日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 はや12月なんですねえ。……としみじみしているヒマもない不肖御家人です。

 働かざる者食うべからず、いわゆる「年末進行」という繁忙期に入ったため生活も戦闘モード。日課としていた川べり散歩も中断して夜型生活に入っております。正確にいうと18時くらいまで仕事をして、寝て、21時半~22時くらいに起き出してまた配置につくといった状況。

 バイク便とかFedExとかPDF添付したメールとかウザいです。ゲラチェックとかアプルーバルとかマルC抜けてるとかタイトルの文字の隅っこがキャラにかぶっているとか、そういうことの連続で嫌になります。一方で副業(コラム連載)の締め切りとかもありますし。

 これが「年末」で終わるのならまだしも、私は香港企業の駐在員ですから旧正月を迎えるまでが「年末進行」。そこで心気を休めんがために何とか時間をひねり出し、この場を借りて素人の中国観察(チナヲチ)をやっている次第です。忙しくなるとこの娯楽の有難味が身に沁みます。

 ときどき愚痴っていることですが、チナヲチ自体は楽しいものの、そのために欠かせない記事収集、これは面倒な作業なので苦痛です。作業がちまちまとしている上に集める記事の中には当然のように電波系反日記事も含まれます(この電波の度合いも中国による対日姿勢のバロメーターの一種ですから)。

 要するに電波浴もしなければならないという訳です。自分も毒されて脳味噌がとろけていくようで極めて不快です。この電波系反日記事というのも時期によって疎密がありまして、7月7日とか8月15日とか9月18日の前後は数が多くなります。

「日本による中国侵略の新証拠発見」
「従軍イワノフがカナダ議会で涙の証言」

 といった類いのものです。ちなみに「従軍イワノフ」は「慰安婦」そのものとは全く別次元の問題なので当ブログのオリジナルながら「専門用語」を使っています。これについて、日本政府が謝罪する必要が全くないことはいうまでもありません。

 南京虫問題だか南京事件については、中国側の研究者が自由な研究・調査活動を行えない現在の環境が改められない限り共同作業は成立しません。

 学術研究が進まない状況下で「死者30万人」などとあれこれ騒いでイメージ定着を図ろうとしているのは、これは歴史問題ではなく政治活動ですから毅然としてはねつけ、その非を鳴らすべきです。

 ――――

 ここで例によって香港人である配偶者の従妹・アオイちゃん(20歳・学生)の登場となります。天安門事件(1989年)が香港の教科書に出ているかどうか調べてもらっているところなのですが、

「ところで日本の教科書に南京大虐殺のことは出ているの?」

 と問い返されました。アオイちゃんは政治意識が希薄でこれも無邪気な質問なのですが、私は上のことをまず説明して、

「南京事件とでもいうべきだね。もちろん教科書には出ている。香港人が『右翼の教科書』と呼んでいる歴史教科書にもちゃんと出ているよ」

 と回答しました。で、無邪気な質問は茶にしてしまうのがいいと思ったので、

「ところで今月の13日(12月13日)って何の日か知ってる?」

 と切り返しました。

「今月の13日?12月だよね?……えーと、わからない。何の日?」

 とアオイちゃんは期待を裏切らないのがいいです。

「いわゆる南京事件の日だよ。今年は70周年なんだぞー。中国人ならちゃんと覚えておかなきゃダメじゃないか」

「あーそうなんだー。知らなかったよそんなことー(笑)」

 予定調和なオチになりました。

 ――――

 12月13日は、正確には南京陥落日ですね。ただ中国側はこの日を以て南京事件の記念日にしています。「七・七」「八・一五」「九・一八」同様、電波系反日記事が集中する時期です。

 日本の首相がフクダのフックだで「相手が嫌がることをする必要はない」と首相在任中は靖国神社に参拝しないことを明言し、その周囲を固める重臣が媚中派揃いではあっても、中共政権は少しだけ手加減することはあっても「記念日」前後の集中豪雨的な電波系反日記事の垂れ流しをやめることはしません。
いわゆる「歴史問題」なるものは、中国共産党が中国人民を統治する上で欠かせないアイテムだからです。

 という訳で、11月下旬から「一二・一三」に狙いを定めた季節ネタ、つまり電波系反日記事が増えています。中国海軍の冠婚葬祭型駆逐艦が日本を初めて親善訪問したという日中友好風味の報道が大々的になされているときでもこれは変わりませんでした。どうして?いやだから、対日カードとして通用するかどうかは別として、
いわゆる「歴史問題」なるものは、中国共産党が中国人民を統治する上で欠かせないアイテムだからです。

 最近はその傾向がいよいよ強まっているのですが、いかにも電波なネタがあったので晒しageておきます。

 ●日本の超通常型潜水艦が進水、中国人の感情を刺激する艦名(環球網 2007/12/06/07:54)
 http://mil.huanqiu.com/top/2007-12/31598.html

 これだけだと意味不明なので日本側の報道を。



 ●新鋭潜水艦「そうりゅう」進水(MSN産経ニュース 2007/12/05/11:57)
 http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/071205/plc0712051521010-n1.htm

 海上自衛隊の新型潜水艦「そうりゅう」(排水量2900トン)の進水式が5日、神戸市兵庫区の三菱重工業神戸造船所で行われた。従来の「おやしお型」(同2750トン)を上回る新型艦の1番艦で、平成21年3月に自衛隊に引き渡され、配備される予定。

 艦名は第二次世界大戦時の空母「蒼龍」に由来。全長84メートル、幅9.1メートルで魚雷発射管6門を装備。日本の潜水艦では初めて「スターリング機関」を搭載し、従来型より隠密行動がとれるという。

 式典では関係者ら約200人が見守るなか、吉川榮治・海上幕僚長が支鋼を切断すると、船台から黒い艦体が海面に向かってゆっくりと降りていった。




 どうやら「蒼龍」という鑑名が気に入らないようです。報道したのは電波系基地外反日で有名な国際紙『環球時報』電子版。なるほど「環球」なら飛びつきそうなネタです。サブタイトルとして、

「日本の新型AIP潜水艦、1番艦はかつて中国を侵略した空母『蒼龍』の名を継承」

 となっています。何ですかこの説明調は(笑)。

 記事は上の日本側報道を引き写したような内容で、それに
「資料」なるものがついていて空母「蒼龍」の艦歴を紹介しています。その中に、

「竣工の翌年、『蒼龍』は中国海域を遊弋し、その艦載機は長江流域や華南方面において基地航空隊による中国侵略活動を支援した」

 という一節があります。ただこれだけです。わざわざ「資料」までつけなきゃならないのか(笑)。

 やい「環球」の糞漢人、「中国人民の感情を刺激する艦名」とタイトルに掲げておきながら、
実は「蒼龍」なんて誰も知らねーんじゃないのかオイ。連中にしてみれば新ネタ開拓活動、といったところなのでしょうか。

 そういうことならこちらも友好親善ということで、海自は「毛沢東」や「江沢民」の名前を冠した新造艦を就役させるのがよろしいのではないかと。艦種?もちろん「標的艦」に決まっているじゃないですか(笑)。あと隅田川を上り下りしているタグボートに「定遠」「鎮遠」と命名するのもアリかなと思う次第。

 進水式はもちろん「七・七」「九・一八」「一二・一三」のいずれかで是非。ていうかそのどれかを選んで、海自の艦艇が答礼に中国を友好親善訪問するともっとオイシイかと。日章旗と軍艦旗を掲げて、軍艦マーチを奏でつつ。盛り上がるだろうなーきっと(笑)。

 個人的には来年の7月7日希望です。北京五輪直前に可燃度の高いネタを提供してあげるのは隣国として欠かせない親切ですから。



コメント ( 8 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
じゃあ、やっぱ加賀、鳳翔も (diongze)
2007-12-08 07:09:32
御家人さん、
その記事私も読みましたよ(笑)。日本の旧海軍の艦名なんてそりゃ~アオイちゃんでなくても知らないですよパンピー中国人は、どっちにしても嘗て中国を辱めた憎い奴のイメージ大作戦でしょうね。じゃあこちらも堂々と就けましょう、もう金剛、比叡、霧島、榛名はあるし、上海事変に因むなら蒼龍じゃなくてもOK!
 
 
 
Unknown (おいおい…)
2007-12-08 12:21:17
えーと、ちょっと聞きたいことがあって…
AskJohnふぁんくらぶ: 先日のジョンの言説への反論について(その3)
http://ask-john.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/3_7f7e.html#comments

あるファンサブ問題を扱っているところが、ファンサブやめろという日本側の要望に対して、日本だって無法天国なんだからおまえらに言う資格はない、日本も外国も同じものをタダで見て何が悪い、という返事をいかに返そうかでもめにもめている一件がありまして。
でその中で聞き捨てならぬ書き込みがあったので、本職のからみでこれが本当なのかわからないでしょうか

 
 
 
Unknown (おいおい…)
2007-12-08 12:28:54
引用
>これはゲームあたりがそうだよな。
>日本人は日本のアーケード、コンシューマの旧
>作をネットやコンシューマの有料サービスで遊
>んでいるが海外ではエミュレーターで遊び放
>題、いかもそれがほぼ常識として社会で扱われ
>ている。

これ、言い方がかなり乱暴だな。
日本では、少なくともエミュレーターで他人のとこのゲームを供給するのは道義的に厳しく追及されるが、香港あたりではフリーのエミュレータ(もっと具体的に言うとMAMEに独自ランチャー付けたやつ)で堂々と課金サービスやってるってとこだな。

しかも、アーケード筐体型MAMEをMAME開発チームに無許可で作ってるとこがMAMEの商標権を取得したせいで、MAMEの開発チームがMAMEのロゴを使えなくなりかけたことがあった。
これは今までそのフリーソフトを散々盗用してカネ儲けてたとこが、商標権勝手に取って開発チームにカネ払えって言ってったんだよ。

投稿 | 2007年12月 8日 (土) 11時41分

アニメ関係のエントリに書き込もうかと思ったけど、調べてみるとずいぶん前なので本文を読んでの上であえてここに書き込んでいるんですが。

聞きたいのは。香港は以前に比べて遵法精神あふれる環境が整ったと以前どこかで高官は講釈してたと思いますが、
このような状況は以前からの香港の姿として変わりないことなのか、もしくは一時的によくなったにも関わらず、
最近になって悪化したのか、それとも北京支配で下部構造がもっとグズグズになったのか。

なんともいえませんが、以前のクレヨン著作権問題を彷彿とさせることが香港でも起きていたのが衝撃的でして…

今の香港のこうした、ものつくりに対してのリスペクトと、法整備はどう変化しているのかわかりませんか。

あと、そこのリンク先の内容を見ると、アメリカも他の国も、中国並みに日本のアニメを搾取していることに、まったく罪の意識を覚えてない、それが世界の平均であることに絶望しています。
中国が相当この手のことに関わっているみたいですが、証拠がない…


 
 
 
Unknown (himorogi)
2007-12-08 13:15:18
二番艦は黒龍。旋回はいつも面舵。
 
 
 
Re:じゃあ、やっぱ加賀、鳳翔も (御家人)
2007-12-08 16:29:41
>>dongzeさん
 「蒼龍」とか空母系は漢語からとっていますよね。カッコよさげな名称はどんどん海自に先取りされたりして(笑)。

 それにしても三千年の歴史を誇る中華の海軍の冠婚葬祭型駆逐艦が「深セン」というのは雅趣がないというか何というか……。
 
 
 
Re:Unknown (御家人)
2007-12-08 16:34:43
>>おいおい…さん
 私の知らない単語が飛び交っていますね……。とりあえず私にわかるところだけ。

 香港の状況は、海賊版vs正規品というレベルでは海賊版が衰退傾向にあります。当局の摘発と日本の現地法人の努力もありますけど、基本的にはエミュレータと違法ダウンロードが一般化したというのが実情でしょう。ここ数年でそれが顕著になりました。香港の場合、版権条例などが施行されて法整備が強化された面もありますが、所詮はイタチごっこです。

 海賊版業者はネット普及率の低い中国本土にシフトしつつあるのだろうと思います。

 エミュレータなどは現地のゲーム雑誌がガイドブック的な特集を組んだりしています。見ようによっては私が香港にいたころ(海賊版天国)より悪質になっているといえるかも知れません。香港返還といった政治的な背景とは全く無関係です。香港人は所詮はその程度、てなところでしょうか。だいたいファミコンやスーファミ、プレステの海賊版で遊んだ世代が子供を持つようになっていますから、モラル面での改善はかなり困難かと。

 モラルといえば、現地の特約店に卸している正規の問屋が香港向けソフトのうちかなりの部分を欧州に横流ししていたりします。秋葉原でも売っていますね。このあたり、日本のパブリッシャーと癒着している訳で相当根深いものがあります。現地法人でも非正規品を本社に内緒で売りさばいていたケースが過去にあります。……なんてこと書いていて大丈夫なのか自分(笑)。
 
 
 
Re:Unknown (御家人)
2007-12-08 16:36:17
>>himorogiさん
 だとすれば3番艦は「朝日」でしょうね。こちらは取舵しかできない欠陥商品。しかも味方に向けて雷撃したがるし(笑)。
 
 
 
Unknown (ぼん)
2007-12-09 00:17:43
大笑いしました。御家人さんと同じ想像していましたので。儀礼上日本の艦艇を受け入れざるを得ないでしょうから、そのときの反応が今から楽しみです。それにしても自称平和団体の欺瞞ぶりには判っていた事とはいえあきれます。
 
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