ICUROK!!

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貴方糖分過多なんじゃありませんこと?

2019年12月28日 19時23分35秒 | 映画

2019年の私的映画10選など。例によりネタバレ関係なくいきまっせ。

『ガールズ&パンツァー最終章 第2話』
一昨年同様、これは映画なのかというのは置いておいて、結局、今年劇場で一番観た作品。散々待たせておいてどうなのかと蓋を開けてみれば、そら制作に時間掛かりますわなという期待を裏切らない濃厚かつ迫力の完成度だった。特に大洗VS知波単のジャングル戦は本当に良く出来ていたので早くBDで繰り返し再生したいもの。知波単アレンジのラバさんは名曲だ。
今回は既存&前作から登場したキャラクターの掘り下げが行われ、更に新たなライバル校のキャラクター登場と作品世界の可能性も押し拡げられており、シリーズの中で重要な位置付けとなった一本だったとおもう。夏の優勝校である大洗に他校が挑む構図が鮮明となり、ポンコツ知波単ズ大躍進という熱い展開から、次回もしやヒールとなった大洗が敗退するのではなどと色々妄想が捗ってしまう。この辺りの構成の上手さはさすが吉田玲子氏といったところだ。
と、まあ、ここから語りだすと非常に長くなること請け合いなので止めときます。間違いなく重要なターニングポイントとなるであろう第3話に期待大。完走するまで、否、我らがアンツィオのスピンオフシリーズが制作される日まで、生き抜かねば…ねば……。

『イップ・マン外伝マスターZ』
イップ・マン3で登場した張天志のスピンオフということでマックス・チャンの男前アクションが炸裂。
冒頭から高速かつ美しい身体捌きのアクションを見せつけてくれて全身が痺れるほどの衝撃。トリッキーな攻守の動きを見せるトニー・ジャー戦やミシェル・ヨーとのグラスを片手に謎の手技を仕掛けるシーンをはじめ、時折挟まれるユエン・ウーピンらしいユニークな遊び心感じさせる振り付けも楽しい。
物語全体において、唯の勧善懲悪だけでなく懸命に何かをやり直そうと葛藤する人々の姿を描いていて、人はいつでもやり直せるんだという力強いメッセージ性が感じられる点も好感が持てる。かつてイップ・マンに敗れた張天志が本作の最後に完全再起して‟詠春拳、張天志”と名乗り上げるシーンは鳥肌もの。音楽の入りも完璧で川井憲次さん作曲のテーマの素晴らしさに改めて気付く。腐敗権力と癒着した横暴な警察に民衆の正義が勝利する結末は今見直すと香港の現状を想起させる。現実世界でも民衆の勝利を願って止まない。
どうでもいいけど途中からシン・ユーが功夫のできるフジモンに、ケビン・チェンが綺麗な品川にしか見えなくなり、やや複雑なニヤケ面で観ていたのはここだけの話……。

『ジョン・ウィック:パラベラム』
犬を殺されてから1週間くらいしか経っていないのにこの大進展と言っては野暮ではあるが、消化不良気味だった2から大きく方向転換してアクションはシリーズ最高峰の完成度と相成った。
マーク・ダカスコス、タイガー・チェン、ザ・レイド組の起用、韓国映画『悪女』を意識したバイクチェイス、マトリックスのセルフオマージュ等々、全編を通して古今東西のアクション映画と武術へのリスペクトに溢れた作りとなっている。殺人技のデパートっぷりには更に磨きが掛かり、本フー、馬フー、ワンフーなど新鮮なアクション盛沢山で、アイデア次第でアクション映画は如何様にでも面白くなるんだぞという気概を感じさせる。ハル・ベリー姐さんはコンバットシューティングのトレーニング成果バッチリで、シェパード犬2匹との連携技による長回しアクションが滅茶苦茶カッコイイ。
しかしまあ、何だかんだ本作のNo.1はダカスコスの活躍に尽きる。今回出演を見送ったデューク真田は絶対に次回出て欲しいし、再度ザ・レイド組を交えて徹底的に殺り切っていただきたいとおもう。

『T-34レジェンド・オブ・ウォー』
予告の段階でどう見ても戦争映画というより戦車道映画だったのだが、劇場でそれは確信に至る。
映画序盤から現代的VFXを交えたフェティシズム満載の描写によるⅢ号戦車との熱い戦いを繰り広げ、捕虜収容所からの大脱走~パンター追撃~戦略大作戦を想起させる市街での最終決戦まで物語のテンポも抜群。全体的にエンターテインメントに寄せた作りで最後まで安心して観ることができる。
本作は現存する戦車は実車を使い、なんと役者にも操縦させる気合の入りよう。砲弾と砲弾がかち合ったり跳弾させたり等、フィクションだからこそやれることを思いっきり詰め込んだ実車版戦車道全開で終始ニヤニヤしっぱなし。主人公とナチス将校のライバル関係に最後の熱い一騎打ちなんて、まるで何かの試合じゃないの。そして絶好のタイミングで流れるパンツァーリートにエーリカよ。あんた絶対例のアニメ観てるだろ…と。しかしこの監督、インタビュー記事によれば未見だったというのだから全く驚きである。

『ハーツ・ビート・ラウドたびだちのうた』
長年営んできたレコードショップの閉店を決断した親父が気まぐれで娘とセッションした音源をSpotifyに上げたらヒットしてしまうところから物語が進んでいくのだが、まず以てとにかく音楽が素晴らしい。クライマックスの親父と娘のライブシーンでは思わず目からお汁だっくだく。本作のサントラはSpotifyやYoutubeで配信しているというのが作品世界とリンクしていて上手いとおもう。
親父と娘の宅録する姿は腐れDTMerの私に滅茶苦茶響いて、劇場でウンウン頷きニンマリしてしまった。また、医学部進学を目指す堅実な娘とは裏腹に曲がヒットして調子に乗った親父が、密かにバンドのロゴを考えてノートに書き込んだり、新しいギターを買い娘にはサンプラーを買い与えて叱られたりする姿が可愛らしくて仕方がない。
話の筋は至ってシンプルだが、宅録~ネットでヒットという現代的な要素が物語展開の契機となっている。また、娘のパートナーが女性であり、それをごく普通に受け入れる親父という進歩的な描写には大いに感心してしまった。というわけで本作は今年の百合映画大賞でもあります。(台無し)

『オーヴァーロード』
毎度のことながら色々書いてるとこの辺りでバテてくるな……。
さて、こちらは第二次大戦を舞台とした久々のナチス実験もの。冒頭からPTSDになりそうな激しい空中戦&残酷描写で掴みはバッチリ。ナチスの謎テクノロジーによる強化ゾンビ人間はとにかくパワフル。勢い重視の姿勢にグロテスクなシーンも思わず笑ってしまう。
クライマックスで崩壊する実験施設から長回しで一本締めするところは実に痛快だった。こういう思わぬ拾い物のような作品があるから映画は止められないのだなと、桃尻マイク水野晴郎ちゃん顔でしみじみおもうのだった。
この作品、重要な役どころをカート・ラッセルの息子さんワイアット・ラッセルが演じていたんだけど、親父さんそっくりで大変男前。今後の活躍に期待したい。あと、やっぱJ・Jエイブラムスは監督業よりプロデューサー専念のほうがいいんじゃあないの…などと例の三部作絡みで毒を吐きたい気持ちも沸いてくるがそれはまたどこか別の機会があれば……。

『ドクター・スリープ』
シャイニングの続編ということで、今回は“シャイニング”そのものに焦点を当てた内容。続編として大変完成度が高く、この作品により前作の株も上がるという奇跡的な作りだったとおもう。同じキング原作で今年公開されたITの続編よりも個人的にはこちらに軍配が上がる。
シャイニングがテーマ=超能力バトルという熱い展開が繰り広げられる。ダークサイドキャラであるローズに対し、大人になったダニーと非常に強いシャイニングを持つ少女アブラちゃんが連携して立ち向かうわけだが、とにかくアブラちゃんが格好良い。あの禍々しく呪われた場所での最終決戦に持っていくまで、前作を絡めた非常に丁寧な描写で盛り上げてくれる。ラストシーンはアブラちゃんの格好良さとユーモアが相まって最高にキマっていた。本作はアル中に苦しむダニーと永遠の命のために魂を貪るローズという依存症を抱えたキャラクターを対峙させ、依存症との闘いを描く側面もあったとおもう。

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
ノレたのでOK。今回は怪獣の出し惜しみ一切無し。怪獣が主役だぞとばかり一枚絵のような美しいシーン満載だ。人間ドラマは正しく添え物程度で、感情移入などバカらしくなる狂人大進撃っぷりはもう笑って観ましょう。
個人的にラドン登場で人がたくさん死ぬところと、モスラちゃんとゴジラのラブラブオーラ全開っぷりが大好き。ラドンに関しては公開後にゴマすりクソバード呼ばわりされていて、それに反応してくれた監督のこちらのツイートがお気に入りだ。


芹沢博士こと渡辺謙は滅茶苦茶ながらも何だかんだ良い役だったよな。そうそう、渡辺謙といえば、遂にランボー4Kレストア版BDに金曜ロードショーの吹き替えが収録されるのよね!昔親父が録画したVHSを何度も観たので個人的にランボーで一番好きな吹き替えなのだ。来年のバレンタインデーに発売ってなわけで超楽しみだぜ!あれ、おかしいな、ゴジラの話をしていたはずなのにな!!

『ハンターキラー潜航せよ』
新しい21世紀の潜水艦映画として好例の一つになったとおもう。セットの作り込みや細かい描写にかなりのこだわりを感じる。今後の潜水艦映画を制作する際にはベンチマーク対象になるのではなかろうか。潜航するときは逆スムーズクリミナル体勢になるというのが一番勉強になった。あの潜航シーンはカメラを傾けるのではなくセットごと傾けて撮影しているというのだからまったく良い金の掛け方をしたものである。
とまあ、ここまで持ち上げておいて、真面目な人は怒り始める要素満載の内容ではある。個人的に好きなのはお決まりの米国VSロシアの構図を持ち出して散々USA!コール状態にしつつも、最後にウラー!状態へ持って行くところ。まじっすか!?となりながらも激熱っぷりに劇場で打ち震えた。フィクションだからこそできる友好の形の描き方ってのは良いものだ。

『ファイナル・スコア』
敢えてこの現代に、ダイ・ハード、暴走特急、サドンデス…古き良きアクション映画の要素をごった煮にして、上澄みの程よく美味しいところを頂かせてくれる、どこか憎めないそんな一本。
狭いエレベーター内での闘いやキッチンで人間フライを作るシーンなど模範解答が満載となっている。劇中で時折挟まれるギャグは一歩間違えればスベるか叱られるかといったギリギリのセンスで90年代の映画を観ているような気分に。先のハンターキラーといい、こういった作品をTV洋画劇場で流していただきたいものである。などと言って老害になっていくのだろうか……。
それにしても振り返れば本作品のほかエンドゲーム、マスターZ、大脱出3とデイヴ・バウティスタ大活躍の年だったのだな。


というわけで、今年を総括するに、どうにも大作系やエライ人絶賛系の作品がひたすらピンと来ない一年だったような気がする。って、まあ、昨年も似たようなもんか。いずれにせよ、上記でピックアップしたものをはじめ中規模の作品に良作が多かった印象。今回選外とはなったがSFサスペンスの佳作『アップグレード』などTV洋画劇場にもピッタリな作品に複数出会うことができた。

では、恒例の各種オマケ大賞をば。
まずは女優賞。ひたすら‟カッコツエエ”ババアを好演した『ターミネーター:ニュー・フェイト』よりリンダ・ハミルトン、『ハロウィン』よりジェイミー・リー・カーティスのお二方を。この二人は強い女性大好きなジェームズ・キャメロン繋がりでもあるわけで、同年に大活躍ってのがこれまた良いですよね。特にリンダ・ハミルトンの復活は本当に嬉しかった。
男優賞は『マスターZ』のマックス・チャン。これはもう今年ダントツ。併せて今年の名乗り部門大賞も差し上げます。
さあ、どんどんいきまっせ。ベストオブ決め台詞は『ターミネーター:ニュー・フェイト』でサラ・コナーが放った“Because we're not machines, you metal mother fucker!” に。『エンド・オブ・ステイツ』でボロ雑巾のような出で立ちから圧倒的存在感を見せつけたニック・ノルティには、ああ爆弾大賞を。嫌な死に方大賞は『ブライトバーン恐怖の拡散者』でハンドルに顎バコーン!なるやつ。百合映画大賞のアニメ部門には『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝』を。楽曲大賞は今年2回も劇場で流れた永遠の名曲、『Get Wild』。そうそう、忘れちゃいけない細野晴臣イヤーでもあった2019年、ドキュメンタリー映画大賞は『NO SMOKING』で決まり。次いでガンギマリハイカロリー作品大賞にはマイケル・ベイのキチガイアクション大作『6アンダーグラウンド』。護られたい二の腕大賞は2年連続マ・ドンソクへ。星が見事な夜です大賞は『大脱出3』の‟悪魔砦”。こちらは真面目にやっているのか不安になる抜群のネーミングセンスも含め納得の受賞だ。そして最後に、今年一番膝小僧に頬擦りしたい美形ショタ大賞は奇跡のCG出演ジョン・コナーに決定です。皆さんおめでとうございます!

来年は二丁拳銃のチョウ・ユンファ大復活『プロジェクト・グーテンベルグ』や、007の新作、『イップ・マン完結』とクソとションベンがいっぺんに出そうな作品が続々控えているので括約筋を鍛えて万全の態勢で臨もうとおもいます。というか、全身あちこちぶっ壊れてきており、摂生のうえ鍛え直さないとさすがにヤバくなってきたので先ずは健康第一とういうことで……。
それでは、皆様良い年をお迎えください。



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