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自由な学校の不人気は進む?

最近は、やはり学校で大学入試の面倒をしっかり見てほしい、という保護者の志向が強いようです。

お金を出して私立に行かせるわけだし、月謝の費用に加えて、塾の費用までなんて、たまらない、ということだろうと思うのです。実際に塾に長い時間通っていると、学校と塾の区別がだんだんつかなくなってくる。特に公立に入れていると、学校のコストというのはあまりかかっていないわけだから、どうしても塾のコストに目が行きます。

結果として、費用対効果という面で学校を考えるようになるから、自由な学校というのはリスクが高く見えてしまう。

ところが実は自由な学校が問題なのではないのです。例えば開成や筑駒も自由な学校だが、大学受験の実績が落ちているわけではない。だから、依然として人気もあるし、受験者も減らない。しかし、自由な学校で大学受験の実績が振るわなくなると、それが自由な学校のせいだと思われるきらいがある。

麻布生は中1から領土問題を論じます。-麻布学園 氷上信廣校長に聞くー


―最近受験者が減少傾向にあるようですが

これは親の意識が変わってきたことが大きいのではないかと感じます。少子化が進んでいることに加えて、経済状況も不安定になっていますから。子供一人にかける精神的・経済的なエネルギーは増加しています。だから、「私立に入ったからにはいい大学に行って有名企業に就職してほしい」と考える親が増えています。「若者の安定志向」が批判されていますが、何より親の安定志向の方が強まっているでしょう。

ですが麻布の目指す「独創的な人材」はそういった安定志向にある人材とは真逆です。だからいくら親から要望があっても、手取り足取り教えるということは絶対しません。まあ、こういうことを受験説明会で言うとたいてい不興を買うんですけどね。考えてみれば生徒の自主性任せ、というのは要するに野放し、と受け取られますから。不安な学校ですよね(笑)。

こういった親の心理的な変化が受験者数の減少につながっているのではないかと感じます。「自由すぎる」校風が不安材料ととられて、「麻布に入れるのは賭けだ」と思われているのでしょう。ですが、こうした不安定な時代だからこそ、独創的でユニークな人間が必要なのではないでしょうか。親にはもっと冒険心を持って子育てをしてほしいですね。



本来であるならば、もう中学生だから手取り足取りされるよりは、自分でいろいろなことが進む方が良いに決まっている。ただ、問題はそこからこぼれる子どもたちがいるということで、親はそこが不安になります。だから、ついそうなったときにどうするか、それならば、むしろ管理してくれる学校の方がありがたいのではないかと思ってしまうのではないでしょうか。

しかし、中学受験で塾に手取り足取りされ、進んだ私学でも手取り足取りされ、今度は大学で就職のために手取り足取りされて、と進むと「本当に自分で困った時」に解決する能力は身につかないままです。

本当なら、まだいくらでもやり直しの利く若い時代に失敗をした方が良い。負けることもあってもいいが、そこからどうするか、どう進むかを考え、自分で実行できる方が良いのです。

塾と学校は同じではありません。

受験塾で身についてしまったそういう物差しとはまた別に学校を考えなければいけないのではないでしょうか。

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