夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『ステキな金縛り』

2011年11月20日 23時41分22秒 | Weblog
 ご存知、人気作家の三谷幸喜の監督・脚本作品。三谷幸喜くらいだろう、大物俳優を自由にいじれるのは、とつくづく思う。作・演出が三谷幸喜の「コンフィダント~絆」という舞台作で、秀逸な演技を見せていた中井貴一は、コメディアン的な演技ができることも魅力。と、くどくど説明するまでもない…・。主役級の俳優陣がそれぞれの役割を果たし、贅沢な1本の映画となっている。
 失敗ばかりが続き、弁護士として崖っぷちに立っているエミ。そして新たに担当したのは、ある殺人事件。被告人は無罪を主張するが、証人は、幽霊の六兵衛だけ。見える人には見えるが、見えない人には見えない六兵衛の存在。だが、エミは法廷に六兵衛を召還しようと、知恵をしぼる。しかし、融通が効かない堅物の検事・小佐野がエミの前に立ちはだかる。
 豪華なキャストが出尽くし、さんざん笑って2時間後、あの人がまだ出ていないことに気づく。そうよね、ちゃんと会わせてあげないと。ということで、笑ったあとは、少ししみじみとするラストが待っている。
 出演は、弁護士のエミに深津絵里。検事の小佐野には中井貴一。他に、竹内結子、佐藤浩市、阿部寛、篠原涼子、市村正親、深田恭子、草なぎ剛、などのキャスト。深津絵里が三谷監督の期待にこたえるコメディエンヌぶりを発揮している。

『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』(試写会)

2011年11月17日 00時17分18秒 | Weblog
 妻は、夫が定年退職を迎えるころ、離婚を切り出すことが多い、らしい。夫の定年退職とともに、夫から退職したいと妻が思うのだが、夫は、自分との生活に妻が不満を持っているなど思いもしないというのだ。そばにいるのが当たり前で、空気のような存在であるがゆえ、すれ違う思い。『RAILWAYS』シリーズの第2弾である今作は、人生の節目を迎えた一組の夫婦の物語。
 富山で鉄道運転士をしている滝島徹は、定年退職を1ヶ月後に控えている。徹の妻・佐和子は、看護師の資格を持ちながらも、結婚後は専業主婦となっていた。ある日、徹は佐和子から看護師の仕事を再び始めたいと言われる。しかし、徹は佐和子の申し出を受け入れることができず…。
 仕事一筋の鉄道運転士・滝島徹を演じるのは三浦友和。その妻・佐和子に余貴美子。その娘を、小池栄子が演じている。徹の後輩運転士には、中尾明慶、中川礼家二。風光明媚な北アルプスの下、夫婦の再生と家族や同僚との絆が描かれる。監督は、前作で助監督をつとめていた蔵方政俊。主題歌は前作と同じ、松任谷由実。
 ちょっと出来すぎな感じのストーリーではあるが、鑑賞後は各々のこれまでの夫婦関係を見直すきっかけになるかもしれない V(^-^)V。
  

『マネーボール』

2011年11月14日 21時53分46秒 | Weblog
 タイトルの『マネーボール』」とは、野球を統計学でしよう、とするもの。貧乏球団だから人気選手をとるお金がない。お金がないからいい選手を集められない。それなら、統計学的に野球をする。四球でも塁に出る確率の高い選手を起用するという、そういった考え方だ。多少、守備が悪くても出塁率の高い選手の出場を優先する。アメリカなので、選手のトレードや解雇は日常茶飯事。選手も、泣いたり、わめいたりなんかしない。ただ、現実があるだけだ。
 メジャーリーグ球団アスレチックスは、貧乏球団。GMのビリーは、資金が限られている中で、勝つための方法を考える。イエール大出身のピーターもアシスタントとして引き入れた。データ重視の運営論に、フロントや監督はあきれかえる。しかし、誰も予想しなかった奇跡が訪れる。
 ブラッド・ピットが演じるのは実在の人物。信念を貫く男の強さと離れて暮らす娘に見せる弱さを演じ分けている。
 レッドソックスからGM史上最高額の契約金を蹴ったビリー。今も“夢”の途中である。
 ところで、日本の球団にも、お金があるとこないとこ…がありますが?? お金がある球団は、本当に金にモノを言わせてるなぁ、と思うのであります。

『ツレがうつになりまして。』

2011年11月02日 09時15分39秒 | Weblog
 うつは、誰もが罹患する可能性がある珍しくはない病気だ。“心の風邪”とも呼ばれるが、この風邪が少々長く続くことがやっかいではある。ただ、この病気に対する偏見がまだまだある。この映画は、夫婦がどう病気と向き合うかを、ほのぼのと描きながら、うつ病になった夫の目線だけでなく、妻の立場からも描かれている。
 売れない漫画家のハル。ハルが連載していた漫画は来月で打ち切りが決定する。夫の収入があるので、今まで漫画は趣味みたいなもの、そんなスタンスで仕事をしていたハルだった。ハルは、夫のことをツレと呼ぶ。ところが、そのツレの様子が少しおかしい。食欲がないと言ったり、背中が痛いと言ったり。ツレはきちんとした真面目な人。お弁当のおかずは区分けしてきれいに詰め込み、ネクタイも曜日よって色を変えている。だが、仕事はパソコンの苦情係で、ストレスが溜まる部署だ。毎日、満員電車に揺られながら、気の重い仕事へ向かっていた。
 ハルは、夫・ツレの変化に気づいてはいたが、うつだと聞いて驚く。しかし、ただ静かに見守っていきたい、そう考えていた。そして、ツレは退職。
 ハルは、連載をもっていた出版社に「ツレがうつになりまして。仕事を下さい」と、頼み込む。ツレは気分がいいときと悪いとき…を繰り返していたが、夫のうつ病と向き合うことで、ハル自身にも心に変化が芽生えていたのだ。
 妻のハルを演じるのは宮崎あおい、夫・ツレには堺雅人。大河ドラマ「篤姫」でも夫婦役だった二人。呼吸がぴったりで、違和感がまったくない。演技も上手くて素晴らしく安定しているので、スクリーンから伝わってくるエネルギーがすごい。ドラマティックな出来事が起こるわけではないのに、2時間があっと言う間に過ぎる。監督は『陽はまた昇る』『半落ち』『日輪の遺産』の佐々部清。今回の作品は、それらとは違い、ほのぼの系である。一気に泣かせようとしていない分、ジワジワとやってくる。
 夫婦が飼っているイグアナの演技にも注目だ。