、泥だらけの練習着を変えさせて、そのまま一路「みなとみらい」へ向かう。
道路事情では何十年も県下ワースト1を誇っていた「原宿交差点」も立体交差となり、4月から結構スイスイなのだ。

近くのショッピングモールで「ブッフェ」なるメニューは時々行くが、妻も私もひと通り全種類食わないと気が済まないタチなので、

「もう、食べ放題で喜ぶ歳でもないよねえ。。。やっぱり」

とちょっぴり後悔するのが最近だった。
息子甘辛は舌が肥えてるわけでもないし、グルメってことは全くないが、小さいころから「ブッフェ」形式にあまり興味を示さない。。。

「冷たくてあんまりうまくねえ」

確かに万人ウケするために味は濃い目の塩辛いものが多いし、1回1回立ち上がって他人の残りを取りに行くようで煩わしいらしい。
聞くと、結構最近の子供ってその傾向があるそうだ。「贅沢し過ぎ」というのも反省だろうが、我々のように酒や激辛モノのような刺激物で味覚が潰れてしまっていないので、「子供のほうが味がわかる」ということも真だと思う。
その点「皇苑」は横浜ロイヤルパークホテルのれっきとした高級レストランだし、オーダしてから料理を作るのでいつもアツアツ、味はすこぶるよい。

味と場所、ネームバリューもあって「それなり」には値段が張るのだ。私は「絶対お得!」と自分が納得できるよう万全の運動量でそれこそ、腸管洗浄剤を飲んだ後のように体じゅう空っぽにするつもりだった。
朝は暗いうちから海岸へ駆け付け、ボード片手に波と戯れること2時間。。。
へとへとになって帰宅するとうっかり昨晩のカレーを腹いっぱい食べてしまい、元の木阿弥・・・・
近所のフィットネスジムでばっちりトレーニングする羽目となった。もちろん間食などまったくせず。

みなとみらいに到着して、ランドマークプラザを歩くこと約1時間半、さすがに空腹で目が回ってきた。。。
床に10円玉を立てても動かない日本が世界に誇る高速無震動エレベーターで68Fへ。ロビーから数10秒で着いてしまうがやけに長い時間に感じた。
来店してメニューを見るや否や麺類、ご飯類に本格料理と前菜や点心などそっちのけだ。。。

「お客様、本日大変混み合っておりまして、お出しするまでに少々時間を頂戴してしまいます。まずはすぐにご用意できる前菜系からご注文を。。。」

それはそうだな。オーダは前回と同様、1回に5品までで量は何人前か指定する(だいたい2人前)。
写真がないので、全然グルメレポートにもならないが、品名とつたない説明だけで想像してほしい。。。
ちなみに第0弾(出てくるのが遅いので注文し直し・・・
牛バラ肉入りスープきしめん、チャーシュー入り葱そば、海老団子入り中華粥、皇苑特製小籠包、チャーシュー入り蒸し饅頭

第一弾
干し貝入りふかひれスープ(前回はじめて食したが、とろみが効いて干し貝がいい味を出しグーッ
三種盛り合わせ前菜(チャーシューと中華ソーセージ、燻製ハムの盛り合わせ、結構量がありグーッ
豚スネ肉のピリ辛漬(少し甘めのソースがかかり、ミミガーのような珍しい食感に息子甘辛も感心していたが、5切れしかないのが残念)
金華ハムと鶏肉の包み揚げ(春巻きよりもボリュームがあり、はっきりした味が出ていた)
皇苑特製小籠包(おなじみ息子甘辛の大好物。スープアツアツで「もう入らねえ」と言う前に我々が手を出すととうるさい

第二弾
チャーシュー入り蒸し饅頭(妻の大好物。オーダ後真面目に作っているらしく、一番時間がかかった。甘いタレにチャーシューがよくからみアツアツを頬張る
海老入り蒸し餃子(点心定番だがアツアツ海老のプリプリ感が何とも言えずグーッ。
皇苑特製小籠包(第一弾の2倍の量を注文。甘辛はその熱さに白目をむいているが、まだ入るらしい。。。
紋甲イカのガーリック風味揚げ(柔らかいイカ揚げにピリカラのパン粉がまぶしてあり、庶民的なわかりやすい味)
酢豚(これまた定番で柔らかい肉によい味を出しているが、量が少なめで味が濃い

そろそろ腹が膨れてきたが、これからが勝負。一旦箸休めで休憩して後半戦に臨む。息子甘辛が前回ほぼ小籠包とチャーシュー饅頭しか食わなかった。
「食ったことない他のもちゃんと食え!味をしっかり覚えてよそで出されたときに「おいしい●●です」と言えるようにしろ!」

第三弾
クラゲの冷采(箸休めに注文したが、びっくりするほどの量だ。食感がおもしろいらしく甘辛も結構箸をつけていた)
五目春巻き(これは正直妻が作るやつのほうがうまい。味はかなりいいが、もっと小さくしたほうがよい
チンゲン采のあっさり炒め(肉や揚げ物系が多かったので、野菜が欲しくなった。野菜のシャキシャキ感がなかなかよい)
チャーシュー入り葱そば(細切りチャーシューがピリ辛の葱、スープと絡まって私にとってはグーッだったが、子供は辛過ぎて食べられず、?の量がアンバランスに多いため固めっており、妻には不評

甘辛は午前中の厳しい練習メニューをこなし、3時まで飲まず食わずで過ごしたこともあり、新しく出たメニューも喜んで箸をつけていたが、毎回頼んだ小籠包・・・9個目でとうとうこの日はギブアップ。
時間はちょうど1時間余りたっていた。
係の人がプーアルティーを注ぎなから

「お腹のご加減はいかがでしょうか?そろそろラストオーダーとさせていただきますが、本日は混んでいてなかなかお出しできなくて申し訳ございませんでした。デザートも充実していますので5品に限らずとも結構でございます」

さすが高級ホテルの係だ。ずーっと満席で忙しそうだったが、それなりに丁寧にサービスしてくれるものだ。
よーし、ラストスパートね!もう腹的には限界なのだが、気になる肝心なメニューを頼んでないじゃん。。。
今から考えると「よっぽど普段ロクなモノ食べてないの?」と言われそうな無謀な注文を最後に。

第四弾
マーボードーフ(ランドマーク地階に「陳健一の麻婆豆腐」という店があるが、あそこより高級な感じ。かなり辛味があり、私には香辛料が強すぎかな)
皇苑特製小籠包(これはうまい!スープでやけどしてもやめられなくなる味だが、妻と二人で6個は頼み過ぎた。どうしても1個は甘辛が食うことに
海老団子入り中華粥(珍しくあっさり目の味付けだが、マーボードーフ食いながらだと全く味を感じられなかった。残念!)
マンゴープリン(香港土産などでは有名だが、別に騒ぐほどでは。。。)
フルーツ入り杏仁豆腐(これまたマーボードーフの直後で、味を感じなかった。ちょっと量が多いな)

ここで投了。。。たぶん料理ひとつひとつは素晴らしいのだ。万人受けするために味が濃くしょっぱ目になっているが。
しかし、あらためて第一弾から読み返してみると、最初はグーッが多かったのに段々批評的になっている。。。
「空腹は最良のソースなり」、脳ミソ食い意地部門も残業はしたくないらしい・・・

その晩は家族みんなが異常に早く寝た。私にしては珍しく朝までほとんど起きずに爆睡だった。通勤電車でも終点まで目が覚めなかった。
たぶん脳ミソ消化部門(普通に消化器官?)が喉元近くまで詰め込んだ食物の消化を進めるのに全ライン稼働を注ぎこんだのだろう。
5000kcalはとったな。。。しばらく「こんにゃくゼリー」暮らしをしないと元に戻れないかも。

すみません。次(来年?)はちゃあんと料理をご紹介しまーす。

3分間トレーニング

2009-06-11 22:49:11 | スポーツ・健康
私は結構身体を鍛えているほうだ。運動量も同年齢の人の中でもかなり多い。
週に2回は会社帰りにフィットネスジムに寄るし、毎朝ではないが早朝1時間、息子甘辛との朝連やサーフィンにいそしむことも多い。
真夏の炎天下以外は新宿からオフィスビルまで15分は歩くし、マッスルトレーナー(片側1.5kg)を履くときもある。

健康オタクでありたくはないが、ファットメタボライザーとかLカルニチン、そして初めは「小圓遊ザイム」と覚えてしまっていたQ10など、「運動の前に飲んで脂肪燃焼・・・」などと書かれた食品は何かと手を出して試していた。
インナーマッスルを鍛える「エクスケア」なる高周波発生器(294000円)も本気で購入を考えていたが、フィットネスジムでお試し経験を申し込み、無料で30分腹筋にかけたら1週間原因不明の腹痛に苦しむことになり・・・止めた。

藤沢駅北口のフィットネスジムに通い始めて9年目にもなるが、今だに友達はできないから「趣味」ではないよな。
ときどきキャンペーンでやっている「体組成測定」やら「お試しバイオメトリクス」などを通り過ぎることができず、なんやかやとやっている。
そのくせ、すこぶる効果があるわけではない。。。体脂肪率も20%を切れたことがない。

妻に「健康のためなら死んでもいい」と皮肉られながらも、人間ドックで異常が出たことはないし、体力年齢は6歳(微妙~)若いことになっている。

しかし、最近特に感じるのは「人間そこそこ歳をとると、運動では痩せない」ということだ。
職場の同年代に比べてゆうに10倍もの運動量を誇りながら、郷ひろみのような腹筋になれないのはなぜか?
運動しているから大丈夫と、消費カロリー以上のものを入れるからだ!
1週間の体重推移だけ見ても、木曜日までに結構いい線いってるのに、金土日で元に戻るか悪化する「だいなし街道」だ。

そんなときにTarzanの「3分間トレーニング」を見つけた。何と言っても私が素通りできない表紙だ。
「週刊ウルトラマンデータファイルが出たよ。買った?」とか「あれって磯辺さんが書いたんじゃないの?」という人までいるが、この雑誌を紹介してきた人は珍しくいない。。。
しかしウルトラマンにちなんだ3分間トレーニングなんて私には「肩口からすーっと入ってくるカーブ・・・」まさしくホームランボールだ。

Appearance(00'00'')・・・Combat!(01'25'')・・・Specium Beam!(02'30'')!・・・GO Home!(03'00'')

「3分間という地球上での時間は、我々ウルトラマンにとって過酷なタイムリミットだ。限られた時間で敵を確実に打ち倒すには、迷いは禁物。ダラダラとした先頭で、スタミナをムダにすることは致命的な行為なのだ。とにかく短時間で物事をなすには、集中あるのみ!それは地球人にとっても同じであると思う。3分間を毎日続ければ、いつかは岩をも穿つ。そんな強い意志でトレーニングを続けていってほしい。」(ウルトラマン談)

1日3分でも毎日続ければ1年で体脂肪1.5kg減・・・に相当するそうだ。こう聞くと何かできそうな気がするな。
筋トレ10回3セットはちょうど3分程度で実に合理的なやりかただそうだ。
運動は何でもよいようだ。スクワットや腕立て、腹筋みたいな、いわゆる地味トレだけでなく本の運搬、モップがけ窓ふきなど細々と運動量単位(EX)で表示している。

身体活動の強度の単位は「メッツ」。安静にしてイスに座っている状態を1メッツとし、これを基準に活動強度がその何倍にあたるかを数値で示す。
料理をしたら2メッツ、普通歩行で3メッツだそうだ。活動量はこれに時間(h)をかけて表す(EX)。
つまり30分歩けば、3(メッツ)×0.5(h)=1.5EXということになる。

ダイエットを目指すなら1週間で28EXを目標とすべきという。。。1日4EX=約80分歩く勘定になって厳しそうだが、ほとんどの人は1日5000歩程度(2.5EX)歩くので、3分間トレーニングで消化できるそうだ。
うーむ。。。かーんたんにできそうだが、そのとおりなら私の運動量から推定するともはやシュワルツェネッガーの領域にいてもおかしくないのでは?
たぶん私は「1日4EXを毎日」というのができなくて、「特定の日に28EX固め打ち!」、残りは暴飲暴食となるからダメなんだろう。。。

しかし、ウルトラマンのアドバイスもあった3分間トレーニング。ウルトラマニアとしてはやらずにはいられない。
今から鍛えて忘年会頃に・・・。3分で身につけるヒーロー技。
Tarzanには難度別に10以上の候補があげられていたが、私が迷わず選んだ技は。。。


「ヘリコプターの縄ばしごにぶら下がり、美女を片手で担ぎ上げる。」(難度高)

ウルトラ警備隊出動

2009-06-09 05:34:49 | ヒーロー
私の愛車は「ポインター号」という。4月に新車としてやってきたバイクだ。
名前の由来はあえて書かないが、かの「ウルトラ史上不朽の名車」からいただいている。
善光寺御開帳からなんとなしに「どうも最近縁起がよい気がする」私だが、まさか我が家のすぐ近くで本物に巡り合うとは!

日曜日の湘南地方は雲も少なく適度な風もあってすがすがしい陽気だった。
息子甘辛を練習場に送った後、妻の「草むしりやれ~」プレッシャーを感じつつも、こんないい天気にもったいないと投釣りに行こうか波乗りに行こうか迷っていた。
午前中もう、お日さまもだいぶ高いから、この陽気だと海岸は大変な混雑なんだろな。

最近よく練習場に使われる相模川河口の茅ヶ崎柳島しおさい公園まで、帰りは甘辛を迎えにいく時間もあるので、ボードを抱えてパッと海岸へ飛び出した。
海岸では今しがた到着した家族連れがめいめいシートを広げ、遊ぶ準備に忙しい。
すぐ横で地引網の軍団が集まって賑やかに騒いでいる。

景色を撮るにもすばらしい陽気だが、波はない。。。
反対に波待ちしている人の数は半端ではなく、ボードを跨いでプカプカ浮いていると「コツン」とぶつかってしまうほどの「イモ洗い状態」だ。
たまに大きめの波がやってくると、それこそ数十人がパドリングを開始し、運よく乗れた人が数人腰くらいの深さしかないところで滑り出す。。。

私も結構上手になったもので、すぐ隣でパドルする人がいても動じずテイクオフすることができる。
地引網のところがいいんだけどなあ。まさか網を引っ張るロープの間で乗るわけにはいかないし。。。ホントに入ってしまい怒鳴られているサーファーもいる。
そのうちに子供たちが綱を引っ張り始めた。どんな魚がいるのか見たいものだが、この前覗いたときは「生しらす」ばかりだった。

1時間半ほど入って、いよいよこれ以上人が増えるとどうにもならぬか?という状態で上がってきた。
チャリで帰ると丁度甘辛から電話が掛かってきて・・・早めに練習が終わったという。
急いでシャワーを浴び、海岸線を平塚方面に向かった。この時間すでに河口付近は下り線がかなり混雑している。

公園駐車場から国道134号に出ると、一旦我が家と反対方向の西方面に向かわなくてはならない。
これがまたUターンできる地点まで虚しく渋滞を進まなければならない。
ようやく方向転換でき、左側にしらす料理で有名な「北村」を通り過ぎたとき・・・眼を疑うようなモノが視界に入ってきた。

「んっ?何だ、ありゃ!」

運転中なのでちらりとしか見ることができなかったが、あの銀色に輝くボディはもしかしたら・・・たぶん・・・

「わーっ父ちゃん!あれ、ポインターだぞ!」

やはり直感どおりだった。あわててブレーキを踏み、ほとんど急停車に近い状態で路肩に車を止めた。
思わず顔を合わせた我が父子は、すかさず車を降りて「しらす料理北村」の駐車場へ脱兎のごとく駆け戻った。
ウルトラ警備隊のポインターは見事としか言いようのない復元だった。まるで40年前のウルトラセブンに出演しているようだ。

銀色のボディに燦然と輝く地球防衛軍のマークは愛社ポインターに貼ってあるのと同じものだ。
二人はしばし我を忘れて見とれた。うーむ。。。いつ見てもかっこいい。我が家にはミニカーも入れて模型だけでも数十点はあるだろう。
たまたま外にいたオーナーらしき人に、息を切らして近づき

「すみません。写真撮っていいですか?ふーっびっくりした!」私は携帯のボタンを押しまくった。今日ほどちゃんとしたカメラが欲しいと思ったことは無かった。

「ダッシュボードに『怪獣名鑑』もあったぞ」息子甘辛は前から横から後ろから、色々とチェックしている。
我が家の近くには「ウルトラセブン」に変身したモロボシ・ダン役の森次晃嗣さんの「ジョリー・シャポー」というお店がある。
「モロボシ・ダンのハヤシライス」というメニューも確かあった。警備隊服を着て当時のように運転してくれたら感激だろな。

昔、甘辛が小さいときに幕張メッセにおもちゃショーか何かに行ったとき、駐車場にポインターらしき車が停めてあったが全くの張りボテだった。
今日のやつは完全な再現版だ。レーザービーム砲も搭載されていた。
これで走ったらかっこいいだろな。昔、キリヤマ隊長を演じていた今は亡き小林昭二さんは、撮影場所に行くときに自宅までポインターで迎えにこられたことがあるという。死ぬほど恥ずかしかったそうだ。

それはそうだろう。あんなのが信号待ちしてたら、子供が寄ってくるに決まってるさ。私でも・・・もちろん追い掛ける。
しばらく眺めまわしていたが、公道も走れるらしくれっきとしたお客さんの車なので名残惜しそうにポインターを後にした。

「いやあ、驚いたな!」と私も興奮が冷めやらぬ。

「家にある模型とまるっきり同じだったけど、やっぱり迫力あるよな」

海岸道路を江の島方面に運転しながら、私は色々思い廻った。
やはり運転席に座らせてもらうくらいしてもよかったか。そうだ!私が写ってる写真も撮っていない。。。
いつも波を偵察する134号にかかる歩道橋で待っていたら、疾走する姿をカメラに収められるかもしれん・・・

ちらちらとバックミラーを見たが、後ろから接近する気配はない。
海岸道路は2車線で簡単にUターンもできない。。。ここはあきらめるか。

しっかし、ツイてるツイてる!

やっぱり心のレンズを磨いていれば「ツキの芽」はどこにでもあるものだ。
ツキが更なるツキを呼ぶ・・・これを我々は「ツキのスパイラル」という。。。(ケーシー高峰風)

ブレイブ・ストーリー

2009-06-07 07:10:58 | 書籍
イマドキの子供がはまるゲームなんてのは。。。
ひょんなことから、ごく普通の少年が世界を救うために旅を始める・・・
途中で出会った連れが掛けがえの無い仲間となり、色んな戦いを通じてさまざまなアイテムを手に入れて成長していく、水戸黄門ばりのワンパターンだ。

40過ぎのおっさんが旅をすることは決してない。
旅先の街で「ししゃもラーメン」を食いそびれることもないし、がっくり肩を落とすプリンをお土産に買うこともない。。。
だいたい必ず言葉をしゃべる「剣」と出会うんだ。「陣笠」や「がいこつのキーホルダー」では決してない・・・
まあ、そんなゲームの世界だと思っていた。ところがどうもそうじゃないらしい。

「父ちゃんよ、これって結構すげえ話なんだぜ」

別に・・・いいよ。オレ、魔導師とかあんまり興味ねえし・・・
でも見てみると、漫画ではなくちゃんとした書物だ。「宮部みゆき」という結構有名な人の作品らしい。
私は「行動派」というほど何をするわけでないが、「本」ってあんまり読まなかった。

私には色々な本を紹介してくれる知人がいて、ずいぶん幅が広がり、結果趣味欄に「読書」と自信を持って書けるようになった。
この「ブレイブ・ストーリー」は聞くとオリジナルは文庫本で、映画化されたやつを数年前え息子甘辛が以前のサッカーチームメイトと見に行って号泣してきたそうだ。
小学校高学年になって文庫本も読めるようになって、繰り返し読んでいたらしい。。。

主人公は11歳の少年。。。一人っ子で普通の家庭にいるのだが、父親が突然「別の女性と生きる」と言って、家を出て行ってしまう。。。
相手の女性が家に来て母親と言い争う・・・父親側の母親(老婆)は息子の肩を持つ。
主人公の母親は傷つき絶望して、主人公の息子もろともガスによる無理心中を図る。

一方、いずれ彼のライバルとなる転校生の少年は、母親が浮気相手と家にいるところを父に乗りこまれ、幼い妹もろとも殺されてしまい、その父親もまた少年を待ち伏せしながらも、逃亡し結局自殺する、と言うまるで「京都地検の女」のような経験をもつ。

主人公は初めての衝撃に戸惑い、傷つきながら自分だけに課せられた(と思いこんだ)「運命を変える」ため、ライバルの少年が見つけた幻界へ行く扉を見つけ、「運命の塔」にいる女神を目指す。
女神にお願いして自分のつらい運命を変えてもらうためだ。
途中で出会った不思議な仲間との出会い、楽しいことやこれ以上ないと思っていた自分の経験をはるかに超える悲しみも経験する。
そして運命の塔で一足先にたどりついたライバルの少年と再開するが、その少年は恐るべき魔導士に成長していた。

そこで二人は最後の対決?!と思いきや、対決するのは自分自身だった。。。
ライバルの少年はそのあまりにつらい経験により「運命を変える」ことだけに執着し、その思いの強さゆえ強大化した魔法で幻界を破壊してしまう。
そして最後の「試練」自分自身の「暗黒」に負けてしまうのだ。

主人公は「旅人」としてこれまで散々な目に合わされたライバルを許し、「運命を変えるのではなく、自分が変わらなければならない」ということに気づく。
最後に「ひとつしか聞き入れられない」という女神さまへのお願いは自分の運命を変えるのではなく、破壊された幻界をもとに戻し、仲間たちの世界を守ることにするのだ。

「変えることができるのは僕だけだ。僕が、僕の運命を変え、切り拓いていかなくては、いつまでたっても同じ場所にいて、同じことを繰り返すだけで、命を終えてしまうことになる・・・」

天空を翔るファイアドラゴンの背に乗り、数々の試練を経てたどり着いた「運命の塔」でのラストシーンは効いた。。。
飲んでもいないのに電車を乗り過ごすほど感動した。
前半の「京都地検の女」編はイマイチ子供に見せたくない話もあったものの、漫画だけだと思っていたが結構いい物語読んでるんだな。

「父ちゃん、オレの唯一大好きな本3つ知ってるか?」

うーむ。「唯一」なのに3つか。。。やばくねえか?

「ブレイブ・ストーリー、キングダム・ハーツ、もう一つは?」

キングダム・ハーツはプレステ2にもなっていてドナルドとか出てくるやつだった。

「花の慶次だろ?」

「全然違う!」

「はじめの一歩?ダイの大冒険?意表をついて風のマリオ?」

「マンガじゃねえよ!」

ふーむ。我が家にはマンガとはいえ、侮れない名作をたくさん温存してあるんだがな。
わかった、三国志かそれとも西遊記、封神演義もよく読んでたな。

「うーん。あれもグーっなんだけど違う。。。」

そしてすべての候補を言い尽して降参したとき息子甘辛の口から出てきたのは。。。

「佐賀のがばいばあちゃん」