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DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る

2012年05月14日 01時21分10秒 | 邦画その他(ドキュメetc.)
11年/日本/121分/ドキュメンタリー/劇場公開(2012/01/27)
-監督-
高橋栄樹
-企画-
秋元康

-出演-
AKB48
<ストーリー>
国民的アイドルグループ・AKB48の2011年に密着したドキュメンタリー映画第2弾。前作をしのぐ膨大な量の取材映像からメンバーたちの孤独と重圧、喜びと悲しみ、栄光と挫折などを紡ぎ出していく。
<感想>

私はAKBファンです。
ドキュメンタリー作品は余り好き好んで観たりはしないのですが、AKB絡みとなると話は別。
第1弾が素晴らしく良かったのでこの第2弾となる本作も首を長くしてレンタル開始日を待っていました。
開店10時に一番借りをし、帰宅後直ぐに鑑賞。
AKBメンバー達の「裏」を見届けた先にあったのは、とてつもない感動でした。

本作はメンバーにとっても激動となった2011年を振り返っています。
この年、真っ先に頭に思い浮かぶのが東北の大地震・津波災害。
彼女たちも被災地支援活動の一環として小規模なコンサートと握手会を実施。

全ては被災者の方々に少しでも笑顔を届けられるようにとの想いをこめて・・・。

元気を与えに行ったのに逆に「頑張って下さい」と励まされるメンバー達。
被災者の前向きな姿に彼女たちはどれだけ驚かされ、明るさを分け与えられた事だろうか。
その中でのみいちゃんのエピソードに胸打たされる。

ステージ下から摘んだお花をそっと手渡す小さな女の子。
みいちゃんはこの時の出来事をこう振り返っていた。
「何故あの時、ステージ下に降りて受け取らなかったんだろう...」
“優しさには優しさで返すのが礼儀じゃないのだろうか。”
そう思い自責の念に駆られる峰岸みなみの頬を一滴の涙が伝った瞬間、私はみいちゃんの中にある‘後悔の上での心の温かさ’を感じ取り目頭が熱くなってしまった。

毎年開かれている選抜総選挙も実施された。
この年各メディアでも大きく取り上げられた一般人による投票により決まる順位。
前々年はあっちゃん、前年は優子がそれぞれ一位を獲得し、今回はどうなるのかと日本中が沸いた事も記憶に新しい。
結果は

あっちゃん。
この時のスピーチは今では名言となっている。
「私の事が嫌いでも、AKBの事は嫌いにならないで下さい」
対して2位となった優子のスピーチも素晴らしかった。
「皆さんの投票は‘愛’です」
涙ながらにファンに想いを伝えるあっちゃんと、しっかりと冷静に前を見据えて想いを伝える優子の姿は実に対照的に思えた。
が、舞台裏を覗くと本当の姿が映し出されている。
敗れた事への悔しさから駆けつけた麻里子様の腕に抱かれ号泣する優子。

2連覇という強い気持ちがあったのかもしれない。
しかし、その夢が潰えた事でかなりの悔しさが溢れだし、それが涙と言う形で表現されてしまったのだろう。
ファンの前では一切見せ無かった優子の涙。
この悔し涙を、是非とも2012年は嬉し涙に変えて欲しい。
大島優子を神推しとしている私は彼女の心から笑った顔をあの舞台上で観たいものである。
戦い終えた後のあっちゃんと優子とのお互いを讃えあう姿が好印象的だった。
もうこういった2人の姿も観れないのかと思うと少し寂しい気もする。

この年の総選挙で一気に名を挙げたのがゆいはんだった。
笑っちゃいけないんだけれど、この時の過呼吸気味にスピーチするゆいはんが可愛過ぎて仕方がない(笑)。

ゆいはん自身も余りにも呼ばれた順位が高かった事でビックリし過ぎちゃったんだろうな。
AKBコントでもネタにされていた位、立つのもやっとなガクガクな姿にはニヤけてしまうものがあった。

本編中で唯一収録されていた癒しのエピソード。
それが、今では鳥飛ぶ落とす勢いを持つさっしーと、さっしーの大友人きたりえとの絡みコント。

PV撮影の合間の2人の楽しみは‘エキストラごっこ’なんだそうで(笑)。
あどけない笑顔を絶やさずインタヴューに答える2人は、本当に根っからの明るさとポジティブさを持っているんだなぁと微笑ましくなった。
この性格の良さが持ち味でもある2人は何時までも仲良く居て欲しいし、応援したくなる魅力さもある。
頑張れ、元気娘たち!

本作一番の見所は西武ドームでのコンサートの模様だろう。

とは言っても表では無く、裏の姿。
ここまで見せてもいいの?と思う位の優子の言葉を借りると正に‘戦場のよう’な舞台裏だった。
1日目は「散々な出来」とプロデューサー秋元氏自らメンバー全員に告げた事もあり、

キャプテンたかみなからの「人に堂々と見せられるコンサートを!」という意気込みを胸に各メンバーが2日目からの取り組み意識を変えていこうとする。
しかし余裕を無くした事で、不安と焦り、プレッシャーから次第に精神的に追い詰められていく。
特に常にセンターとして先頭に立たなければいけないあっちゃんの緊張度は相当なものになっていたのだろう。
それによりAKBの柱であるあっちゃんが重度の過呼吸で倒れてしまう。

この時の様子は観ている私すらも“大丈夫か!?”と不安に駆られる程のものだった。
あっちゃん不在の中、№2の優子が会場を盛り上げようと懸命になるのだが、

優子もまた一人のか弱い女性。

同じ様に過呼吸の症状に見舞われていく。
そんなボロボロな状態にも関わらず、‘ファンの為に’と体に鞭打って表舞台に向かうメンバーたち。

フラフラの状態で「フライングゲット」のMCの場に登場するあっちゃんの姿はもう正直可哀想過ぎて観てられなかった。
そこまでして出ていかなければいけない必要はあるのか。
彼女達を突き動かすものは何なのか。
これも当然、観に来て下さったファンを想っての事なのだろう。
ファンあってのアイドル。
それゆえの過酷な仕事もこなしていかなければいけない。
けど、その先に待っているのは、全力で成し遂げた事からの達成感。
コンサート後、人一倍気を使い仲間を励まし続けてきたキャプテンたかみなも疲労困憊で倒れ込んでしまうのだが

その姿には自身が満足いくコンサートを達成出来た事で、安心感故の張り詰めた緊張からの解放とも観て取れて、心から“凄いな”“良く頑張った”と画面に拍手を送りたくなる程の素晴らしさを感じ得た。

御茶の間のTVを通して観ているアイドルは華やかというイメージが一番強い。
しかし実際には裏では苦労も絶えない職業。

AKBのチームとして新たに結成されたTeam4。

研修生から主力メンバーになった事で少し浮かれ気味だった彼女達だが、リーダーがスキャンダルを起こした事で今度は逆境に立たされる事になる。
ここで求められるのはチームとしての結束力。

個人がやる気を出してもどうにもならない。
チーム全体が一つにならないと、舞台もコンサートも成功しないのだ。
少しでも何かが欠けていればファンには見抜かれてしまい、終いには離れていってしまう。
お互いを想い、助け合い、時には許す事も大切なのだ。

一つの曲をセンターというポジションで歌う。
ここにもそれなりの気持ちと覚悟を抱いていないと駄目だという事を、ジャンケン大会でセンターを見事勝ち取った麻里子様の表情からも知る事が出来る。

生半可な気持ちでは絶対務まらない。
「絶対やってやる!」という強い気持ち。
この想いを前面に威圧的に押し出した麻里子様に皆が圧倒され負けて行ったと言っても過言ではないはず。
正に麻里子様は気持ちで勝ったのだ。

可愛いから私もなってみたい。
歌と踊りさえ出来れば誰でもなれるんでしょ?

浅はかな考えだけでアイドルを夢見る少女も少なくはないはず。
しかし、アイドルにも成功する者もいればそうでない者もいるのが現状。
軽い気持ちだけで夢を求めているならば、その夢は諦めた方が良い。
いかに国民的アイドルは努力と苦労を重ね、ファンを一番に想い、傷つき合いながらもがむしゃらに成功の道を求めて歩み続けているのか。

答えはこの作品の中に全て詰め込まれている。
アイドルたちの汗と涙と努力の結晶を垣間見る事が出来る裏の世界を惜しみなく曝け出した本作はドキュメンタリー作品としても秀逸。
それだけに“アイドルなんて所詮・・・”と思っている方にこそ是非とも観て欲しい。
深く考えさせられ、驚かされ、最後には圧倒的な感動に包まれてしまう事が体験出来るはずである。
見応えは十分、これは間違いない。

オフィシャル・サイト

評価:★★★★★
12/05/11DVD鑑賞(新作)
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レンタル開始日:2012-05-11
メーカー:東宝

現時点での私の神推しは大島優子。
2推しは指原莉乃。
3推しは木下百花(NMB48)。

関連作:
『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?』(第1作)※個人的評価:★★★★
『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る』(第2作)
『DOCUMENTARY OF AKB48 NO FLOWER WITHOUT RAIN 少女たちは涙の後に何を見る?』(第3作)
『DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?(2014)』(第4弾)

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6 コメント

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Unknown (ふじき78)
2012-05-15 09:22:24
映画として、記録として、真っ当に面白かった。

多様性の裏に潜むこの「がんばり、と、そこから見れる素の表情」、これを見せられなくなった時がアイドル集団がファンから手放されてしまう時じゃないだろうか。

という事で「オーディション番組」が低調になってしまった後のモ娘。が没落していったという。きつい商売だなあ。
返信する
Unknown (KLY)
2012-05-15 10:27:14
優子のあの舞台裏の涙、マリコ様の胸でひくひく泣く姿にもらい泣きしました。そうだよね、悔しくない訳がない。でもあっちゃんの事を想う気持ちも本当だろうし。人間誰だってああだと思う。綺麗ごとじゃない素の優子が見れて益々彼女が魅力的に思えましたよ。あとたかみな。やすすがAKBとはたかみなだと言っていたけれど、正にそのとおり。アレだけの人数の女の子たちがみんなたかみなをリーダーとして自然に認めている。本当に大した物だと思いました。
唯一の不満がですね…さしこ推しの私としては、エキストラごっこぐらいしか出てこなかったことかな(笑)まあ全然フィーチャーされてないメンバーもいるんだから贅沢なんですがw
返信する
>ふじき78さんへ (ヒロ之)
2012-05-16 02:17:11
同感です。
記録映画としては本当に良く出来ていました。
見応えあり過ぎて続けて2回も観ちゃいましたよ。

アイドルという職業は皆が思っている程楽じゃないんですよねぇ。
ファンがいてこそ、人気があってこそなんですから。
それらがなくなったらメディアからも一気に干されてしまいますからね。
モー娘。も全盛期の頃に比べたら今では表舞台にも出て来なくなっちゃいましたから。
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>KLYさんへ (ヒロ之)
2012-05-16 02:28:45
同じくです。
優子の悔し涙には思わず貰い泣きしてしまいました。
その後あっちゃんの元に歩み寄って「辛かったよね」と抱き合う姿を観て再び貰い泣き。
優子の心の清さ、温かさにはいつもほっこりとさせられます。
優子の純粋な人間性には本当に惹かれます。

たかみながいてこそのAKBですよね。
彼女がいかにあれだけのメンバーを力強く引っ張っているかが凄くこの作品で解りました。
たかみなにはリーダー性が十分にあると思います。
たかみなについていこうという皆の気持ちも痛いほど伝わってきました。

KLYさんはさっしー推しでしたね。
エキストラごっこは面白かったですが、個人的には被災地での握手会で、後ろを振り返って子供たちに微笑みかけるさっしーの表情がとても印象的でした。
さっしーは明るくて優しくていつも元気。
そこが私は好きです。
返信する
Unknown (wataro)
2012-05-21 10:58:59
こんにちは!出遅れてしまいました。

要所要所はNHK等で見ていましたが、フルではまだ観ておらずきちんとしたコメントが出来ずにすみませんm(__)m

西武ドームでのコンサートの舞台裏が結構使われていますね。皆がぼろぼろになりながらもステージを一生懸命に作り上げていましたね。

彼女達はいつも全力投球、20歳前後の若さで私の何倍も濃い人生を歩んでいるので、時に自分自身が恥ずかしくもなり(笑)励みにもなっています。
初めて『ビギナー』を聴いた時の鳥肌は今でも忘れられないなぁと。

AKBの存在は新鮮で今も面白く感じておりますがが、最近では大人達の都合で動かされている部分が見え、正直『あ~、これかわいそう』と思うことが多々あります。

大人の事情、世間のしがらみやアンチなどに負けず、どんな時も初心を忘れず夢を諦める事無く、とにかく走り続けてほしいです。

これらかも感動のドキュメンタリーであってほしいですね(^^)

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>wataroさんへ (ヒロ之)
2012-05-23 00:13:28
こんばんは!
コメントどうも有難うございます^^

個々のエピソードはちょこちょことTVで流れていましたが、この映画ではそれらをもっと詳しく濃く編集していました。

西武ドームの所はもう本当に驚きと感動で一杯でした。
ファンの為には幾ら疲れていても気力を振り絞ってステージに上がって行く彼女らの姿を観ていたら涙出そうになりました。
いや、泣きました。
特にあっちゃん、優子、たかみなの姿勢には涙無しでは見られなかったですよ。

個々が凄く努力しているんだなぁと改めて感じさせられましたが、確かに大人の事情で動かされているものもありますね。

苦労も絶えないとは思いますが、おもいっきり楽しみながら光輝ける環境を作ってあげるのも大人の仕事、スタッフの優しさではないかと私は思います。

AKBというグループを足場に羽ばたいていくメンバーの姿をこれからもずっと追い続けていきたいものです。

それにしても見事なまでのドキュメンタリー作品でした。
今年のマイベスト10入り確実ですね。

是非、wataroさんも御鑑賞下さいませ^^
返信する

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