ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

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教育の広場、第187号 授業の善し悪しを論ずる難しさの一因

2006年11月22日 | 教育関係
教育の広場、第187号 授業の善し悪しを論ずる難しさの一因

   (2004年11月13日発行)

 第186号に対してNさんからコメントをいただきました。ありが
とうございます。まずそれを全文掲載します。

──1 次のように書いておられます。

## そうそう、言うのを忘れました。何人かの外国人に聞いてみ
た範囲では、外国で学級通信を出す習慣(みたいなもの)のある所
は1つもないようです。どうもこれは日本の学校の特徴のようです。

 外国のことを良くしっていないのですが。10何年か前にnyに駐
在していましたが、現地の学校と日本の学校を比べると生徒と先生
さらに、先生と父兄のコミュニケーションが非常に活発です。

 ↑の通信は書いたもの、を言っているようですが、バーバルなコ
ミュニケが非常に盛んであれば、こういう通信は不要と思います。

 また、私の息子の通った、現地の公立小学校(1年と3年)では、
作文を非常に重視していました。昔に比べても現在の小中学校は作
文が少なすぎる、とおもっています。小学校2年の担任(現地校)
の先生に会ったとき、作文を重視している、とおっしゃっていた。
とくに「観察力」が重要である、と。

 また、「ではこういう「議論のある通信」を出すにあたって最大
の推進力は何でしょうか。それは教師だと思います」

↑のように述べていらっしゃいます。小学校ならそう、ともいえま
すが、中学校では↑では困るのでは? 生徒が主体であるべきであ
り、その能力はあります。

2 日本語疑典 その1

「ある日思い切って、幼い頃通った教会に、母に付き添われ、車椅
子とタクシーで行ってみた」で十分だと思います。

 私も同感です。原文、グロテスクな響き、がありますね。「足」
のように「」をつければ、ユーモア感覚の文章にもなりえましょう
が。

  日本語疑典 その2

##「笑顔は絶やさない」ものではないでしょうか。「絶えない」
のは「笑い声が絶えない」とか「生傷が絶えない」とか「人の行き
来が絶えない」とかではないのでしょうか。やはり「いつも笑顔を
絶やさない」だと思うのですが。

 これは議論のあるところです。わたしは原文を取ります。理由は、
笑顔というものは、当人たちが、意識せずとも自然に出るもの、と
考えていますから。意識的に出す、のは、作り笑い、といいません
か?

 笑顔が絶えない教室、というのは十分ありえます。笑顔を絶やさ
ない、というのは、「苦しいときでも(踏ん張って、努力して、意
識的に)」という形容が付く場合に「も」妥当する表現になりま
す。──(引用終わり)

 少し考えた事を書きます。

 1、「バーバルなコミュニケーションが非常に盛んであれば、こ
ういう通信は不要だと思います」について。

 「こういう通信」を1つでも、出来れば私の挙げた3つをともか
く読んでから発言してほしいと思います。そうでなければ「こうい
う通信」が「どういう通信」か分からないと思います。

 つまり、授業の善し悪しについて発言する場合、自分の経験だけ
を基準にしている人が多いと思います。よほどの人でない限り、広
く調べることはしないでしょうから。

 しかるに、個人の経験はあまりにも狭いと思います。そして、残
念ながら、大多数の授業は内容も乏しく、授業方法の工夫も少ない
ものです。ですから、そういう経験を基準にすると、せいぜい自分
の受けた授業の中での善し悪しになると思います。

 それに、人間の心理として、自分の受けた授業を振り返る時は、
それを実際以上に美化しがちだと思います。

 私の授業について、「今までの授業と全然違う」とか「こんなメ
リハリのある授業は初めて受ける」と書いている生徒が何人もいま
すが、この生徒がもし私の授業を受けなかったら、多分、一生、こ
ういう授業があることを知らないで終わってしまうでしょう。

 ですから、私が前回提案したのは、自分の家の近くの図書館に次
の3冊の本を備えるように注文して、自分でも読んでみてほしいと
いうことです。

 (1) 田中正史著『?(なぜ)と!(びっくり)を見つけよう』
(KKベストセラーズ、本体1800円)

(2) 妹尾和弘編『私の目は死んでない』(評論社、本体1800円)

 (3) 牧野紀之著『哲学の授業』(未知谷、本体2200円)

 ちょうど中学と高校と大学の3つになっています。

 2、Nさんは、こういう授業の推進力として中学生以上では生徒
たち自身だと主張していますが、賛成出来ません。

この点については本メルマガ第14号(大学は自分で勉強する所か
)を見てください。多分、Nさんは本メルマガの読者になってから
まだ日が浅いのだと思います。又、上の3冊を見ていないから、生
徒たち自身でもこういう通信が出せると思うのだと思います。

3、「笑顔が絶えない」か「笑顔を絶やさない」かについては、
用例を集めた上で、それを踏まえて発言して下さい。

4、「父兄」という言葉は差別用語ですから使わない方が好いと
思います。

5、又、矢印などの記号はなるべく使わないで、読みくだして分
かりやすい書き方をしてほしいと思います。

6、率直な感想をお寄せくださったことについては感謝していま
す。又、同時に、別便でいただいた「日本文法管見」の中の「主語
の混乱?」についてのご意見は、近いうちに、HPの方に掲載する
つもりです。

お断り・これは掲載し忘れていたようですので、ここに掲載します。