年の瀬 雑感-3: 数 値

2010-12-31 11:07:10 | 「学」「科学」「研究」のありかた
一昨日:29日の毎日新聞投書欄に、「安心する」投書が載っていました。

     

一票に対応する人口に差がある。それはたしか。しかし、その「差」を直ちに「格差」とみなしてしまう「そそっかしさ」。
それに対し、このように真っ当に考える方が居られる、
数の大小を比較し、それだけで「云々する」、あるいは、数の多さを「誇る」、世の中そういう人たちばかりでない、
それで安心したのです。
しかし、今の世の中で、こういうことを言うのは「勇気」がいります。

   註 この件については、私も何度か書いています(下記)。
      http://blog.goo.ne.jp/gooogami/e/59f3cef740afb422c7d0e467333dfd6b
      http://blog.goo.ne.jp/gooogami/e/f8ef77f2085412cf444490064b27f8f2

市場原理主義という言葉がありますが、それと併行するのが数値至上主義あるいは数値化至上主義、さらに言えば、計算至上主義。

世の中に存在するものには、数字で表わせない事象が多数あるにもかかわらず、
むしろ、数字で表わせない事象の方が多いにもかかわらず、
数値化できないものは見ぬ振りをして切捨て、数字で表わせるものだけ数値化し、
時には、数字で表わせないものまで無理に数値化し、
さらに、計算できると全てが分ったかのように思い込む。
しかもそれを、「おかしい」とは思わない。

最悪は、「イイカゲンな数値化で得た数値」を基に、「精密な計算・演算」をして、
あたかも「真実に厳密に迫った、かのように思い込む錯覚」。
そしてそれを「科学的」だと思ってしまう・・・。
そしてさらに、それを信じてしまう人が意外に多い・・・。
私は、これほど怖ろしいことはない、といつも思っています。
   註 これについては、下記でも触れました。
      http://blog.goo.ne.jp/gooogami/e/91f0346a0764677b82bba703899ed15d

そんな世の風潮の中での冒頭の「投書」、まことに清々しく感じられたのです。

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今年もあと僅か。
明日は今日の続きに過ぎないと思っても、やはり一つの区切り。
外は寒風。

今年一年、お読みいただき、ありがとうございました。

よい年をお迎えください。



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