『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』１１巻の感想レビュー（ライトノベル）

電撃文庫のラノベ、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(11)』（伏見つかさ先生原作、かんざきひろ先生イラスト）が発売中です。
表紙はロリきりりん＆京介。
なんとも仲睦まじい様子が新鮮＆微笑ましいですね。
カラー口絵では一点、髪型を変えて大人っぽさが増した姿が描かれているのも(・∀・)イイネ!!

お話的には、きりりんと麻奈実が仲直りをするという名目で、遂に直接『話し合い』をすることに！＆京介と麻奈実の中学時代の過去話を通じて、兄妹冷戦の真相が語られる…という超重要エピソード満載展開です。
「兄妹なのに、家で顔をあわせてもほとんど会話も無かった」１巻の状態に至るまでに、２人の間に一体どんな出来事があったのか？という長年の謎が詳細に語られるので、ファン必見かと。

まず、今よりずっと熱血タイプだった京介の姿に驚かされましたね。
俺たちの京介がこんなにリーダータイプなわけがない！と思ってしまうぐらいの積極性＆前向きさに（・∀・）ニヤニヤさせられると同時に、「思春期特有のひとりよがりで根拠のない全能感を過信してしまう危うさ＆青さ」がひしひしと伝わってきて、オタク嗜好とは違う意味での厨二病的雰囲気が印象的でした。
勢いがある時は全てがうまく回っているように感じられるものの、１つ歯車が崩れると一気に…というのもよくある話ですが、“善意で”行動を続ける京介にどんなイベントが待ち受けているのか気になって、ページを捲る手が早まりました♪
ここまでドラマチックではなくても、京介と似たような経験をしたことがある方なら、特に感情移入度が高まってしまうのではないかと。

また、当時から京介のそばで甲斐甲斐しく世話を焼く麻奈実との２人３脚ぶりは、まさに円熟期の老夫婦の境地に達しているわけですが、ふとした瞬間に歳相応の恋する乙女な様子を麻奈実から感じられたので美味しゅうございましたｗ
今回はゲストヒロインとしてひきこもりニート系少女が登場し、彼女を含めた三角関係がどの様な結末を迎えるのかも要注目。
いつにも増して本気でシリアス成分多めな麻奈実の振る舞いと、ほろ苦い青春ドラマが絶妙のバランスで、全体的な説得力が高かったので良かったです。
自分の知らなかった京介のエピソードを教えられたきりりんが、麻奈実の真意を理解したうえでどの様な選択をするのか？が描かれる終盤も合わせて、読後の満足感が高め♪
３年前と今という意味でも、きりりんの人生相談が始まってから今までという意味でも、三者三様の人間的、精神的成長が強く感じられる良エピソードだったと思います。

というか、いつの間にかハーレムもの的展開になっていた本作ですが、ラスボス＝麻奈実という噂もあながち間違いではないかも？と思ってしまうぐらい麻奈実の内心が掘り下げられたので読み応えがありましたね。
今までも十分に彼女の人柄について描写されていましたし、恋愛と言うよりはむしろ母性的な愛情についても伝わってきてはいましたが、過去でも現在でも変わりなく京介を思い続ける気持ちが明文化されたことは大きかったと思います。
そんな彼女が遂に全力で行くぜ！となるであろう次巻の展開が待ち遠しいですね。
麻奈実だけではなく、ヒロインズ全てが戦闘準備OK!となり、最高の舞台が整ったわけですから、誰が勝っても負けても恨みっこなし！な壮絶ガチバトルに期待です♪

次巻と言えば、あとがきの後に収録された、１２巻のプロローグのラストの一文がものすごく衝撃的だった件。
アニメ２期も控えているこのタイミングでまさか過ぎる！という感じですが、伏見先生の大英断となるか、しっかりと見守りたいと思います。


気になった方は是非、チェックなさってみて下さいませ。

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