ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

 2008年10月から「第2マキペディア」として続けることにしました。

教育の広場、第 175号 要注意高校リスト

2005年08月06日 | その他
写真週刊誌「フライデー」の2004年06月18日発行の号が「要
注意高校リスト」として高校の実名を掲載したそうです。これ
に対して東京都が発行元の講談社に抗議したそうです。

このリストは、大型量販店が社員の採用にあたっての資料と
して作成したものだとされています。そして、偏差値が49以下
とされた東京都内と神奈川県内の高校名を挙げたそうです。

06月22日付けの朝日新聞に小さな記事として載っていまし
た。

これを読んで考えた事を書きます。

第1に、このような表は事実上、ほかの会社にもあるのでは
なかろうか、と考えました。表になっていなくても、人事担当
者の頭の中にはあるのではないでしょうか。これ自体悪い事な
のでしょうか。たとえ悪いとしても、頭の中まで禁止はできな
いでしょう。

私は某市の看護学校で哲学を教えていた時期がありました
が、出身高校によって生徒にある程度の特色があると思いまし
た。もちろんだからといって、出身高校で個人を評価してよい
ということにはならないと思います。しかし、高校の評価を考
える時には役立つのではないでしょうか。

第2に、根本的にはこういう評価なり判断をしたり発表した
りする場合は、学校(校長)や教員に向上してほしいという気
持ちをもって、その目的にとって適当な仕方で言ったり発表し
たりするべきだと思います。

人間はとかく「他人(ひと)を裁く」気持ちになりがちで
す。ですから聖書にも「人を裁くな、汝が裁かれざらんがため
に」と言っているのではないでしょうか。なかなか難しい事で
すが、相手に向上してほしいという気持ちで、相手と話し合う
ような態度で、「ここは違うのではないでしょうか」と、発言
できるようになりたいものです。

第3に、世間をみてみますと、このような評価は、病院とか
医師とかについてはかなりなされ、本や雑誌に発表されていま
すが、学校や教師については、ゼロではありませんが、あまり
にも少ないのではないでしょうか。

かなり前ですが、「学問の鉄人」とかいう本を見たことがあ
ります。同じ分野を専攻している教授たちにその分野での「鉄
人」を推薦してもらって、それをまとめたものだったと思いま
す。

私は次のような事をすると好いと思います。それは、1つ1
つの学校なり大学なりのホームページについて、必要な情報が
検索しやすく公開されているか、という観点で評価し、又発表
されている内容についての意見を相手に伝えるということで
す。独自のHPを作ってそれを載せるのです。

その中ではぜひ個々の教員の業績や授業についての評価や意
見も載せるべきだと思います。掲示板みたいにして、公の場で
本人も交えて議論できると好いと思います。

もちろん、悪い点については事前に本人に伝えて、改善を約
束した場合は載せないが、返事がないとか反論してきた場合は
載せるとかいった、いくつかのルールを決めておく必要がある
と思います。

そういう細かい点はともかく、要するに学校や大学について
は、市民による自由な評価・批評が公開の場でなされることが
少なすぎると思います。そして、これは日本の民主主義か未熟
なことの1つの現れだと思います。

私はこの4月から地域の自治会長をして、小学校と中学校の
後援会とかに出たり、校長と話したりしましたが、聞くだけで
実行する気はないのだなと思いました。住民の意見など全然力
になりません。ですから、やはりこういうHPでも作って、議
論をし、返事をしなかったり改善しない人や学校(校長)につ
いては実名を挙げて意見を言うのが好いと思います。

本当は、こういうHPは学校だけでなく、全ての役所とか特
殊法人とかについても必要だと思います。「特殊法人監視機
構」とかいうHPもあるようです。

オンブズ活動がもっと盛んになり、全ての公務についてこう
いうHPを作るところまで日本人は成長しなければならない、
と思います。

(2004年06月30発行)