日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 世代交代や大型人事が行われる党大会の来年開催を控えて、その最後の前哨戦となるであろう「六中全会」(党第16期中央委員会第6次全体会議)がきょう(10月8日)開幕しました。

 今回は胡錦涛サイドにとって最大の抵抗勢力といえる上海閥の次世代の有力者、陳良宇・上海市党委員会書記(上海市のトップ)が胡錦涛側に汚職を暴き立てられて開幕前に失脚!というサプライズがありました。

 胡錦涛ペースで事態が動いている現在、上海におけるポストの全てを解任された陳良宇が「六中全会」で断罪されることになるのはお約束。問題は兼任していた党中央委員と党中央政治局委員の肩書きもここで召し上げられるのか、どうかです。

 常識的に考えれば党中央政治局委員をクビになるのは確実。そして、党中央委員ひいては党籍まで剥ぎ取られるかどうかに「擁胡同盟」(胡錦涛擁護同盟同盟)と上海閥をはじめとする「反胡連合」(反胡錦涛諸派連合)による丁々発止の駆け引きをみることができるでしょう。

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 さらに、陳良宇が党中央政治局委員から退けば、このポストの員数合わせや陣容の見直しが行われるかも知れません。

 来年の党大会ないしはその次の重要会議「二中全会」(「一中全会」は党大会直後に開催)あたりで党中央政治局常務委員(党の最高意思決定機関)に次世代のホープを滑り込ませたい。……と胡錦涛が考えているなら、今回の「六中全会」で党中央政治局入りする「団派」(胡錦涛の出身母体である共青団人脈)が出てくるでしょう。

 その有力候補は李克強・遼寧省党委員会書記、李源潮・江蘇省等委員会書記あたりでしょうか。……ただ、もしそこまで人事を動かすならば、他の政治勢力にも配慮したバランス人事も併せて行われるでしょう。党の長老連を背景にした二代目政治家の習近平・浙江省党委員会書記あたりが有力かと思われます。

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 何はともあれ、党の重要会議といえばやはり第一に気になるのが人事。……という訳で、去年の「五中全会」ではそれが全く行われずに肩すかしを喰ったのですが、陳良宇ネタがある以上、今回の「六中全会」では何らかの動きがあるでしょう。

 で、僭越ながらそれを観戦するためのオペラグラスというか観戦ガイドというか、まあ参考書になりそうなものを露店から引っ張り出してみました。


■中国情報誌『争鳴』2006年7月号


【価格】100円


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●党大会後の指導部の顔ぶれについてあれこれ予測していますので、派閥ごとの顔ぶれや力関係を把握できます。その中に含まれている陳良宇はこの雑誌が出た時点ですでに失脚シナリオに向けた包囲網が整いつつあったのですが。……兆候が全くなかった訳ではないものの、陳良宇失脚はそれほどのサプライズ人事だったということです。



■中国情報誌『動向』2006年7月号


【価格】100~450円


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●上の『争鳴』より半月遅れで発売されたものです。曽慶紅ピンチ、というのは上海王国解体に向けた動きが水面下で進みつつある気配を記者が感じたのか、消息筋情報なのか。結局曽慶紅は自らの保身のため陳良宇を切り捨てて胡錦涛側に寝返った疑いが濃厚。その決断を行なう手前の「揺れる心」状態の時期がこのころだったのでしょうか。


■中国情報誌『動向』2006年8月号


【価格】450円


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●軍部の腐敗が特集されています。一見何の関係もないようですが、胡錦涛は軍部でも軍主流派の支援を受けつつ、汚職撲滅を呼号して政敵系将官のクビ切りや閑職送りを断行。要するに陳良宇失脚と同じやり方で気に喰わない軍幹部を葬った訳です。これによって人民解放軍に対する胡錦涛の掌握度も高まったとする見方があります。


■中国情報誌『争鳴』2006年9月号


【価格】530円


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●そして来ました「上海閥危うし」。最近の『争鳴』はなかなかいい仕事をしています。ここで人脈などにつき整理しておくと「六中全会」見物がより楽しくなります。ただし「当たるも八卦」の香港誌であることをお忘れなく。


■中国情報誌『争鳴』2006年10月号


【価格】730円


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■中国情報誌『開放』2006年10月号


【価格】730円


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●そしてこれが最新号。陳良宇失脚特集なのはお約束。『争鳴』のやや悪ノリ気味の表紙がナイスです。これではまるで1面トップにでかでかと事故や事件の「血肉横飛」な爆裂死体写真を掲載して、飲茶中の香港人の食欲増進に一役買っている『蘋果日報』(笑)。それから『開放』、最近はちょっとズレたネタが多かったのですが、この大事件にはさすがにしっかり食い付いてきました。さらに江沢民が膀胱癌で入院!? どちらもワクテカの内幕暴露特集。


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【※注】香港の中国情報誌はどれもこれも面白い話満載なのですが、あくまでも消息筋情報中心の香港誌であることをお忘れなく。話半分くらいのつもりで読むのが肝要。惑溺するとしっかりとその報いが自分に返ってきます。……ってこれじゃセールストークになりませんね(笑)。

 その他露店で扱っている品目についてはこちらへどうぞ。




コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
いきなりボディブロー? (きんぎんすなご)
2006-10-09 16:19:06
北朝鮮がやっちゃった模様ですが…安保理での日本案を認めた時点で折込済み?



中国外務省 北朝鮮核実験に反対のコメント

http://www.news24.jp/68660.html



 
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