夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

「愛を読むひと」

2009年06月27日 22時30分48秒 | Weblog
 1958年、大戦後のドイツ。15歳の少年マイケルは、36歳のハンナと恋に落ちる。あるときから、ハンナはマイケルに本の朗読を頼み、それが二人の愛の儀式になる。しかし、ある日突然、ハンナはマイケルの前から姿を消す。
 そして8年後、法学生となったマイケルが傍聴席で見た裁判は、戦時中の罪に問われるハンナだった。ハンナは、彼女自身の゛ある秘密゛を守るために、裁判での不当な証言を受け入れ、無期懲役になる。
 その10年後、マイケルは服役中のハンナの゛朗読者゛になることを決意する。
 日本人にはわかりにくいかもしれないけど、貧富の差が激しい国ではそう、あると思います。貧富の差は、勉学の差、学力の差になる。それで罪人になってしまうことなど、よくあることだ。
 前半のエロティックな描写は、後半の落ち着いた場面と反比例する。その対比が心に痛い。
 36歳から30年にわたるハンナを演じるのは、ケイト・ウィンスレット。大人になったマイケルには、レイフ・ファインズ。
 アカデミー賞受賞作品。
 

「群青 愛が沈んだ海の色」(試写会)

2009年06月19日 22時17分36秒 | Weblog
 沖縄の島を舞台に繰り広げられる、再生と癒しの物語。最愛の人を海の事故で亡くし、精神のバランスを崩してしまうヒロインに長澤まさみが扮し、新境地を見せている。
 20年前、世界的に有名なピアニスト森下由起子は、療養のために南風原(はえばる)島にやってきた。そこでウミンチュ(漁師)の仲村龍二と知り合い、恋に落ちる。しかし、生まれたばかりの子ども涼子と龍二を残し、由起子はこの世を去ってしまう。
 涼子が生まれた年には、島では2人の男児、大介と一也も生まれていた。18年間、3人は幼なじみでありながら、兄弟のように、成長していく。
 だが、ある夜に一也が涼子に愛の歌「トゥバラーマ」を歌ったことで3人の関係は変化。大介は那覇の大学へ行くため予定より早く離島し、涼子と一也は結婚の約束する仲となる。だが、まだ大人になりきれていない2人の結婚を涼子の父である龍二が許すわけがなかった。
 そんなとき、かつて龍二が由起子にしたように、涼子のために宝石サンゴを取りに海に潜っていた一也は、海で溺れて亡くなってしまう。一人残された涼子は精神的に不安定になってしまい…。
 原作は宮木あや子の『群青』。監督は、これまで沖縄にこだわって映画を撮ってきた中川陽介。涼子の幼なじみの役には、大介に福士誠治、一也にはこれが映画初出演となる良知(らち)真次。
 ラストの印象的なシーンで、観客が共感できるかどうかがポイントになるだろう。

「6年目も恋愛中」(DVD)

2009年06月11日 12時37分26秒 | Weblog
 交際6年を迎え、愛というよりは、ほとんど惰性?で付き合いが続いているのか、倦怠期を迎えてはいるが、お互いそばに居て当然だと思っているダジンとジェヨン。隣どおしに住み、ほとんど同棲しているという間柄だ。
 このままの関係を続けるかどうか、悩む二人の前に新しい出会いが訪れる。その後に気づくダジンとジェヨンの本当の思いとは…。
 主演は、ドラマに出演すれば高視聴率をはじき出し、映画でも興行を見込めると言われる韓国で圧倒的人気を誇る女優、キム・ハヌルと俳優としても成長著しいユン・ゲサン。
 話の展開が読めるだけに、もっとラブコメにしてもよかったかも。’78年生まれ同士の共演ではあるが、ユン・ゲサンが若く見えるのは、キム・ハヌルに年下と共演しているイメージがあるからかもしれない…個人的意見ではあるが。もしくは、キム・ハヌルもベテランの域に達してきたということか。
(2008年、韓国)

「剣岳 点の記」(試写会)

2009年06月05日 21時31分41秒 | Weblog
 『八甲田山』や『鉄道員〈ぽっぽや〉』など、美しい映像で観る人を魅了してきた名カメラマン・木村大作の初監督作品。撮影は苦難を極め、完成するのは難しいのではないか…と言われていたが、木村監督の今作への強い思いで、完成にこぎつけた。
 100年前の、陸軍陸地測量部測量隊の足跡を辿り、リアリティに徹した撮影が感動を呼ぶ。

 明治40年、日本地図最後の空白地点を埋めるため、剣岳への初登頂と測量を命じられた測量部の柴崎とその一行。しかし、標高2999メートル、体感温度氷点下40度の極限下など、大自然の脅威を前に測量は困難を極めた。しかも、日本山岳会も゛前人未踏゛の剣岳の初登頂を目指していた。陸軍の威信をかけて測量隊は剣岳へと挑む。
 当時は、その険しさから「針の山」と言われ、宗教的理由からも登ってはいけない山と言われていた剣岳。この映画は、名誉のためでも、利己のためでもなく、仕事に誇りをもつ男たちが、剣岳に挑む物語。
 その映像美は言うまでもないが、少し長く感じるかも。山好きは必見か??
 測量部の柴崎芳太郎は浅野忠信が演じる。剣岳の案内人には香川照之、柴崎の後輩・生田信を松田龍平が、また柴崎の妻を宮崎あおいが演じている。