きまぐれ発言

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北の戦争脅迫作戦が成果!

2013-04-14 18:22:09 | Weblog
北の戦争脅迫作戦が成果!       (2013-04.14.)

北朝鮮の外交は「瀬戸際外交」とよく言われ力も無いのに、土壇場まで脅かして譲歩を引出す作戦だ、と言われ「バカ」にしてきたが、将にその手に乗っかって、今回の「脅かし戦争」は北朝鮮が成果を得た格好だ。
今日のインターネット情報で、各方面からのニュースを見てみると概ね下記の通りである。

北朝鮮の戦争脅迫作戦は3月頃から始まり、米韓の軍事演習を口実に「米韓の侵略戦争策動に対する決死的抗戦」を名目に始まった。「米韓と対決中」のつもりだから「米韓の侵略策動を撃退し勝利した」ことにすれば振り上げたコブシは下ろせる。したがって「ヤマは米韓演習が終わる4月末」と言うのがソウルの北朝鮮専門家たちの見方であった。

「言葉の戦争」とも言われる今回の軍事脅迫作戦には3つの背景があった。
(1)金正恩第1書記の指導力を内外に誇示し、国内での権力基盤を固める。(2)米国を直接交渉に引き出す。(3)韓国の朴槿恵・新政権に対する牽制である。

北朝鮮にとって最も重要な目的の(1)については「大胆な軍事作戦で世界中を慌てさせた偉大な指導者」として十分に自画自賛できる成果を挙げて居る。米韓演習終了を機に「いかなる相手も恐れない大胆不敵な金正恩最高司令官の卓越した戦争指導により米韓軍は無くすべなく引き下がった」とすれば格好がつく。

一方、米国に対しては「核ミサイル」による戦争の脅威をメディアなど世論に強く印象付けた事でオバマ政権を対北直接交渉に誘導する道がいずれは開けると判断しているとみられる。金正恩第1書記は「イラクやアフガニスタンでの戦争に懲りた米国は実際は北朝鮮を軍事攻撃する事は無い。脅せばむしろ対話、交渉論が出てくる」と踏んでいる。
また韓国に対しては開城工業団地を"人質”に、操業中断の脅しで忽ち腰砕けに追い込み「対決より対話」論を引き出した。

開城工業団地は北朝鮮にとってはドル稼ぎの「金づる」だった。このため本来なら韓国から対、北制裁として操業中断・廃止論が出ても可笑しくないのに、逆に北朝鮮に足元をみられ脅かされている。朴槿恵・新政権は機先を制されたかたちだ。

北朝鮮にとって戦争脅迫が誤算になって居るのが唯一、日本かもしれない。日本ではおかげで安保意識が更に高まり、北朝鮮が非難する集団的自衛権行使など防衛力強化の議論がますます活発化している。
等々である。

結果的には、以上の通りであったかも知れないが、北朝鮮と戦へば、勝ても当たり前、負けたら笑われ者である事を思えば、アメリカも交渉に応じる事は、むしろ正解であったと思う。

相手は追い詰められれば何をするか解らないから、交渉には応じる事の方が正解であると思う。そして、結果的には交渉のテーブルに付かせて、時代は武力を傘にする時代ではない事を良く「言って聞かせる」事では無いでしょうか。
(えびなたろう)