さっそく、Optimus LTE(L-01D)にインストールしてみた。
インストールすると、まずアカウントの追加画面が表示されるので「ドコモアカウントの追加」を選ぶ。アカウント名は標準のまま「ドコモ」でもいいだろうが、「送信メールの表示名」は何を入力するのか、そもそもドコモアカウントが@docomo.ne.jpのspモードメールアカウントを指すことさえもわからない利用者もいるかもしれない。親切なセットアップ画面ではないのは気になるところだ。
CommuniCaseはspモードメールアプリの新バージョンと位置づけられているものではない。このため、spモードメールをこれまでどおりspモードメールアプリで受信するか、またはCommuniCaseを利用するか選択することが出来る。
ただ、説明文中に「Ver.5700以降のspモードメールアプリ」という文言が見られるが、現時点のspモードメールアプリの最新バージョンはVer.5500であり、理解に苦しむ。デコメ絵文字popなど、spモードメールアプリに搭載されていた機能でも現時点では対応できていないものもあるようだ。
CommuniCaseに移行するために、spモードメールアプリから既存のメールデータを取り込むことが可能だ。
SDカードにコピーしたメールを読み込むには、フォルダ一覧画面でMENUキーをタップして「SDカードからコピー」を選択、コピー先を選択する。
spモードメールアプリを保存したSDカード内のフォルダを選択して右上の「決定」ボタンをタップすれば、選択したフォルダにメールデータがコピーされる。「SDカードからコピー」だったはずの機能名が、取り込み元のフォルダ選択画面では「SDカードからインポート」に変わってしまっているのは表記揺れだと思われる。
ホーム画面に配置できるウィジェットも用意されている。横2列×縦1行と横4列×縦1行の2種類でいずれもメールの送信者とタイトル、本文の冒頭が表示できる。違いは、プロフィール画像が表示されるか否かと、文字サイズ及び表示可能文字数の3点だ。
また、メール一覧画面ではプロフィール画像が表示されるところが実用上の大きな変更点だろう。電話帳にプロフィール画像を設定していない場合は、標準サムネイルが表示されることになり、この設定がOFFに出来ないことはやや好みがあるかも知れない。
任意のフォルダを新規に作成する機能は無いように思われる。
その代わり、Gmailのラベル機能に似たフィルタ機能によるメールの分類が可能だ。フィルタの作成には「簡易作成」の機能もあるがまだまだ熟成が足りないレベルだろう。たとえば、送信者名によるフィルタの条件を追加する際に、「+」をタップして「追加」を選択しさらに「アドレス帳」をタップする操作は非常にわかりにくい。メニュー遷移の見直しとあわせて、項目のワードを精査する必要を感じた。
フィルタ機能に限らず、CommuniCaseにはやや熟練者向けと思えるようなアプリの振る舞いがあちこちで感じられるのは、このアプリの位置づけをはっきりと表しているのだろう。
これまで、マーケット(現Google Play)のレビューで極めて低い評価がなされてきたspモードメールアプリであるが、私自身は現在のバージョンについて、満足していたとは言わないまでもそこまで悪い印象をいただいてはいなかった。
今回、新アプリ「CommuniCase」がspモードメールアプリの不満点をすべて解消した上でリリースされたというわけではないが、多くのユーザが(半ば冗談で)唱えてきた「spモードメールアプリの根本的な作り直し」の要求に応えた上で、iモード端末のメーラーとは異なる新しい方向性を提案する試みとして評価している。
その心意気を買って、spモードメールアプリから完全に移行して使っていくつもりだ。
【参考】
- CommuniCaseを利用してドコモメールをMVNO環境で利用する (2014/1/5)
- CommuniCaseがバージョン1.1.0に更新。メール一覧画面の仕様が変更に (2012/7/8)