超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

復刻?!北京亭の中華丼

2013-02-05 21:25:16 | 食べ物
約5年近くも前に載せた記事で自分でも書いたのをすっかり忘れていた。訪れてくださった方にコメントいただいて懐かしく思い出したものだ。茅ヶ崎駅南口に10年くらい前にあった「北京亭」である。お友達から「ボリュームがあって美味しい」と教えてもらった母と一緒に暖簾をくぐったのが約40年前、それ以来閉店してしいまうまで30年間で通算800回くらいは通っている。10数席しかないカウンター席に調理するのはおやじさんだけ、奥さんはギョーザと麺を茹でる分担だった。おやじさんが使うのはいかにも使い込んだ中華鍋にお玉のセット、カウンターごしに腕をふるうのをいつも間近で見ていたから、全てのメニューの作り方はプロセスだけは覚えてしまった。10年くらいしかキャリアのない妻に言わせれば「シンプルなラーメンも十分美味しい」のだが、ここの特徴は何を作るにしても大きな鍋で炒め、特製スープで煮込み「じゅわぁぁぁああっ」と麺やご飯に振り返るところだ。

定食モノは●●ライスというメニューである。たぶん一番人気は「たまにら」と皆に愛されていた「たまごにら炒めライス」だ。特製のタレでタマゴと野菜と少量の焼豚片、大量のニラを炒めただけのシンプルなメニューだが入店すると大抵誰かは注文していた。北京亭で最も高級とされた(高額な)のが「肉野菜炒めライス」で、この料理には珍しくピーマンが入る。そして炒めっぱなしではなく、軽くスープでとろみがついていて、舌を焼かんばかりに熱い。そして同じ値段で希少メニュー「ホイコーロライス」という肉野菜味噌炒めのメニューがあった。さらに知っている人は少ないと思われるが鍋で肉しか炒めない「焼肉ライス」というほぼ幻のメニューもあった。こちらは千切りキャベツの上に焼いて特製タレで作ったソースが乗っかっているだけの北京亭的には「邪道」なメニューであり、後半は姿を消してしまった。さらにマーボーとご飯が別々になっているマーボーライス(後述のマーボー丼とは異なる)というのがあり、母が好んで注文した。ギョーザライスはそのまんまのメニューだが、単品ではなく食べ盛りの若者が麺メニューのサイドとして注文することが多かった。

さて麺類になると、ラーメンもチャーシューメンもむろんあって味は大変よいが、頼んでいる人は滅多に見ない。北京亭的には「おやじさんの腕を通らない」のはサイドメニュー扱いなのである。この分野は結構人気が分かれていたように思う。後述する「タローメン」が頭一つリードしていたようだが、肉野菜炒め煮込み(とろみなし)醤油味の「にくそば」、一見ラーメンジローのように山盛りモヤシが乗っているが、特製タレで炒めてしゃきしゃきになっておりアツアツで上で海苔が踊る「ペキンそば」、さらにモヤシ入り野菜炒めにトロミがつき、横浜発祥と言われる超アツアツ(そのままの調子で食うと口内が悲惨なことになる)サンマーメン、私が初期に好んだのは「みそラーメン」、母が好んだのが「タンメン」である。この二つはほぼ同じ具材を使用し途中まで同時に製作されることもあるメニューで、モヤシ入り野菜を炒めて特製スープで煮込み、最後に味噌、塩で味付けする「じゅわぁぁぁああっ」メニューの代表である。何かわかりにくいがラーメン、タローメン、にくそば以外はモヤシが入る。

丼モノにはチャーハン(一応こちらに分類した)とマーボー丼、そして北京亭最強のメニュー、中華丼がある。チャーハンを注文している人はあまりいない(初心者ばかりかもしれない)が、「中華の基本」と言われるだけあって、パラリと香ばしくボリュームもあってかなり高ポイントである。何よりもおやじさんの鍋さばきが素晴らしく中でチャーハンが舞い続け最後はお玉に綺麗に収まるところが見事である。
マーボー丼はひき肉やねぎなどが入るが、珍しいことに全く辛みが付いていない。人気メニューではあるがちょっと具材のバラエティが乏しく、ボリュームがあるので若干疲れるか飽きる傾向があった。
長ーい前置きと紹介になってしまったが、いよいよ中華丼の登場である。たまに豆腐が下に隠されている時があるが、中華丼の具材がラーメンに乗っかったメニューが「タローメン」である。

私は全てのメニューの製造方法を記憶していたし、IHになる前の社宅時代にはマイ中華鍋&お玉を持っていたので、よくおやじさんの製造プロセス通り中華丼を作成して見せた。妻も後半ではあったが時際にカウンターに座って食べ込んでいたので、その味の素晴らしさと私が何をしたいのか、よく理解したのが幸いだった。北京亭にあるような強力な炎は家庭では作れず、特製のタレやスープも自分たちでは再現できない。(後から聞くと鶏がらと貝柱のダシを利かせていたらしい。)妻の探求ではどうも家庭で製作するには若干プロセスを変更した方がよいらしい。今や私が作るよりも原メニューに近いと思われる復刻版?!中華丼をレポートしよう。

まず野菜として用意するのはキャベツ、玉ねぎ、人参、にんにく、にらである。白菜は寒い時だけ入る。肉は豚肉のバラ肉、店では小さな欠片になっていた。店では注文するとこれらを大きなバケツから鷲掴みでボールに入れていたが、並べるとこんな感じだ。

      

おやじさんは無造作に油を引いて肉を足し、特製タレとほぼ同時にじゃっと炒め、すぐに特製スープを入れていた。家庭用IHではすぐに火が通らないので、にんにく、肉、玉ねぎ、人参、キャベツの順にそれなりに時間をかけて炒めなければならない。ちなみに今回はアレンジとして竹輪の輪切りがあったが、むろん本店ではそんなものは入っていない。

      

野菜に火が通って嵩が小さくなってきたら、改めてタレの代わりに醤油かラーメンタレを入れ、一人大きなお玉一杯分くらいのスープを足しこむ。量はこの時できているスープを足しても、粉末と水を別々に足してもあまり結果に変化はないらしい。しばらく煮込んでいる間に砂糖、コショウ、そして(たぶん)化学調味料を少々入れる。店ではすごい音で炒めていたが、その時間の短さから言ってこの料理は基本的には煮込みが主なんじゃないかと思われる。

        

しばらく煮込んで野菜が少ししなっとしてきたら、水溶き片栗粉を投入する。量の加減をうまく説明できないが、一般的な白い中華丼よりも少なめのようだ。よい感じにトロミがついたら最後に溶き卵を入れる。中華よりも少し大目の卵とじとなるのが北京亭の中華丼最大の特徴である。最後にニラをどばーっと投入し火を止めて余熱で火を通したら、仕上げに一人大匙一杯分のごま油を注ぐ。丼に盛ってキザミ海苔を乗せてできあがり。ちなみにタローメンには海苔は乗っていない。時々豆腐が入っているが、同じ製造プロセスなので同時に作る時は豆腐は使わない。麺をゆでるのは奥さんの分担なのだが 、おやじさんの調理の進み具合と必ずしもタイミングをドンピシャ合わせているわけではなく、ウワモノは完成しているのに麺がまだだと、丼ぶりにはウワモノが先に移されてしまい、麺が後から足されてかき混ぜられるという荒業も見せつけられた。

              

茅ヶ崎市民に愛された北京亭・・・私も含めて中華丼とは「タマゴでとじるもの」と思っていた人は多いと思う。一時期だが大喰いコンテストのようなものもやっていて、「すり鉢中華丼」(推定3人前以上」を平らげると色紙に名前を書いて店内に掲載することができた。女子でも食べ盛りの部活帰りなどでは平気で大盛を注文していた。これまでの私の記録はミソラーメンに肉野菜ライスとギョーザ、どれも普通盛りである。作り方はほぼ完璧に記憶しているが、やはりあの味を出すには秘伝とも思える醤油ダレとスープが必要だ。当時、超兵器を持っていたならば間違いなく閉店してしまう前に記録にとどめておいたことだろう。あ、それだったらVTRの方が間違いないかなー。何だか5年前と似たような記事になってしまったが・・・いつか他のメニューについても探究してみようと思う。

          

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14 コメント

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Unknown (小夏)
2013-02-07 18:24:03
磯辺師匠、こんばんはー!
懇切丁寧な再現ありがとうございます
言い出せなかったけれど興味持っていたメニューでしたので、うれしってく何度も拝見しました♪
なるほどぉ、炒めてすぐたれ投入なのですねー!下味がしっかりつきますねー メモメモっと。
今晩、カレーにしようと思ったけどこれに方向転換・・?
いえいえニラがないわぁ~~、、残念、シュン
Unknown (小夏)
2013-02-07 18:30:53
諦めきれないので、屋外照明つけて裏庭ニラハンティングー!
あったあった~~❤
ニラは偉いですね、こんなに寒いのに新芽を出していました。少ないしあかちゃんだから柔らかくって風味に欠けるかなぁ~、、でもいいや~です^^

Unknown (磯辺太郎)
2013-02-08 19:40:18
小夏様

妻に拝み倒して超兵器片手に撮りましたがピンボケ多いです。。。あの店は他にもご興味ありそうな?メニューがたくさんあったんです。
火力が強いお店ではタレと炒めものがほぼ同時でした。

んんーっ?カレーから方向転換は大丈夫ですか~?
無理しないでくださいね。
Unknown (磯辺太郎)
2013-02-08 19:42:44
小夏様

おーっ、裏庭ににらが・・・羨ましいお庭ですねえ。これでタマニラもOKですね。
ニラというのはどんどん生えてくるものなんでしょうか?我が家では実によく料理で使うので植えてみようかな。
Unknown (みぞ)
2013-02-11 17:59:46
管理人様、奥様、再現メニューありがとうございます!
息子の受験でバタバタしておりまして、アップに気づきませんでした (汗)
ちょっと早速作ってみたいです♪
Unknown (磯辺太郎)
2013-02-11 21:44:36
みぞ様

中々ご満足いただけるコンテンツにはならなかったかなー。ご参考になれば・・・
ご子息の受験!我が家と通じるものがありますね。
他のメニューもおいおい復刻していきたいと思います。

素敵なきっかけありがとうございます。
Unknown (みぞ)
2013-02-13 13:57:54
復刻メニュー、早速作ってみました!!
私のおぼろげ記憶メニューよりも数段旨いと家族に大好評でした♪
#秘伝のタレは、醤油+砂糖+オイスターソースでやりました。

それにしても、レシピ前の北京亭の話はすばらしいですね。情熱が伝わり方、ネット一だと思います (^_^)

また、機会がありましたらその他のメニューも是非教えてください。
今回はありがとうございました。
Unknown (磯辺太郎)
2013-02-14 22:19:41
みぞ様

こちらもおぼろげなところはあったのですが、早速試していただいて光栄です。なるほど醤油に砂糖+オイスターソースですか、こちらも試してみることにします。

悪友にも北京亭を熱く語る者が結構いるんです。
おわかりいただいてうれしいです。他のメニューにもぜひ挑戦したいと思います。
また遊びにいらしてください。
すばらしい (まさ)
2013-09-28 23:12:08
ずいぶん前に茅ヶ崎に住んでいた者です。
北京亭には高校から大学の学生時分に良く食べに行っていました。
今どうなっているか(もしかして誰かが後を継いでいないかなど)気になって調べたら残念ながら閉店していました。中華丼やマーボー丼が大好きでした。何とかあの味を再現できないものかと調べていたらこのページにたどり着きました。中華丼の作り方素晴らしいです。
懐かしいあの味が甦りました。
マーボー丼も是非お願いできればと思います。
どうもありがとうございました。
Unknown (磯辺太郎)
2013-09-29 05:38:49
まささま

こんにちは。ようこそいらっしゃいました。
私も本当によく食べに行きました。息子さんが同年代らしいんです。
一度「のれん分け?」のためか、一人の若い男性が厨房に立っていたことがあるんですよ。でもやはり後継者はいないようですねえ。
辛くないマーボー丼、私も大好きでした!メジャーな人気メニューからレアーなメニューまで本当に茅ヶ崎に住んでいたたくさんの人から愛された店でしたよねえ。
あのおじさん、いつも同じタレとスープ、調味料であのメニューを作っていたと思うので、マーボー丼にも挑戦しようと思います。
素晴らしい記事 (すけ)
2014-02-28 08:47:07
私も家で中華丼の再現を何度か試みましたが、うまくいきませんでした。が、このブログを発見。週末試してみます。北京亭に都亭、本当に美味しかった。茅ヶ崎の記憶遺産に指定したいくらいです。確か昭和40年生まれくらいの息子さんがいたはずだけど、つがなかったんですね、残念至極。
Unknown (磯辺太郎)
2014-02-28 18:58:02
すけ様

ようこそいらっしゃいました。最近、タローメンとマーボー丼も作ってみましたのでよかったら参考にしてみてください。
北京亭の中華丼、ホントにファンが多かったようですねえ。私も都亭大好きでした。フードセンターの凄い路地裏にあった時から通ってました。
北京亭の息子さんは悪友の確か同級生だったんです。

また遊びにきてくださいねー。
まずは試作 (すけ)
2014-03-01 14:03:01
早速作ってみました。味付けは味覇と少量の醤油で。結果・・・自分でやっていたときより、ずっと本家に近づいた気が!東海道線で例えると、前は川崎あたりだったのが藤沢くらいまでは来れた・・・そんな感じです。。ゴマ油と海苔がポイントかなと、私的には思います。もう少しブラッシュアップして、辻堂まで行ってみたいと思います。有難うございました。
Unknown (磯辺太郎)
2014-03-01 14:16:01
すけ様

なるほど、味覇と少量の醤油でだいぶ本家に近づけましたか!さすがですね!
川崎から藤沢とはすごいです。茅ヶ崎まであと少し!
あの秘伝とも思えるタレとスープは中々家庭では再現できないものだと思いますが、よい作戦があったらぜひ教えてくださいね。
私もゴマ油と海苔の香りが大きなポイントだと思います。
こちらこそ有難うございました。

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