風竿の「人生の達人」烈伝

愛すべき友、仕事・趣味の磯釣り・ゴルフ・音楽、少しの読書などにまつわるあくまで「ヒト」に重点をおいたブログです

冬来たりなば即ち

2013年12月29日 23時59分09秒 | 風竿日記

とうとう本格的な冬が訪れた。

今年の夏の暑さを思うと、冬の方がいいようにも思えるが、忘年会が雪崩落ちてくる12月と新年会が目白押しの1月はちょっと大変な季節なのだ。

体調管理にと再び家の周辺を歩き始めた。

湖の回りを約4キロただ黙って歩く。

色んなことを考える。

仕事のことは勿論なのだが、

友人のこと。

自分の健康管理のこと。

嫁さんのこと。

老後のこと。

この先の生活のこと。

趣味の音楽のこと。

想いは真冬の木立にこだまするほどだ。

歩くことは人生に似て非なるものがある。

坂道もあれば下り坂もあるのは当然にしても、

川も越えねばならないし、山も、谷も・・・・

息が切れそうになった時もあった。

大体に苦しいことが多かったのだが、

そうやって何とか歩いてきたのだと思う。

 

とうとう今年もあと2日となってしまったのだが、最後に体調を崩してしまったのが痛恨の極み。

来年からは自分の体をもう一度きちんと立て直して、前向きに人生を送っていかねばならないと思いを新たにしている。

冬来たりなば、即ち春遠からずである。

とりあえず、歩くことを継続して蓄積した脂肪を燃焼させ、体重を70キロ台に戻すこと。

血糖値6を切ること。

煙草をやめること。

えらく宿題の多くなった歳の瀬ではある。

 

 

 

 

 

 


住みたい田舎、全国第二位は素晴らしい

2013年12月28日 23時59分43秒 | 風竿日記

武雄市が宝島社が毎年実施している全国の住みたい田舎町で、見事全国第2位に選ばれたという。

5万人あまりの小さな地方都市が、いつの間にか全国区になってしまった感が・・・・。

しかし、これは何とも素晴らしい快挙だと素直に称賛したい。

私の仕事の中心は武雄市なんである。

今は佐世保勤務なのだが、それでも多くのお客様のお付き合いは断然武雄の方が多い。

ちょっとしたお付き合いでも私たちの仕事に必ず通じるのだから、けして疎かにできるものではない。

そして、そんなご縁は一夕一朝で出来るものでもない。

地域のコミュニティーというものは、色んな分野で関わりあって、腹の底からおつきあいすることにより、自然に醸成されていくものなのだ。

まあ、たいした財産も持ち合わせてはいない私だが、人脈だけはお陰さまで財産といえる位に積み重ねてきたように思う。

その意味からも、一番友人が多い武雄が全国区になるのは、とても喜ばしいものなのである。

そんな武雄の音楽シーンを22年間支えてきたスタジオINPUTさんの年末ライブに出かけた。

レッドツェッピリンの完全コピーバンドFAt-DEPRLINが福岡から着てくれたんである。

ジャンル的には私の好みではないが、小さな町でお客様を呼ぶ苦労を知っていることから、主催者の気持ちを思うと、行かずにはおれなかったのだ。

 演奏は勿論のこと、いでたちから、コスチュームまで、完全コピー

爆音ともいうべき音の洪水の中で、耳なりがする空間に身を置いた。

とにかくまあ、凄いの一言

そのメンバーの皆さんが挙って言う。

武雄は素晴らしいよね・・・・。

音楽ライブは街中で行われているし、温泉はいいし・・・・。

まあ、予想したよりも多いお客様で、ホッと胸を撫で下ろしたから良かったのだが、

音楽イベントで苦労するのが、動員力の問題。

色んな仕掛けをしてきたものの、いつも動員に泣かされてきた。

インフラの整備もさることながら、もっと音楽に理解と協力の得られる町にしてこそ、真の住みたい町になるのだと思う。

文化と中核都市機能・インフラは両輪だとも思うのである。

ともあれ、武雄市の努力に敬意を表したい。

 

 


自然からのプレゼント

2013年12月27日 20時33分39秒 | 風竿日記

小笠原諸島の西ノ島の横200メートルに、突如として海底火山の噴火で島が出来ていたのは12月はじめのこと。

これで領土が広がるなどと島国根性丸出しに喜ぶ輩もいたが・・・・・

それがみるみる間に大きくなって東京ドームの10倍の大きさに成長(?)したのだと。

地学と自然科学が大好きな私には、たまらない出来事なんである。

いやはや、地球は生きている星なんだと改めて思い知らされる。

そしてそれが西ノ島本島と本当に繋がってしまった。

繋がるBefore afterがこの写真

繋がったら、これは・・・・何かに似てませんか????

そうです。あのスヌーピーが突然現れたんであります。

領土問題など、どこ吹く風でスヌーピーが笑って現れたではありませんか・・・・。

元々すべて地球のものなんであります。

そこにお世話になっている人間が、自分のものだと主張しているようなもの・・・・・。

私達が法務局に登記して固定資産税を払い、住んでいる土地も

「すべて地球からのお預かり物なんだ・・・・。」と云わんばかりに

スヌーピーが出現してそう云っているように見えて仕方がないんです。

               

まったく自然のちからというものは、素晴らしい

ゆめゆめ、我ら人間がこの地球を支配しているなどと思わない方がいい

スヌーピーはそんなことを云っております。

南シナ海と東シナ海の覇権を狙い、国内のざわめきをナショナリズムに置き換えようとする中国当局のみなさんを嘲笑うかのごとく

230万人の戦没者、いや一般市民を加えると330万人が死んだ先の大戦

死んだら靖国に祀るからといわれて、祖国のために死んでいった方々の英霊に対して心から弔い、不戦の誓いをたてるのがどうしていけないのか・・・・・。

まあ、それはおいといても、地球上の土地は間違いなく、母なる地球のもの。

私達は間借りしているにすぎません。

 

 

 

 


二つの音楽番組

2013年12月26日 23時59分36秒 | 風竿日記

どうにか脳梗塞の疑いは晴れた。

ということで、不便なJR通勤をするつもりだったけど、思い切って車で佐世保まで通勤してみた。

用心しながら時間をかけて通勤するつもりで、家を少し早めに出発した。

1時間ほどで佐世保営業本部へ辿りつくと・・・・・。

職員が朝の掃除の手を休めて、

「大丈夫ですか・・・。みんな心配してますよ。」

と駆け寄ってくれた。

「ご覧のとおりの情けないことになったよ・・・・。」

と歪んだ顔で笑ってみせた。でも笑いにならないほど頬が引きつる。

しばらくはリハビリに精を出さねばなるまい。

それでも最悪の結果にならなかったのは母のご加護なのだ。

我が家の庭に不定期的に咲くフリージャは母の意志そのもの

私が転機を迎えるときに突然花開くんである。

今年も4月の始めに突然地中から起き上がってきた。

さて昨日はステキなクリスマスプレゼントが二つ

まずは10時55分からNHK総合で、福岡天神のフォーク喫茶照和に出演していた若者の50年後を追ったドキュメンタリー

スポットライトを大いに浴びたのが、私の音楽仲間井手さん。

「UNCLE HARRISON」というライブスナックを長崎市内で営んでおられるお方。

温泉deビートルズ音楽祭にも三年連続でご出演いただき、先日は「ジョンレノンの夜Vol 14」にもゲストでご出演頂いた。

とても素晴らしいヴォーカルを聴かせてくれる。

どうしてプロにならなかったのか・・・・・・・

若き日の苦悩を引きずりながらも、今も唄っているというドキュメント

中々の切り口であったが、傷口の深い部分には触れずに、とても配慮された編集が優しくてNHKらしく、とてもよかった。

井手さんとは同級生ということもあり、同じ音楽環境を歩いてきたことから、話がとてもよく合う貴重な友人なんである。

このご縁をとても大切に思っているのだ。

その番組が終るとすぐに恒例の小田和正さんの「クリスマスの約束」が始まった。

なんとゲストに吉田拓郎が登場

最近ライブをやっていなかったらしく、フアンにとっては目が釘付けになったことだろう。

小田和正との異質の二人のトークはとても面白かった。

とても贅沢な番組で音楽性も一部を除いて高く、いい番組であった。

「クリスマスの約束」というタイトルも素晴らしい。

そこで、私も妻にクリスマスの約束をした。

「身体を早く治して元気に仕事に行って、心配かけぬようにするね。」

クリスマスイブからずっと半ベソを掻いていた妻が

初めてニコッと笑った。


朝日と夕陽

2013年12月25日 19時32分49秒 | 風竿日記

風邪の疲労もあるのだろうか、フラフラする中で妻に付き添われて脳外科病院の受付をした。

こんな時には妙に手際のいい妻は、何やら大きな荷物を車に忍ばせていた。

即入院、というシチュエーションを想定して慌てずに良いように、入院の荷物を詰め込み、わざわざチェックシートまで準備していたのだという。

まあ、何とも妻の声がいつもより優しいのが小気味悪いのだが、おそらく症状から見て8割がた脳梗塞かと覚悟を決めて診察室に入った。

検査は血圧、問診、脳内CT検査で終った。

ペットボトルの水が上手く呑めない。上手だった筈の口笛が吹けなくなったこと。

視界が急に狭くなったこと。

とにかく身体がきついこと・・・・。

昨日お客様回りをしていて、何度もふらついたこと。

などを正直に訴えた。

音楽で繋がっているNドクターは、脳内は何の異常もみられない。

一過性のウイルスによる顔面神経痛で全治1ヶ月半だという診立て。

投薬治療とリハビリで、ちゃんと元に戻れるのだと・・・・・。

誰にでもあるヘルペスみたいなウイルスで、極端に体力が落ちたときに神経細胞に入り込み、コントロール不全にするのだという。

何ともその場にヘナヘナと座り込みたいような心境であった。

とりあえず、不幸中の幸い

壊滅的なダメージではない。

待合室で独りポツンと待っている妻に、ドクターから言われたそのままを伝えると、聞く前からもう涙ぐんでいた。

昨日はお互いに不安な中、最低・最悪のクリスマス・イブを過ごしたんである。

妻にも申し訳なく思ったのだが、生憎私には疲労困憊で、労わる元気も思いやりも持ち合わせてはいなかった。

風邪のせいもあって熱っぽく・・・・、とても車の運転などできよう筈もなかったのである。

年末のくそ忙しい時、今日もお客様との断れない大切な日程が入っていたのだが、お休みを頂くことにした。

信用金庫に迷惑をかけて申し訳なかったが、明日からは佐世保に復帰でき、年末の繁忙期はしばらくJRで通勤することにした。

みんな頑張っているのに、リタイアなんて出来る筈も無いのだ。

写真は全部が日の出の写真なのである。

ところが、見方によっては夕陽の写真にも見えてくるのが不思議。

そこで「ハッ」と気付かされる私。

人生悪く考えるとたそがれの夕陽ばかりを見ることになるのだと・・・・。

気力漲る日の出をイメージして、まだまだ頑張らねばならないのに、である。

実は、もうブログなど書けなくなると思い、倒れたら妻にアップしてもらおうとしたためた、幻の原稿を紹介して、私自身への戒めにしたい。

 

 

「絶筆かも・・・・ 」                  平成25年12月25日

 

どうも昨日の朝から体調がおかしい。

唇がしびれて、食事していて裏側の唇を噛んでしまったりする。

涎はまだ出てはいない。

ペットボトルの水、呑んでて少しこぼす。

煙草がうまく吸えない。

顔が曲がったようになる。

目がみえにくい・・・・。

これは・・・・軽い脳梗塞をおこしているのだろうか。

実に疑わしいのだが、血圧は何度も測ったものの、そんなには高くなかった。

とりあえず明日の朝、脳外科の病院を予約した。

還暦を超えた歳なので、なにがあってもおかしくはないのだ。

覚悟はいつも出来ているつもりなのだが、こればかりはね。

早寝早起きをして、健康的な生活をしなくてはならなかったが、それが中々できなかった。

ブログの所為にはしたくはないが、遅くまでパソコンに向かってきたここ5年ほどの日課のツケが、ちゃんと回ってきたのかもしれない。

またお客様とのお付き合いを、ここぞとばかりに好んでこなしてきたことの金属疲労もあることに間違いは無い。

それに最近は輪をかけたように睡眠が不足していた。

往復2時間の自動車通勤も、確かに、きついのはきつい。

帰り道などは混んで1時間半ほど運転するハメになるのだ。

とまあ、愚痴ばかりが浮かんでくるのも情けないものだ。

 

もしこのまま体がいうことをきかなくなったらと・・・・投稿をしたためた。

また書ければありがたいのだが・・・・。

どうもおかしいんである。

所謂、脳梗塞の前兆ぽいんである。

 

突然、血管が破裂して意識不明に陥り、気付いた時には半身不随に陥るやもしれぬ・・・・と恐怖が次第に頭の中を占領し始める。

症状からはそのリスクも充分に覚悟せねばなるまい。

 

書けなくなるとすれば、これだけは云っておかねばなるまい。

これまでこの拙いブログをご愛読頂いた友人の皆様、長い間ありがとうございました。

一日にGooブログ登録者200万人中、ベスト1000に毎日入るくらいの、身に余るアクセスの数を賜り、心から感謝しております。

そのアクセスがとても励みになり、日記だと続かないグータラな私が、これまで5年あまりを継続して人生の日々を刻み込んでまいりました。

それはけして煌めく日々ばかりではなかったけれど、目の前の何気ない光景が、実はとめどもない珠玉の真実や美しさが溢れていたことに気付いただけでも、ブログを書いてきて良かったなあと、しみじみ思わされています。

それから、この夏にせっかく我が家に嫁いできてくれた妻には、まったく申し訳ないと謝らねばならない。

 

幸いに軽度ですんだならば、必ず回復させて、またブログに向かいたいと思います。

みなさん、ありがとうございました。

そして、メリー・クリスマス 

                                  尾形風竿

以上原文のまま・・・・・

 

さて、地獄から生還したような気持ちでありますが、毎年クリスマスにはアップしていた大好きなクリスマスソング

今年もご紹介できる幸せを噛み締めつつ、ああ、またあの世から母が

私を護ってくれているのだと思わされています。



 皆様いいクリスマスを・・・・


豊穣の海

2013年12月24日 20時11分52秒 | 風竿日記

23日は妻のご両親を誘ってカキ焼きと竹崎蟹を食べに出かけた。

せめてもの親孝行なんである。

この日は、朝から唇に痺れを感じていたのだが、

「なんくるないさ!」と出かけたのであった。

カキ焼きレストランの向こうには豊饒の海が広がっていた。

地元の人々が「前の海もん」として古くから馴染んできた、たくさんの魚貝類を育んできた有明海である。

沖には海苔の網が連なっている。

ここまでは干潟になるということなのだ。

生憎の曇り空に、写真も無彩色の渋ーいものとなったのだが、それが却って面白いんである。

有明海らしい穏やかな波が打ち返す単調な繰り返しを、ただ黙って見つめていた。

ペットボトルのお茶を呑もうとしたのだが、上手く呑めなかった。

やはり唇が麻痺している。

相当苛め抜いてきた体だから、まあ覚悟は出来ているのだが、やはり気持ちのいいものではない。

これは一度病院に行かねばと秘かに決心した。その時の海である。

コバルト色の干潟の海

しかし、何か暖かさを感じるから不思議だ。

有明の海は豊穣の海。

お国は臭い物に蓋をしないで、ちゃんと仲を取り持って欲しいものだ。

すっかりモノトーンの世界になったので、最後に少し目を覚ましましょうか・・・・。

このシクラメンのように元気にならねばと思っていた時に、私の敬愛する山口県のM先生から電話・・・・・。

何と言うグッタイミング。

久しぶりのお声を聴けて、少し元気が出たのであります。

ということで、明日朝イチで脳外科へ・・・・・。

実は倒れた時のために「絶筆」という草稿を別に準備までしておるのでございます。

本当にブログバカな私ですね。

今夜は早くやすみます。

 

 

 


シクラメンが咲いたよ

2013年12月23日 23時58分39秒 | 花の日記帳

今年も慌しい師走がやってきて、ジングルベルをけたたましく鳴らす。

そんな日々の中で、我が家の出窓の主役であるシクラメンが今年も可愛く咲いてくれている。

寒い冬に咲く花は、いかにも健気なんである。

例えば花ではないが、千両万両なども素晴らしい。

山歩きをしていて、思わずハッとさせられる宝石のような美しさ。

消費税アップだの、5000万円貰っただの、射殺事件だのという世俗から離れて、草花を愛でていると

普通の神経に立ち戻されるのか・・・・何故か「ホッ!」とするのである。

 

夏場枯れない程度に水遣りをしたシクラメン

秋になると充分に気遣いながら、水を切らさぬように

そして蕾がつくと、たっぷり水遣りをしてきた

それに応えるかのように、見事な花を咲かせてくれる。

花は神秘の極致だ。

観られようと観られまいと、ただ咲ききる。

はからいは一切なく、咲くのである。

禅の教えにある「無為不待」

私たちにんげんももかくありたいものだと思うようになった。


ペンペン草のうた

2013年12月22日 23時59分20秒 | 風竿日記

薺忌に若きロケットを飛ばす夜酒は染み入る断腸の圏へ

                             風竿

 

若くして夭折した歌人笹井宏之くんに捧げた歌である。

隣町の有田にこんな素晴らしい才能が存在していて、中央歌壇からも激賞され始め、

それはロケットの如く飛び立とうとしていた矢先の死であったのだ。

そんな彼の命日1月24日はやっと寒梅が可憐な蕾をふくらます頃

寒椿や、水仙などもあるのだろうが、私は敢えて七草の一つである薺(なずな)を彼を想い偲ぶ日の花に選んだのだった。

凡庸なペンペン草は春の七草の一つ薺のことなんである。

しかしこの草、ただ者ではないのだ。

よく見ると可憐な実に可愛い花をつける。

そこで、不世出の若き文人に相応しく、私一人で「薺忌(なずなき)」と勝手に決め込んで、彼の冥福を祈っているのである。

笹井宏之君が生きておればどんなに素晴らしい短歌を詠んでいてくれただろうか

どんなに素晴らしい音楽を発表してくれただろうかと

今でも悔やまれてならない。

ご両親も勿論優れた芸術家なのだが、子としても生きてさえいてくれたらとの想いはお強いことと拝察する。

ただ亡羊と年齢だけを重ねてきたに過ぎない、こんな老いぼれなどは生きていても何の役にも立たぬのに

素晴らしい才能は夭折するのである。

そこには測ろうにも計れない命の無情がある。

年末の三連休を忙しく過ごした私が、ヨレヨレのパソコンの前に座ってふと想ったこと。

それは、言葉に無限の広がりを見せる笹井君の短い生涯と、私の今のささやかな人生が、クリスマスの喧騒に沸く、街のキラメキの中で交差する時でもあった。

今年も彼の命日に静かに酒を呑もうと想う。

もちろん「ひとさらい」という彼の遺した歌集を肴にである。

 

 

いつもより遠心力の強い日にかるくゆるめたままの涙腺

 

フロアには朝が来ていて丁寧にお辞儀をしたらもうそれっきり

 

                               笹井宏之

 

 

 

 


大根の葉っぱ

2013年12月21日 23時57分56秒 | 風竿日記

秋から冬にかけての私のささやかな愉しみがある。

別にたいしたことではないのだが・・・・。

間引きされた大根の葉が市場に出回るのだ。

これを綺麗に洗って、鷹の爪を入れ、塩で一晩漬け込むと・・・・

これがあーた、えもいわれぬお漬物に生まれ変わるんでアール。

温かいご飯に味噌汁でもあれば、これだけで充分な食卓が囲めることになる。

しかも一袋鈴なりに詰め込まれていて、100円

道の駅「黒髪の里」で買えば消費税はそれに含まれているのである。

本当は大根のタネにに生まれてきて、私のような立派で大きな大根になりたかったであろうに、

青々と葉っぱを広げ、今から立派に成長しようか・・・・

という時に、仲間の成長を助けるためにあえなく間引きされてしまった輩が、一把からげて100円なんである。

そんなことを思いながら、丁寧に扱って一夜漬けにする。

大きなボールに寝かせて、中蓋を敷き、上から2リットルのペットボトルを重石にして、

「美味しくなってちょんまげ!」

とおまじないを唱えると、

次の日には、ほかほかご飯の親戚になるんである。

ところがこれが抜群の旨さ。

禅の教えにもある一汁一菜の戒律を守ることにも通じる。

塩加減でその日の出来栄えが違ってくるので、結構奥が深い、菜っ葉漬物道。

この方40年の年季を積み重ねた私は、風竿流免許皆伝の漬物師だと自負している。

モニターは我が家の奥方様であるのだが、

一度口にすると狂喜乱舞して、泣いて喜ぶのだから、まんざら手前味噌ばかりではないんである。

そして間引きされた大根の葉が、こうして生まれ変わることも実に素晴らしいことなのである。

それは大袈裟に云うと、循環型社会のささやかな担い手ということにもなるんである。

それにしても大根の葉の一夜漬け、これほど旨いものがあるだろうか。

 


嗚呼、忘年会

2013年12月20日 02時20分52秒 | 風竿日記

12月、師走

すなわち、忘年会の季節なんである。

これはそのまま、信金マンは胃袋で仕事する時節でもある。

かくして今年もハードマンスリーが続いている。

ありがたいというか、凄いというか・・・・・

普段の生きざまの集大成がこのくそ忙しい月に結晶化されて出てくる。

仕事関連が圧倒的といえるのだが、これが13回、これでも減った方なんである。

親しい友人、県議、三夜待ち仲間、ライオンズクラブ、ゴルフ仲間、音楽仲間の忘年会を入れると軽く20回にも及ぶことになり、私は胃薬で胃腸を騙しながら呑み続けることになるのだ。

「人生は呑むことと見つけたり」

かって少年期には、酒呑みの父親を疎ましく思ったものだが、何のことはない。

自分もまったく同じ道を歩んでいるのである。

けして体に良くはないことは判りつつも、ついコミュニケーションという大義の前に杯を重ねてしまう。

元来、そんなにいける口ではなかったのだが、一種の職業修練ともいうべき宴席。

そこで、舞台のある限り踊らねばならない。

男は哀しい生き物ではある。

19日は、年に一度の中州での忘年会

贅沢な料理に舌鼓を打ち、可愛いおねえさんと語らい、

ヘベレケになって深夜ビジネスホテルに撃沈。

決まって眠る前に苦しくなって、トイレに駆け込み・・・・もどす。

しかし、こうしてお付き合いすることによって、次の仕事が繋がっていく。

「信金マンは胃袋で仕事する」を地でいっている、ポロポロの企業戦士がここにも約1名、居るんであります。