ぶったまげました。パワープレイですよこれは。
といっても「予想の斜め上」ではなく、「ハァ?」と言いつつも深刻なニュアンスです。……いや、「氷点」事件の急展開についてではありません。それも気になるところですが、後でゆっくり料理することにします。
日本人としてはこちらを速報しておきたいです。新たな対日カードとして中共政権が講じた一策かも知れない、という点で重視すべき問題かと思います。
●戦時中の強制労働で被害者が日本企業に対し初の中国国内訴訟へ(新華網 2006/02/16/21:38)
http://news.xinhuanet.com/politics/2006-02/16/content_4189790.htm
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標題の通りです。「中国民間対日索賠聯合会」という「民間組織」が中国にありまして、読んで字の如く、戦時中の強制労働などに関する対日民間賠償活動を手がけている団体です。
会長を務めているのは「中国民間保釣聯合会」の会長でもある童増。「糞青」(自称愛国者の反日教徒)に崇められている「珍獣」(プロ化した糞青)の代表格で、反日活動では空気が読めずに中国政府に睨まれたりもしていますが、なかなかの苦労人です。
先に過去の関連エントリーを御一読頂ければ助かります。
●ちょっと気になる――わらわらと湧いて出た「歴史問題」(2005/01/10)
●強訴出現。――脅迫ですよこれは。(2005/11/05)
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日中国交樹立時に中国政府は戦争に関する対日賠償権を放棄したということで、対日民間賠償訴訟はこれまで日本に乗り込んで行われてきましたが、結果は連戦連敗。
それじゃ中国国内で日本企業(たぶん対中進出企業)を起訴すればいいじゃん、というところですが、上述したように政府が対日賠償権を放棄しているという建前があるために控えられてきました。……というより多分、
「やるんじゃねーぞ」
「やったら組織を潰すぞ」
といった圧力が中共当局からかかっていたものと思われます。
すると昨年秋(2005年)に「強訴」という手段が登場しました。進出している日本企業に対し「勧告書」なるものを手渡したのです。
●謝罪しろ。
●賠償金を払え。
●同じ過ちはもう繰り返しませんと誓え。
という3点について1カ月以内に回答せよ、というもので、応じてしまう弱腰の日本企業が出てくるのではないかと先行きを案じていたのですが、幸いそういうことはなかったようです。
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ところが、今度は中国国内で日本企業を訴えるというストレート勝負。「新華網」(国営通信社の電子版)が報じているので表立った動きなのでしょうが、だとすれば中国側の「建前」が変わったということになります。
「政府としての賠償権は放棄したが、民間組織や個人に関する賠償権はこの範囲内ではない」
という理屈をこねることになります。中共政権が常々強調している日中関係の原点ともいうべき「日中間で取り交わされた3つの政治文書」をねじまげた解釈で強行突破しようというものです。
中共政権がそのつもりなら日本側も対応を考えないといけません。ただ童増の致命的欠陥ともいえる「空気の読めなさ」で、勝手に先走ってしまった可能性もあります(笑)。だとすればこれから当局に圧力をかけられるのでしょうが、
「現実的にいって、民間による対日賠償訴訟を日本で起こしても勝算はないに等しい。然るに同じことを中国国内でやるというのは、司法理論においても司法の管轄の方面からみても、成立するものだ」
と、童増は自信満々の様子です。中国側がここで「建前」をねじ曲げるのは中国にとって良策とはいえないように思うのですが、一向に折れてこない日本側の強硬姿勢に業を煮やした軍部(童増とは「保釣」つながり)、あるいはアンチ胡錦涛諸派聯合が童増を後押ししているのであれば、胡錦涛政権が押し切られる可能性もあるかも知れません。
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前記「中国民間対日索賠聯合会」は三井三池鉱業所所属の炭鉱で強制労働をさせられたと主張する河北省の農民・田春生氏(76)の委託を受けて裁判を起こすということで、これが最初のケースとなります。訴訟が実現するのであれば、
「すでに国交樹立時に解決済みの問題」
と日本政府は抗議すべきです。それでも中共がねじ曲げた解釈をするのであれば、こちらも台湾を中国領土の一部と正式に承認していないことを改めて強調して、関係法規の整備にかかりますか。
あとは現在の「中華民国」が「台湾国」のように「中国」であることをやめてくれれば「一つの中国」を堅持したまま、台湾と攻守同盟なり何なりを結べるでしょう。
それから日本も民間レベルで、ということで没収された資産に関する訴訟返しに出るという手もありではないかと。
……極端な話になりましたが、中共が「建前」を放棄してねじ曲げた解釈に転ずるというのは、そのくらい極端な訳で、「これも政冷の影響」なんて言葉で済ませられるものではありません。
自称強制労働被害者が、対日賠償権を放棄した中国政府を相手取って裁判を起こす、というのなら筋が通っていますけどねえ(笑)。
ともあれ今後の行方に要注目です。……て最近紋切型が多くてすみません。
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王毅中国大使のオッチャンが長期休暇を取って考え出した、一案ですかね。
それにしても次から次ぎえと、よくも悪知恵が出てくるものです。
我が尊敬する長谷川慶太郎氏が05年後半から06年前半に中国崩壊と予想しておられるが、こんな連中が多い国では、統計も予測も外れるが、もう少し気長に様子を見ましょう。
と言うのは不謹慎ですね。
やはり没収財産の返還訴訟で対抗か・・・
まあ、中国様にとっては、日本からの投資が減っても痛くも痒くもないという見通しがついたのかもしれませんが....。
でしょうか?(3トップの勝ち?)
逆に言うと日本の 民 が舐められた訳ですね。
(それとも自国に民主が無いから民の力が解ってない?)
とりあえずは日本マスゴミの援護射撃に気を付けつつ、
脱中国かつアジアからの再自立に頑張るのが正論でしょうね。
どうせ中国市場なんて、この先欧米が引っ掻き回すんでしょうから。
それより中共が崩壊した時の対策を早めに考えとかないと。
一番やってはいけないことは、中国に進出した
企業の保護の名目で大陸での国益保護を
政治家、メディア、国民が訴えること。
日本の企業狙い撃ちの賠償だろうが、
これは想定の範囲内。
童増が斜め上に射精してウットリしているのは事実だと思いますが、本当にそれだけなのか、のんびりと観察する必要有りですね。
邪推ですが、背景に、地方の諸侯や軍部の懐の寒さ具合が有るのかな。
インチキ投資による非効率的な「発展」を抑制する、中央によるマクロ経済コントロール(というか統制命令)によって困った貪欲な連中が国中に溢れています。
えーい、背に腹は変えられん、沢山卵を産む鶏(外資企業)と判っていても、餓死しそうに腹が減ったから鶏から片足もぎ取るしか無いぞと。有る所からは奪う。いや、むしろ鮪が泳ぐのを止めると酸欠で死ぬ、というのが比喩として近いか。
これが本来の支那・伝統的な支那人の行動パターンであり、それが復活しつつある一場面を我々は目撃しているだけじゃないかと思います。
こういう人たちが私財を補償金として差し出せば良いと思うのですが。「すおぺい」って
党を当てに出来ない連中が 一獲千金 を夢見て津波のように日本人を訴えまくるのでは?
(正に飢えた野獣の群れを解き放つ状態?)
狙われるのが企業だけならマシですが、ガードの弱い個人を(しかも無関係な人物を)狙ってくる可能性も高いです。
どうせ制御不能の民なら得るものの無い反日デモをさせるより、金を取れる告訴解禁の方が
ガス抜きにも外貨獲得にもなる・・・と考えたのかもしれません。
しかし半島の親日の財産没収法令といい、日本から金の取れなくなった特定アジアは
いよいよ本性を剥き出し暴れだしそうですね。
中国は、遂に、セルフコントロール機能を失いつつあるのかもしれません。
御家人さんの指摘されるように、「今後の行方に要注目」です。
主として退役軍人たちにより構成される、裁判官たちの本件に対する対応が、全世界の自由や民主を大切に思う人たちの注目を集めるようになるとよいです。
日本としては、国際世論の理解を得ることこそ、肝要であると思います。その意味でも、御家人さんのブログが、日本語以外でも、世界中で読めるようになるとよいですね。
逆に,これが通ったら中狂が本気で姿勢を転換したと思っていいでしょう.このシナリオは可能性が低いので.いつもどおり水面下で強請りとって,うやむやにするでしょう.
にしても,いい加減,中国投資がハイリスクローリターンであることに気付よ!
欲望に対してストレートというか、あっけらかんというか、世間体を気にしないというか下から上まで万事この調子ですから我々日本人も苦労が絶えません。
こんなことをおおっぴらに始めればますます益々対中感情が悪化するということが分からないんですかね。
それともアカイ新聞や左巻き北×道新聞(全国的には影響力はありませんが)と共同キャンペーンでもして日本人の贖罪意識をくすぐるつもりでしょうか。
という状態も、そろそろ終わりつつあるのだが。
日本人も、バカじゃねーし。
http://www.epochtimes.jp/jp/2006/02/html/d30978.html
転封の結果、密がたっぷりと吸える国へ行った奴は文句を言いませんが、蜜がちっとも出ない国へたっぷりの国から配転させられた者の間では当然の如く怨嗟の声が高まります。
これを強行する事が出来た股均等はエライ!という事なのか、別の方面からの怨嗟の声の充満でやらざるを得なかった股均等はやっぱりヘタレ!という事なのか、どっちでせうか? > 御家人さん。
その意味で、馬鹿な支那人にエールをおくりたい。
賠償問題をやっている人は私財を投げ打ったりして「良心的な日本の友人」などと人民日報にほめられて、それはお美しいのですが、それはその人の勝手です。
ですが中国当局が本当に日本企業から金をむしり取ろうとするのならば、おやりなさい、でも72年以降の日中関係をすべてご破算にしてもよろしいか、と聞きましょう。(もちろん「悪いのは小泉だ」と反論するのを計算に入れた上で。)
今の中国ならガス抜きのつもりで見てみぬ振りをしそうですね。
質問が手元にきたので、お知恵を拝借できればと思いここに記します。恐縮ですがコメントいただけましたら幸いです。
質問
人民網の中日論壇、愛国者同盟網に9日以来、新しいスレッドが立っていませんが、お心当たりはないでしょうか?
日本企業は騒動を嫌う。訴えれば示談にするために金を出すだろう…と見られてるんじゃないでしょうか。
以前に中国でトヨタだかの広告が問題になりましたよね? 言い掛かりとしか思えない非難でしたが、日本企業は反論せずに謝罪しちゃったように記憶しております。
企業イメージを損なうことを心配したのでしょうが、ああいう弱腰な対応で、日本企業は揉め事に弱いと見られているでしょう。裁判という話になれば、日本企業は困ってすぐに折れてくるだろうと。
情けないのは、日本企業が本当に示談に応じかねない事です。嫌な感じです。
いつもコメントありがとうございます。お尋ねの件、「中日論壇」「強国論壇」そして「愛国者同盟網」の論壇はちゃんと稼動しているようです。
それよりも。童増が会長を務めている「中国民間保釣聯合会」のサイトが消えています。
URLが変わったのでしょうか。そうでないとすれば、今回の賠償訴訟の件で圧力がかかったか、はたまた尖閣諸島に船を出そうとしたのか。謎です。
取急ぎ御返事まで。
ご返事ありがとうございます。
内容了解いたしました。3月には全人代?があったと思うのですが、そのころまでにまた色々あるのかと思ったりしています。あのころは反国家分裂法で色々あったのですが、今回はどうなるのかと。
さすがにチェックしていますね。佩服佩服。メンテだったんですか。飛んでみたら画面真っ白なんでびっくりしました。
もっとも中共のことですからメンテひとつにも意味があるのかも知れませんが・・・。「愛盟」ともども、「保釣」は過去に何回も「メンテ」に遭っていますからねえ。
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