日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 いよいよ明日、10月15日から北京で中国共産党第17回党大会(党第17次全国代表大会)が開幕します。個人的には15年ぶりにヲチする党大会ということで心浮き立つお祭り気分。党大会も祭状態のびっくり箱のようであってほしいと思います。わくわく。

 それから、私は蒲柳の質である点においては人後に落ちませんので、一応五体満足な形で、またヲチできるだけの体力を有した健康状態で10月15日を迎えることができたことに感慨を覚えます。……何を大袈裟な、と思われるかも知れませんが、私にとっては当ブログを始めてからそれがひとつの目標であり、念願でしたので。

 さて、その党大会開幕を翌日に控えた今日(10月14日)は前夜祭、という訳ではありませんが、党大会開幕に先立って予備会議が開催され、ひな壇を飾る主席団と、大会の仕切り役である大会秘書長、副秘書長などが選出されました。

 ところが、ここでいきなりサプライズであります。



 ●15日、中国共産党大会開幕 新指導部人事が最大の焦点(共同通信 2007/10/14 21:17)
 http://www.47news.jp/CN/200710/CN2007101401000329.html

 【北京14日共同】新指導部人事が最大の焦点となる中国共産党の第17回大会が15日午前、北京の人民大会堂で開幕する。党大会の李東生報道官は14日記者会見し、会期は21日までと発表した。翌22日に第17期中央委員会第1回総会(1中総会)が開催される見通しで、今後5年間の中国のかじを取る胡錦濤指導部2期目の政治局常務委員らが決まる。

 14日に予備会議が開かれ、大会秘書長に曽慶紅国家副主席、副秘書長に劉雲山中央宣伝部長、周永康公安相、賀国強中央組織部長、王剛氏の4人を選出した。

 党大会に出席する代表は、ことし4-6月に全国で行った代表選出作業で選ばれた2210人余り。党員は約7300万人おり、約3万3000人に1人という狭き門だ。
(後略)



 驚いたのは余りに狭き門であること、ではもちろんなくて、大会秘書長・副秘書長のメンバーです。

 ●速報:大会秘書長に曽慶紅、副秘書長には劉雲山、周永康、賀国強、王剛が就任(新華網 2007/10/14/17:08)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2007-10/14/content_6880185.htm

 ◆曽慶紅(党中央政治局常務委員、68歳)
 ◆劉雲山(党中央政治局委員・党中央書記処書記、党中央宣伝部長、59歳)
 ◆周永康(党中央政治局委員・党中央書記処書記、64歳)
 ◆賀国強(党中央政治局委員・党中央書記処書記、党中央組織部長、64歳)
 ◆王剛(党中央政治局候補委員・党中央書記処書記、65歳)
【※】いずれも党内での役職。年齢は生年を基に単純計算(=2007-生年)。

 ……という顔ぶれはからは、胡錦涛・総書記の直系派閥である「団派」(胡錦涛の出身母体である共産主義青年団人脈)のニオイが全くしません。

 というより、いずれも胡錦涛の政権運営をこれまで様々な形で掣肘してきたか、あるいは江沢民か曽慶紅のいずれかに可愛がられてきた面々ではないですか。

「……何これ?」

 というのが私の率直な感想。……というのもこの秘書長・副秘書長を誰が務めるかというのは新人事の先触れという色彩を帯びているからです。

 ――――

 過去の慣例にならえば、秘書長を務めるのは党中央政治局常務委員か、さもなくば党中央において日常の党務を仕切る責任者。この点で党中央政治局常務委員である曽慶紅が秘書長役を務めるのは不思議ではありません。ただ、大会の仕切り役として張り切るということを考えると、

「それじゃ曽慶紅の引退はないのか?」(引退=党中央政治局常務委員職から退く)

 という話になります。また、秘書長が党中央政治局常務委員である場合は、往々にして副秘書長の序列の最後に党中央弁公長主任の名前が並びます。これは過去3回の党大会での共通点です。……さて今回はというと、副秘書長の最後尾は王剛。

 ええ、確かに王剛は党中央弁公庁主任……でしたけど、それは先月までの話。9月19日付でお役御免となり、そのあとを襲ったのが同じ党中央弁公庁の令計画・常務副主任です。この令計画こそ胡錦涛の秘書的存在でバリバリの「団派」。

 それゆえに曽慶紅に引き立てられ出世してきた観のある王剛の経歴とも照らし合わせ、この異動は「胡錦涛主導人事」と評されました。王剛がそろそろ退き時の65歳なのに対し、令計画は51歳。胡錦涛路線の浸透に加え、世代交代としても順当な人事といえます。

 今朝の香港の親中紙『大公報』(2007/10/14)も「副秘書長には令計画」と有力視していたのですが、あにはからんやこの結果。

 ●『香港文匯報』(2007/10/14)
 http://paper.wenweipo.com/2007/10/14/CH0710140003.htm

 ●『大公報』(2007/10/14)
 http://www.takungpao.com/news/07/10/14/MW-808519.htm

 ――――

 残りの副秘書長は党中央政治局のメンバーでなければ党中央書記処書記、というのも過去3回の党大会における共通点ですが、劉雲山、周永康、賀国強ともこの点はクリアしています。

 ただ、3人ともその経歴から、これまではみな江沢民か曽慶紅の息のかかった人物と目されてきただけに、「団派」の令計画に対する「副秘書長就任阻止」と併せて、何やら異様な空気が漂っているような印象を受けます。

 この秘書長・副秘書長人事を「意外な結果」と受け止めたのは私だけではない筈です。明日(10月15日)の香港紙に消息筋情報などが出ることを期待しましょう。

 しかし開幕前からいきなりサプライズ(私にとっては)。波乱含みの党大会になるのでしょうか?祭状態になるのでしょうか?目が離せない展開となりました。ワクテカです。




コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
Unknown (Unknown)
2007-10-15 14:36:55
http://jp.epochtimes.com/jp/2007/10/html/d54927.html

これって、やっぱりガセ?
 
 
 
Unknown (通りすがり)
2007-10-15 21:11:35
↑大紀元ですからね。それどころか、まだまだ影響力は健在のようです。世代交代ならずですかね。

江沢民氏が2番目に登場、中国共産党大会
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20071015AT2M1500S15102007.html
 
 
 
Unknown (御家人)
2007-10-16 06:08:36
>>Unknownさん
 香港の新聞が食いついていませんから情報として評価されなかったようですね。確たる証拠も示されていないので現時点ではガセと言わざるを得ません。


>>通りすがりさん
 江沢民はこれが最後の花道ではないかと思います。世代交代=若手人事については、
 「『団派』の天下!」
 みたいな一方的な状況にはならないように思います。これについては10月10日のエントリーで書いた通りです。ただ今回の秘書長・副秘書長人事からすると、胡錦涛サイドの優位は動かないものの、想像していたほど相手を追い詰めることができていないようにみえます。
 
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