俺の妹がこんなに可愛いわけがない8巻の感想レビュー（ライトノベル）

電撃文庫のラノベ、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない（8）』（伏見つかさ先生原作、かんざきひろ先生イラスト）が発売中です。

結論から言えば、期待値を大きく上回る面白さだったのでファンの方は急いで本屋さんへGO!という感じの面白さでした。
読者の見たかったものと、予想外の展開とを両方見せた上で、『兄と妹の関係を描く』というシリーズの本質部分にググっと迫る内容は文句のつけようがなく、まさに鳥肌もの。
出来る限り、ネタバレ＆先入観無しで京介を中心としたきりりんや黒猫達ヒロインズの恋模様を確かめて頂きたいところです。

…いや、協定の関係でレーベル自体の発売日が厳守になった割には、一昨日ぐらいから色々と情報の前バレがされていたので、うっかりリンクを踏まないように頑張っていたのは自分だけではないはずｗ
TVアニメ＆未放映話の配信も好評で、すっかり人気シリーズの地位を築きあげてしまった印象の本作だけに、そういった部分でも話題になってしまうのは、ある意味有名税かもしれませんね。
というわけで、まだ８巻を読了されていない方の為の前フリ終わりｗ

今回の表紙はきりりんと京介。
せっかく恋人同士になれたわけですし、遂に黒猫が表紙を飾るかしら？とも思っていたのでちょっと残念ですが、そこはそれ、口絵のピンナップで神猫さんモードを堪能するという事でｗ
背中合わせだけどお互いを意識しまくっているふたりの表情が、今巻のエピソードを象徴的に表している感じがしますね。
あとQBさん、オビコメの営業ご苦労様ですｗ

お話的には、黒猫の告白を受けた京介の返答シーンからスタート。
ふたりのやりとりが詳細に明かされた後、デートを始めとした蜜月のキャッキャウフフイベントが繰り広げられる…という展開です。

初の『彼女持ち』となった京介のテンションが上がりまくる様子が、等身大の男子高校生視点で描かれていてニヤニヤでした。
大きなイベントだけではなく、付き合い始めのカップルならではのワクワクやソワソワが感じられる、何気ない日常生活でのヒトコマが上手く盛り込まれているのが良かったです。

実際に彼女がいる人なら、『あ～、あったあった！』みたいな感じで自分の経験を思い出してニヤニヤ出来ると思いますし、付き合った経験の無い人も『ほほう、こういう時どうすればいいのかも考えないとかないとダメなのか～』みたいな予行演習感覚で楽しめるんじゃないかと。
下手に飾ったりしない分、リアリティがあるので説得力が高く感じられると思います。
…まあ流石に、いきなり胸はどうかと思いますが、それがあの年代の男の子の本質でもあるよねとｗ

一方黒猫は、通常ゴスロリの黒猫、白ワンピースの白猫に続いて、特別コスチュームの神猫モードまで披露するノリノリ状態が見ていて楽しいだけでなく、時折素の状態である五更瑠璃本来のか弱さがチラッと見える『ギャップ萌え』効果が、さらに可愛らしさを引き立てまくりで生きるのがツライｗ
彼氏として色々と世話を焼こうとする京介の気持ちも、理解できるというものです。

きりりんや麻奈美をはじめとしたヒロインズや、ゲーム部関係者へのお披露目＆反応も、それぞれの個性が出ていて面白かったですし、アニメではちょこっと顔出し済みでしたが、新キャラの黒猫シスターズとの会見も和やかに行われ、まさに予想以上に順風満帆で黒猫ルート大勝利！という感じでしたね。

黒猫自身も勇気を出した甲斐があって良かったのぅ…とりあえず、８巻の最後まではこの調子で仲の良い所を見せて欲しいなぁ…と、誰もが思っていたはず。
そこでまさかのどんでん返しキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!

若干、京介が人間不信になってしまわないかｗ心配になったりしましたが、天国から一気に地獄とか、京介には受難ですがコレは確かに盛り上がるｗ
今までもラストの引きが凄かったことは多々ありましたが、今回はラストではなく中盤にそれが来たので油断してましたね。

特筆すべきは、当然のことながら単なるインパクト重視の超展開だったわけではなく、京介自身にきりりんの気持ちを追体験させたことなわけで。
人生相談によって助けるほうと助けられるほうが入れ替わることで生まれるカタルシス感がパネェｗ

京介に対して、頑なに本心を見せようとしなかったきりりんが、その京介の為に一肌脱いで奔走する姿には、ここまでの展開を見守り続けた一読者として感動を覚えざるを得ませんでした。
妹という殻で必死に隠し通してきた本当の気持ちが、ようやく日の目をみる事になったと思うと胸熱。
というか、黒猫と向き合ったようにきりりんとも向き合えたわけですから、これでもう京介も態度を改めざるを得ないはずｗ
きりりんの行動力はともかく、母性まで感じることが出来る日が来るとは…人を想う気持ちってのは凄いなぁ（しみじみ）。

個人的には、『あんたが大切にしている女の子』というセリフは、きりりん自身に掛かっているのではないかと思って読み進めていたわけですが…もっと大きな意味が込められていましたね。
今巻は黒猫無双だと予想していましたが、それと同じくらいきりりんの株も上がったと思います。
というか、サラッと重要な過去の伏線があった、ような…。

さて、きりりんや黒猫、麻奈美が本気で京介の事を好きだということは読者の間では周知の事実ですし、ヒロインズ同士の間でもそれを意識していたと思しき部分は、これまでもちらほらと描かれていたわけですが、今回のエピソードでここまで『ぶっちゃけ』られるとは完全に予想外でした。
むしろ、『本当に良い最終回でした！物語は終わるけど、彼女達の戦いはこれからも続くよ！！』と言われても驚かないぐらいの節目がついた感があったなと。

ここから先を描くのはもの凄く大変そうな予感がしますが、誰を選ぶにせよ、ヒロインズ全員が笑って受け入れられる大団円を目指して、京介と伏見先生には最後まで頑張って頂きたいところですね。
どの娘も一途で可愛らしくて、いっそのことハーレムエンドにしてあげたら…！！という気持ちになってしまいますが、きちんと他のヒロインズを納得させた上で、最愛のひとりを選ぶような結末が迎えられるよう、今後も追い続けていきたいと思います。

さしあたっては、後日明かされるであろう黒猫の水着とご両親のエピソードを全力待機♪


気になった方は是非、チェックなさってみて下さいませ。

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