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ベネッセのライバルはNHK?

2012-03-24 22:01:41 | ビジネス
先日、新聞にNHKが前面広告を掲載していた。
正しくはNHKエンタープライズなのだが、掲載していた内容を見て「ベネッセの独壇場とも思われている、通信幼児教育にNHKも本格参戦か?」という気がしたのだった。

ご存知のように、ベネッセの主な商品は小学生向けの「赤ペン先生」と、中高校生を対象とした「進研ゼミナール」といった、通信教育講座だった。
それが10数年前から、幼児教育にも力を入れ始め、「たまひよ(クラブ)」という言葉も生まれた。
今ではペット市場へも参入し、「いぬ・ねこのきもち」という、飼い主向けの通信雑誌も手がけている。

ベネッセの「たまひよ(クラブ)」の人気に触発され、大手出版社も次々と妊娠~出産~子育て雑誌を創刊しているが、「たまひよ(クラブ)」の人気は衰えることが無い。
そして、多くの「たまひよ(クラブ)」読者が、次に購入するのが「しまじろう」がキャラクターの通信雑誌「こどもちゃれんじ」だろう。
その意味で、ベネッセは「妊娠中から大学進学まで」をカバーする教育産業企業であり、日本ではやや特異な存在の企業でもあるといえる。

そのためだろう、なかなかこの幼児教育の通信講座へ参入する企業は無かったような気がする。
そこへNHKが、本格的に参入すると宣言したような気がしたのが、先日の新聞広告だったのだ。

しかし考えてみれば、NHKは50年以上も前からテレビという媒体を通して、幼児教育プログラムを提供してきた。
NHKの長寿番組「おかあさんと一緒」だ。
それだけではなく、NHKは「教育テレビ(現在の「Eテレ」)という、教育を目的とした局ももっている。
現在の新聞のテレビ欄を見ると、中高校生向けの学科番組が減ってきているように感じるが、それでもこのような「教育プログラムを作る」というコトに関しては、テレビ局だけではなく様々な業界よりもノウハウを持っているのではないだろうか?
そのNHKが「おかあさといっしょ」で培ってきたノウハウを使って、通信教育の分野にも参入してきた、というのはこれまでほぼ独壇場に近かったベネッセとしては、ライバル登場というコトになるのではないだろうか?

逆に考えれば、なぜ今まで積極的にNHKがこの事業に参入しなかったのかが、不思議なほどだ。
少子化が進む中で、親御さんたちはより手軽でありながら、良質な教育プログラムを求める傾向が強くなってきている。
ベネッセにしても、NHKにしても「教育」という点では同じ事業分野になる。
ただ、NHKはテレビという媒体を持つことで、ベネッセよりも優位性があるようにも思える。
とすれば、ベネッセは自社が持っている教育研究所での研究成果をどれだけ効果的に、プログラムに反映させるコトが出来るのかという点がポイントとなっていくだろう。
そして、少子化による市場の縮小は目に見えているトコロに、新たに参入する企業が出てくるのだろか?


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