⚫︎一夜にて 春の撹乱 眼揺れ
issei
6年ほど前の、病気入院記録が出てきた。
冒頭の一句は、その入院時にしたためた
いわば、療養俳句である。
⚫︎夜半(よは)の春 天井回る 我回る
⚫︎地軸失せ 匍匐(ほふく)で掴む 春の塵(ちり)
⚫︎縋る(すがる)手の 掴む便器の 冴え返る
最初の病状の、凄まじいありさまが描写されている。
⚫︎救急の 音の近づく 遠霞(とおがすみ)
身内が救急車🚗を呼んだのだ。
⚫︎救急車 乗るに過ぎりし 朧月(おぼろづき)
⚫︎医師の指 追って眼(まなこ)の かげろえる
⚫︎冴えかえる 眼震という 身の地震
⚫︎即刻の 入院告知 春寒し
耳鼻科入院が言い渡されたのだ。
⚫︎春暁(しゅんぎょう)の 六人部屋の 人いきれ
⚫︎カーテンの 仕切り一枚 春灯(はるともし)
入院の一夜である。
⚫︎春水 となって点滴 四肢に満つ
⚫︎点滴と 後は祈りと 春の夢
そして、翌朝。
⚫︎看護師の 声の朝寝の 揺れの中
⚫︎春昼の リストバンドの フルネーム
最初の食事は、おもゆから始まり、おかゆ、
となり、やがて
⚫︎心して 遅日味合う 普通食
⚫︎入院の 三食昼寝 朝寝付き
⚫︎春眠の 一寝二寝の 治癒の旅
こうして、少しづつ回復していった。
⚫︎眼震の 消えて残れる 蜃気楼
⚫︎点滴の 取れし手振れば 春の風
やがて
⚫︎賜れり 大き春雷 退院日
⚫︎春泥を 踏んで地軸の 戻りたる
こうして、無事回復への道を、歩める事に
なったのだ。
入院の暇に任せて書いた俳句日記だが、
現実の体験描写なので、拙句なりの
臨場感があるではないか。
病名は、右耳の前庭神経炎ということだった。
何かの原因による右耳の炎症という事
だったのだ。
あれから6年、めまいは無くなったので、
忘れてしまっていたが、またタイムカプセルを
開いたようだ。
issei
6年ほど前の、病気入院記録が出てきた。
冒頭の一句は、その入院時にしたためた
いわば、療養俳句である。
⚫︎夜半(よは)の春 天井回る 我回る
⚫︎地軸失せ 匍匐(ほふく)で掴む 春の塵(ちり)
⚫︎縋る(すがる)手の 掴む便器の 冴え返る
最初の病状の、凄まじいありさまが描写されている。
⚫︎救急の 音の近づく 遠霞(とおがすみ)
身内が救急車🚗を呼んだのだ。
⚫︎救急車 乗るに過ぎりし 朧月(おぼろづき)
⚫︎医師の指 追って眼(まなこ)の かげろえる
⚫︎冴えかえる 眼震という 身の地震
⚫︎即刻の 入院告知 春寒し
耳鼻科入院が言い渡されたのだ。
⚫︎春暁(しゅんぎょう)の 六人部屋の 人いきれ
⚫︎カーテンの 仕切り一枚 春灯(はるともし)
入院の一夜である。
⚫︎春水 となって点滴 四肢に満つ
⚫︎点滴と 後は祈りと 春の夢
そして、翌朝。
⚫︎看護師の 声の朝寝の 揺れの中
⚫︎春昼の リストバンドの フルネーム
最初の食事は、おもゆから始まり、おかゆ、
となり、やがて
⚫︎心して 遅日味合う 普通食
⚫︎入院の 三食昼寝 朝寝付き
⚫︎春眠の 一寝二寝の 治癒の旅
こうして、少しづつ回復していった。
⚫︎眼震の 消えて残れる 蜃気楼
⚫︎点滴の 取れし手振れば 春の風
やがて
⚫︎賜れり 大き春雷 退院日
⚫︎春泥を 踏んで地軸の 戻りたる
こうして、無事回復への道を、歩める事に
なったのだ。
入院の暇に任せて書いた俳句日記だが、
現実の体験描写なので、拙句なりの
臨場感があるではないか。
病名は、右耳の前庭神経炎ということだった。
何かの原因による右耳の炎症という事
だったのだ。
あれから6年、めまいは無くなったので、
忘れてしまっていたが、またタイムカプセルを
開いたようだ。