日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 これじゃあこちらが焦れてきます。どうも燃え上がらないんです。

 もちろん中共政権の話です。小泉首相がせっかく「靖国カード」を切ってやったというのに、今春の反日騒動のときのように踊ってくれません。あの反日騒動では火付け役(アンチ胡錦涛派)と火消し役(胡錦涛派)が華々しく綱引きをやってみせてくれたのに、何ですか今回のこのノリは。

 小泉参拝の翌18日には超党派の国会議員101名が大挙参拝して、改めて燃料を投下してやっているんですよ。

 ●靖国参拝:超党派の国会議員101人が集団で(「毎日新聞」2005/10/18/11:15)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20051018k0000e010038000c.html

 さすがは毎日、「101人が集団で」ってまるで武装グループか何かのようですね(笑)。

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 毎日といえば
「日本の各大手紙が小泉首相の靖国参拝を譴責」なんてタイトルの記事が国営通信社のウェブサイト「新華網」に出現しました。

 http://news.xinhuanet.com/world/2005-10/18/content_3637836.htm

 ええっ!?と思って読んでみたら
『日本経済新聞』『朝日新聞』『毎日新聞』でした(笑)。読売とか産経はスルーですか、そうですか。

 直接関係ありませんが、こういうものもありました。情報として出しておきます。

 ●靖国参拝が影響、広州市での文化交流行事が延期に(「読売新聞」2005/10/18/19:34)
 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051018it12.htm

 広州市の大学構内で18日夕に予定されていた日中文化交流行事「爆笑、日本芸能の夕べ」の開催が、主催者・広州日本商工会の判断で急きょ延期された、とのことです。

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 それにしても困りました。

 靖国参拝→てやんでぇ→政争勃発→喧嘩だ喧嘩だぁ→火事だ火事だぁ→ブラックアウト→スタッフロール

 ……という展開を期待しているこちらのことも考えてほしいものです。だいたいここは日中関係が悪化するとアクセス数がはね上がる珍奇なブログなんですから(笑)。
お願いですから荒れて下さい。

 せっかく「糞青」(自称愛国者の反日教徒)が十数名で北京の日本大使館に「なんちゃってデモ」をかけたのに、中国国内メディアには黙殺される始末。つまり「なかったこと」扱いです。

 
「中国民間保釣聯合会」「愛国者同盟網」「反日貨聯盟網」という反日サイトの総本山クラスがズラリですよ(十数名ですけど)。「珍獣」(プロ化した糞青)の代表格ともいえる童増(中国民間保釣聯合会会長)まで参加しているのに、そんな殺生な。

 ●『明報』(2005/10/18)
 http://hk.news.yahoo.com/051017/12/1hr1c.html

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 で、「中国民間保釣聯合会」といえば前回のコメント欄でそのサイトに入れないという報告を「aquarellisute」さんから頂きまして、早速アクセスしてみたら確かに入れません(※このエントリーをupした後で試したらアクセスできました)。でも「愛国者同盟網」には問題なくアクセスできたので、問題が生じて閉鎖状態にされたのなら「中国民間保釣聯合会」単独のことだろう、でも何だろうと考えたりしました。

 すると今朝の香港紙『太陽報』(2005/10/19)に原因らしきものが出ていました。さすがは珍獣に糞青、全国的なデモを計画したようです(笑)。
「各地で色々な抗議行動が起こるだろう」と珍獣・童増会長が豪語しています。まさに大胆不敵。この空気の読めなさ加減と必ず期待に応えて馬鹿をやってくれる、というところが珍獣・糞青の愛すべき点ですが、いくら何でも時機がマズかったようです。

 http://the-sun.orisun.com/channels/news/20051019/20051019022452_0001.html

 この件の背後にも複数の政治勢力による暗闘があったのでしょうか。つまり「火消し役」が「火付け役」を抑えたということです。

 今回は、逆のケースかも知れません。政策や好き嫌い、それに利害関係で反目があって様々な派閥があるとしても、いずれも現体制(中共による一党独裁)の崩壊は望んでいない
「中共人」。春の反日騒動で政権の屋台骨が揺さぶられたので懲りたのではないでしょうか(当時は毎週末に全国各地でデモが起きていましたから)。で、今回は「飼い主」の思惑を超えて暴走しようとする糞青どもに「飼い主」自身が慌ててブレーキをかけたのではないかと。

 大体いまや「反日」がなくても暴動やらデモやら農民の抗議行動やらが頻発している状況です。中共の言う「人民内部の矛盾」が沸点に達するかという段階ですから、「反日」に向けられた鉾先が唐突に別の方向へ転じかねないということは、「中共人」なら誰でも想像することでしょう。……それにしても糞青どもの不屈の魂には恐れ入ります。

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 という訳で、珍獣・糞青も励んでくれてはいるのですが、「靖国参拝」という大事件が起きたのにネタ不足で不完全燃焼です。目下のところ最大のニュースは外相会談の一件でしょう。

 ●町村外相の訪中拒否 対日報復で会談中止(「Sankei Web」2005/10/18/21:07)
 http://www.sankei.co.jp/news/051018/kok072.htm

 ●中国、「靖国」で町村外相の訪中拒否(「読売新聞」2005/10/18/20:53)
 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051018it13.htm

「中国外務省の孔泉報道局長は18日の定例記者会見で、23~24日で調整されていた町村外相の訪中について、『現在、中日関係が直面している深刻な状況下で、訪問は時宜にかなわず、受け入れには不都合がある』と語り、拒否を表明した。」(読売新聞)

 とのことですが、外交部報道局のエース孔泉を登板させた割にはショボい内容です。原文にあたればわかりますが、「拒否を表明した」は記者が付け加えた判断です。「受け入れには不都合がある」までしか孔泉は言っていません。まあそれを「拒否」と判断しても間違いではありませんけど。

 でもこれ「拒否」といっても、実はキャンセルではないんです。中国語では「推遅」で、延期する・先送りする、という意味。一部香港紙はそこをセンセーショナルに「取消」(キャンセル)に書き換えていますけど、キャンセルのような絶交じみたものではなくて、対話再開に含みを持たせた「延期」なんです。現時点では無期限延期ですけど、キャンセルではない。孔泉が偉そうに言い放った割に、かなり及び腰の内容なのです。

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 それにしても、「靖国参拝」に対するリアクションとして「外相会談延期」だけでは余りにヘタレで釣り合わないでしょう。というよりこんな半端な対応では、ネット世論に「弱腰すぎる」と政権が揺さぶられかねません。ビッグサプライズが準備されていることを切に望む次第です(笑)。それともいまの胡錦涛じゃ無理なのでしょうか。

 糞青・珍獣どもによるデモを仕掛けて政争を挑むかどうかは別として、胡錦涛政権のこの対応については党上層部内で批判が出て、それが主導権争いに発展する可能性はあります。

 たとえば胡錦涛を手放しで礼讃しているとはいえ、実質的には逆に胡錦涛を操り人形にしている観のある軍主流派、これは強硬派の劉亜洲少将とか核戦争発言が物議をかもした朱成虎少将のような「過激派」ではないとはいえ、やはり軍人ですから物足りなさを感じるのではないでしょうか。

 反発するのが軍部だけとも限りません。

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 「新華網」でちょっと気になる記事を拾いました。例の有人宇宙船「神舟六号」ですが、このプロジェクトに4名いる副責任者(副総指揮)の一人が江沢民の長男・江綿恒なのです。それが妥当なものかどうかはともかく、江綿恒は「中国科学院副院長」という肩書で参加しています。

 ●「新浪網」(2005/10/12)
 http://news.sina.com.cn/c/2005-10-12/13587150538s.shtml

 で、問題はこれではなく「新華網」の記事です。小泉首相の靖国参拝とかぶってしまった「神舟六号」の帰還を報じた記事です。これには2バージョンありまして、タイムリーに出た第一報ではなく、1日近く遅れてそっと出された第2バージョンが注目なのです。

 ●神舟六号のクルー、北京入りして熱烈な歓迎を受ける(「新華網」2005/10/18)
 http://news.xinhuanet.com/mil/2005-10/18/content_3636472.htm

 最初の4行が全てです。その部分を端折りつつ訳出します。

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 【新華網北京10月17日電】17日午前9時28分、宇宙飛行を終えたばかりで、祖国に帰還してほどもない有人宇宙船神舟六号の飛行士、費俊龍と聶海勝は内蒙古自治区の着陸場から専用機で北京へと飛んだ。

 神舟六号が無事帰還したことを
江沢民同志が祝福した。

 党中央政治局委員・中央軍事委副主席・国務委員の曹剛川らが空港で2人の宇宙飛行士を出迎えた。

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 何と江沢民が北京に来ていたのです。言うまでもなく、第一報に「江沢民」は出てきません。

 http://news.xinhuanet.com/politics/2005-10/17/content_3625902.htm

 曹剛川が党中央、国務院、中央軍事委員会を代表して出迎えた、となっています。が、実はその隣に江沢民がいた訳です。

 しかもこの第2バージョンによると江沢民が最初に出迎え、それに中央軍事委の曹剛川、陳炳徳、喬清晨、またプロジェクト関係者や飛行士の親族がその場にいたことになっています。

 そこでこちらはウーンと考え込んでしまうのです。他でもない江沢民ですから、北京に出てきただけでも政治的な勘繰りをしてしまいます。しかも胡錦涛を主席に戴く中央軍事委から3名を引き連れているのですからいよいよ怪しい。しかも曹剛川は中央軍事委副主席に加えて国防部長(国防相)も兼務しているのです。

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 とりあえず、珍獣・糞青だけでなく権力の頂点でこういう動きもあった、と記憶しておく必要があると思います。反日団体に江沢民、軍部……あと動くとすれば、上海に代表される地方勢力、「諸侯」のお歴々でしょう。

 動機はあります。先の「五中全会」(党第16期第5次全体会議)で大筋が採択された「十一五」(第11次五カ年規格)が具体的に内容を詰める作業に入るからです。この「具体的内容」をめぐって中央(胡錦涛政権)と地方が火花を散らすことが予想されます。

 中央は全体を見据えた割り振りを行う訳ですが、地方政府にとっては発展に枠をはめられ、開発を制約されるようなものですから必死で抵抗するのです。いま手元にある記事では上海市、広東省それに四川省など内陸部あたりが気になる動きをしているように思います。

 何はともあれ、荒れてほしい。ただそれだけです(笑)。





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