キーに刻印こそないが、待受画面で「MENU」キーを長押しすれば、すぐロックがかかる。「ICカードロックを設定しますか?」といった問い合わせ画面を経由することはない。この点、SH-01Aと比較するとかなり快適だ。
また、SH-01Aとの違いとして「閉じタイマーロック設定」がある。調べてみると、パナソニック端末では、2006年発売のP902iSから搭載されている機能のようだ。
具体的には、端末を閉じてから設定した時間が経過した時点で自動的にICカードロックなどを作動させる仕掛けで、「設定/サービス」→「ロック/セキュリティ」→「ロック設定」から設定できる。
設定できる時間は、0分、5分、60分、180分の4種類に限られていて、この4種類の中から選べということなのだが、どれも「帯に短し、たすきに長し」だ。
「0分」に設定した場合は閉じた瞬間にICカードロックがかかるので、端末を開いた状態でリーダ/ライタにかざすことになる。また、「60分」はともかく「180分」という選択肢は冗談としか思えない。まずは、2分あるいは3分といった短時間の設定がほしい。
もっと複雑な制御が可能であるなら、「閉じタイマーロックは2~3分で、ICカードの利用があったらその30秒~1分後にロックをかける」というような、ICカードへのアクセスとリンクさせるパターンが使いやすいと思う。改札の通過やレジでの支払いなど、およそこのパターンで対応できるのではないか。
さて、ロックまでの時間を設定すると、次に「開きロック解除設定を有効にしますか?」と尋ねられる。この設定は、閉じタイマーロックを設定した状態で、次に端末を開いた際に解除画面を自動的に表示するかどうかを選択するものだ。
ただし、設定すると手動操作でロックをした場合を含めて、端末を開くと必ず暗証番号入力する解除画面が表示されるようになる。
たとえメールを確認するため端末を開く時でも、解除画面は表示されることになり、終話ボタン等でキャンセルすることは出来るとはいっても、いったいどういう利用シーンを想定しているのか理解に苦しむ。
とりあえず私は、ロックまでの時間を5分に設定した上で、「開きロック解除設定」は無効に設定した。
ちなみに、P-01Bには生体認証機能として、顔データでロックをかける「フェイスリーダー」機能がある。
近年では一部のデジタルカメラや携帯電話のカメラにも顔認識機能が搭載されており、技術として実用的なレベルに成熟しつつあるのは十分理解している。しかし、その精度や使い勝手は認めるとしても、レジや改札の前で携帯のカメラを数秒間見つめるという行為が躊躇無く行える社会風土の醸成には至っていないところだ。少なくとも私は、この機能にショーケース的な位置づけを拭いきれない。
端末自体が備えるロック機能には、さらなる進化を期待したい。