ある日、ある場所に“棺桶”を担いでやってきた5人の紳士(堤真一、溝端淳平、野間口
徹、小手伸也、藤井隆)たち。
この“棺桶”はどうやら、5人のうちの1人が懸賞の外れくじでもらった景品だ。せっか
くのもらい物を役立てようと、男たちは考え始める。仲間の誰かが死んで、この棺桶の中
に入ろうと、あれこれ議論が始まる。どのように死ねるのかと模索する5人のところへ、
ショッピングバッグを抱えた不思議な女性2人(高田聖子、中谷さとみ)が現れる。彼女
たちのペースに巻き込まれていく5人だが、彼女たちこそ、同じ懸賞の一等くじの当選者
たちだった…。そして、その景品とは…。
別所実のブラックユーモアが溢れる不条理なコメディ。濃厚キャラで芸達者の役者たち
が、馬鹿馬鹿しいやりとりを淡々と演じ切る。その台詞は内容は刺激的。心も体も、脳も
カラカラな5人の紳士たちの会話劇。いざというとき、男性よりも女性の方が思い切りが
いい…決意は固いと思わせる。悩める大人たちのお話。
なかなか揃うこともないであろうキャストが魅力。笑いと謎が交差し、強烈なオチがや
ってくる。野間口徹は前半、ほぼ客席に背を向けている。その始まりは、序章でしかない。
70分という短い上映時間。集中して鑑賞したい。
☆東京、岡山での公演を経て、大阪は5月7日から11日まで。
その後は、福岡で15日・16日での公演となる。