イスラエルによるガザ支援船の活動家殺害の調査を求める/アムネスティ

2010-06-01 21:34:57 | 世界
野間伸次さん(イスラエル/被占領パレスチナ地域/
パレスチナ自治政府CAP(国別行動)担当(社)アムネスティ・インター
ナショナル日本)が訳されたイスラエルの平和団体「グッシュ・シャロー
ム」のプレス・リリースを転送します。ウリ・アヴネリさんのメッセージ
です。野間さんからはアムネスティによる以下の案内も出されていますの
で付け加えます

杉原浩司
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アムネスティ・インターナショナルからのプレス・レリース(2010年5月31日)
「イスラエルによるガザ支援船の活動家殺害の調査を求める」
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=800&sel_lang=japanese
ウリ・アヴネリ:今夜、イスラエル政府とイスラエル国防軍司令官の命令
によって海上で犯罪が行なわれた。援助船への戦争のような攻撃と平和活
動家及び人道支援活動家たちに対する致死的な銃撃、あらゆる安全許容限
界線を越えた政府のみができるクレイジーな出来事だ。


「あらゆる抑制と現実へのあらゆるつながりを失ったクレイジーな政府の
みが次のようなことができうる。つまり、世界中からの人道支援物資と平
和活動家たちを乗せた船を敵と見なし、大部隊を公海上に送り、彼らを襲
って銃撃し殺すということ。政府と軍の報道官が持ち出す嘘と言い訳を信
じる者は世界に誰もいないだろう」とイスラエルの元国会議員であるグッ
シュ・シャローム運動のウリ・アヴネリは述べた。グッシュ・シャローム
の活動家たちは他の組織の活動家たちと共に11時にテルアビヴを出発して、
国際平和活動家たちが連行された拘置施設の前で抗議をする予定である。

キプロスにある船団組織者たちのスポークスウーマンであるグレタ・バー
リンはグッシュ・シャロームに対して、イスラエルの奇襲隊員たちはヘリ
コプターで船に降り、直ちに発砲したと述べた。

今日はイスラエル国家にとって不名誉な日である。何の責任もなく引き金
を引きたがる一団に将来を託したことをわれわれが気づいた不安の日であ
る。今日は限りない不名誉と狂気と愚かさの日、イスラエル政府が世界に
おける国の名を汚すことを好んだ日だ。加えて既に悪くなっているイスラ
エルの国際的なイメージに攻撃性と野蛮さという説得力のある証拠を加え、
わずかに残る友人たちを失望させ遠ざけることとなった。

いかにも本日、挑発はガザの沖で起きた。しかし、挑発者たちはパレスチ
ナ人たちによって招かれガザに行こうとしていた平和活動家たちではない。
挑発はイスラエル政府の命令で動いた海軍船舶の隊員たちによって行なわ
れ、援助船をブロックし致死的な武力を行使した。

住民たちを大いに苦しめているガザ地区の封鎖を解除する時だ。本日、イ
スラエル政府は自らの手で顔につけたマスクを引き裂き、イスラエルがガ
ザから「撤退」しなかった事実をさらした。ガザからの本当の撤退は、ガ
ザへのアクセスを遮断したり、兵士を送ってそこへ行こうとする人々を銃
撃し殺傷することと両立しない。

イスラエル国家は17年前、オスロ合意で、パレスチナ人たちが自らの経済
を自由に発展させるために輸出入ができるよう、外洋航海船が寄港できる
ガザでの港の設立を可能にし奨励することを約束した。この約束に気づき、
ガザの港を開ける時だ。アシュドッドやハイファの港のように、ガザの港
が自由に邪魔されない移動のために開かれて初めて、イスラエルは本当に
ガザ地区から撤退したといえるだろう。それまで世界は、実際にそうだが、
ガザ地区をイスラエルの占領下にあると考え、イスラエルにはそこに住む
人々の運命に責任があると思いつづけるだろう。

(訳:野間伸次さん)

アムネスティの呼びかけるアクション
<ガザ封鎖を解除するために>
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=2933

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ガザ平和船乗組員に対する殺人:「この事件の責任者は、犯罪者として裁かれなければならない」
(My Catbird Seat 2010年6月1日より抜粋)

国連パレスチナ特別報告官 リチャード フォーク

この事件は、国際社会を目覚めさせる(Wake Up Call) とならなければならない。ここに、緊急に起こすべき3つの政治的な重要課題がある。まず、イスラエルの攻撃に対する非難と、国連安全保障理事会の決定にもとずく、ガザ閉鎖の速やかなる解除、第二に、国際犯罪裁判所によるイスラエルに対する戦争犯罪調査の開始、第3に、世界的に既に広まりつつある、イスラエルに対するボイコットと投資活動の阻止、及び、パレスチナに対するイスラエル占領を制止するためのキャンペーン である。

この違法な殺人行為に責任のある者たちは、この指令を下した政治家を含め、犯罪行為の責任を問われなくてはならない。

占領下パレスチナの国連特別報告官として、私は、ガザの人々の苦しみをよく知っている。今回のイスラエルの軍事的非合法行為は、地域及び世界に緊急事態を喚起するものである。イスラエルのガザに対するやり方に対して、早急で決定的な行動が起こされないならば、それは、私たち全員が、ガザの悩み苦しむ人々全ての生存を脅かす犯罪的政策を、許容することに等しい。

http://mycatbirdseat.com/2010/06/gaza-aid-convoy-killings-%E2%80%9Cthose-responsible-must-be-held-criminally-accountable%E2%80%9D/

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イスラエル批判強まる 支援船襲撃、欧州も反発/日経
【カイロ=安部健太郎】パレスチナ自治区ガザへ向かっていた国際支援船団をイスラエル軍が5月31日に急襲したことで、イスラエル批判の包囲網が強まっている。イスラム諸国に限らず欧州諸国なども反発。国連安全保障理事会は1日、非難声明を採択した。イスラエルが敵対してきたイランの核開発に対する追加制裁への支持が弱まる一方で、イスラエルへの非核化要求が高まる可能性がある。米国の仲介で始まった中東和平交渉も停滞する恐れがある。

 トルコ政府は1日、急襲された支援船で負傷した自国民20人余りを帰国させるため、軍などが救援機を派遣した。船団の乗船客の過半はトルコ国籍とみられ、彼らの帰国に備え自国に複数の民間機も待機させている。

 一方、イスラエルのビルナイ副国防相は地元ラジオで「いかなる船舶もガザへは行かせない」と改めて警告。同国はガザへの支援物資に武器類が混入する事態を警戒しており、強硬姿勢を崩していない。

 イスラエルの強硬姿勢を巡っては、今年1月、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの幹部が何者かにアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで暗殺された事件でも、国際社会との間で緊張が高まった。

 イスラエルとパレスチナの和平交渉を巡っても、3月に東エルサレムへの新規入植計画をイスラエルが発表したことで再開が一度、頓挫した経緯がある。

 とりわけイスラエルにとり、かつて友好国だったトルコと関係悪化が決定的になったことは、大きな影響が出そうだ。2008年末からのイスラエル軍のガザ大規模攻撃後は2国間関係に亀裂が入り、トルコはイスラエルと敵対するシリアやイラン寄りの姿勢を強めていた。トルコはイランの低濃縮ウランの自国への移送案を5月に取りまとめたばかりで、国連安保理の追加制裁案には反対の立場。イスラエルに対する反発もあり、イランの核問題の行方に影を落としそうだ。

 米国も難しいかじ取りを迫られる。今回は安保理の対イラン制裁決議、韓国哨戒艦沈没を巡る北朝鮮への対応が近々にヤマ場を迎える中での事件。米政府が対イラン、北朝鮮で各国に強硬姿勢を求めながらイスラエルを擁護すれば、国際社会の不信感を招く危険性をはらんでいる。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE2E3E2E6E08DE2E3E2E4E0E2E3E29494E3E2E2E2

ガザ支援船攻撃:「テロ組織支援」 イスラエル正当性主張/毎日
 【エルサレム花岡洋二】パレスチナ自治区ガザ地区へ支援物資を運んでいた船団がイスラエル軍に急襲された事件で、イスラエル政府は「船団を組織している団体はテロ組織を支援している」と批判し、急襲した正当性を主張している。団体はこうした批判を全面否定している。

 船団は、キプロスを拠点にする人道団体「フリー・ガザ・ムーブメント」が呼びかけて結成した。05年のガザ封鎖後の過去8度、接近を試みて5度到着したというが、いずれも1~2隻での航海だったとみられる。08年のイスラエル軍のガザ攻撃以降は軍の警告に応じて引き返したり、拿捕(だほ)され、失敗が続いていた。

 これに対し、今回の船団は6隻600人とかつてない規模で、「必ずガザ封鎖を突破する」と国内外メディアに事前にアピールしていた。中でも、イスタンブールの民間慈善団体「人道支援基金(IHH)」が最も多くのメンバーを送り込んだ。同団体はガザで広く活動しており、イスラエル政府は盛んに「(イスラム原理主義組織)ハマスなどテロ組織との関係」を強調していた。こうしたことから、イスラエル軍の急襲という強硬姿勢につながったとみられる。

 ただしイスラエル紙の報道によると、IHHはボスニア・ヘルツェゴビナ紛争さなかの95年に結成され、以後、米国やトルコなど100カ国以上で合法的に活動している。幹部は「ハマスを支援はしていない」と否定している。

 ◇ガザ住民、「物資足りない」
 支援船団が向かっていたパレスチナ自治区ガザ地区。イスラエル政府は「人道物資は足りている」と主張するが、08年末のイスラエル軍の攻撃で破壊された住居やインフラの再建に必要な建築資材が不足し、失業者であふれているのが現状だ。

 イスラエル外務省は5月下旬、「人道物資は十分に運び込まれ、食料不足はない」とする資料を公表。今年1~3月に小麦粉、米、粉ミルクなど計8万8000トン分の食料を運び込んだという。一方で「(ガザを実効支配する)ハマスがロケットやざんごうを作るために使う」ことを理由に鉄やセメントなどを禁輸している。

 このためガザ住民は、セメントはエジプト国境のトンネルからの密輸に頼り、コンクリートの材料となる砂利は壊れた建物跡から回収。セメントは1トンあたり900シェケル(約2万3000円)で、05年の封鎖前のほぼ3倍に高騰している。

 地元記者は「イスラエルは『人道支援』だとして基本的な食料の搬入を許可しているが、それだけで生きていけるのか。封鎖を解くことが本当の人道だ」と憤る。ガザでは失業率が60%に上り、多くの人が生活必需品も買えないという。
http://mainichi.jp/select/today/news/20100602k0000m030085000c.html

国連:ガザ支援船団急襲、議長声明で非難 名指しはせず/毎日
 【ニューヨーク山科武司】国連の安全保障理事会は1日未明(日本時間同日午後)、パレスチナ自治区ガザに向かっていた国際支援船団がイスラエル軍に急襲された事件を非難する議長声明を全会一致で採択した。

 声明では、イスラエルの軍事作戦中の武力行使で人命が失われたことに深い遺憾の意を表し、この事態を招いた行為を非難。イスラエルに拿捕(だほ)されている船舶と乗船していた人道支援活動家らの早期解放を求めた。また、十分な調査を求めた国連事務総長声明に留意し、安保理としても不偏かつ信頼性、透明性がある国際基準に合致した調査を求めた。

 声明文はイスラエルを直接非難していないが、安保理の議長国であるメキシコのヘラー国連大使は理事会閉会後、記者団に「非難される行為はイスラエルの軍事行動」と明言した。調査を行うのも「国連が望ましい」と述べた。

 国連外交筋によると、事件発生を受け、レバノンとトルコ、パレスチナ自治政府の要請で開かれた安保理の緊急会合は、公式記録に残る点で「報道向け声明」より重みがある「議長声明」とすることに異論は少なかった。だが、イスラエル寄りの立場を取る米国がイスラエル非難を弱めるよう要求。5月31日午後1時に始まった協議は同日中に決着せず、月が替わって議長国がレバノンからメキシコに交代した後にようやく決着した。

 声明では非難の対象をあいまいにしたうえ、自国での調査を強く求めるイスラエルに配慮して調査の実施主体も「独立機関」とはせず、イスラエルが調査した後に国連も調査を行えるよう含みを残した。
http://mainichi.jp/select/world/news/20100602k0000m030076000c.html

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救援物資を届けようとしていた団体Free Gazaのサイト
http://www.freegaza.org/


イスラエルのガザ支援船襲撃 安保理議長声明 イスラエルを直接非難せず ほか
イスラエルによるガザ自由船団(ガザ支援船)への攻撃/パレスチナ・ファレスティーン
イスラエルのガザ支援船襲撃時の会話全容 ほか/トルコMilliyet紙
イスラエルのガザ支援船攻撃、国連安保理緊急会合 ほか
ガザ支援船:イスラエル軍の攻撃で 活動家ら死亡19人に
イスラエル軍がガザ支援船を攻撃、10人以上が死亡、負傷者多数/ATTAC関西グループ

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