
このライトノベルがすごい!文庫のラノベ、『モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣)』(谷春慶先生原作、奈月ここ先生イラスト)が発売中です。
第2回『このライトノベルがすごい!』大賞の『大賞』作品ということで話題ですね。
表紙は物語の鍵を握る謎の少女、タマ。
空から落ちてくる系のヒロインと言えば大きな秘密を持っているというのがお約束ですが、彼女の場合はむしろ設定関連の説明役として色々教えてくれるという印象が強かったです。
全体的にやわらかなイメージの彼女ですが、バトルでは大鎌を手に大活躍!と、可愛いだけで終わらない魅力のあるキャラに仕上がっていたかと。
ある意味クールというか、合理的な判断を下せる彼女と、ヒロインズを守るために熱い感情をほとばしらせる主人公、砕月との掛け合いは必見です。
とりあえず、そのけしからんナイスバディの詳細を教えて…おっと、誰かキタヨウダw
お話的には、冒頭で既に『彼女×2、幼馴染、義妹、義母』から憎からず想われている砕月が、ひょんなことからタマと出会って…というなんともリア充爆発しろ!(#^ω^)ビキビキなボーイ・ミーツ・ガール展開です。
…3Pってレベルじゃねーぞ!w
老若男女、果ては種族の垣根すら超えて自身の意志とは関係なく手当たり次第に女性を口説いてしまうという『ビョーキ』を砕月が持っているという設定が他の修羅場もの系作品と一線を画するところかと。
実際、二股がバレてふたりの彼女と修羅場&フラれるところからスタート!というのはインパクトがありましたし、そのビョーキの会話能力のお陰で様々な局面を乗り越える&ヒロインズと信頼関係を結ぶという方向性が一貫していたので説得力がありました。
一見、ほとんど自動的に放たれる殺し文句の数々が次々と女性をその気にさせてしまうとか、なんてウラヤマシス!という感じですが、本人の意思で止めることが難しく、際限なく相手を本気にさせることで却って傷つけてしまったり、天然の女たらしというレッテルを貼られて男から目の敵にされたりと、なにかと大変な目に合うことになってしまうのは、胸中では全く悪意が無いだけにご愁傷様かも。
また、ビョーキの原因となった事件についても劇中で語られ、砕月の設定を掘り下げる役目を果たしていたあたりも上手かったですね。
建前と本音を切り替えているのではなく、かなり意識しないとコントロール不能という厄介な能力に振り回されながらも、最後まで根気よく相手と対話を試みようとする砕月の人格がどのように形成されていったのかが明かされることで、キャラへの感情移入度もグッと高まったと思います。
さて、そんなビョーキの能力を有効活用すればいつでもモテエロライフを極められそうな砕月ですが、実際にはそれが己の意思ではないことを誰よりも理解しており、相手を無駄に傷付けないように配慮する優しさの持ち主であるところが好印象でした。
それでも発作的に相手をその気にさせる→悪評が広まるということを繰り返してしまうあたり業が深いわけですが、優沙&静流の彼女コンビとも誠意を持って話しあおうとした結果、お互いに対する理解が深まっていく流れに(・∀・)ニヤニヤさせられましたね。
ビョーキ発動中のゲスな砕月しか知らなかったふたりが、素の砕月を見てどう考えを変化させるのか?二度目の出会いがどう彼女たちを変えるのかに注目して読んでいただきたいところです、
バグ、デバッガ、ウィザードといった本作独自の異能設定については、情報が断片的な分、今後の展開に期待というところですが、ヒロインとのエピソードにバトル要素を加える演出は効果的でしたし、限定的とは言え何でもアリのディレクトリ空間の中で、あえて対話による解決を模索するという砕月の主人公らしさをクローズアップすることに成功していたので良かったと思います。
特に目新しいという訳ではなかったですが、設定の緻密さ、複雑さを追い求めるのではなく、キャラ同士の心の触れ合いに重点を置いたことと、それがうまく結果へと繋がる様にシナリオ運びがなされたことは評価されるべきかなと。
ただ、優沙&静流と砕月との関係について十二分に描かれたことと比べると、タマとの関係はやや掘り下げが甘かったのが残念です。
登場時から本調子では無かった分、ラブコメ的にもシナリオ的にも、これからいくらでも仲良くなっていける機会はあるとは思うのですが、それほどフラグが立っていない割には嫉妬率が高めで?と感じられる部分が多かったかも。
あと、設定的には最も本妻に近いであろう幼馴染の千夏の扱いが少ないのも勿体無かったなと。
今後のエピソード用に温存していると考えれば単なる杞憂なわけですが、果たして?
やはり本命をひとりに絞るというよりはハーレムを目指す流れになりそうな予感ですが、メインヒロインズとイチャコラするのはモチロンのこととして、今回のクライマックスのような泣きシチュエーションも上手く絡めて行ってほしいですね。
略称は「モテ泣き」になりそうな気配ですが、今後も今巻同様、モテモテと泣きの両方が楽しめる内容に期待したいと思います。
気になった方は、是非チェックなさってみてくださいませ。

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第2回『このライトノベルがすごい!』大賞の『大賞』作品ということで話題ですね。
表紙は物語の鍵を握る謎の少女、タマ。
空から落ちてくる系のヒロインと言えば大きな秘密を持っているというのがお約束ですが、彼女の場合はむしろ設定関連の説明役として色々教えてくれるという印象が強かったです。
全体的にやわらかなイメージの彼女ですが、バトルでは大鎌を手に大活躍!と、可愛いだけで終わらない魅力のあるキャラに仕上がっていたかと。
ある意味クールというか、合理的な判断を下せる彼女と、ヒロインズを守るために熱い感情をほとばしらせる主人公、砕月との掛け合いは必見です。
とりあえず、そのけしからんナイスバディの詳細を教えて…おっと、誰かキタヨウダw
お話的には、冒頭で既に『彼女×2、幼馴染、義妹、義母』から憎からず想われている砕月が、ひょんなことからタマと出会って…というなんともリア充爆発しろ!(#^ω^)ビキビキなボーイ・ミーツ・ガール展開です。
…3Pってレベルじゃねーぞ!w
老若男女、果ては種族の垣根すら超えて自身の意志とは関係なく手当たり次第に女性を口説いてしまうという『ビョーキ』を砕月が持っているという設定が他の修羅場もの系作品と一線を画するところかと。
実際、二股がバレてふたりの彼女と修羅場&フラれるところからスタート!というのはインパクトがありましたし、そのビョーキの会話能力のお陰で様々な局面を乗り越える&ヒロインズと信頼関係を結ぶという方向性が一貫していたので説得力がありました。
一見、ほとんど自動的に放たれる殺し文句の数々が次々と女性をその気にさせてしまうとか、なんてウラヤマシス!という感じですが、本人の意思で止めることが難しく、際限なく相手を本気にさせることで却って傷つけてしまったり、天然の女たらしというレッテルを貼られて男から目の敵にされたりと、なにかと大変な目に合うことになってしまうのは、胸中では全く悪意が無いだけにご愁傷様かも。
また、ビョーキの原因となった事件についても劇中で語られ、砕月の設定を掘り下げる役目を果たしていたあたりも上手かったですね。
建前と本音を切り替えているのではなく、かなり意識しないとコントロール不能という厄介な能力に振り回されながらも、最後まで根気よく相手と対話を試みようとする砕月の人格がどのように形成されていったのかが明かされることで、キャラへの感情移入度もグッと高まったと思います。
さて、そんなビョーキの能力を有効活用すればいつでもモテエロライフを極められそうな砕月ですが、実際にはそれが己の意思ではないことを誰よりも理解しており、相手を無駄に傷付けないように配慮する優しさの持ち主であるところが好印象でした。
それでも発作的に相手をその気にさせる→悪評が広まるということを繰り返してしまうあたり業が深いわけですが、優沙&静流の彼女コンビとも誠意を持って話しあおうとした結果、お互いに対する理解が深まっていく流れに(・∀・)ニヤニヤさせられましたね。
ビョーキ発動中のゲスな砕月しか知らなかったふたりが、素の砕月を見てどう考えを変化させるのか?二度目の出会いがどう彼女たちを変えるのかに注目して読んでいただきたいところです、
バグ、デバッガ、ウィザードといった本作独自の異能設定については、情報が断片的な分、今後の展開に期待というところですが、ヒロインとのエピソードにバトル要素を加える演出は効果的でしたし、限定的とは言え何でもアリのディレクトリ空間の中で、あえて対話による解決を模索するという砕月の主人公らしさをクローズアップすることに成功していたので良かったと思います。
特に目新しいという訳ではなかったですが、設定の緻密さ、複雑さを追い求めるのではなく、キャラ同士の心の触れ合いに重点を置いたことと、それがうまく結果へと繋がる様にシナリオ運びがなされたことは評価されるべきかなと。
ただ、優沙&静流と砕月との関係について十二分に描かれたことと比べると、タマとの関係はやや掘り下げが甘かったのが残念です。
登場時から本調子では無かった分、ラブコメ的にもシナリオ的にも、これからいくらでも仲良くなっていける機会はあるとは思うのですが、それほどフラグが立っていない割には嫉妬率が高めで?と感じられる部分が多かったかも。
あと、設定的には最も本妻に近いであろう幼馴染の千夏の扱いが少ないのも勿体無かったなと。
今後のエピソード用に温存していると考えれば単なる杞憂なわけですが、果たして?
やはり本命をひとりに絞るというよりはハーレムを目指す流れになりそうな予感ですが、メインヒロインズとイチャコラするのはモチロンのこととして、今回のクライマックスのような泣きシチュエーションも上手く絡めて行ってほしいですね。
略称は「モテ泣き」になりそうな気配ですが、今後も今巻同様、モテモテと泣きの両方が楽しめる内容に期待したいと思います。
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