心の扉 神戸カウンセリング花時計

心理療法や催眠療法、ストレス解消や悩み等メンタルに関するもの、そして日常の出来事を自由気ままに掲載します。

砂上の楼閣

2017年10月27日 | 雑感・愚見

忘れはしない出来事の一つ。


その昔、私が営業職を頑張っていた頃、

会社の先輩や同期の数人の間で

競馬が流行っていて

G1レース前になると

空いた時間に「ああだ。こうだ。」と

予想の意見交換会を行っていました。


当時の私の馬券購入は、G1レースのみで

一回に投入する金額は1万円程度でしたから

競馬で儲けようと言うよりも

皆でワイワイと予想話をすることを

楽しんでいたようなものです。

 

そんな私ではありましたが、

1992年の菊花賞は、競馬新聞を何度読んでも

ライスシャワーとミホノブルボンの

一騎打ちとしか思えず

「ライスとミホノ3万円の一点張りで勝負する。」と

仲間に宣言して、

開催日に神戸元町の場外馬券売り場にGO!


場外馬券場には大勢の競馬ファンで

一杯になった室内には、

真剣勝負の場の独特の張り詰めた空気と

お祭りのような空気が入り混じった中に

ワイワイガヤガヤと大勢の人の声が錯綜しています。


そんな中で、「私の心は一つ!」と

菊花賞の馬券売り出しを待っていました。


そんな時、聞こえてきたんです。

まさにカクテル・パーティー効果です。

「おい、知っとるけぇ。

ミホノブルボンの足、故障やって。」


声が聞こえてきた方を見ると

競馬予想して何十年でぇ~す。

の雰囲気を持つ数人のグループ。


一点勝負のつもりだった私にとっては

最悪の情報、いや幸便な情報か。


投票時間が迫ります。

その情報の真意を確かめる術もなく

私の心は一つ!から二つ、三つと揺らぎ迷い、

え~いと、

最終的にミホノブルボンを外して、

投入予算を半分に減らし、

もう一頭を軸にして馬券購入。


レース終了。

レースの結果は、

ライスとミホノの一、二着で決着。


次の日、会社に行くなり

競馬仲間から「凄いな。」「やったな。」と

賞賛の嵐を頂きましたが、

事の顛末を説明したら一同大笑いで

私も笑うほかありません。


競馬予想なんてものは、

数学の問題を解くのとは違って

穴ぼこの部分に直感を埋め込んで

答えを導き出しているので

自分が導き出した答えに

絶対的な自信なんてものは持てません。


ましてや初心者に産毛が生えた程度の

私ですから尚更で、

砂上の楼閣でグラグラです。


発券間近に突然舞い込んだ

真贋確かめようが無い情報一つに

ちょいっとつつかれたら

確証なき確信は清々しいほど脆かった。


自分が時間を費やし考えに考えたものを

いとも簡単に放り出して

どんな人かも分からない発する

情報を掴んだわけです。


前置きが長くなりましたが、

販売手法の似たようなものとして

その場、あるいは早急に契約をさせるために

時間を奪い、ゆとりを奪う

「今日だけ。」

「売り切れ御免。」

「いい物件なので他の顧客からも話を頂いていて。。。」


人間関係では、

誰かに悪く言われていることを耳にして、

自分は悪くないと思いつつも

悪く言われたことの方を掴んだりします。


また

誰かに悪く思われないことに重きを置いて

自分の言動を選択します。


不確かな要素を感じる中で

自分を固く強く信じ切り

推し進めることが出来る人は

そう多くない思うのです。

 

外の刺激に対して自分の目や耳を

完全にシャットアウトするのも

どうかと思いますが、


色々な場面や状況で

無条件に外の刺激に自分の眼や耳を奪われて

心がグラグラと揺れ迷うのもどうかと思うのです。


心の土台の砂上の楼閣の部分を固める取り組みも

良き事かなと思うのです。


催眠療法&心理療法 神戸ストレスカウンセリング・ルーム花時計


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