イスラエルのガザ支援船襲撃 安保理議長声明 イスラエルを直接非難せず ほか

2010-06-01 18:15:23 | 世界
国連の安全保障理事会は、パレスチナのガザ地区に人道支援物資を届けようとした市民団体の船がイスラエル軍にだ捕され、少なくとも9人が死亡したことについて、イスラエルを直接名指しはせずに「こうした行動を非難する」とした議長声明を採択しました。

国連の安保理は31日、緊急の会合を開き、イスラエル軍がガザ地区の沖合で、トルコなどの市民団体が派遣した人道支援物資を積んだ船に特殊部隊を突入させてだ捕し、少なくとも9人の活動家が銃撃を受けて死亡した件について協議しました。
この中でトルコは、「今回の件は国家的な殺人行為だ」として、イスラエルを非難する議長声明の採択を求めましたが、イスラエル側は、特殊部隊の行動は正当防衛だったなどと反論しました。
その後、トルコとイスラエルに近いアメリカの両国を中心に断続的に調整が行われた結果、1日未明、イスラエルを直接名指しする表現を避けながら「多くの死傷者が出る結果を招いた行動を非難する」とした議長声明が採択されました。
声明はこのほか、速やかな船と活動家の釈放と、経緯についての調査の実施を求めるとしていますが、調査を国際的な組織が行うのか、あるいはイスラエル側が行うのかなど、具体的な点については言及されておらず、関係国が妥協したことがうかがえる内容となっています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100601/t10014825541000.html

【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は1日未明(日本時間同日午後)、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ向けの支援船団を急襲・拿捕(だほ)した事件で公式会合を開き、多数の人命が奪われる結果に至った行為を非難する議長声明を全会一致で採択した。
 この事件で自国民に多くの犠牲者を出したトルコは当初、イスラエルを直接非難する案を提示したが、米国の反発で表現が弱められた。イスラエルはなお強硬姿勢を崩しておらず、アラブ・パレスチナ側との緊張が続きそうだ。
 議長声明は「イスラエルによる軍事作戦中の武力行使により死傷者が出たことに深い遺憾の意を表明」した上で、「それらの行為を非難する」とした。
 また、イスラエルに対し、拿捕された船舶と拘束された民間人の即時解放を要求。「迅速かつ公平で透明性ある(事件の)調査」を求めた
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&rel=j7&k=2010060100544

イスラエル非難声明を採択 安保理、支援船団の急襲で/共同
 【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は1日未明(日本時間同日午後)、パレスチナ自治区ガザに向かっていた支援船団に対するイスラエル軍の急襲で乗船者多数が死傷した事件について、イスラエルを非難する議長声明案を全会一致で採択した。声明案は国連事務総長に事件の「公正で信頼性と透明性のある調査」を要請した。

 声明はまた、イスラエルが拿捕した支援船と拘束した乗組員の即時解放を求めた。

 安保理は5月31日午後、死者の多くを出したトルコ(非常任理事国)の要請で緊急会合を開催。公開協議で各国が意見を表明後、トルコが提示した議長声明案の協議に入ったが、イスラエル寄りの米国が非難色を弱めるよう要求、調整のため採択まで13時間以上かかるマラソン協議となった。

 また、当初の議長声明案には、イスラエルが封鎖を続けているガザ境界の即時開放要求も盛り込まれていたが、最終的に削除された。

 6月の議長国を務めるメキシコのヘラー国連大使は採択後、事件の調査は「独立性をもったもので、国連がどう行うか決めるべきだ」と指摘したが、ウルフ米国連次席大使は「イスラエルによる調査を支持する」と述べた
http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010060101000705.html

国連安保理、イスラエル軍のガザ支援船攻撃で非難声明 /CNN
(CNN) パレスチナ自治区ガザへの支援船団が5月31日、イスラエル軍による攻撃を受けた事件で、国連安全保障理事会は1日、人命が失われたことに深い遺憾の意を示し、攻撃を非難する声明を発表した。

声明は、31日午後から1日未明にかけて開かれた緊急会合で、安保理15カ国の全会一致で採択された。イスラエル軍による「公海上での武力行使」で死傷者が出たことを遺憾とし、「民間人少なくとも10人」の死を招いた行為を非難する内容。

イスラエルは事件で9人が死亡したとしているが、支援組織側はこれを上回る死者が出たと主張している。

声明はイスラエルに対して、船団を構成する船と拘束された民間人を即時解放し、死傷者を出身国へ引き渡す手続きに対応するよう要求している。事件の詳細については「迅速、公正で信頼性、透明性のある」調査を求めた。

また、ガザの現状は「持続しがたい状態」だとして重大な懸念を示し、定期的な物資の搬入を継続する必要があると強調した。

さらに、パレスチナ問題を解決する「実行可能な唯一の方法」は、パレスチナ独立国家がイスラエルと共存することだと述べ、双方に「挑発的な行動」を避けるよう呼び掛けた。
http://www.cnn.co.jp/world/AIC201006010020.html


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日本パレスチナ医療協会 から
■□ ニュース速報 □■
ガザ沖65kmの公海上で、イスラエル海軍がガザへ向かう自由ガザ運動の船団を襲
い、10人以上が死亡、負傷者多数を出した。6隻からなる船団には医療品やセメン
トなどガザへの支援物資1万トンが積まれていた。ノーベル賞受賞者やヨーロッパの
国会議員数人を含む、50カ国、600-700人が乗船していた。
主船のマビ・マルマラ号(トルコ客船)から撮影された映像では、武装したイスラエ
ル兵が船に乗り込み、ヘリコプターが頭上を旋回しているのが認められた。
同船に乗船していたアル・ジャジーラの記者によれば、イスラエル軍は実弾を使用し
た。同記者によれば、白旗が掲げられ、同乗者から実弾の発射はなかった。
同記者からの通信が途絶える前に、ヘブライ語で「全員、しゃべるな」という声が
はっきり聞こえた。

各船はイギリス、アイルランド、アルジェリア、クウェート、ギリシャ、トルコから
集まり、船団はキプロス沖を5月30日に出発していて、31日朝にはガザに到着の
予定だった。船団はイスラエルに拿捕されたのち、31日夕刻、ガザ北方のアシュ
ドッド港に連れ去られ、船内の捜索を受けている。

ネタニヤフ・イスラエル首相は、イスラエル兵が棍棒で打たれナイフで刺された後の
自己防衛のためであったと述べた。船団の乗船者は、イスラエルが船に乗り込みなが
ら銃を撃ってきたと語った。


エルサレムや西岸のラマッラ、ナブルス、ベツレヘム等の都市で数千人規模の抗議行
動がおき、イスラエル軍と衝突した。ガザでも数千人規模の抗議行動がおきた。
テル・アビブでは数百人のイスラエル人が国防省前で抗議行動をした。船団が曳航さ
れたアシュドッドでも抗議行動があった。
ベイルートでは10万人の抗議行動があり、パリでは数千人の抗議行動があった。
ロンドン、カイロ、マドリード、ブリュッセル、バグダッド、テヘラン等世界各地で
抗議行動が起きている。


-----各界の反応-----

●イスラエル国内のパレスチナ人を代表する「イスラエ ル・アラブ市民委員会」は
31日、全国でゼネストを呼びかけた。

●オバマ米大統領
6月1日にネタニヤフ・イスラエル首相と会談予定であったが、同首相がそれをキャ
ンセルし、急遽カナダからイスラエルへ戻った。オバマ大統領は同オバマ大統領は同
首相に電話で、事態をしっかり把握するよう話した。

●ハニヤ首相(ガザ)
ガザと西岸で全面的なストライキに入るよう呼びかけた。
イスラエルの行為は野蛮な行為だと非難し、国連安保理、アラブ連盟、イスラム会議
に緊急に会議を開くよう求めた。国連へは「カルテット」から離脱するよう求めた。
アッバス大統領へは、イスラエルとの(間接)交渉を全面的にストップするよう求め
た。
ガザ政府は5月31日を「自由の日」(the freedom day)と定めた。

●アッバス大統領
3日間喪に服すことを公式に宣言した船団への攻撃は人道に対する犯罪だ。国連にこ
の事態に取り組むよう要求した。

●ファイヤド首相(西岸)
イスラエルは予想をはるかに越えたところへ行ってしまった。イスラエルの攻撃は、
国際的誓約と規範に対する犯罪だ。

●アラブ連盟
アムル・ムサ事務局長は6月1日に本部(カイロ)で緊急会議を招集した。
「テロ行為」であり犯罪だと激しく非難した。

●トルコ・スペイン・デンマーク・ギリシャ・スウェーデンは各国に駐在するイスラ
エル大使を召喚し、抗議した


●トルコ
死者の多くはトルコ人と見られ、トルコとイスラエルの関係が急速に悪化している。
約1万人のデモ参加者がイスタンブールのイスラエル領事館に押し寄せた。
トルコ外相は、受け入れがたい事態だ、今後起こる事をイスラエルは覚悟せねばなら
ないと声明を発した。

●ブラジル外相、レバノン首相、EU27カ国の在イスラエル大使、中国外相、アイル
ランド外相はそれぞれ、イスラエルの行為を受け入れがたいとして抗議の意を表し
た。

●イギリス外相
このような方法でガザへ行くことは、危険であると前から忠告していた。一方イスラ
エルは自制をもって、国際的制約のもとで行動することが必要なのは明らかだ。ガザ
への援助物資は制約を受けず、検問所を通過させるようイスラエル政府に求める。

●ドイツ外相
事実関係に関する情報を収集していると控えめな対応。

●イラン大統領
シオニスト体制による非人道的行為だ。

●ヨルダン
ヨルダン外務省はイスラエル代理大使を呼んで抗議した
●エジプト
イスラエル大使を呼び、イスラエルにガザ封鎖の解除を求めた。

●UNRWA
非生産的で受け入れがたいガザ封鎖を解除するようにという国際社会の要求にイスラ
エルが留意していれば、今回の悲劇はなかった。

(出典)BBC, アル・ジャジーラ、Haaretz, Ma'an news, IMEMC,
Today's Zaman(トルコWeb) ,毎日

日本パレスチナ医療協会
Japan Palestine Medical Association (JPMA)
発行人:奈良本英佑
編集人:奈良本英佑・長沢美沙子・森和信
E-mail : jpma@keb.biglobe.ne.jp
Home Page : http://www7b.biglobe.ne.jp/~jpma/
住所:〒272-0816 千葉県市川市本北方2-6-5

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ガザ自由船団に対する攻撃への抗議デモに参加した米国人女性(21歳、アート専攻の
学生)Emily Henochowiczさんが、イスラエル軍が発砲した催涙弾によって、重傷を
負ったというニュースがISM(国際連帯運動)のサイトに掲載されています。

2010年5月31日付のプレス・リリースです。
http://palsolidarity.org/2010/05/12604/

カランディア検問所で行われた抗議デモで、イスラエル軍が放った催涙弾が、
エミリーさんの顔面にあたり、左目を失ったとのこと(負傷後に運ばれた病院
で左目を摘出する手術を行ったようです)。

清末愛砂 拝
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イスラエルによるガザ支援船の活動家殺害の調査を求める/アムネスティ
イスラエルによるガザ自由船団(ガザ支援船)への攻撃/パレスチナ・ファレスティーン
イスラエルのガザ支援船襲撃時の会話全容 ほか/トルコMilliyet紙
イスラエルのガザ支援船攻撃、国連安保理緊急会合 ほか
ガザ支援船:イスラエル軍の攻撃で 活動家ら死亡19人に
イスラエル軍がガザ支援船を攻撃、10人以上が死亡、負傷者多数/ATTAC関西グループ

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