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誰も教えてくれなかった 無職から英雄の仲間の商人になる方法の感想レビュー(ライトノベル)

2015年12月12日 23時42分41秒 | ライトノベル・小説
電撃文庫のラノベ、『誰も教えてくれなかった 無職から英雄の仲間の商人になる方法』(蝉川タカマル先生原作、ポップキュン先生イラスト)が発売中です。

表紙は、主人公の幸成とヒロインのクラウディア。
ちょいワル男子な風貌のユッキーですが、お金と美少女を両方ゲットとか、男子の野望過ぎてウラヤマ!

お話的には、一流商社に入社し、美人な彼女も出来てと順風満帆な人生を謳歌していた幸成でしたが、ひょんな事から職を失い路頭に迷うハメに。
投げやりになって1日1000万円もらえるという怪しげなバイトに応募した幸成は、その仕事が異世界の魔獣王を倒すというものだと知らされて…という、異世界ファンタジーラブコメ展開です。

ティーン・エイジャーではなく20代の男性(非童貞w)が主人公というのはラノベでは珍しいですが、現代の会社員が異世界で商人に!という設定には興味をそそられますね。
損得抜きで正義の為に!とか、好きな女の子を守るために!みたいな理由ではなく、あくまでお金を稼ぐため世界を救う( ー`дー´)キリッと割りきってしまうあたりはビジネスライクですし、楽して目的を達成しようとする考え方はクズっぽいですが、自分に対する自信の高さと即断即決の並外れた行動力には憧れてしまう部分もあるかと。
クラウと出会って一緒に過ごす内になんだかんだと情が芽生えて……というワルになりきれない展開も、ベタながら微笑ましくて良かったです。

ぶっちゃけ、勇者的な素質を持ったクラウは、ユッキーには勿体無いくらいの美少女ですし、完全に悪い男に引っかかるパターンにしか見えないわけですが、言葉巧みにだまくらかされながらも、惚れた弱みで尽くし続ける姿は、ある意味男にとって都合の良い女の究極系とも言えるかもしれませんね。
本人も薄々ユッキーの調子の良さに気付いているわけですが、彼女自身がユッキーに救われた事を純粋に感謝していますし、ユッキーの方も彼女にヒドいことをしたりさせたりというような嫌がらせはしないので、これはこれでありかなと。
ページの裏側で色々とえっちぃ命令とか出してないかと勘ぐってしまいますがそれはそれw

ユッキーに備わった商人としての鑑定能力と、勇者の末裔たるクラウの必殺魔法については、物語の進行と切っても切れない要素として上手く絡めて見せていますし、ライバルキャラで英雄的能力の持ち主であるトーコの王道パーティ路線と対比させつつ、ユッキーにしか出来ない方法で魔王を倒そうとする展開になっているのは本作ならではで面白かったです。
トーコの様な前向きパワフル&脳筋バカなキャラクターは蝉川先生の得意とするところだと思いますし、何気に良い味を出しているシュワルツの独特な存在感も相まって、ユッキー達の引き立て役どころか、むしろ彼女たちのほうが主役っぽく見えてくる感じでしたね。
変にユッキーにデレたりもせず、クラウと拳で語るトーコのキャラも、カラッとしていて小気味良かったです。

バトル的には、ユッキーが非戦闘キャラなので活躍出来ない代わりに、クラウが個人技&トーコ達との共同戦線の両面でガッツリと頑張ってくれたので良かったですね。
知力と武力をお互いに補う形になったユッキー&クラウは、適材適所の良いコンビだったと思います。
実際、ユッキーではなくトーコと一緒に旅をしたほうが、クラウの能力を十全に発揮できたとは思いますが、それよりも惚れた男を選んで付いて行ったクラウがいじましかったですね。

この巻だけで魔王討伐まで一気に進む&エンディングを迎える構成なので、オチは綺麗かつしっかりついていて良かったと思います。
ユッキー自身の商才というよりは、異世界移転で得た制服の能力が凄かった形ですし、むしろ命を救われたりヒロインと出会ったりという幸運度の高さの方が強く印象に残りましたが、転移前の現代生活を長めに描写したり、単なる便利キャラと思われたサポートキャラ・イフとその所属組織が終盤重要な鍵を握ってきたりと、既存のなろう系異世界転移作品との差別化を図ろうとする意図が感じられて良かったのではないかと。
ただ、その辺りの説明をあえて簡略化して、主人公の凄すぎる活躍やヒロインとのヾ(*´∀`*)ノキャッキャ(´∀`*)ウフフなサービスシーンを前面に押し出すスタイル自体がネット小説の読者に受けているところだとも思うので、この辺りは読む人次第で好みが分かれそうな気も。
あとがきを読んだ印象としては単巻完結前提っぽく感じられましたが、現代生活の人間関係や、イフの組織、トーコが勇者バイトをするに至った経緯等、掘り下げられそうな部分はまだまだあるので、次巻があるならその辺りに期待したいと思います。



気になった方は是非、チェックなさってみてくださいませ。


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