日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 5月6日。……日本人として、この日を記念すべきだと私は思うのですが、如何でしょう?

 古びていないだけに、歴史上の出来事では、まだありません。それでも日本の歴史……というのが大袈裟であれば、日本の市民運動の歴史にとって画期を成し遂げた日として,記憶すべきだと思うのです。

 一周年ですよ、一周年。

 昨年2008年の5月6日に、フリーチベット代々木デモが東京で実施されました。



 


 そのとき、デモの終着点である代々木公園の野外音楽堂にいた私は、夢を見ているような錯覚にとらわれていました。

 すでにたくさんの人で埋まっている会場に、それでも行進を終えた集団が続々と入ってきます。

 間断なく湧き上がる「FREE TIBET」というシュプレヒコール。

 いかにも東京の5月にふさわしい、清々しい青空を背景に、高々と掲げられた無数の雪山獅子旗が、風にはためいているのです。

 参加者は約4200名。この種のデモとしては大規模といっていいでしょう。

 そして、その圧倒的多数を占めたのは、自分たちの生活とは直接関係ない、外国における人権弾圧であるチベット問題に義憤し、あるいは諸問題に関する日中両国政府の姿勢に我慢ならずに、ネット上などの告知に応じて駆けつけた一般市民。

 プラカードや団扇などの小道具も、2ちゃんねるなどネット上の有志が制作したデザインが多く用いられていました。

 そうなのです。考えてみれば、今回のデモはネット上を除いた媒体での事前告知はごく一部でしか行われませんでした。

 それなのに、この人数。現場を包むこの熱気は、この昂揚感は、どうしたことでしょう。

 近くにいた人が、しゃぼん玉を吹き始めました。まんまるい泡が揺れながら風に乗って次々に高く舞い上がり、雪山獅子旗の波の中へと消えていきます。

 東京でこのような光景が現出するとは、思ってもみませんでした。


 ●それは全く異質なデモ。日本人が動き始めた?(2008/05/07)



 と、この出来事に対する驚きと頼もしさに接した私は、敢えて当ブログらしくない、いつもと異なる筆致での「つかみ」を上のエントリーにて試みてみました。

 チベットで行われている中共政権による想像を絶した人権弾圧、という自分たちとは一見無関係なテーマに、4000人を越える日本人が結集したという事実は、正に歴史的なものといっても過言ではありません。

 むろん、フリーチベットの旗のもとに集まった人々の思いは,様々だったことでしょう。

 純粋なフリチベサポーターだけでなく、東トルキスタンや南モンゴルの独立支持者も結集し、さらには1年前に私が書いたように、毒餃子問題や東シナ海ガス田問題、長野での異様な聖火リレー、そしてより生活に密着した脅威である中国人犯罪、などに対する中国当局の傲岸不遜な居直りと日本政府の弱腰。そういったものに対し怒りと歯がゆさを感じる日本人のパワーもまたエネルギーとなっていたと私は考えています。

 だからこそ、あれほどの人数が集まったのです。そうした時勢を背景にしているとはいえ、デモそのものはネット上で有志が連携しつつ準備が進められ、また既存媒体での事前告知がほとんど行われないものでした。新しい運動のカタチという意味でも、象徴的な出来事だったといえるでしょう。

 また、日本人の対中感情を改善することはまずないであろうこのイベントが、保革で言えば保守、右左でいえば右に傾いているとみられても不思議でないこのデモが、これほどの規模によって実現したことも特筆すべきです。

 ――――

 ブームは去りましたが、あのデモを契機に日本全国に播かれた種は、確実に芽吹き、しっかりと根を張りつつあります。その証左のひとつとして、日本人の中国に対する「親近感」の最低記録が更新を重ねていることを挙げてもいいでしょう。

 2月25日のチベット人における元日、また3月14日のラサ騒乱一周年に際して、日本の大手新聞社はいずれもそれをスルーすることなく、むしろスクープを狙うかの如き積極さでそれを報じました。

 単に中国における重要な問題ということだけではなく、チベットに対する日本人の関心の高さが一時的なものでなかったことを示すもの、といっていいでしょう。報じる価値があるだけでなく、「売れる」ニュースだから報じたという側面もあるように思います。

 新疆ウイグル自治区、つまり東トルキスタンにおいて中国が核実験を繰り返し、尋常ならぬ被害を住民や家畜に及ぼしていることを告発するシンポジウムに合わせて、その話題を報じた新聞もありました。

 日本人の中で,何かが変わり始めている。あるいは「先祖帰り」といってもいいかも知れない、好ましい意識の変化が生じつつあることを、私はいまも信じ、また実感しています。

 ――――

 オチをつけておくと、この日は胡錦涛・国家主席が来日した日でもあったんですねー。晴れの門出に横合いから水をぶっかけられたうえ、顔面にべったりと泥を塗られるに等しい予想を上回る大規模デモが行われたことに、中国外交部はその日のうちに報道官定例記者会見を通じて不快感を露わにしました。異例の脊髄反射は、やはり面子丸潰れの悔しさとある種の危機感からくるものなのでしょう。

 矜持、惻隠の情……といった言葉が脳裏で閃いては消えていきます。定義は人それぞれであれ、日本人が自らを日本人たらしめる意識を持つという一種の覚醒が、これからも絶え間なく続きますように。

 それは取りも直さず、世界有数の経済大国として国民が繁栄を謳歌できるニッポンを私たちに遺してくれた、先人たち(御存命の方々も含めて)に対する報恩であり、また次世代にバトンを渡すという責任を伴った行為でもあります。

 少なくとも,私はそう信じています。……願いつつ,祈りつつ、自らもまた励みつつ。





コメント ( 9 ) | Trackback ( 0 )



« 民運分子も所... 雑談:愛国主... »
 
コメント
 
 
 
Unknown (piyo)
2009-05-06 21:56:52
良いエントリーでした。

敷島の大和心を人問はば 朝日に匂ふ山さくら花
 
 
 
Unknown (100円カレー)
2009-05-06 22:07:32
1年前のこの日、日比谷公園の松本楼で、胡錦涛中共国家主席と福田前首相が会食していましたね。公園の脇で抗議の声をあげたグループもあります。200人、300人程度でしたけれど。
最後には警察が、「お願いしますから、小さな声でやって下さい」と言っておりました。
 
 
 
満州開拓団の碑文 (五香粉)
2009-05-06 22:28:31
今日、近所の博物館に娘を連れて散歩に行ってきました。

当地方都市は、満州開拓団を出しており、引き上げ時には多くの方が亡くなりました。170数名が開拓地を出発し、無事帰国を果たされた方々は、10数名だったとの由。移動途中で多くの方々が命を落とされているのですが、もっとも多くの方が亡くなられたのは、ハルピンでの数ヶ月に及ぶ停滞期間でした。(60数名だったかと)資料には、『ロシア兵、現地住民による暴行により、多くの人命が失われ・・』と記述されていました。行間を読むと、傷ましく、この場に居ることが申し訳なく思われました。帰国船を待ちながら、無念の死を迎えた方々を忘れちゃいけないでしょうね。
歴史が忘れても、人は忘れちゃいけない。

満州を向けて立てられた慰霊碑に手を合わせて帰りました。娘は僕の様子を見て『これなあに?』と石碑を指差して無邪気に笑っていました。次の世代に辛い未来が生じないよう、責任を持って生きようと思いました。

FREE CHINA!
無念を忘れるな、日本人。
 
 
 
Unknown (あっ)
2009-05-07 06:48:56
事実の確認と、その論評のつもりで淡々と読んで
いましたが、最終行にきてもうダメでした。おやっ、
なんだか熱いモノがあふれてきて、スクリーンが
よく見えなくなりました...
どうぞ、無理をなさらず体調管理に気をつけ、お
元気でいらして下さい、御家人殿。貴殿はもはや
「公」の方でありまするゆえ。
 
 
 
Unknown (椿)
2009-05-07 09:26:26
>あっ様
も言われておりますが、私の中でも、御家人様は「公」のかたになっています。
どうか、お体を大事に・・・・・・・

単なる中国が嫌いというブログはあるのですが、正確に中国を分析しようとするかたのブログはここが日本での最高峰ではないかと思っております。

再び、「定遠」「鎮遠」を建造しようとする中国にたいしてどうやって日本が生き残るか、考えるための補助線を指し示してもらえればありがたいです。
 
 
 
Unknown (ざる)
2009-05-07 12:25:21
お体を案じているひとりです。いつもありがとうございます。
フリーチベット代々木デモは半世紀以上生きていて参加した唯一のデモでした。
長野の聖火リレーは行かなかったけれど、本当に腹立たしかった。
ところで、日本人のチベットに対する想いが濃いのは反中国とか理屈ではなく
DNAが近いからだと思っています。
海で隔離された日本と山で隔離されたチベットは共通点がたくさんあると思っています。
(ちょっとトンデモですいません。)
 
 
 
まあ、5月だし (dongze)
2009-05-08 15:08:17
御家人さん、
言うことと反対に更新マメになってません(もしかしてストレス?)、近況伺うとまあおちおち安静にいられない状況のようですが、あまり飛ばしすぎて夏にオーバーヒートしないようご自愛のほどを。
さて、昨年いやなヒトゴミがいた長野は御開帳の所為でフツーの観光客で一杯でありました。願わくば、今後4月末にチベット関連の行事を恒例化して、7年に一度以外に毎年人が集まるようになればと思わずにいられませんでした。
 
 
 
新型インフルエンザのルーツはやはり! (五香粉)
2009-05-08 22:26:06
2chを漁っていたら、こんなのを見つけました。
なんだ、やはり中国が臭いという落ち。
******************************************
メキシコでの新型インフルエンザ発生源と疑われている養豚場を経営する米スミスフィールド社の取締役に中国最大手の国有食料関連企業、中糧集団有限公司(COFCO)の寧高寧(Gaoning Ning)会長がいる。
2008年に中国の中糧集団が、アメリカのスミスフィールドの株式、4.95%を取得メキシコのスミスフィールドの養豚場と資本提携関係
中国が(感染した)種豚をメキシコ に 送っていたとしてもなんら不思議ではない。
 
 
 
Unknown (通りすがり)
2009-05-12 23:48:23
一年、あっというまですね。
猛毒食品のおかげで、嫌中はあっというまに
広がり、定着しましたね。
2ちゃんねるの「日本びいきの外人に和む」という
スレでは、ほのぼの路線の書き込みが異常に
増えているので、中共(ネット朝日 笑)は
おだてるすり寄りに作戦を変えたのかと勘ぐり
ます。でも、一方で「南京」という映画やってるんですね。

映画といえば、10年くらいまえに「天安門」という
ドキュメンタリー映画がありましたが、
それのチラシが出てきました。
オフ会があれば、ご希望の方にカラーコピーをさしあげたいです。
ネットのどこかからプリントできるご時世かも
しれませんが、魔除けになるかな。
 
コメントを投稿する
 
現在、コメントを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。