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~紆余曲折の日々の中で...

COP21が始まりました!

2015-11-30 | 報道/ニュース
COP21がパリで始まりました。2週間をかけて、将来の地球環境について議論をし、山積する課題に対処するため、前向きの取り決めをするとしています。

1997年の京都会議(COP3)で、京都メカニズムが導入されてから18年、革新的な、核心に迫った会議が開催された事があったのでしょうか?大変、疑問です。政治的ショーになってしまった感のあるCOP会議、先進国と途上国間の責任の擦り付け合いなどが見ものかも知れません。

こういう会議では途上国側を主張する中国、世界の25から30%のCO2を排出していると云われています。2030年にピークアウト、それ以降は削減努力を行うと云っていますが、2030年と云うと15年先です。それまでに、320億トンCO2X30%X15年=1440億トンのCO2を排出しても良いと云っているのと同等です。これは、日本の現在の排出量からみれば、110年分に相当します。おかしなものです。

また、インドについては途上国で間違いはないのですが、同様に多くのCO2を排出しています。この両国が、地球環境のためという理由で、経済成長のスピードをスローダウンするとも思えません。CO2の削減は、現在の技術レベルでは、エネルギー消費の自粛=成長の停止か減速につながるのですから、同意はできないでしょう。

アメリカについても、同様です。オバマドクトリンといって、石炭火力発電に対して、1kW当たりのCO2の排出量を500gにするという通達を出していますが、うまくいくのでしょうか?石炭火力をすべて停止し、天然ガス、シェールガスによる発電に切り替えれば別ですが、到底、すぐに実行できるプランでもありません。

日本では、超々臨界発電技術(AUSC)の実用化や燃料電池(IGFC)などの技術開発が進められています。前者については、大変クリーンで発電効率の高いシステムになっていると聞いています。JPOWERの磯子発電所などは、世界で一番クリーン、無公害の発電所だと云われており、海外に輸出しようという動きもあります。ただし、CO2については、他の石炭火力よりはかなり軽減されますが、天然ガスに比べると多くのCO2が排出されます。CO2を地中や深海底に貯留するという取り組みを始まっていますが、時間は掛かりそうです。

ところで、CO2が温暖化の元凶であるのか?これについても大いなる疑問があるようです。寒冷化が始まっているという科学者もいます。グリーンピースの創設者の話によれば、このCO2元凶説による、現在の世界的な動きは、科学的根拠の希薄な政治ショーだと云っているくらいですから、本当かもしれませんね。

もっとも、資源確保という観点からは、炭素資源の確保は必要であり、それ=低炭素化という方程式は正しいと思われます。

さて、これからの2週間の動きに注目してみましょう。

因みに、公益法人地球環境戦略研究機関(IGES)は、日本に関する提言として次の項目を挙げています。

(1)2020年までの取り組みを強化しつつ、2030年削減約束を引き上げることで、2050年80%削減目標達成に向けた明確な道筋をつけるべきである。

(2)エネルギー計画を見直し石炭火力を縮小すべきである。

(3)二国間クレジット(JCM)などの市場メカニズムを活用し、排出量取引制度を含めた包括的な炭素価格付け(カーボン・プライシング)政策を導入すべきである。

(4)日本は低炭素化に向けた国際動向に遅れを取ってはならない。

次に、国際合意に関する提言として、

(1)パリ合意には、各国が自主的に決定する2020年以降の約束(NDC)について、取り組みの意欲度の継続的な向上を促す5年ごとの評価・検証サイクルの設置が含まれるべきである。

(2)パリ合意では、法的拘束力のある中核的な合意文書において、すべての締約国がNDCを提出し、実施し、定期的に更新することに関する法的義務を規定し、NDC自体は変更が容易な登録簿のような非法的文書のツールに記載するべきである。

(3)評価・検証サイクルが機能するために必要な科学的知見を十分に集めるために、気候政策研究機関「コンソーシアム」の設置を提案する。

(4)NDCの評価・検証サイクルでは、これまで多く議論されてきた「2℃目標達成に必要な負担・努力」と同時に、低炭素化に伴って発生する様々な機会と便益に関する情報も重要な役割を果たすべきである。

(5)パリ合意には、低炭素化と気候変動にレジリエントな社会を構築するために必要な資金を確保するための、評価・検証・強化サイクルの設置が盛り込まれるべきである。

(6)パリ合意の下では、締約国は資金に関する全体での動員目標を5年ごとに更新するべきである。





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