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相対的比較と絶対的比較

例えばある教室に90人の6年生がいたとして、1クラス15人の編成をすると6クラスになります。

で、もともと中学受験自体は全体の6年生の12%ぐらいしか受験していないので、この90人自体が僅差の集団なのです。

しかし偏差値を出すために、この僅差の集団も平均を50として正規分布に置き換えてしまいます。結果としてその子どもたちが1位から90位まで並んだとすると、90位の子どもと1位の子どもではそれこそ雲泥の差がついている、というように考えてしまいがちです。

実際に組み分け試験というのは、その並びで決まるわけで6番目のクラスにいる子どもたちが1番目のクラスにはなかなかいけないでしょう。これが相対的比較です。

では、どのくらいの実力差があるのだろうか?ということになるとこれはまた違う話です。

例えばやさしい問題を解いたならば、たぶんこの90人の生徒の差はさらに小さくなってしまい、100点満点のテストをしてほぼ全員が100点みたいなことになったりします。

逆に難しい問題を出したならば、90人中80人ぐらいができなくて、10人ぐらいができた、ということもあり得るでしょう。

これが絶対的比較です。

で、偏差値にしても順位にしても常に相対的比較をしているので子どもがどのくらいできるようになったか、実は大変わかりにくくなっているのです。

先の例でいえば6番目のクラスは何もわかっていない?ような印象があるかもしれないが、そうとも限らない。もちろんわかっていない子もいるでしょうが、そこそこわかっている子もいるはずなのです。

ところが相対的比較ばかりをしていると、その子ができるようになっているという事実を見過ごしてしまいがちで、さらに言えばそういう子どもたちは褒められないから、いつまでたっても「できるようになった」という自信を持てなくなります。

組み分けテストの落とし穴はここにあります。

あまりに長く相対的比較ばかりに目を向けていると、子どもたちの自信がいつまでたっても培われない、というようなことが起こるので、そこは親の側がよく考えていった方が良いでしょう。

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