うさこさんと映画

映画のノートです。
目標の五百本に到達、少し休憩。
ありがとうございました。
筋や結末を記していることがあります。

0380. イルマーレ (2000)

2012年12月31日 | 2000s

イルマーレ / イ・ヒョンスン
97min 韓国

시월애 イルマーレ Siworae (2000)
監督 イ・ヒョンスン、脚本 ヨ・ジナ、製作 車勝宰、撮影 ホン・ギョンピョ、音楽 キム・ヒョンチョル、編集 イ・ウンス、俳優 チョン・ジヒョン(声優役キム・ウンジュ)、イ・ジョンジェ(建築学科学生ハン・ソンヒョン)

 

「美しい映像」を撮るぞと決意している作品。えらーい。むかしサントリーの烏龍茶で中国の少女たちが戸外で踊るコマーシャルがあったけれど、あの空気感に近いトーンでした。ねらいすぎて、ちょっぴり音楽プロモーションビデオのように撮れてしまった場面もなかにはあるものの、若々しくて好感がもてた。微妙な難しさをはらむ脚本をていねいに演出している。

進行速度はゆったりめ。時空がずれている恋人たちというSFの古典的な設定をうまく使いこなしている。「未来から届くお手紙」「過去から届くお返事」という不思議を、いっさい説明しなかったこともよかった。細部の矛盾は棚上げにして、ファンタジーを楽しみませう。

せっかくうまく雰囲気を出しているので、すれちがって終わるほうが余韻が深かったかな。でも、そうしていたら興行上は大きなダメージだったに違いない。「いっしょにみると結ばれる」という縁結び効果が喧伝されて韓国では大ヒットだったのだとか(笑)。(わたしが関係者でもせっせとその噂を広めるぞ)。なんであれ恋愛映画はハッピーエンドが無難らしい。ハリウッドのリメーク版も、たしかそうだった記憶がある。女優のチョン・ジヒョンはこの翌年『猟奇的な彼女』(2001)に主演している。個性のある役者さんですね。

 

メモリータグ■海辺の家。よくこんな干潟に土台を組んだなあ。