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塾を変わる子

新学年が始まって入塾する子どもたちがいます。

ここから受験勉強を始めるというのではなく、いわゆる転塾組。

子どもたちからはいろいろな話を聞かされます。

「3年生のときが、Aという塾だったんだ。でも先生が怖かったから、やめて4年生のときにBという塾に行ったんだけど。宿題が多くてやりきれなかったから、5年生の時にCに行ったの。でも、組み分けテストが多いばかりで、忙しくて成績が伸びない。そしたらお母さんが、この塾を見つけてきたの。」
「ふーん。君はがんばったのにね。」
「うん、でも、まあ、学校別の塾の方がいいんだ、って言ってた。」

なるほど。

当然、今までの塾でうまく行っていれば塾を変えようとは、なかなか思いません。しかし、成績が伸びなかったり、あるいは大量の宿題ばかりに追われて本当に力がついていないかもしれない、と感じられたら私は、転塾を考えてもいいだろうと思っています。

たくさんの生徒がいて、競争して、それが刺激になって勉強する、という子もいます。あるいはよく教えてもらって、納得がいくまで考えた上で、ようやく先に進める、という子もいます。子どもたちに合う学校があるように、子どもたちに合う塾があるのです。

また子どもの状況はそれこそ変化します。その状況に合わせて塾は変えればいいのです。確かに新しい塾に慣れるまでには時間がかかる。しかし、そのエネルギーを使っても効果があるのであれば、やはり転塾は考えた方が良いだろうと思うのです。

塾の実績は確かに、その塾の力を表します。ただすべての子に合う塾、というのはなかなかない。私はそれが当たり前だと思うのです。

切磋琢磨することがプラスになる子は、やはり競争の厳しい塾でがんばるべきだし、逆にそこで大変な思いをして疲れてしまっているのであれば、わかることを大事にするところから再スタートした方が良いでしょう。

実績のある塾でも、子どもに合うかどうかは別の問題です。

山の登り方はいくらでもあるし、やはり子どもに合う登り方を考えないと、最後まで到達できません。

マラソンでも最初飛ばして、あとが続かない選手もいるし、最後の最後で一気にスピードをあげる選手もいます。それぞれの選手が自分の特質を見極めた上で、自分なりの練習を積み、自分なりの戦いを挑むわけですが、これは入試でも同じことでしょう。

新学年が始まりましたが、今、何か問題を感じているのであれば、具体的な方策を考えてみてください。こればかりは早い方が良い、と思います。

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