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灰と幻想のグリムガル9巻の感想レビュー(ライトノベル)

2016年08月24日 23時42分57秒 | ライトノベル・小説
オーバーラップ文庫のラノベ『灰と幻想のグリムガル level.9 ここにいる今、遥か遠くへ』(十文字青先生原作、白井鋭利先生イラスト)が発売中です。

表紙は、メリイと、ハルヒロ、クザクのなんちゃって三角関係トリオ。
前巻の救出劇でハルヒロの株はリーダーとしても異性としても急上昇間違いなし!といった感じですし、そろそろ落ち着くところに落ち着いて欲しいところですが果たして?(・∀・)ニヤニヤ

お話的には、辛くもメリイの救出に成功したハルヒロでしたが、フォルガン達の戦闘力は圧倒的で、またもやパーティは分断状態に。
逃避行を続けるメンバーひとりひとりがランタの裏切りとパーティの今後に思いを馳せる一方、ランタもランタで己の心を見つめなおすことに……という展開です。

実際の状況を目の当たりにしたハルヒロ&メリイよりも、ランタが裏切ったらしいと間接的に聞かされた他のメンバーのほうがより強く疑心暗鬼になってしまうのは、仕方がないとはいえ切なかったですね。
ランタの性格や態度をウザく感じながらも、今日まで一緒に支えあって生き抜いてこれたのは、お互いに家族同然の絆を感じていたからに他ならないわけで。
その分、死に別れでは無いとはいえ、予想もしていなかったタイミングでの裏切りに受けるショックの大きさも半端ないものだったと思います。
ただ、倒れっぱなしではなく、ショックが大きくてもそこから立ち直ることが出来る強さもまた、彼らが成長する中でしっかりと身につけられていたので安心しました。
ランタの真意を確かめるためにも、まずは生き抜いて、他の仲間と合流しようと試みるそれぞれの姿が頼もしかったですし、リーダーとして試行錯誤してきたハルヒロへの信頼がそれを後押しする形になっていたのも胸熱。
パーティ内での役割分担はもちろんのこと、思考停止せず、自分が今何をするべきなのか考え&体を動かし続ける様子からは、絶望的な状況の中でも十分な希望が感じられて心強かったですね。

意識が朦朧とするほどの極限状況に追い込まれたからか、何人かがグリムガルに来る前の世界での記憶をおぼろげながら垣間見る描写があったのも大きな見所かと。
かつての家族関係や交友関係が描かれたことで、そのキャラの人となりが掘り下がりましたし、ゆくゆくは元の世界に戻ろうとするのかどうかにも関わってきそうで楽しみ。
グリムガルの世界で培われた実力と家族と思えるほどの絆で結ばれた仲間たちとの人間関係があれば、こちらに残るという選択肢も大いにアリだとは思いますが、果たして?

また、ランタ問題が解決するまでシリアスムードが続くと思われたのとは裏腹に、ラブコメ&お色気イベント(やはりおっぱいは偉大w)が複数用意されていたのも心和みましたね。
ハルヒロがメリイを意識する描写は度々ありましたし、アニメでも奥さんポジション的に描かれていたのでお似合いだなぁとは思っていましたが、メリイ視点でのハルヒロに対する評価や、違う違うと言いつつも全力で墓穴掘りに行ってるんじゃね?レベルな意識ぶりが見られて、ごちそうさまでしたと言わざるをえないw
結構、複数のキャラが死ぬ一歩手前ぐらいのところまで追い込まれるほどの激ヤバ展開だったのですが、所々に肩の力を抜けるイベントが仕込まれていて良いバランスだったかと。

全体的に、視点が細かく移り変わっていくので、各キャラの本音がダイレクトに伝わって来て感情移入しやすかったですし、自分だけではなく、仲間を、家族を守るために、諦めずに出来ることを全てやろうとする姿が好印象でした。
今まで、何度も自分たちの弱さを思い知らされてきたハルヒロたちですが、個々人の技量は着実にレベルアップしていますし、連携の精度も上がっているからこそ、ランタの抜けた穴が大きく感じられてしまうのが皮肉ですね。
ハルヒロとランタのお互いの戦力評価や、相手との距離のとり方が鏡合わせのように感じられたのも興味深かったですし、判りやすい親友や、ライバルというのとはまた違った、ややこしくも意識せざるを得ない関係が今後どうなっていくのか楽しみ。
ランタ以外が仲良しこよしなお友達至上主義だとすると、ランタの考えはもう少しシビアなビジネスパートナー寄りなスタンスなのかなと思いますが、メリイをあの手この手で逃がそうとした時点で単なる利己主義者でないことは明白ですし、ましてや主義主張どころか種族まで違うフォルガン達の考えにも理解を示せる彼ならば、ハルヒロ達と腹を割って話し合い、今までよりも誤解やすれ違いを少なくした形で和解することも十分可能ではないかと。

時間経過や移動距離的にはそれほど進まなかった今巻ですが、その分、仲間同士の心の距離はグッと近付いた様子で何よりでした。
まだまだオトシマエを付けなければならない案件は山積みですが、「楽しみはあとにとっておけ」という最終章のサブタイトルを十文字先生の遊び心あるメッセージと期待しつつ、次巻を待ちたいと思います。



気になった方は、是非チェックなさってみてくださいませ。


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